映画評論のページというのはいくつかあります。僕も色々な人の声を聞いて,面白そうな映画の見当をつけます。で,映画の評論というと色々とサイトがあるわけなんですが,自分に必要な,欲しい映画の評価というのは意外と見つけにくいものなのです。人が多く集まる評論ページほどいい映画を見つけやすいとあなたは思うかもしれません。ですが,人の嗜好には一つとして完全なる重複というものがありません。あるいはあなたの映画の好みというのは一般とは大きくズレているかもしれません。ようするに,映画の面白さというのは,多数決で決まるわけではないのです。あくまで,自分が面白いと思うかどうかで決まります。ですから,多くの意見が集まる場所では,より多くの,自分とは趣味の違う意見の中に埋もれてしまい,自分の趣味に合った意見というのが見つけにくくなるのです。僕はその問題に対して二つの方向からアプローチし,情報を収集しています。一つは,多くの意見が集まる場所で,すべての意見を聞くこと。もう一つは,たくさんある個人サイトの評論ページの中から,自分に趣味の近い人のページを見つけることです。個人のサイトでは相手の好みを見極めて,こっちの好みとどこが重複し,どこが重複しないか判断する必要があります。
まわりくどいですが,僕という個人の好みや趣味も,あるいはある人の参考になるかもしれないと思ってこのページを作りました。感想が欲しいわけでも,友達が欲しいわけでも,アクセスや人気が欲しいわけでもありません。何かしら映画を探す時の参考になればと思います。そして,私と趣味が似ていると思った人は,私にも紹介してください。情報を交換しましょう。そして,それが目的ではないですが,友達になれるのなら,それを拒絶する理由はこちらにはありません。
色々分類は考えましたが,結局,タイトルの辞書順しか分類方法がありませんでした。あと,点数は傑作★★★★★。論外★の五段階評価です。星一つでもコメントに面白そうな感想を書いている時もあるかもしれませんが,その辺は自己責任で観てください。
以下に好きな映画や★★★★★の映画のタイトルだけ並べましたので,私の傾向を掴んでください。
「スタンド・バイ・ミー」「オネアミスの翼」「ダイ・ハード」「セブン」「ファイトクラブ」「刀ブレード」「ジュラシックパーク」「エイリアン2」「呪怨」「デッドオアアライブ 犯罪者」
このページの映画の感想には追記されません。続きは映画の感想(2)へどうぞ。
全件数
どうでもいいアクション映画。ウェズリー・スナイプスの体のキレはなかなか。
国連の秘密工作員が罠にはめられて,偉い人の暗殺犯に仕立て上げられる話。そんでもって真犯人を突き止めると。
そんなに画期的な部分はなかったなあ。この手のアクション映画も見慣れてしまった。この映画の特徴は全体にアジア系というか,中国系のキャストで占められてるということです。犯人が中国の組織なので。アジア系のモデルも僕は嫌いじゃないですが,アメリカで評価されるアジア系のモデルってどうにもイけてない。俺の好みじゃないというか。全面的に適当ですいません。ながら鑑賞なのでよく見てないっていうのも本当。
星四つに限りなく近い三つ。感動作。音楽に使われる数々のビートルズナンバーがいい。ダコタ・ファニングが超絶的にかわいい。
7才児の知能しかないサムは,それでも近所の手も借りて娘を6歳まで育てていた。だが,小学校に入るとき,そして彼女が父親よりも賢くなろうというとき,ソーシャルワーカーがサムには子供を育てる能力がないとして彼女を取り上げてしまう。
私の映画評は脚本中心であり,先の展開が読めるものには点が辛く,予想外の展開をみせるものには点が甘いという傾向があります。というわけでのこの映画はあらすじを聞いただけで先の展開が分かるという,脚本的には勝負をしかけないと楽しめない作品。けど,何の勝負もしてないので,予定調和的に普通に話は進み,普通に話は終わる。音楽がいいと人から聞いてなければ観ることはなかったと思う。6歳まで知的障害者が子供を育てるというのは,近所の手を借りてもちょっと無理っぽいんだけど,それ以外はあんまりファンタジーになってないストーリーだと思います。
障害者の演技というのはアカデミー賞を狙う役者がみんなやる演技なので,ここでもああまたかと思ってしまう。もちろん,ショーン・ペンはいい演技をしているんですが,それでもね。
最初に書いたように,音楽のビートルズナンバーがいいです。ずるい感じで胸に染みる。そして既にブレイクしまくっているダコタ・ファニング。この映画の彼女はさらに特別にかわいいので,ストーリーが平凡であるとしても,音楽とショーン・ペンの演技と彼女のかわいさを観るためにレンタルしてもいいと思います。
普通のサスペンス。登場人物が紋切り型で「ふーん」って感じ。つまらないわけじゃないです。ミステリーとして最低限のマナーは守ってるんじゃないでしょうか?
溺死に見せかけて暴力的な夫から逃れ,別の町で別の人間として過ごすことにした女性。しかし,彼女のトリックに気づいた夫が彼女を追い始める。
1991年の映画だそうですが,この頃のジュリア・ロバーツは文句なく美人ですねえ。僕はプリティ・ウーマンをリアルタイムで観たときは美人だと思わなかったんですが,この映画はその頃の彼女の人気に完全に乗っかって公開されたものです。
逃げた先で出会う男の人がなんだか典型的ないい男で,「都合のいい出会いだな」などとひねくれた見方をしてしまいました。
潔癖症で暴力的な夫から逃れるため、溺死を装って姿を消した若妻はアイオワでの新生活を始めるが……。過去を抹消して人生のやり直しを図るヒロインと、彼女の前に立ち塞がる偏執狂の夫の闘いを描いたサイコ・スリラー。傑作「W/ダブル」のJ・ルーベンによるサスペンス演出は及第だが、ストーリー展開の要となるはずの、夫が妻の偽装工作に気づくくだりが、ただ単にヒロインの失策によるものという脚本には芸が無い。
allcinemaには上記のような解説が出ているが,解説文で脚本の穴に触れるというのは珍しい。実際,偽装工作に気づくきっかけがミスっていうのは,こういう映画を観ている方としては悲しいのではないだろうか。もっとも,火曜サスペンスなら抗議が来るのかもしれないが,映画でジャンルを分けるのは難しいもので,これも目をつむってもいいかなと思う。
それにしても内容を知らなかったので,タイトルからてっきり,駄目になっていくカップルか夫婦の話かと思ってました。なんでこんなタイトルなんだろ?
期待していなかったら楽しめた。これはこれで時代を切りとってるんじゃないか? そのわりに背景や小道具が時代錯誤をしていて違和感あったけど。
バンドブームのころ,ロックをしていた駄目ロッカーのなんだか煮えきらない苛立ちみたいなもの。
インターネットでは否定的な感想が書かれていて,覚悟して観た。予備知識として持っていたのはこんな感じ。日本とか日本のロックとかメジャーとかを否定し続ける主人公がウザイ
,ヒロインが都合良すぎる。女に何を求めてるんだ。
僕はバンドブームの頃には,それを聞いていただけの世代なので,映画観ても,時代の空気を感じても,それを懐かしいと思うことはありません。ただ,当時の社会風俗を感じるだけです。
否定的な気分にはならなかったな。駄目男って感じで。あと,ヒロインが非現実的って意見があったけど,駄目男にはたまにこういう彼女ができたりするもんです。
万人向けでないことは認める。時代性を無視して観ることができないからだ。あくまでこういう時代の物語ですよと提供されたものを,そのままの形で受け取れる人だけが観ることができるだろう。気に入る,気に入らないは別として。観るときの気分によっては傑作になりえるかも。
展開が二転三転して面白い。そもそも脚本に五人の名前が入っている映画なんて初めてです。けど,終わった後にあんまり感想が残らない。
富豪の男は知り合ってすぐに結婚した女の過去が気になり探偵を雇って過去を調査する。女は自分が調べられていることに勘付き,かつての恋人と連絡を取ると,そちらに惹かれ,亭主への不満を漏らす。
古い白黒映画です。女の過去に何があったのかとか,いろいろ気を引く要素はあるんだけど,テクニックに走りすぎた感も無きにしもあらず。とはいえ,よくできている。白黒映画に抵抗がなければ観てもいいでしょう。女優もきれい。
妻が浮気しているという妄想に,男が次第に取り憑かれていく。
男の妄想が超ウザイ。腹が立ってくる感じで。
ま,サスペンスなので,ギリギリまでホントに浮気しているのかどうかは分からないと言えば分からない。
念のため言っておくけど,エッチシーンはほとんどないです。男の妄想のキスシーンくらい。
この馬づらヒロインはSEX AND THE CITYの人では?と思ったらその通りだった。結構面白いコメディなんだけど,絶賛して「嘘つくな」と言われそうで怖い。個人的には四つつけてもいいな。
女が帰宅した彼氏を誤って射殺してしまう。短い回想シーンを繋げながら,偶然が偶然を呼ぶドタバタコメディ。
この手のドタバタコメディは,完璧なものを作ろうとするととんでもなく疲れるので,このくらいの完成度で勘弁してやろうという基準がある。で,私の中の基準は超えた。このくらいがんばっているなら全然オッケーだ。
殺人事件がすぐに起こるんだけど,その事件を中心にしたミステリー風のものを期待してはいけません(ロック,ストック&トゥー・スモーキングバレルズとは違うということ)。ラブコメともちょっと違う,ノンセクションのドタバタ。俺はノンセクションっていうのに好感を持つんだけど,特定の分野,ラブコメディとかミステリーコメディに偏ったものを期待するとよくない。
豊かな物語である。老いた夫婦を演じた主演二人の演技は素晴らしい。
女性作家アイリスが,アルツハイマーを発症する。夫は彼女を介護し,再び言葉を思い出させようとするが,病気は彼女から言葉を奪っていく。
地味な内容ながらとても素晴らしい。介護問題やその他の社会問題にするのではなく,実在したアイリス・マードック夫妻のドキュメンタリーとしたことで,誰もが観れる内容になっている。夫婦の物語は夫婦だけのものとして完結している。それに感情移入させてしまうところが見事です。
タイトルはわけ分からんけど,結構スタンダードなミステリ映画。
取調室から話は始まる。権利を読み上げるが,女は何もしてないので弁護士など必要ないと言って刑事の質問に答え始める。二人に問題があると思ったのはいつですか? では彼女はいつも殺してやるなどと言っていたんですね? あなたはそのときどうしましたか? 女が質問に答えていくうちに,説明のつかない部分が出てくる。
デミ・ムーアとブルース・ウィリスが共演しているんだけど,その辺は意識させません。どっちも演技派なので,役柄になりきっています。
真相は分かっちゃったんだけど,それはそれとしてきれいにまとまっていると思います。
プロの銀行強盗が脱獄する。相棒と逃げ出すときに連邦捜査官の女を拉致して,彼女の車で逃走する流れになってしまった。銀行強盗は彼女に惹かれ,彼女もやがて彼に惹かれるようになる。彼女を気にしながらも彼女と別れ,男二人は銀行強盗ではない大きなヤマにとりかかろうとしていた。
シャレた会話とテンポのいい進行。何人かの登場人物が交錯して物語はときにスピーディーに,時に間抜けに進行していく。
こういう映画ではよくできた映画です。銃を構えた間抜けな白人が,階段で転んで自分の頭を撃ち抜くシーンはなかなか面白い。はあ?って顔がいいです。あと,チンピラが度胸を試されて人を殺した後,明らかに顔つきが変わっているところがさり気ないけど素晴らしい演技だと思います。
可もなく不可もなくって感じですか? なんかこういう映画が最近多くて,どうも目新しさを感じられないのが残念です。
芸術作品なんだろうけど、退屈。
ベトナムの金持ちの家に奉公のために10歳でやってきた少女の生活。
なんで褒められてるのかよく分からんです。役者がウケたのかな?
原作読んでると多分駄目なんだろう。私はまだ積ん読状態。そんなわけでストーリーが楽しめた。「あややかよ」と思うだろうけど,ボロが出ない程度には形になってます。
離婚したはずなのに戻ってきて家に居ついた男を追い払おうとする少年。しかしそれがうまくいかないことを知り,家族を守るために男を殺すことを決意する。倒述推理。
冒頭にロードレーサーで海岸線の道路を走る主人公が映されるが,そこでさっそく白ける。ギアを掛けたロードレーサーで道路の右側を走るということはありえないです。海を背景に自転車をこぐ主人公を撮りたかったのは分かるんだけど,だったら逆方向に走らせればいいのだ。この映画ではこの後も何度も主人公が「正しいライン取り」ではなくて,「撮影に都合のいいライン取り」で走るので,見ていてガッカリします。ストーリーは普通なのに自転車のシーンで毎回白けるという最悪なパターン。ま,こんなことが気になるのは自転車乗りだけだろうけど,それでも,撮影のために現実にはありえない行動をしているというのは観る方を白けさせるものだなあと思った。
映画としてはよい出来です。間延びするシーンもないことはないけど,基本的に無駄なシーンやショットはないように思えます。日本映画では珍しい。ジャニーズとアイドルが出ている映画としての期待は上まわっているかと。
馬鹿馬鹿しくもこういうのが日本映画だよなあ。エロスがいいです。褒めるけど。
知り合いのホームレスが生前に宝の話をしていたのを思い出し,男が隠し場所を見つけに行く。赤い橋のそばの家に隠したということだが,男はその家の女と知り合う。
どこかの映画評論で「カンヌ」を意識し過ぎというコメントが載っていた。「うなぎ」を観てこれを見ると確かにそういう感じがする。僕は知らなかったけど,これが今村昌平という監督なんだろうなあ。ただ,じゃあつまらないとかあざとさが気にかかるかというと,そんなことはないです。
役所広司のキレる演技ってどれも一緒だなあ。これはよくないね。
印象としては,馬鹿馬鹿しいコメディタッチの演出と,日本映画のジメッとした感じと,先の展開の読めない不思議なストーリーと,エロさが心に残る秀作でした。
ハリーポッターが原作を映像化することを目的として作られたように,赤毛のアンも原作のファンがどうしても映像で見たいという欲求を持っていることを前提として映画が作られているように思う。というか,「赤毛のアン」は原作知らなくても楽しめるが,こうなっちゃうとなんだかよく分からないです。
僕個人としては最後まで映画化してもいいんじゃないかと思う。ファンがもしもいるんならね。
全体のまとまり方は普通です。この時代の女性がタフに生き抜いていく姿を撮った物語で,なんとなく戦後の世代にはウケがいいだろうなと思いました。全然関係ないけど,現代の女性が地に足がついていないように見えてくるんだからよくない。もちろん,一部の派手な女性のせいだと分かっているんだけどね。
介護問題とトラウマの映画。重いけど綺麗に終わる。
母がアルツハイマーになったので主人公の女は同居を始める。自分を愛していなかった母との逃げられない対立の始まり。
暗いかと思ったらそうでもないです。重いかといったらそうでもないです。ただ,主人公の心情や迫真性といった点で迫るものがあります。介護の必要な母を置いて旅行に行きたくなる心理。全く役立たずにフェードアウトしていく恋人。今も日本のどこかで確実に存在する物語です。
やや間延びする。もっと切り詰めてもよかったと思う。
おしぼり工場で働く若者の無目的で怠惰な生活。ふとしたきっかけで同僚からアカクラゲを譲り受けた主人公が,淡水に慣らしながら育てていく。
ネットで感想を読むと,感情移入できなかったとか,駄目な若者を嫌悪する意見が多かったです。僕は面白いと思いました。おそらく,こういう主人公たちの行動はホラーというジャンルでは当たり前で,こういう無目的で未来の見えない閉塞感が爆発するというのは,タクシードライバー以来のパターンなのである。この映画は別に暴走したり爆発したりはしないけど。
まあ,無理に観るほどではないかもなあ。ストーリーとか,欠点が多いし。俺は面白かったけど。オダギリジョーもよかったです。
近未来。兵器としての超能力に目ざめた少年がその力の使い方を選択する。
映像としての映画。トラウマになりそうな映像が多いです。ストーリーは映画単体で観ると終わり方がさっぱりです。結局最初のバイクシーンが一番カッコいいってことになりかねない。それまでのストーリー展開はぐいぐいと観てしまうほどですが。気持ち悪いのでそういうのが駄目な人にはおすすめできません。ただ,アニメの歴史の上では外すことができない傑作です。美少女が出ないというのもなかなか。ホントに色づかいとか独特なんですよね。登場人物も動きまくるし。
オリジナルも超が付く傑作やんけー! すばらしい。馬鹿な邦題つけた奴はどこのどいつだ?
テキサスの片田舎を旅行中に若者五人が遭遇する恐怖。「悪魔」も「いけにえ」も関係ありません。
リメイクの方を観ているわけだけど,どっちも素晴らしい。ビデオで鑑賞。DVD版は映像がハッキリし過ぎててよくないとかなので,ビデオで観たのは幸いだったかも。荒い画像に時代を感じさせるし,クリアな画像で恐怖を味わいたいなら「テキサス・チェーンソー」がよいでしょう。こっちのよさは,まず女優の演技。そうとう現場は凄かったらしいけど,剥き出しの恐怖を見事に表現したマリリン・バーンズは最高です。そしてリアリティ。縛ってから女を運ぶときに,電気を消し忘れたと言って部屋に戻るシーンなんか,並のセンスじゃないと思います。
残念なのが邦題。「悪魔のいけにえ」ってタイトルじゃ,それだけで手に取らない人がいるだろうに。「テキサスのチェーンソー大虐殺」でオッケーでしょう。
リメイクがそんなに失敗しているわけじゃないことも分かりました。どっちも傑作じゃん。
洋館に住み,二人の子供と共に,夫の戦地からの帰りを待っていた女性が三人の使用人を雇う。それから次第に館の奇妙な現象に気がつき,翻弄されていく。
なかなかにスリリング。誰がおかしいのかまるで分からない。どうにもオチが言えん。うまいなーと俺は思った。
女優陣の競演が面白いけど,普通。
ふとしたことで父が不倫をしていることに気づいた四姉妹は,母には内緒にしておこうと決める。
簡単に言うと,女の人生ものでしょうか? つまらないとはいわないけど,普通。
別に北村龍平が嫌いだから点が低いわけじゃない。映画がつまらないから北村龍平が嫌いなのは確かだけど。登場人物達がなんで戦っているのか,目的を観客に提示することに失敗している。ストーリーが原作に比べてステレオタイプ。カメラワークは忙しいが,それは許容範囲。総評するに,例によってアクションの演出とか盛り上げ方が下手なので,観ていてだれる。ハリウッドで優秀な演出家やシナリオライターと一緒に仕事をして,彼らからきちんとその技術を吸収できれば大化けする監督だろうけど,現時点では駄目な映画を撮る駄目な監督だなあ。
暗殺者として育てられた少女あずみが豊臣と家康の争いの陰謀に巻き込まれる。……でいいのかな?
イントロ,原作で衝撃的だった部分がごっそり入れ替えられている。原作では「使命」というものが全体のストーリーラインで重要なウエイトを占めていたと思うのだが,それが軽くなっている。現代の観客に理解させるのが難しいからこういう改変をしたのかもしれないと好意的に解釈することもできるけど,原作がヒットしているんだから,この世界観は変えない方がよかったんじゃないかと思う。
オダギリジョーは好きな役者です。この映画でもよかったと思います。あと,りょうも好きなモデル/女優で,この映画でもよかったと思います。
けど,映画は,つまらない。
不条理なシチュエーションコメディ。狙いは分かる。この手の映画を撮らせたらアメリカ人がうまいわけで,実際,そちらの馬鹿馬鹿しさには負ける。けど,まあまあ。期待しなければ楽しめるレベル。期待すると駄目。
暇だという理由だけでガソリンスタンドを前夜に続いて襲撃する四人組は,昨日と違って金が手に入らなかったので立てこもって店員の代わりにガソリンを売って売り上げをいただくことにする。
同時期に公開された「スペーストラベラーズ」よりマシと評価された作品。僕も邦画に偏見はないと思っているけど,三谷幸喜以外では日本映画のコメディセンスというのは最悪だと思っているので,邦画よりはマシだと感じてしまう。
この手のアイディア映画では途中でダレるもんだし,ややダレかなーというシーンもある。けど,なんとかうまくつなげられていると思う。
全然関係ないけど,韓国映画がはやっているとはいえ,韓国名を覚えるのは一苦労だなあ。今のところ「魚と寝る女」のキム・ギドクくらいしか覚えてないや。
この監督名マジですか? 一人特別美人のオカマがいます。もう全然オッケーって感じの。ストーリー展開は月並み。けど,こういう映画はベタでいいのだ。
オカマのバレーボールチームが国体優勝を目指す。
思わず見てて笑ってしまうくらいの美人,ゴッゴーン・ベンジャーティグーンが必見ですね。なんだか信じられない。主役らしきジュンちゃんもまわりを明るくしてくれる存在感がなかなかです。ものすごく面白いかと言われると,うーん,やっぱりひいき目というか先入観的なものの見方をしてしまいます。
いわゆるメタフィクション。映画脚本家がそのまま映画に出てくる。脚本が書けないと苦悩する姿が出てくると共に,書いている脚本の内容が映像として出てくる。
ニコラス・ケイジの駄目っぷりが全面に出ています。
あとはまあ,劇中で脚本について語ったことが実際の脚本に反映されてるという感じに注意していけば観て楽しめると思います。友達と語ったんだけど,「普通の映画」にしか慣れていない人には厳しい映画だと思う。
妙におどろおどろしいサスペンス映画ってとこ。
イギリスのパブリックスクールの男女生徒四人が消え,一人だけが18日後に戻ってきた。授業をサボって地下の穴に隠れていたが三日の予定が狂ってしまったのだという。生き残った一人の生徒の証言などを通じて,何が起こったのか,その真相に迫る。
証言のそれぞれに回想シーンが出るのでどれが真実なのかは観ているうちは分からない。けど,これは「真実はどれか」ではなく,「何が起こったのか」に興味を持たせて,その謎でぐいぐい引っ張る映画である。地下で監禁生活をしていくその緊張感の高まりが異常性をはらんでいて,恐怖として伝わってきます。
連続殺人事件を扱うサイコホラー。ビックリするほどつまらない。なんていうか,現実離れした人間の行動が多すぎて,見る方が白けてしまう。
連続殺人事件を扱うサイコホラーってだけで一応のあらすじにはなりますよね?
ナイトヘッドもそうだけど,この監督って本当に才能がないと思う。観ていてどんどん白けちゃうんだもん。独特の雰囲気っていうのも分からないことはないんだけど,この監督の場合,人間の行動が不自然だからなぁ。行動が不自然だと,雰囲気以前の問題になってしまうのでどうにも駄目です。星一つにしないのは,まあ,それでもなんとか映画の形になっているからなんですけどね。ナイトヘッドももしかして真面目に観ておかないと駄目なんだろうか? クローネンバーグを見習って欲しいものです。あっちは雰囲気は独特でも,人間の行動には不自然さがないでしょ?
まあ,メジャーでないと考えればそれなりにマニアックでいい映画なのかな?
役者の演技にはなかなか見るべきところがあります。
前に観たことがある映画だった。原題は「It could happen to you」で,「あなたにも起こるかもしれない」って感じか? テレビでなにげなく観る分にはとてもいい映画だと思う。
コーヒーショップでのチップがなく,宝くじの当選金の半額をチップ代りにあげるよとウェイトレスに約束した刑事が,400万ドル当選する。刑事と,刑事の妻と,ウェイトレスの人生が大きく変わっていく。
まあ,あらすじ以上のものはないし,ハッピーエンドは保証する。この話は実話らしい。それよりも,映画に出てくるヒロイン役のウェイトレスってみんな美人だよなあ。突っ込んじゃいけないところだけど,「チョコレート」のハル・ベリーのウェイトレスなんかありえん。ブリジット・フォンダのウェイトレスも同様。けど,こっちのウェイトレスの方が野暮ったさを演じられていると思います。
マトリックスの外伝をアニメで表現したオムニバス短編集。金がかかっててクオリティが高い。ストーリーそのものは凡庸で話に夢中になるという感じではなかったが,映像はよかった。
こうやって並べてみると日本のアニメの質が高いのと,手法がアメリカとまるで違うということが分かります。とにかく,意外と楽しめた。
後味が爽やか。途中の展開は黒いかな? リンク先にはネタバレの感想も多いので先に読まない方がいいです。
70年代。厳格過ぎる母から長女は逃げ出す。家に残していったレコードを聞いて育った長男はロックに目ざめていく。ひょんな事からロック評論家の卵となり,あるバンドのツアーに同行してストーンズ誌の記事を書くチャンスを手に入れた彼は,グルーピーのペニーという少女と出会う。
この時代が好きじゃないというか,私があまり享楽的な人間が好きじゃないので,ラリってセックスするだけの若者ってのに馴染めない。悪くいえば馬鹿みたいだし,よく言っても将来の不安から逃げているだけのように思える。
ま,それは本編とはあまり関係が無いんだけど,そんなわけで,そういうグルーピーの女の子の言動に右往左往してしまう主人公の心情ってのが切ないというかやりきれない。悪い意味じゃないんだけど,片思いの嫌な部分を見てしまったような気になる。
しかし,それが後半になってくるとだんだん許せるようになってくる。それぞれの人間が地に足をつけるようになるのである。
終わり方が爽やかで,「ああよかった」と思える一品。
耳の聞こえない青年がサーフィンにハマる。青年とその恋人,その他のサーファーなどまわりの人々を静かに描いた作品。
北野武の映画って終わり方が全部一緒でつまらない。
静かな映画としか言いようがないです。久石譲の音楽もワンパターンです。僕はあまり北野武の映画って好きじゃないです。何本か見れば,あとは同じ映画を撮っているだけっていう……。この映画はたけし本人が出ていないのですが,うーん……好きな人は好きだろうなぁ。僕はもう「またかよ」って感じしかしませんが。
奴隷船の奴隷が反乱を起こしたが,奴隷たちは逮捕される。その奴隷たちの所有権を争って裁判が起こる。裁判は奴隷制についてのアメリカの南北の対立を象徴したものになっていく。
悪い映画ではない。黒人の扱われ方のひどさが最後になって明らかになっていくと同時に,恐ろしい扱い方に背筋がぞっとします。
スピルバーグの道徳映画としてはいい出来の部類です。カラーパープルよりマシ。太陽の帝国より下っていうのが私の感想ですが,どっちも見てない人には分からないですね。
いい映画なんだけどどうも何かが足りないような後味。観ている時はじっと見てしまうんだけど。損はしないと思います。
なかなかの傑作。説教臭くない程度に日本の美を描き切った。
夫婦が無医村に越してくる。妻は診療所に勤めながら,村人と生活していく。村には死者をまつった阿弥陀堂に住むおうめ婆さんが住んでおり,町内誌の1コーナー「阿弥陀堂だより」を連載していた。
いい映画ですよ,これ。ストーリーは静かだけど,ちゃんと映画を分かっている人の作品です。年寄り臭いので(思春期や青春とは無縁),若者には勧められないかな? けど,俺もよいと感じたので,どんな映画でも観るという人はどうぞ。
学校に行ってなかったために人とうまく触れ合えなかった女性が,恋をして,勇気を出そうとする。
初恋物のなかなかの傑作。コミカルな演出がこっちに爽やかな気分をもたらしてくれて,全然嫌味じゃない。
つまらん。精神異常な連続殺人ものだけど,先の展開に対するドキドキ感がまるでない。映像の美しさだけである。
エリートの連続殺人犯の話。
この手の映画っていうのはいくつかの手法があるもんです。先の展開が気になるとか,犯人の動機はなんだとか。けど,この映画は犯人を主人公にしてるのに,犯罪を隠すためのサスペンスがまるでない。動機もない。観ている方としては,映画そのものに興味を抱けないという致命的な映画。映像をシャープに撮っていて,まあ,それで星を一つ増やしたけど,それだって映画監督をやっていれば映像手法の一つとして身につけていて当然のもの。評価するような物じゃないです。
前半,下品過ぎて笑えない。中盤,下品過ぎて苦笑。後半,やっぱり下品。ラストにさわやかでやんの。
男4人の童貞喪失作戦。もうそれだけ。
アメリカでモテない男って,ホントに冴えないんだろうなあ。いくらなんでもひどすぎるというか汚すぎる気がする。まあ,その最初の20分を我慢すると徐々に慣れてくるし,とにかく徹底した下ネタは,まあ,笑うしかないというより苦笑するしかないのだけど,何ヶ所かホントにおかしいところもありました。
アメリカ人種差別の映画。ヘビー。暗くて重い映画が好きならおすすめです。
あるアメリカの家庭が舞台です。そこには兄弟がいるんだけど,兄が「なんとか主義」に染まっていて,アメリカの黒人は根絶やしにすべきだという主張を繰り返し,白人のグループのリーダー的存在になっています。そんな兄が黒人二人を殺して刑務所に入ってしまい,出てきたら憑き物が落ちたように「自分は間違っていた」と言います。兄が刑務所にいるあいだに弟は兄の影響で人種差別運動に参加していました。出所したら一緒に活動するつもりだった弟は戸惑いつつも兄の話を聞くという話。
映画は兄が出所するところから回想を中心に進んでいきます。ホントにアメリカにはこういう問題があるんだろうなと思うと,どうにも気分が悪くなる一品。ラストシーンは本当に人種差別の根の深さとやりきれなさが伝わってきて,落ち込みます。
これは評価が分かれそう。子供は好きにならないかもしれない。大人も好きにならないかもしれない。忠実な西洋ファンタジー。ジブリアニメや,その他のアニメ映画監督とはまったく違う,別の才能だと思う。俺は,主観的に言わせてもらうと,また観ちゃうかもしれない。心に残るものがあることは確かだ。
人前に出ることなく婿がやってくるのを塔の上でじっと待っていると言われているアリーテ姫。だが実際の彼女は,抜け道からしばしば街に出ていた。やがて彼女に花婿候補がやってくるが,騎士達の考え方が好きになれない彼女は彼らに反発する。そんなとき,年寄りの魔法使いがやってきてアリーテ姫を妻に差し出せと迫る。そして,彼女は,魔法使いによって愚かで役に立たない姫に変えられてしまう。
色々注意点がある。まず,宮崎アニメではないということだ。主人公はナウシカではない。よって,喧嘩もしなければジャンプもしない。おてんばな姫ではない。思想的にリベラルな姫だが,その思想によって説教したり演説したりすることもない。そもそも,彼女はリベラルとは違う。アメリカで劇場アニメが公開されると,「ディズニーと違う」(下手をすると「ディズニーと違うから駄目だ」)というような評価をされることがあるらしいが,日本でも,「宮崎アニメと違う」という評価がされる可能性がある。観るときには,その辺の固定観念を捨て,あるがままに観る必要がある。
次の注意点。テンポやアクション,動きという点で,地味だ。登場人物達はみんなゆっくりとしゃべる。こんなにゆっくりしゃべる映画は実写も含めて久しぶりという感じである。
よい点。この映画にはまず,「この先どうなるんだろう?」という点で素晴らしい掴みを持っている。展開がまるで読めない。ゆっくりした展開にイライラしたが,伏線やなにげない描写が次の展開のヒントになるかもしれないので,飛ばして観るというわけにもいかなかった。じっくり観せられる羽目になるのである。
最初の30分で,城内の闇の描写に感心した。近年,ここまで闇をきちんと描写したファンタジーがあっただろうか? 廊下には電灯のスイッチもなく,そもそも電気が無いのだから,夜の城塞というのはこのくらい暗いものなのだ。おそらく,普通の中世ファンタジーを夢想したことがある人ならば,この作品の闇のリアリティにハッとさせられると思う。
凄い作品なんだけど,地味な印象のせいで商業的アピールが難しいのだろう。今でもどこかで劇場公開しているみたいである。好き嫌いはともかく,一度観て自分なりの感想を持って欲しい作品。「面白いから観て!」ではなく,「観た? どうだった?」と聞いてまわりたい。
テンポが悪いので,やはり子供は退屈すると思う。
以下,映画を観ての感想。
アニメというとファンタジーな印象が強く,一体,このイメージは自分の中でどのように形成されたのか不思議に思った。宮崎アニメではない。ゲームでもない。剣と魔法よりもっと前のイメージだ。おそらくは,80年代に色々作られた宗教アニメや,ハイジやアンや小公女セーラなどの西洋少女アニメ,NHKの冒険活劇アニメなどが私の原体験になっているせいだと思う。
アリーテを観ているとそういう小さい頃に見たアニメを思い出す。
なんで俺はこんな映画を録画しているのか? そんでもってなぜ30分で観るのをやめなかったのか? 俺には分からない。一応言っておくと,スコセッシ監督の作品だから目を引いたっていう理由はある。
古い映画である。滑り出しはあまりよろしくない。30分,1時間と経過して,だんだん話に引き込まれていく。最終的に,いい話を聞けたような気分になれます。
アリスは家の中で命令するだけの亭主との間に男児を一人もうけていた。息子が12歳になろうという頃,夫が死んだという電話を受け取る。
あらすじをまったく知らずに観たので,どこから話が始まるのかよく分からなかった。最初の五分で,「失敗したー」と思った。それは30分くらいまで続いた。繰り返しになるが,このキャッチの弱さを克服できれば,私としては星を四つ付けてもいいと思う。
古いアメリカの女性の映画。未亡人となったアリスがどのように子供を育てるか,自分の人生とどういう風に向かい合うか。労働者階級の静かで確かな物語である。
可もなく不可もなく。いわゆるアメリカンニューシネマ。
徴兵を逃れて教会の廃墟をレストランにし,日々を享楽的に生きる1960年代の若者たちの物語。
こういう時代の空気を映画に撮った作品って評価が難しい。だが,ジャック・ニコルソンが出てないので少し褒めよう。それと,観ていて,等身大に撮っているのにどこかヒッピーを馬鹿にしているという視点はなかなか面白い。
結局,ヒッピーってのもただのトレンドだったんじゃないかと思った。
ドリームワークス製作のCGアニメ。シュレックの前準備。ストーリーがディズニーっぽい。それほどのアンチテーゼはない。映像はいいけど,まだふっ切れた感じがないなー。CGのアリも,デザイン的にあまりよろしくない。
主人公の働きアリ「Z」は自分の仕事に疑問を持っていた。ある日,王女に会った彼は,彼女にもう一度会うために歓兵式(この単語,辞書に載ってないんだけど……)に潜り込む。
声優陣がやけに豪華ですね。
俺は面白いと思ったけどなあ。世間には評判が悪い作品。オチや真相についての評価であるなら多少は受け入れられるけど,「分からない」っていう評価は俺には分からない。分かりやすいと思うけどなあ。
幼いころに,妹の真利江がいなくなってから,祐一郎は自分でも気づかないうちに自分を責めていた。真利江がいなくなってから,家庭は少しずつ崩壊し,弟は情緒不安定,母は新興宗教にハマってしまっていた。ある事件をきっかけに,祐一郎は再び家族と向かい合うことになる。
家族と無関係のSMクラブの女王様が主人公を癒すのが分かりにくいのかもしれないけど,こういうのは家族ではなく,そういう無関係の何かがきっかけになるというのはよくあることのように思える。まあ,リアルかもしれないけど,映画的ではないと言われれば,そうかもしれない。
あらすじだけまとめると,結構平凡な筋になるんだけど,イントロから展開,そして収束まで,非凡な印象で,気が抜けませんでした。これは面白い。
子供向けの映画である。笑いあり,涙ありといった感じ。つまらないかというと,そんなことはない。けど,大人がわざわざ見るものかというと微妙である。
アンドロイドが物理的ショックから好奇心や創造性を手に入れ,自我に目ざめていく。やがて自分を改造し,人を愛し,人間として政府から認められようとする。
まず一つ。こういう子供向けの映画を真面目に撮影するというのはえらいと思う。予算は少ないのだろう。着ぐるみは確かにチープだ。白けないといったら嘘になるし,リアリティという意味でも馬鹿馬鹿しい。それを真面目にやっているスタッフ一同は偉い。子供映画を撮っているという自負だと思う。
前半は面白い。荒唐無稽な部分に慣れてくると多少のことには目をつぶれるようになる。家族がアンドロイドに慣れてくる部分と,観客が慣れてくる部分がシンクロしていていい感じである。
後半,アンドリューが恋をし始めると少し違和感を感じる。これは子供の「将来の夢」に「素敵な異性を見つけること」がランキングされる国民性と,僕の,「自我の確立や感情表現の欲求と,異性を求めるのは全然別じゃないか?」という感覚の違いではないかと思う。こういう物語は,僕だったら,周囲の偏見や差別を克服し,理解してくれる多くの人たちに囲まれ,祝福される段階で終わらせると思う。この映画では,自分は人間であるとか何者なのかといった自我を確立せず,主人公は当然のように異性にアプローチし,異性も相手の自我は気にしていないように求愛を受け入れる。子供向けとして単純にしたのか,原作もそうなのか分からない(おそらく原作は違うだろう)。だが,自我を中途半端にして求愛のステップに進んでしまうことに,ついていけないものを感じた。
あと,ロビン・ウィリアムズの女性の口説き方というのがどの映画でも共通なのはとても変だ。
アン・ライスっていったら「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」の原作者である。しかしこの映画はビックリするくらいつまらない。印象的なセリフはあるけど,普通の人はこれを観てどう思うんだろう?
元神父の警官は,逃走した犯人を追跡し,相手に銃を向けられて射殺する。その事件の直後に彼はある霊に取り憑かれる。射殺した男の銃が現場で見つからず謹慎処分を受けた彼は,真相みたいなものに迫る。
面白いとは思わないなあ。普通に霊に取り憑かれるのもミステリーとしてどうかと思うし,この霊も,ストーリーに必要不可欠なファクターというより,通常の謎解きストーリーを組み立てるのが大変だから伏線なしで謎を解けるキャラを用意したという感じである。
アメリカン・ニューシネマの代表作。終わり方は印象的だが,その他はそんなに面白いもんでもない。
麻薬を売って手に入れた金をもとに,バイクに乗って旅行をする二人の男。途中でヒッチハイカーを拾って三人になった彼らは,謝肉祭に向けて旅を続ける。
星三つでもおまけしたかなという感じ。さすがに名前に負けてサービスしたのかも。時代は切りとってるだろうけど,音楽に頼り過ぎだと思う。音楽以外のものでもムードや空気を表現して欲しかった。
まあ,面白くないな。やるせない現実っていうなら,ファイブ・イージー・ピーセスの方が好みである。音楽やバイクに思い入れがあればこっちの方がいいんだろうけど。
心理描写が確かにうまい。味わい深い小編である。
両親共に作家である一家四人だったが、ある日、両親が離婚すると言い出し、息子二人は二人の家を行ったり来たりする。別々に住む二人の間で子供たちは動揺する。距離を取ることでよくなる関係もあり、心が離れていく部分もあった。
感心するような映画だった。邦画のような印象を受けた。派手じゃないけど悪くないです。
最初から最後まで一気に見せる。これはなかなか見事な作品なんじゃないの? 欲を言えばもう一歩掘り下げてほしかったな。四つ星に近いです。
外国人の不法就労者の世話をする父を手伝うイゴールは,人を騙してタフに生きる少年だった。
設定と展開がとてもよい。「約束」も重くのしかかる。感動までいかないけど,登場人物の心情が伝わってきて,こっちの感情を揺さぶられます。
ホラーには点が辛いのは私の愛。ストーリー的には貧弱。コンパクトにまとまってるけど,現代人としての感覚(「馬鹿なこと言い出すな」「変なこと信じるな」「お前ら集団ヒステリーか?」)が映画の中にあった方がよかったと思う。そういう現代の感覚を対比させてこそ,こういうアニミズム的なホラーは際立つんじゃないかと思う。役者的には,天海祐希がよかった。彼女が主演とは知らなかったんだけど,普通の人とは違う迫力があって,ハマっていたように思う。天海祐希,渡部篤郎のファンなら楽しめるでしょう。ファンとしてストーリーにがっかりするかもしれないけど。映像的には,田舎の林の,神様が住んでいるような雰囲気が撮れていたと思います。
高知の山村,狗神筋と恐れられていた家系の女と,赴任してきた学校教師が関係をもってしまう。それに対する狗神を恐れる村人の反応は異常なものだった。
私の場合,期待せずに観たので,楽しめた。角川の伝奇猟奇因縁系の,いわゆるお得意のアレだ,と思ってしまえば,予想から外れることはないだろう。意外とエロかったのが収穫。天海祐希のセクシャリティは誰でもドキッとするのではないでしょうか?
このジャンルでも面白いものは作れると思います。その可能性だけは感じた。
イマイチ。いわゆる作者が作りたいものを作ったのではなくて,周りに作れと言われて,何を作りたいのかも分からずにとりあえず作りましたという雰囲気がぷんぷんする映画。
草薙素子なき公安九課でバトーやトグサなどいつもの面々がアンドロイド暴走事件の背景を追う。
攻殻機動隊の続編であり,原作を繰り返し読んでいる私にとっては,「ああ,あのエピソードね」とすぐに頭に入った。世間が難しいというほど難しくはなかった。ただ,こんな風に複雑に理屈をこねくり回しても,目の前の現実や人間が変わるわけではないし,それに対する人間の感情や反応も変わらないんじゃないかと思う。要するに,非現実的でまだるっこしいのだ。
けど,それよりも何よりも,この作品は作りたくて作ったものではないだろうということである。無理矢理中途半端なものを吐き出したというのが伝わってきて,俺は駄目だった。バトーが展示物を見るシーンや,択捉の祭りのシーンなど,ストーリーと関係のない映像が挿入されるところもかなりの減点対象。自己満足であることがどうしても伝わってきてしまうので飛ばしてしまいたくなる。こういうのは「ザ・セル」で充分だよ。
素でマジ泣き。これは感動作。
ある女性が死んだ。夫と息子に雨の季節に帰ってくると言い残して。そして梅雨が来る。父子は確かに実体を持った彼女と遭遇する。
まず言いたいことは,観ていて完全に展開が予想できたということだ。タイトルの意味も含めて,私が意外で驚いた点はほとんどない。それで,まさにその展開に泣ける。観ていて先の分かっている展開に泣いてしまった。
故人が何らかの形で残された人と出会い,もう一度言葉を交わすというシノプシスは永久不滅のスタンダードだと聞いたのは,この映画が公開されたときか,それとも鉄道屋が公開されたときか,その辺は覚えていないが,その通りだなあとしみじみ思った。
分かっているけど感動するよ。
主演二人が実生活でも結婚してしまったのはなんかイマイチだけど。
映画館で観ていれば評価はまた変わっていたと思う。
伝説のビッグウェーブ“ジョーズ” に出会うためマガダスカルからパリへ、ハワイからメキシコへと、シェーン、ミッキー、ケオニの3人は旅に出る。
大海原でサーファーたちが目にするのは、これまで見たことのない波のうねりだった。そこにはいつも死が隣り合わせ。遂に彼らは、これまで見たことのない“ジョーズ”と出会う。
彼らは最高の充実感を得るため、危険を承知で挑もうとするが……。サーファーたちは人生を賭けた挑戦に挑む!
実在の有名サーファー達が主人公に扮し、大胆なライディングシーン、華麗な妙技を見せる。
これまでの常識を覆した本格サーフィン映画。
引用した説明文では「パリ」になってますが,もちろんこれは「バリ」の間違いです。
サーフィンの映像は確かにすごいんだけど,映画になっていません。コンビニやドンキホーテで売っているような,スノボやWRCのビデオと同じノリです。映画館で観ていればその映像に惚れ惚れするんだろうけど,ビデオで,垂れ流しのようなサーフィンシーンと取って付けたようなつまらんセリフを聞かされても退屈なだけです。そもそもこの監督は「映画」というものがなんなのか分からんのじゃないか?
サーフィンシーンはいいです。興味がある人は一見の価値ありでしょう。「映画」を観たい人にとっては退屈な一本。
あと,サーファーという人種はよく撮れてると思います。サーフィンが好きな人って,みんなどこかこんな感じなんだよな。
実話。タバコ産業の内部告発をした男の話。
やばい奴らを敵にまわしちまったという感じがいいです。あと,「権力」というものの本当のすごさがちょっと分かる。
映画瓦版にあった感想ですが,脅迫に奥さんが耐え切れずに逃げ出すところが印象的です。これが映画なら奥さんは旦那と一緒に戦うところですが,実話では奥さんが逃げます。内部告発をして家に帰ってみると,家の中はがらんどうという事実にガックリきます。けどこの映画,それでも暗くないんですよね。理想はともかく,みんなの人生はまだ続き,登場人物には明るい未来が待っていることを願ってやみません。そして,それを感じさせるだけの映画になっていると思います。
暗い。重い。だが,豊かな物語だと思う。
ある夫婦の息子は,バツイチの女性と付き合っている。夫婦は面白く思っていないものの,なんとなく容認している。そんなある日,息子が女性の元夫に殺されてしまう。
色々な感情があってとても良い。息子の死や犯人と向き合う夫婦の感情がダイレクトに伝わってくる。よくある事件なのだろうけど,これだけ丁寧に描写されると,その背景を想像せずにはいられない。
悪くない。よくできたミステリーサスペンス。
17歳の少女の変死体がアラスカで発見され,ロス警察の刑事が二人,応援にやってくる。応援の刑事は,捜査中にもう一人の刑事を誤って射殺してしまうが,それを告白できずに不眠症になってしまう。
「メメント」の監督。映画は,悪くないです。最後は予想できるけど,それまでの展開はなかなか。ヒラリー・スワンクが印象深くおいしい役です。
あるヴァンパイアに記者がインタビューする。ヴァンパイアはその長い人生を語り始める。自分を吸血鬼にした男,愛情を求める子供と自分,不死者の苦悩。
100年以上苦悩しているヴァンパイアと,人間でなくなった気持ちを簡単に切り替えた男。だらだら長い話なのかもしれないけど,僕はあんまり退屈せずに観れました。悠久の苦悩って僕は好きです。
ジョン・ウーは戦争映画撮らせたらいかんなあ。アクションが,「銃一丁で単身敵のアジトに乗り込む香港スター」と同じなんだもん。プライベート・ライアンからこっち,戦争映画というのががらりと変わってしまったということを自覚した一本。ランボー型のアクションを観るのは久しぶりだけど,別にそれが楽しいわけでもないな。
先住民のナバホ族を通信の暗号にして日本の通信傍受に対抗するアメリカ軍。主人公は通信兵を守ることを命令されていたが,同時に危ないときには敵の手に渡らせないことも命令されていた。
ジョン・ウーはいつも心理描写が一般とはかけ離れたセンスをしているので,この映画でもその辺に期待してはいけない。ストーリー上,友情が必要になったら,目が合っただけで友情が芽生えるし,必要じゃない友情は出てきません。理由などはないのです。
戦争映画というより香港映画。一応,敵は日本軍ということになっています。麻薬密売組織アジトの廃工場を襲撃しているのと演出は変わりありません。
アメリカの田舎を舞台にしたコメディ。面白い。ストーリー展開がややベタ。
田舎でウェディング・シンガー(つまり宴会歌手)をやっているロビーと,その周りの人々の話。
コメディ映画の面白さって,人間観察の面白さだと思う。普通なら口も利かないような人々が出会い,喋り,居心地の悪い思いをしたり,逆に予想外に楽しいときを過ごしたりする。「あるあるこんなこと」と共感することもあれば,「さすがにそれはないだろう」と思うこともある。ほかの映画にはあまりないものだと思う。世界の違う人々との出会いはあっても,それを笑いにするのはコメディ映画だけだ。
アメリカの田舎の結婚事情なんかが,極端だけど分かりやすく描写されていると思います。
観ててしみじみしてしまった。
こういう映画は気軽に見るのが吉。
結婚式を演出するウェディングプランナーが男性と出会い,惹かれ合う。しかし,彼が,自分が請け負った式の花婿だと知る。
ジェニファー・ロペス,この映画では(映画のジャンルとしての義務だと思うけど)綺麗に撮れていると思います。というか,こんなに美人だっけ?と思いました。ストーリーとしては最後まで書いても別に問題ないんじゃないかというくらいの予定調和。あとは,映画として提供されている恋をロマンチックだと思うかどうかで意見が分かれるでしょう。僕は,ラブコメを「現実にあったらどうか?」ではなく,フィクションとして受け入れて楽しむ方なので(誤解があると思うけど,ホラーと楽しみ方は一緒である。ジャンルというものに入り込んで,お約束を楽しむのだ),人とは意見が違うかもしれないけど,悪くなかったです。うっとりするシーンもあったしね。嫌味なところもあったけど,目をつむってもいいんじゃないかと思います。
始まってすぐに「あ,ハードボイルド映画だ」と気づく。ロス・マクドナルド特有のプロットで,展開が難しいのでおいてけぼりを食うかも。
この時代の銃の構え方ってかっこ悪いね。脇腹の辺りで手首でちょこんと相手に向けるの。
映画を観ながら,「ロス・マクドナルドみたいな展開だな」と思ったら,そのものだった。長いけど息を突かせぬ展開で一気に見せます。ついていけなくなったら逆に辛いかも。つまらなくはないけど,普通。銃の構え方のせいでどうにも時代を意識させるのが悲しいところ。
ヌードモデルと画家の話。
これにボカシを入れるなんて馬鹿なんじゃないか?
とりあえず長いです。あと,いわゆるストーリーを欲している人には耐えられないでしょう。
話はまあ,画家のところに訪れたアベックの恋人がモデルになってくれとその画家に頼まれ,承諾し,画家に絵を描いてもらうという話です。ヌードモデルがじっと不自然なポーズを取り続け,それを画家がじっと描き,その間に少し会話をする,といった映画です。どうも映像と人間関係に緊張感があるので僕は見入ってしまったのですが,他の人はどうなんでしょうね? とりあえず評論家の評価はそれなりに高いです。
日本映画にしてはがんばってるほう。しかし,海上保安庁の言動にしても,男女の言動にしても,「はあ?」という部分が多い。また,海上保安庁を舞台に人命救助とその訓練を中心にしておきながら,エピソードが訓練だけで完結しているのは期待はずれもいいところである。訓練三十分。レスキューのエピソード三つで残り一時間半。それで二時間の映画にしろよ。スカスカだぞ,これ。
先崎ほか十四名は海上保安庁で,海難救助のエキスパート潜水士の訓練を受ける。
ちょっとね,ネタバレいきますよ。「潜水士の訓練を受けられる時点でエキスパートなんだから,溺死は無いだろう。エアが無くて仲間を見捨てるかどうするかというときに,「考えます」って選択肢は無い。また,バディを見捨てるのは最終的な選択肢であり,「足を引っ張るな」などという奴に自分の命を預けられるか! そんな奴がいるわけねえだろ!」
星を三つつけているけど,これもギリギリのラインである。恋愛要素が強引で,全然感情移入できない。ラブストーリーをくっつけたほうが売れるというのは分かるけど,この映画には必要ないよ。
全編が訓練のみで構成されているのも大いに不満。結局これ,潜水士の資格を得るまでの話ですよ。最後にドカンと海難事故を起こしてくれなくちゃ(不謹慎だけど,年間に何件も起きているんだから,別に映画のためのご都合主義ではない)娯楽映画として失格でしょう。
いわゆる感動家庭ドラマのよくできた部類。悪くない。
建築事務所に勤めるジョージ・モンローは42歳の建築デザイナー。父親との確執が原因で、自分の息子ともうまくコミュニケーションがとれなかった。ついには妻にも逃げられ、上司との摩擦から会社もクビになる。挙げ句の果てに医者から余命3ヵ月との宣告を受けてしまう。再婚して幸せに暮らす妻。そしていまだに父を憎み続ける16歳になる息子。ジョージは初めて自分の人生に疑問を感じた。そして、昔からの夢だった自分の家を建て直すことを決意する。最後の夏、ジョージは反発する息子を無理やり手伝わせ、手造りの家を建て始めた……。
アメリカの父親像ってこういうものなんだよなと思います。父親はかくあるべしというか。
女二人によるコメディ映画。悪くない。星四つをつけてもいい感じ。
ある仲の悪い劇団女優二人が付き合っていた男が実は同一人物で,一人の女の目の前で爆発事故に巻き込まれてしまった。遺体確認の場で鉢合わせた二人だったが,死体が彼のものではないと知り彼を探し始める。だけどなぜか諜報機関に狙われる羽目になり……。
重ねて言うけどなかなかの面白さです。どたばた喜劇としてはお約束に忠実でよろしい。派手さはないし,傑作というにはちょっと違うと思うけど,気楽に観れる一品。
サスペンス物としては平均点。ただ,「エイドリアン・ライン,うまくなったな~」ってのが大きいのと,官能シーンを少なく,しかし強く印象づけるという手法がすごくうまいと思った。技術に感心する。
郊外に住み,何不自由なく暮らす人妻が,若い男に迫られ,やがて頻繁に会うようになっていく。
エロいとは聞いてたけど,エロい。ダイアン・レインがいいんだか,エイドリアン・ラインがうまいんだか(たぶん,両方だろう),そのへんはよく分からんがエロいです。ただ,全体の尺から見ると大して長さはない。ようするに見せ方がうまいのだ。これよりカットしたら,いくらなんでも「妻がハマっている」というのが伝わらなくなるし,これより多いと,「次のエロシーンはまだかな?」なんて動機で観る奴が出てきそうだ。必要最低限のシーンを出しているし,最低限のシーンでちゃんと最大限の効果を出しているってことである。キリング・ミー・ソフトリーとは違う(笑)
犯罪サスペンスとして観ると,古臭いというか,これはリメイクらしくて,オリジナルは1969年のフランス映画だそうだけど,それも納得の出来。オリジナルの監督がクロード・シャブロルと聞いてさらに納得。男女の心理描写にスポットを当てた作品で,犯罪にはあまり焦点の当たらない話である。フランスだったら,不倫だろうが何だろうが,恋はたくさんやりましょうっていう全面肯定があるからな。
ダイアン・レイン演じる主婦の微妙な心理が伝わってきて,よかったです。不満もなく,浮気をしようって気も別にないところから,ちょっと強引に誘われて……みたいな。……馬鹿っぽい紹介ですいません。
サスペンスを期待するなら観なくてもいいと思う。心理描写,プロット,短いカットや長いカットの使い方などがうまくて,よかった。
あ,突っ込み忘れてたけど,「運命の女」ってタイトルはまるで意味がない。
ある惑星に調査に下りたら,そこには未知の生物の死骸があった。そして宇宙船の船員が卵のようなものを発見する。そこから始まる恐怖。
シガーニー・ウィーバーのほかにいる白人の女の人がかわいいです。
逃げられない宇宙空間というのは密室に弱くない人でもけっこう息詰まるものがあります。画面は今観ると古くてしょうがないし,暗闇を多用しているのもご愛敬なんですが,ホラー映画としてシャワーシーンでは必ず登場するというセオリーは守っているので素晴らしいかなと。
エイリアンを発見した惑星に既に植民が始まっていた。主人公リプリーは再び惑星に戻る。だが,植民のコロニーは既に無人だった。
何百匹ものエイリアンが死を恐れずに突進して来る。
小学生の時この映画のパンフレットを見て本気でゲロを吐きそうになりました。製作者は頭がおかしいと思ったものです。今考えると1を作ったリドリー・スコットの方が頭がおかしいと分かるのですが。
「死を恐れず」というのがこの映画の恐怖のキーワードだと思います。ナウシカの腐海に迷いこんで蟲を殺してしまった時の状況に通じるものがあります。とにかくアクションと閉塞感と絶望感がたまりません。
ビショップ,いいですよね? 僕はとても好きです。この映画ではけっこうキャラクターの描き分けがはっきりしているのですが,その中でもアンドロイドのビショップは,その骨の髄,本能の底の方まで理性的であるのが印象に深く,シビレます。キャメロンは「2」を作る天才と言われました。1と2が出来を争うというのはこの映画しかないと思います。名シーン,名アイテムが出てきますが,デジタルで残弾数が表示されるライフルがかっこよかったのを今でも覚えています。
対決が始まるまでがやや冗長。あと,純粋にエイリアンVS.プレデターを期待していた身分としては,人間が絡んでしまうのが残念。それを除けば,両作品に対するリスペクトも充分で,楽しめる作品。
あらすじ省略。
フレディVS.ジェイソンの方が(映画としてはエイリアンやプレデターの方が好きなんだけど),ファンに対するサービス度という意味ではよかったと思う。なんかこの映画に関してはケチばかりが出てきてしまうが,基本的にけなしているわけではなくて,思ったほど悪くはなかったんだけど,「できればこうして欲しかった」というファンの欲目が出てくるので,つい重箱の隅をつついた感想になってしまうのだ。
対決が始まるまでがすこし長いですね。これはこの手の娯楽映画では減点です。極限まで削り取って省略の美学のようなストーリー展開から,対決シーンをたっぷり取って欲しかった。
やたら褒められてるけどそんなに傑作とは思わなかったなあ。なだめたり騙したりして映画を制作する(撮影だけでなくて資金繰りなどの)過程が分かったのは面白かった。
史上最低の映画監督と呼ばれたエド・ウッドの伝記映画。
友人が、奥さんがUFOに塗装するシーンがよかったと言ってました。分からなくはないけど、たくさんある中からこれを選ぶセンスがよく分からない。
監督ティム・バートンによる妄想だけど、クズ映画を撮ったエド・ウッドの頭の中には、いつでも素晴らしい映画のイメージが溢れていたという解釈は、観ていてよく伝わったし、「あー、分かる」という部分でした。
やたら長い。アメフトに思い入れがないと,歴史的な発言やノスタルジックな発言に,共感するところまでいかない。観てしまうのは演説。言い合い。演技を見る感じ。そこに注目すると面白い。
アメフトのコーチを中心に,若手選手,ベテラン選手,オーナー,ドクターなどの群像劇。
アメフトの試合が始まると,それを見せるためのカメラワークに切り替わる。群像劇といいつつ,アメフトのイメージをあげるためなのか,アメフトの好きな人の感動をいただくためなのか,そのシーンは妙に力が入っている。興味がないと長く感じるだろう。最初は面倒だったが,私は肩の力を抜いて観ることにした。
キャメロン・ディアスの演技もなかなか。アル・パチーノも語る語る。こういう演技をさせたら彼の右に出るものはいないが,キャメロン・ディアスもその向こうをきちんと張ってる。
真剣に見るのではなく,ストーリーは大したものではないので,それぞれの役者の演技や,アメフトのシーンを,気楽に見る姿勢で楽しめるだろう。
大味な印象を受けるが,ブラッカイマー製作だからしょうがないか。すべては盗聴され監視されているというアイディアは悪くないし,ストーリー展開も悪くない。娯楽映画として及第点の出来。
国民監視法成立をめぐる暗殺事件について巻き込まれてしまった弁護士が,逃走し,追い詰められる。狙ってくるのはNSA国家安全保障局。
この映画では否決された国民の監視法(正式名称を忘れましたが)は,2000年の同時多発テロをきっかけに成立してしまいました。
最新の監視技術ということだけど,見ていて「これはフィクションでは?」という大袈裟な技術も出てくる。金を使えば確かに可能だけど,ここまでやってるかなあ? やってるかもしれないけど。
ストーリーはテンポよくて職人芸を感じさせる一品です。
ゴーストバスターズの監督が贈るSFコメディ。結構笑えて愉快。
隕石が落ちてくる。これには単細胞生物が付着していた。地元の短大の教師がそれに気づくが,やがて国立機関が干渉してくる。生物は数日で多細胞生物へと進化し,増殖していった。研究者たちは地球上の生物を脅かす存在だということに気づきはじめる。
ノリが軽い。異星生物の部分はリアル。人類の全滅とか,生物の世代交代ってこんなもんかもね。
人妻がまわりに勧められて色々な男と関係する映画……かなぁ?
映画が作られた年代のせいだろうけど,後半,フリーセックスに目ざめていくエマニエル夫人が全然美人じゃないです。なんでかっていうと化粧が濃すぎる上に,変な化粧だからです。前半のすっぴんのエマニエル夫人がとても綺麗で,この顔のままで後半もやって欲しかったなとしみじみ思います。
フランスのこの手のジャンルの映画はどれも同じ作りで,周期的にエッチシーンが出てきてBGMが流れます。それほど数を観たわけじゃないけど,そういう意味でこれも特別な映画じゃないんだなぁと感じました。ただ,エマニエル夫人がエッチな気分になるという心理描写はなかなかこっちにも伝わってきて,男でも女の方にきちんと感情移入できると思います。
おかずになるかというと,前半のすっぴんの方はかわいいので使えるけど,後半はどうにも駄目。
小さい頃に予備知識無しで観て衝撃を受けたので四つ星。普通なら三つ星かな。
私立探偵に行方不明人捜索の依頼が来る。探しているうちに関係者が次々と殺されていく。
原作がハードボイルドとオカルトの融合と言われています。オカルトと探偵小説は相容れません。普通。これ,予備知識無しで観たら相当怖いぜ。今となっては怖いとかオカルトとかそういう予備知識があるだろうから大して怖くないだろうけど。僕は三回観てます。
ミッキー・ロークのハードボイルド振りがなかなかサマになってます。ハッキリカッコいいと言ってもいいでしょう。僕はミッキー・ロークのニヤケ笑いが結構好きです。はい。
独特の雰囲気と印象的な映像が頭にこびりつくでしょう。タップダンスとか換気扇とか。観た後だと「ああ」となること請け合いです。とにかく最初から最後までオカルティックな雰囲気が濃厚。浸る映画。
原作もなかなかいいです。
サーフィン映画。イン・ゴッズ・ハンズよりはこっちの方がおもしろい。無理に映画にしようとせずにただのドキュメンタリーにしているからである。サーフィンシーンはスローが多いかな。けど,ほかの映画では見れないようなサーフシーンがたくさん見れるのでなかなかよいです。ぼーっと見るのが正しい。
サーフィン映画っていうジャンルがあって,それに興味がないとどうでもいい映画です。あ,それと,自分は期待してたんだけど,ビッグウェーブを乗りこなすとか,そういうのはあまり出てきません。とにかく世界中の波を乗りに行くというそれだけの映画。
映画「エンドレスサマー」の製作裏話と,「エンドレスサマー2」を作りました,という予告編的映画。映画というにはちょっと適当な内容だけど,映画製作ドキュメンタリーというのは結構たくさんあるし,映画として公開されてもいるので一応,ここに掲載。観てないんだけど,「エンドレスサマー」「エンドレスサマー2」を観たくなるという意味で,とてもよくできている。
「オーシャンと11人の仲間」のリメイク。オリジナルが強奪後の駆け引きにウエイトを置いていたのに対して,こちらは強奪作戦そのものをみせる映画。期待しなければそこそこ楽しめる。評判がよろしくなかったので期待せずに観たのが自分にとってはよかったのかもしれない。
五年ぶりに刑務所から出てきたダニー・オーシャンは,出所した足でかつての仲間に声をかけ,ラスベガスのカジノの金の強奪計画に誘う。集まった十人の仲間と共に,1億6000万ドルという金額の強奪計画が始動する。
ま,強奪が楽だったオリジナルよりハラハラできると思う。オリジナル版でも思ったけど,仲間が多すぎて顔が覚えられません。なんでこんなに批評で叩かれてるのか分からんけど,映画館で観たら俺も少し不満に思ったかもしれない。ソダーバーグを映画館で観るなら「トラフィック」がお勧めです。
サーフィン映像はちょっとよくない。けど,男の陽気な友情が全面に出ていて,見ていて気持ちいい。
遊び仲間四人は,かつての仲間であり末期癌で入院している仲間を連れ出してサーフィンに連れて行くことを計画する。連れ出しに成功し,五人はスポットからスポットへと旅を続ける。
主人公たちの陽気な友情(叩いたりふざけ合ったり)の描写のよさがすべてといってもいい映画。
ニュースグループで知ったネタだけど,原題は「AUSTIN POWERS: THE SPY WHO SHAGGED ME」訳すと,「オースティン・パワーズ:私をアレしたスパイ」だそうである。SHAGGEDはやっちゃうことの古い言い回しだそうで「エッチした」という言い回しになるとニュアンスが出ないとか。まあそれはそうと,映画はベタでいまいちつまらんところがあります。
基本は007と60年代をネタにしたコメディ映画。あらすじ略。
好きな人だけ観ればいい映画である。ネタが人を選ぶと思う。俺はクスリと笑う程度。
例によってたまにクスリと笑う程度。けど,バカのりだけは伝わってくるからいい。ビヨンセが美人でした。すごい。
あらすじ略。
大量のカメオ出演があります。いいです。
気持ち悪いのが苦手な人は決して観ないでください。
一人息子を男手一つで育ててきた主人公が,息子の勧めもあって再婚相手を探すためのオーディションを開く。そこで麻美という奇妙な魅力を持った女性に出会う。
痛みの描写で群を抜いている。ハッキリ言ってこういうのが苦手だと心の底から実感した。「殺し屋1」は観るのやめよう。
ストーリーで言うとちょっと展開が急である。フラッシュバックが突然すこし長い尺で回されるのも,前半の展開に対して違和感がある。フラッシュバックってただのイメージなので,説明風に用意されても受け取る方はぼんやり観てしまうのだ。前半に掴みを用意して,もっとじわじわ見せてもよかったのに。
口直しの次の映画が必要になるでしょう。
劇場未公開のアメリカ映画。意外とよい出来。星を減らしたのは,少しセリフに引っかかったから。けど,充分に面白いです。
もはや青年になった兄弟の孤児ふたりがあばら屋に住んでいる。ひょんなことからギャングのボスを誘拐して身代金を取ることになったが,ギャングのボスは拘束を簡単に外し,雇ってやろうと話を持ちかける。
導入部での,兄弟の奇妙な人間関係を理解できるかどうかが難しいかもしれません。この二人の人間関係はとても奇妙です。兄は弟を守っているつもりなのだが,守り方が間違えているという感じ。
セリフの引っかかりとは,たとえば都合に合わせてキャラクターが変わっているとか,学が無いわりに気持ちを言葉で説明できてたりとか,そういうことです。もっとも,何も考えてなくてそういう脚本になっているわけではなくて,必要に迫られてそこだけはそういう風にした,という感じなので,許容できました。
ナンセンスなストーリー展開の見事なコメディ。これはうまい。面白い。
1930年代,三人の囚人が脱走,捕まる前に隠したという金を掘り返しに行く。しかし途中では奇妙な人間と出会い,おかしな出来事が起こり,どういうわけか三人は人気ミュージシャンになったりして,一体最後にはどうなるんでしょう?
星が一つ足りないのは,基本的にこれが「オデュッセイア」のパクリというかアレンジだから。けど,紀元前にこんなストーリーを出されてたら,オリジナルなんてなかなか作れないよな,と思う。
どっかで見たことあるストーリーだなと思ったら,オデュッセイアか,という感じ。なんというか,予言者が出てきて,変なエピソードが次々と語られる時点で,これは元は神話か何かだなと確かに思います。けどこれはしかしホントにお馬鹿なコメディ映画で,展開に思わず笑ってしまいました。拾い物です。観ないと損するぜ。
前半,妙に夢オチが多い。突然ハッと目が覚めて,ああ夢だったかとなる。しかし,それがだんだん重なってきて,夢と現実がだんだん錯綜してくる。
油断していたのでこういう映画だとは思わなかった。面白い。中途半端に夢か現実かなんて映画をやられても困るけど,この映画は観る方も登場人物も,本当に何が現実か分からなくなってきます。意図のとおりに。
徹底して女ばっかり出てくる女のための映画。面白いって感じじゃなかったなー。
一人息子が事故で死んでしまい,シングルマザーだった女性が別れた男に会いに行く。
……なんていえばいいんだろう? 確かに女性ばかりが出てきて,画期的だとは思うし,それなりに楽しめた。けどなんか普通。
タランティーノが絶賛? 期待が大きかったせいだと思うけど,そんなに衝撃でもないぞ。もちろん面白いんだけど,こっちがひっくり返るほどのインパクトはないってことで。
ある日誘拐され15年間監禁された男が,監禁された理由を探り出す。
ラストについてはもちろん言わないけど,ホラーに慣れてる人にとっては「あー,あれか」って感じ。
この映画で,凄いと思うのは,韓国人の謝罪である。葬式ではお金を出して嘆き悲しみ絶叫する人を雇うという韓国ですが,この「謝罪」は凄い。この映画の「謝罪」は凄い。外人が日本人の腹切りを見たときというのはこういう感じなんですかね? いや,この映画で腹を切るわけじゃなくて,まったく異質の文化とコミュニケーションに触れる衝撃というんでしょうか?
あ,タランティーノはこの「謝罪」に絶賛したんだろうか? それなら分かる。
意外と分かりやすい。文学的で飾った映画なのかと思ったら,もっと直接的で誤解のない,見事な描写だった。現実の事件を元にした映画。
少女二人は大の仲良し。だが,仲がよすぎる二人は,自然にやってくる別れを拒絶し,二人だけの世界を守ろうとする。
見る人間に疑問を与えません。「なんでそうなったの?」と思わせない力強さがある。必然的な結末に向かって進んでいくダークファンタジー。今観ると,この監督が「指輪物語」を撮ったその片鱗が分かります。最後のシーンはなかなかすごい。リアル。
本当に駄作。1点以上,10点以上の点を(皮肉以外の意味で)付ける人間とは一緒に映画に行きたくありません。
あらすじを語るというより,この君塚良一という脚本家は日本のリュック・ベッソンであり,彼の名前がクレジットに入った映画は見るべきではありません(「日本のリュック・ベッソン」というのは褒め言葉ではありません。念のため)。
最初の30分で最高でも星二つだと思ったのですが,1時間を経過した頃には一つ星決定です。
もっとも,馬鹿脚本として楽しむ分には少し評価が高くなるかもしれません。私も,さんざん悪い評価を聞いた上で,あえて貴重な時間を無駄にして観た理由は,これがとんでもなくひどい作品であると聞いてたからです。たまにはこういう映画を観て,気を引き締めないとね。
内容について一言も触れていないけど,ようするにつまらない。ギャグも笑えない,痛快であるという意図の演出も痛快ではない,感動もしない。けど,駄目駄目さを笑えるだけの余地は残しているので,覚悟して観れば,色々突っ込んで映画本来とは別の楽しみ方が出来るでしょう。
(2005年1月3日)弁護するつもりはないし,点数を上げるつもりもないんだけど,邦画の娯楽大作である本作を「ハリウッドを意識したエンターテインメント」を期待して観に行くと全然駄目で,「香港映画を意識した娯楽映画」として観れば,もうすこし好意的な感想を持つことも出来るのではないかと思った。もっとも,邦画の大作映画の方向性が「香港映画風」だとは思わないので(香港映画は,香港映画だからいいのだ),やっぱり駄目駄目なんだけどね。
2000年カンヌ国際映画祭グランプリ。オフィシャルサイトから引用。第2次世界大戦が終結に向かっていた1945年の旧正月直前。舞台は中国・華北の寒村、掛甲台(コアチアタイ)村。深夜、青年マー・ターサン(チアン・ウェン)のもとに「私」と名乗る男がやって来て、マーに拳銃を突きつけ、麻袋を2つ押しつける。麻袋の1つには日本兵が、もう1つには通訳の中国人が入れられていた。「私」は、それを晦日まで預かるよう脅し、供述書も取れと命じて去っていく。
戦争映画らしく当然バッドエンド。後味は悪い。戦闘シーンは無く,しかし戦争の狂気はしっかりと表現されてます。
僕はもうなんといっても,最後の方で日本兵が急にキレるところが頭にこびりつきました。戦場の狂気を描いた映画は数あれど,この行動っていうのはあまり映画になっていなかったんじゃないかと思います。見ている方はすごく納得できるんですけどね。「あー,そんなことしたら怒らしちゃうぞ」って。
パンフレットを見ると,演じてた香川照之さんは,脚本を読んだときは全然理解できなかったそうです。撮影を通じて自然になったとか。
この映画の日本兵はなかなかまっとうな描かれ方です。ちなみに,僕は中国での日本兵の行動が残酷で無かったなどという言葉はあまり信じていません。「日本鬼子」っていう映画は,日本人が自分のやった残酷な行動を告白している映画だそうですけど,ちょっと観てみたいです。
意外と悪くないヤクザ映画。片岡礼子のプロモーションと化している映像も一部あるけど,これは仕方ないでしょう。
殺人で刑務所に入っていた男が出所するが,彼が組に対してできることはもう少なかった。
不器用なヤクザの生き様ですね。話の組み立てがうまいです。
架空の世界。国からも厄介者扱いされている宇宙軍が,人類初の有人人工衛星を打ち上げようとする話。
1987年の作品です。ラピュタが発表された次の年の作品ですね。まずすごいと思うのが作画レベル。普通じゃありません。今でも充分に通用するのがまたすごい。また,登場人物たちの何気ないセリフまわし。ここに独特のセンスを感じます。今でもその会話のセンスが色褪せていないところが見事です。裏話的な話だけど,これを作ったスタッフたちは全員が20代。そのほとんどが25歳以下というすごい作品。若者が作りたい作品を作りたいように作ったという新鮮さに溢れています。
映画のストーリー。全体の終わり方としては観た時にすごく不満があったんですが,今ではそのまま受け入れてしまいました。この映画を観る時はワンシーンごとに観てしまう力があるので最後まで観てしまうのです。
なお,映画「ライトスタッフ」をかなり下地にしています。
もはや子供向けアニメとは別の次元に突き抜けてしまったな。いつでも最高なピクサーアニメの2006年最新作。
車の世界。レースカーで世界チャンピオンになろうというマックイーンは,レース開催地への移動途中で地図にもない田舎町に迷いこみ,逮捕され,奉仕活動を命じられてしまう。勝つことを至上とし,孤高のルーキーだった彼の心に,田舎の人々の温かさが響き始める。
今までも大人のテーマを横軸に持ってきたことはたくさんあった。というか,それのないピクサーアニメはなかった。しかし,今回は違う。もはやメインテーマにスローライフを持ってきて,堂々と子供に見せてしまっている。一体これで子供の反応はどうなんだろうと不安になりつつ,個人的には危なく泣きそうになりました。なんちゅういい話だ。
あと,冒頭とクライマックスのレースシーンの迫力は本当に凄い。劇場で観れてよかった。
ま,子供向けアニメーションとしてはこんなもんじゃないでしょうか? 水や結界の映像化がちょっとすごい。ここまで流れや動きを意識した映像というのはなかったと思います。
福引で香港旅行が当たったさくらは,香港で強い魔力を感じる。
僕は伏線なしで「気配」とか「魔力」とかを人間が感じ取るという展開はあまり好きではないので,どうしても辛くなります。まあ,それはそれとして,このアニメの「水」の表現はなかなか新鮮でした。飛んでる主人公に飛来物が襲いかかるという描写がちょっとクドかったような気がします。……こういううるさいことにツッコミを入れるというのはよくないですな。すいません。
何度も言うけど,子供向けアニメとしては悪くない完成度だと思います。
日系女性監督による女性のボクシング映画。アメリカのスパニッシュ系の人々の話。
主人公の目つきがとても良い。また,成長するに従って体が切れてくる様子も見事。トレーニングしているんだろうなあ。
ただ,ドラマとしては平凡で,女優の魅力に対して映画の魅力が全然イけてないのも事実。「女性によるボクシング」以上の話題性がないのはちょっと残念だ。ボクシング特有のストイックな雰囲気はよく描写されています。
厳しい評価を付けているけど,当たり外れが大きいだけ。あと,ドラマ版の新耳袋と違いが分からないだけ。
現代の怪談集,新耳袋の映画化。全八話。
よかったのは1,4,5,7,8ってところかな? わざわざ劇場に行く作品じゃないよなと思うけど,使い方次第では話題のネタになりそう。
日本映画ってこういうんだよな,と思う。静かに感情が動き,それをロングショットでゆっくりと切り取る。四つ星は微妙なところ。けど,こういう日本映画を久しぶりに見たので点をあげる。ちゃんと進化しているのだ。
中学一年の北サチ子は不登校。母は自殺未遂をしたことがある。苛立つ思春期の映画。足だけのショットが多いけど,この監督は足フェチだと思う。あるいは,足フェチの映画を撮ろうと思ったのか。
当り前だけど,現在のティーンエイジャーが置かれた環境というのをしみじみ考えた。誘惑が多い。最後の終わり方も見事。それまでずっと大事だったものが,急に,「どうでもいいや」って気分になることはよくあります。それも致命的な場面で。このヒロインはなかなかその辺がうまい。ふと我に返ると,こんなことはさすがにないなと思うけど,そうじゃないのだ。日本映画とはこういうものなのだ。
クラスの女のコがみんな可愛いというのはさすがにどうかと思う。白けたよ。
黒沢清がかなり頑張ったホラー映画。怖い。相手の姿が出てくると怖さは半減。
携帯電話やインターネットなどから不思議な物が流れ出してくる。人が死に,消えていく。助けてという声だけが聞こえてくる。
これはもうほかのところの受け売りだけど,黒沢清は自分で,相手の正体を出すと怖くなくなるという自分の限界に気づいてしまったのだと思う。そこで彼はギリギリまでその正体を見せずに恐怖の演出を盛り上げていくというやり方を選択し,そこで作ったのがこの映画だと思います。
この,怪物が見えてもなお怖いという,ほとんどのホラー作家が越えたくても越えられない壁を越えたのが「呪怨」という映画ですので,是非ご覧ください。
加藤晴彦は演技が下手ですね。まあ,なんかご愛敬って感じで,映画そのものは充分怖いのでそんなに興醒めって感じじゃないですが。あとはとにかく都市伝説的な恐怖がじわじわと襲ってきます。黒沢清はとにかく意味の分からない強烈な印象の残るシーンを作るのがうまい監督ですが,この映画を観るとそのうまさはまさにホラー向きだと思います。
不条理ナンセンス映画。嫌いなジャンルではないんだけど,これは出来がよくない。このジャンルに理解のない人ならさらに酷評することだろう。
生まれつき親指のでかい女がいた。彼女は大きくなってヒッチハイクのプロとなってアメリカ中を動き回っていた。そこで色々な人に出くわす。
つまらない映画はたくさん語ってもしょうがないか。けど,この映画は発想はいいと思う。不条理というかシュールというか,そんな感じであまりついていけないけど,面白い作品に化ける可能性はあると思う。ユマ・サーマンの体形はよいですね。
「期待の割には」という意味では星二つ。
どんな話だったかな? 軍事用に強化された人間がテロリストになったというような話だったと思う。
まず,話がダサい。何が現実で何が夢か,なんてテーマは5年くらい前に喜ばれたテーマだ。ラストシーン,主人公が幻覚の蝶を空中で掴んで,手を開くとそこには何もないなんて,そんな表現! とにかく妙に台詞の中にいまさらな言葉が出てきて苦笑する。古い表現をするならもっと古いものにしないと,中途半端でダサく感じてしまう。
アクション,映像はとてもよくできているのですが,やはり少し退屈するところが多かったです。
出来のいい日本映画。
妹を殺してしまった引きこもりの姉が逃亡し,日本の地方都市に潜伏し生活する。
導入の部分からなかなか見せてくれます。展開もなかなか。牧瀬里穂がなんかよくて意外な発見。
僕はナウシカの特異なキャラクター性には鈍感だったんですが,ランランランというあの歌は小さい頃に嫌悪感を覚えました。
あらすじ不可。文明崩壊後の世界での話。
例の庵野秀明氏が演出したといわれる巨神兵(このネーミングも秀逸だと思う)の発砲シーン。クロトワの「世界が亡ぶわけだぜ」っていうのが見る人間の心情を的確に表現していると思うんですが,いかがでしょう?
クロトワには名台詞が多いですね。
みんなが言うけど,ナウシカってそんなに特別ですかね? この手の宮崎駿ヒロインにやたら嫌悪感を示す人がたまにいるんだけど,僕はなんか,このくらい俺にもできるぜって感じてしまうんですが……私の方が特殊なのかな?
普通の映画だったけど,声が聞き取りにくかったので減点。
男の子二人の核家族と,少し奇妙な家庭教師の物語。
今,映画情報サイトの感想を見たら,好意的な評価が多くてビックリした。シュールな家族物ってたくさん作られているし,たくさん観ているので,この映画は中途半端で大して面白くなかった。時代性が大きいのかな? 当時は画期的だったのかもしれない。今は別に観なくてもいい感じ。
意外といける。演技はしょぼいけど,ホラー演出はまあまあ。
あらすじ省略。
ストーリー自体はどうでもいいんだけど,映像の恐怖演出はまあまあ合格点だと思います。実際,ストーリーなんかどうでもいいからな,こういう映画は。
清水崇が「呪怨」につながる短編を監督している。これを見るとまんま「呪怨」。ほかの短編は,ホラー慣れした私の目から見るとイマイチです。技術はあるけどアイディアが新鮮じゃないです。
第二次大戦でのあるユダヤ人家族を描いたドラマ。アンハッピーエンド。白黒映画。1966年公開。戦うわけでも,必死に抗弁するわけでもなく,ナチス支配下にあるユダヤ人を,暴力描写なく描いた作品。ラストシーンが印象的。
ユーゴスラビア。盲目の弟を持つ娘。母はいない。父は戦地に行ってしまった。彼女はパルチザンの一人と恋をしていた。二人は夢を語り,父の無事を願い,弟には真実を伝えずに暮らしていた。だが,父の死亡通知が届く。ナチスは次々にユダヤ人を連行していく。
邦題は年代をよく表していると思います。途中経過も,この手の戦争物としては類を見ないパターンで新鮮でしたが,ラストシーンがよく,全体に秀作という感じです。
蛇足だけど,日本でも戦争物というのは定期的に製作していくのが大事なんじゃないかと思った。
五つのオムニバス。女性の生活,日常の孤独を綴った映画。
悪い映画ではない。きちんとみせる。欠点も見当たらない。女優はどれも魅力的だ。文学的。原題は「Things You Can Tell Just by Looking at Her」彼女を見れば分かること,でおおむね合っている。別にこの映画はこの映画で全然悪くないのだが,どういうわけか僕は誉めちぎることができない。人の孤独をみせられても,それがどうしたと僕は思うのだ。文学的孤独を,近親憎悪的だと思われるかもしれないが,僕はとても嫌っている。
フランス映画。子供の頃から髪結いの亭主になることが憧れだった男が,念願叶って,妻と至福のときを過ごす。
微妙。単なる変態なのかと思ったら,誰もが持っている変態的な部分の表現なのかもしれない。ラストがとても好き。切ねえ。
完全にぶっちぎりの独自世界。バミリオン・プレジャー・ナイトの傑作セレクション。VPNを見た人は別に観る必要ないです。観たことない人はこれから入門するのもいいかもしれない。
シュールなので観る人を選びます。いくつかの短編は理解の範囲を完全に越えてたりします。サブカルチャーや,変わったものが好きな人なら一度は触れた方がいいかと。そうじゃない人は近寄るな。
原作はちょっとグロテスクでラストにきちんと戦慄をもってくる短編ホラー小説。映画は冗長で戦慄もない。製作側にホラーという意識が低いのかもしれないが,観ている方はおかげでつまらない思いをさせられる。
近所に住む玩具修理者はなんでも直してくれる。ブリキのおもちゃも,人形も,ゲームソフトも。そして死んだ猫さえも。ある日,少女はお守りをしていた弟を死なせてしまう。少女は弟を直してもらうために,玩具修理者を訪ねた。
やっぱ奥山という製作者は映画を駄目にするな。っていうか,日本映画としては典型的な企画物です。映画化権を持ったプロデューサーが,監督を見つけて,人を集めて,映画を作るのですが,監督がそれにきちんと乗れているか,とにかくチャンスだからなんでもやってみようと思っているか,今回は後者って感じです。あんまり怖がらせようと思ってないし,面白くもない。アホ!
ボートをやりたくて女子ボート部を作った主人公。その高校三年間。
ちょっとしたアンチクライマックス。最後にスカッと終わるわけでも,余韻を残して終わるわけでもありません。なんだかその余韻の始まるずいぶん手前でプツンと切れたような印象です。ハリウッド的な演出に慣れてしまうと納得いかないかもしれません。けど,それがいいです。
最初ボロ負けしたボート部が,少しずつ情熱を燃やしていく様子が,すごく静かに伝わってきます。音楽や見せ場などが押しつけがましいものになるギリギリで抑えられているのが,この映画の素晴らしいところだと思います。実は私がDVDで手元に置いておきたい映画の一つ。
最初にこれだけ言わせろ。予告編のバカヤロウ。
街を仕切るギャング団「斧頭会」も貧民達の住居「豚小屋砦」には無関心だった。しかし,あるチンピラが豚小屋砦に手を出したことから住民との対立が始まる。貧民の中にカンフーの達人がいたのだが,斧頭会も殺し屋を雇って対抗する。
一つ。暴力描写がえげつない。
二つ。前半の肉体アクションの方が興奮したりする。
三つ。予告編のバカヤロウ。
四つ。チャイナドレスがなぜかてんこもり。
基本的にコメディアクションなんだけど,血糊などの描写がリアルなために,あちこちのシーンが本気で「痛そう」でした。生理的に一瞬引いてしまって,それから,あ,これはコメディだった,と理性が生理的反応をフォローする感じ。そんなに生々しくしなくてもいいのに。
後半はありえねー超絶ドラゴンボール的格闘シーンが続くのですが,前半,おっさんのカンフーアクションスターが出てきます。ストーリー的に脇役なのですが,この人達が活躍する前半シーンは,CGが適度に混じっていても,本人が体得している武術そのものが滲み出ていて興奮します。「あ,今のCGじゃなかった」というシーンがものすごくかっこよかったりします。意外とこのおっさん達の方が達人かもしれない。観おわった後,CGによる後半の無茶苦茶な格闘よりも,前半のおっさん達のアクションシーンをもっと観たかったという感想を抱いたのは,私だけじゃないと思います。CGアクションもいいんだけど,そのクドさもなきにしもあらずなので。
で,クライマックスのスーパーカンフーですが,予告編でクライマックスがモロに出されています。これはひどい。予告編を見てしまっていると,クライマックスに近づくほど,新鮮な驚きが減るという悲しさ。少しは考えて予告編作れよ。予告編を見たせいで,この映画を観終わっての感動が2,3割は減ってしまうと思う。結果として,クチコミの宣伝効果も薄れるだろう。劇場から出るときの感想が「面白かったー」ではなくて,「予告編と一緒だった」というものになってしまうからだ。
うちの会社をやめた先輩にチャイナドレス好きがいて,それもちょっと半端じゃないチャイナファンなのである。視界に入ったり,誰かの口から「チャイナ」という言葉が漏れるだけでも……いや,その先輩の話をしたいわけじゃないんだけど,主人公がたむろしている場所が歓楽街なので,エキストラで後ろを歩いている女性がみんなチャイナドレスを着ているのである。チャイナドレスの無駄な乱れ打ちである。しかもメインの女性登場人物は誰もチャイナドレスを着ていないという構成。これが監督の狙ったサービスだとしたら,あなどれないセンスだと俺は思った。
フランス人というか,欧米の人が言う謙遜って常に皮肉に聞こえるんですがなぜでしょう?
協力でやってきた中国の捜査官がフランス警察の陰謀で殺人犯にしたてられる。
ジェット・リーの功夫アクション映画なんですが,あちこちにジャッキー・チェンの影響が見られます。ジェット・リーは別に狭いところに誘いこんだり,周りのものを投げつけたりしなくても普通に一対一で勝てるんじゃないかっていう強さがあります。また,それがにじみ出ています。だからどうもチマチマしたアクションは余計に感じます。
まー,特に観るところはないです。つまらないというほどでもないので,星三つでもいいですが,ジェット・リーのほかの映画を観たらってことで。
あと,バカ映画テイストがあふれていますのでまともな映画として期待しないように。また,バカ映画としてもちょっと中途半端。
三つ星なんだけど,女優がどいつもこいつもかわいいので点を足さずにはいられなかった。国民的美人観って奴だと思うんだけど,イギリスの女優は本当にいつもいつも俺のツボに入りまくりで,身もだえする。つまりイギリス女優萌えってことだ。
殺し屋一筋で生きてきた男が自分の衰えに気づき引退を決意する。引退して決めた仕事はある男の護衛。だが実態は,30年以上,親の「愛以外のものは子供には要らない」という方針で,外にも出されずに育った男の子守りだった。空と太陽にさえ驚く男の面倒をみるうちに,殺し屋に別の感情が生まれる。だが,組織は彼の脱退を許したわけではなかった。
イントロからオープニングで,この映画がポップなコメディ映画だということが分かる。ポップな始まりには本当にワクワクした。だが,中身は,つまらないわけではないが,濃いというわけでもない。
中身が少年の33歳を演じたクリス・ペンの演技は凄い。
ストーリーも設定も面白いので,退屈ということはない。個人的にちょっと期待が強すぎたかもしれない。もうちょっと面白いといいな。
繰り返しになるが,出てくる女優がみんなかわいい。ホントにかわいい。
スティーヴン・キングがよく書くような,超能力と悲劇の話。サスペンス仕立て。ストーリーは読めるけどなかなか面白い。
予知や霊感の力のある主婦が,ある失踪事件を予知する。
導入がとても面白い。ぞくぞくします。後半の展開は月並み。主人公が幻覚を見るシーンはおどろおどろしいんだけど,サム・ライミ,それが好きらしく,映画全体のバランスよりもたっぷり撮っている感じがあります。そこがちょっと欠点。
典型的なホラーサスペンスだと思います。
人に勧められて観たんだけどこれは確かに面白い。
ある家族がエキセントリックな行動をとって崩壊していく。
おかしい映画はたくさんあるし,それが駄目な方向に進むと「PARTY7」とか「スペーストラベラーズ」とか「踊る大捜査線2」とかになるんだろうけど,これは面白い。石井聰亙や小林よしのりの才能を認めないわけにはいかない。
マイホーム主義を皮肉った作品なんだけど,ギャグがうまく機能していて面白いです。関係ないけど,山本直樹の「ありがとう」って漫画はこれを参考にしているんじゃないかと思いました。この一つ前には「家族ゲーム」があるんだろうけど,そっちの方は未見です。
ものすごく余韻が残る映画。いくつかのシーンは忘れられないんじゃないかと思う。
FeDexの社員が太平洋の真ん中で飛行機事故に遭い,無人島でサバイバルをする話。
うまいコメントが思いつかないのだけど,かなりの傑作です。サバイバルのノウハウを真剣に見てしまうのもあるけど,その後の人生の存在感がまた素晴らしい。主人公が世間や社会を見る時,そこに漂流前と同じ視点を持つことができないように,観ている方も,サバイバルを乗り越えた後の不思議な心理状態を味わってしまいます。何もかもがどうでもいいような,すべてを悟ってしまったような,不思議な感覚です。
どういうわけかSFの作品賞の大家であるヒューゴー賞受賞のSFコメディ。馬鹿馬鹿しくもかなり面白い。
SFテレビドラマ「ギャラクシー・クエスト」は放送終了後もファン大会が開かれる人気シリーズ。しかし戦争に負けそうな宇宙人が,実話だと勘違いして,宇宙の英雄としてスカウトにやってくる。役者なのにホントに宇宙船の艦長になっちゃって,さて大丈夫なんだろうか?
昔ヒットしたテレビドラマの役者の,嫌すぎる営業生活というのがおかしい。それが次第に,自分を信じきっている宇宙人の前でなりきり始めるのがまたおかしい。
オタクのおかしさがたまらない。
うーん。面白い。しかし面白いのは,これ,ドリームワークス製作なんですよね。ドリームワークスってこんな映画も撮ってるのかと少し愉快だった。
悪くはないがイマイチという段階を抜け切れない作品。
父を目の前で殺された少年が,十六年ぶりにその町ニューヨークに帰ってきて父の復讐を開始する。そのために,ギャング組織内に入るが,父を殺したギャングのボスが,今までに殺した最高の男として,今でも父に敬意を払っていることを知る。
キャメロン・ディアスは地味な役をやろうとすればどこまでも地味になることができる珍しい女優で,この映画でも存在感を消しています。
映画の焦点は,「ニューヨークにもこんな時代があった」と「復讐者と復讐される者の微妙な人間関係」ってところだと思うけど,うーん,どうもまとめ切れてないと思います。最後の決闘も肩透かしだし。
こういう商業的なコメディに四つ星をつけるのは,自分はその辺の映画ファンとは違うと思っている中二病の人間はやってはいけないことだけど,痛快で面白かったし,笑ってしまったので四つつけておきます。
ファッションにしか興味のない馬鹿女子高生が彼氏を追ってハーバードの法学部に入学する。大学で周囲に馬鹿にされつつも,彼女は見返すための勉強を開始する。
主観が入るのでなんともいえないけど,ブロンド美人でおつむの弱い主人公を演じている女優がそんなにかわいくないです。アップになると特に。何で彼女が主演に選ばれたのかよく分からん。
だけどまあ,ストーリーが基本的に痛快です。馬鹿にされている人間が周りを見返すという話。ただ,美人が,周囲の人に,外見ではなく中身で判断してほしいという願望を持つのは,ま,ちょっと分かりにくいかな。それでも私は観ていてずいぶん引き込まれました。「セクハラされても周囲が理解してくれないところなどは,美人ならではでしょう」細かいことを気にする必要はないでしょう。
下妻物語の監督が送る再びの傑作。この監督は凄い。ほかの映像作家出身の監督と違うのは確かな演出力,脚本力でしょう。ラストのシーンが冗長。ここを勇気をもってカットすれば間違いなく五つ星だったのに,後味が緩くなってしまった。残念。だけど,それ以外は完璧。また,役者の演技も見事。
ミュージシャンを目指しつつ最近はギターに埃が被っている笙のもとに父がやってくる。手には骨壷。父は語る。「話してなかったけど,俺には姉がいてな。もう帰らなくちゃならないから代わりにアパートに行って部屋を片付けてきて欲しいんだ」死んでしまった伯母の名前は松子といい,殺人事件の被害者であるという。父曰く,惨めだったという松子のアパートに行き,部屋を片付けるうちに,関係者が現れて松子の人生が笙の前に明らかになっていく。
ハッキリ言って半分ミュージカルといってもいいような内容です。シームレスに繋げるのがうまいので苦手な人でも大丈夫でしょうけど。
圧倒的に転落していく松子の人生を,まあ,どうぞ。
中谷美紀は色々な映画に出てるけど,いい役者だと思いました。この映画の彼女は特にいいです。よー男に殴られるなあ,しかし。ほかの演技もうまくて,監督のたしかな技量を感じます。
ミュージカルと書いたように,そっち関係のスタッフもかなり結集しています。それも単独で見物。
これはすごい。感動する。どこか懐かしい感じもする。
自分から体内を飛び出して生まれてきたキリクは父の居所を母に尋ねる。母は,魔女が泉を干上がらせて,退治するために向かった男たちをみんな食べてしまったという。
あんまり言葉を重ねたくないけど,この映画はいいですよ。
「「大きくなりたい」というキリクに祖父が,「大きくなったら小さくなりたいのかね? 小さいからここにたどり着けたのだ。小さいときはそれを喜び,大きくなったらそれを喜びなさい」と諭すシーンは胸に染みた。」
こういう掴みには滅法弱い。そんなわけで気に入った。全体からの評価でいうと平均,凡作,わざわざ観るほどのことはない。テレビでたまたま観ると得した気になるだろう。
タクシーに乗り,運転手と不動産の男と共にマンションを巡る男。おかしな言動に同伴する二人は戸惑うが,やがて彼の能力と目的が分かってくる。
僕はこういうイントロには滅法弱い。おかしな奴がおかしなことをして,それに同伴するおかしな奴,という図式は腹立たしいくらいに嫌いだが,初対面の人間が少しずつ互いを理解していくようになる話というのはとても好きだ。終わり方もクライマックスも好きで,私は気に入った部類。ヒロインの小林聡美も魅力的です。
アメリカの田舎。町から一歩も出たこともない青年が,ある出来事をきっかけに町を出る。
これは見事。感動作。過剰でないところもいい。泣かせるわけじゃないところも。
映画が始まるとすぐに主人公の閉塞感が伝えられる。すぐに分かる。「ああ,この主人公の生活に変化が起こるんだな」と。単純に爆発したり,感情を発散させたり,そういうわけじゃなくて,本当に少しずつ変化していく。必然的に,主人公は出て行く。
監督を中心に言うと,「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」の次であり,「ショコラ」の前っていうのがツボだね。ショコラも見たけど,完成度の高さでこっちが素晴らしいと思う。僕の場合,ショコラを観てからこっちを見たので「なるほど」と原点を見るような思いだった。
ジュリエット・ルイスもこの監督にかかるとこういう雰囲気のある女性になるんだなあと思った。
あと,この映画の原題が「What's eating GILBERT GRAPE」なんだけど,どういう意味だろう? ギルバートは何を食べてる? ううーん。
賛否両論映画で,「否」の方もたくさん聞いたのでちょっと引いてました。観ていて,「あー,先に修羅雪姫を観ておいてよかった」と思いました。日本のヤクザ映画とかチャンバラ映画って,日本人でも観ている人が少ないんだから,元ネタ知らずについて行くのは難しいかもしれない。面白かったです。ユマ・サーマン日本語下手過ぎ。血糊が少ないです。もっともっと大量にドバドバ出ていればみんなの感覚も麻痺していただろうけど,中途半端なので引いちゃう人もいたんだと思う。修羅雪姫みたいにめちゃくちゃやればよかったのに。
結婚式の日に,教会で,夫や牧師やお腹の子供ごと殺され,4年間病院に寝たきりだった暗殺者ザ・ブライドが眠りから覚め,仇である5人への復讐を開始する。Vol.1では最初の二人への復讐を描く。
まんま修羅雪姫なんですよ。今データを見てみたら,エンディングや挿入歌も修羅雪姫からいただいてるし,青葉屋の戦いなんてホントにそのままです。だからそれを観ずにこの映画を語るのは難しいと思います。けど,もちろん,ネタ元を知らないと楽しめない映画なんてのは映画としてどうなんだと思うし,さすがにそういうのは評価として下げざるを得ないんだけど,この映画は,「こういう映画なんだ」と受け入れるハードルさえ乗り越えれば,知らなくても楽しめると思います。
しかし,語るのが難しい映画だな。アクションシーンがちょっと長すぎです。撮ったから見せたいって気持ちは分かるけど,もっとコンパクトにまとめた方がよかった。血が出る奴と出ない奴がいるんだけど,これは全員とにかくドバーッと噴血しないと駄目でしょう。あと,日本の音楽はともかく,その他の音楽の使い方にはやっぱり飛び抜けたセンスを感じた。タランティーノは凄いと思った。以上。
アドベンチャー大作としてとてもよくできていると思います。見所のシーンが大量にあって,どのシーンも手に汗握ります。映画館で観るのが一番でしょう。それでも,だれるところが言い訳のしようもないほどだれるところと,感動シーンはスローモーションしかできないセンスの悪さが引っかかります。悪くないアドベンチャー大作。
口先のうまい映画プロデューサーが,怪物が棲むという髑髏島の噂を聞きつけ,そこで映画を撮影しようと思い立つ。彼は資金を集め,嘘をついてスタッフとキャストを船に乗せ出発する。
髑髏島に着いてからの冒険が最高です。その前までがややかったるい。スピルバーグが,恐竜の映像を圧倒的に見せたのに対して,ピーター・ジャクソンはその一歩先をいって,それらが動き回るところに力を入れています。アクションの映像はとにかくすごいので,観て損はないでしょう。
けどなあ,やっぱり長いんだよなあ。どのシーンも楽しかったし,カットしろとは思わないんだけど,どことはいわず中途半端な印象が残りました。映画館でスタッフロールで立つ人が多かったのも印象的です。私も立ちました。
「ごめん」の櫻谷由貴花がキャストに入っていたからチェックした作品。監督が雀洋一と知って驚き,それが動物ものと知って驚く。さらに観ていくうちに次第に引き込まれて,意外な拾い物だった一本。
盲導犬クイールの物語。
盲導犬についてのシステムがよく分かる。大変だ。感動物としての側面もあるんだけど,盲導犬についての正しい知識が得られたのが,個人的にはとてもうれしい。椎名桔平が本当に盲導犬トレーナー(正式名称知りません)にしか見えないのはすごい。
盲導犬トレーニングのドキュメンタリードラマとして演出してあるし,そういう姿勢で見るのがいいと思います。感動してしまった。
以前に観たことがあるんだけどもう一度鑑賞。観直してみるとこれがよくできたファミリー映画だった。映像も綺麗。実話が基になってます。
母が事故で死んでしまい,離婚してカナダに暮らしていた父と一緒に生活することになった14歳の少女エイミーだが,芸術家である父とは肌が合わず馴染めないでいた。ある日彼女は伐採された林でグース(雁,ガン,カリ,ガチョウ)の卵を見つける。すぐに孵った十六羽のグースは彼女に馴染み,彼女のあとについて歩くようになる。しかし,渡り鳥であるグースは冬には越冬地に向かわなくてはならないのだが,飛び方や越冬地へのルートを教える親鳥がいない。二人で考えた方法は小型飛行機に彼女が乗り,越冬地まで一緒に飛ぶというものだった。
脚本の構成がいいです。また,エイミーを取り巻く人々が芸術家仲間で,世間とちょっとずれているところもいい。「家族はこうあるべき」という型を押しつけていない。
毒にも薬にもならない家族映画なので,哲学的な悩みや苦悩,皮肉や主義主張を期待してはいけません。それでもグースといっしょに空を飛ぶところでは感動するし,銀の鏡のような水面をグースと一緒に空を飛ぶシーンは見とれてしまう美しさです。ガチョウなんで鳴き声は「グワッ,グワッ」ですけど(笑)
期待通りの陽気さで安心して観れる一本。
常夏の島国ジャマイカから冬季オリンピックボブスレーに出場したチームのコメディ。
1988年にジャマイカからボブスレーに出場したチームがあったのは実話である。一応,それをヒントにされているけど,中身は典型的な創作コメディ。
駄目チームが練習して,結束して,馬鹿にしていた奴らを見返すとかそんな感じ。で,ジャマイカが舞台なので南国の軽いノリです。
実際,このボブスレーチームの存在を知ったときに「映画にするとウケるんじゃないの?」と思ったし,そのときに想像した内容と狂いはありませんでした。
これは四つ星でもいい。しかしそうしないのは,タイミングによる部分が多少あるからだ。このご時世にこういう映画を撮ったその心意気が四つ星なのである。赤狩りと報道の戦いについての映画は,ほかにもいくつかあったと思うし,そっちの方が面白かったと思うので,出来栄えという意味ではそちらに譲る。まー,しかし,やはり国際的な今の雰囲気に対しては見事な反骨清新だと思います。
50年代の赤狩りのなか,マッカーシー議員と正面から対決したキャスター,エド・マローの話。
報道の心意気みたいなものを現場スタッフが持っていることがヒシヒシ伝わってきて,それがとてもよい。頼もしい。後年の彼のスピーチを前後に挟んで映画はほろ苦く終わるんだけど,それもまたよい。暗転すると鳴り始めるエンディングの曲が心に染みる。
この話は昔の出来事のノンフィクションなんだけど,誰もこれを昔のことだと思ったりしないだろう。今へと続く,現代の話なのである。
映像はいいと思うんだけど,面白かったか,この映画に求められる水準をクリアしていたかというと,やっぱりいまいちという評価を付けざるをえない。
高校のころ,一人の女の子と約束を交わした二人の少年が,少女がいなくなり,高校を卒業してから,約束通り少女を塔へと連れていこうとする。
「約束の場所」っていうとつい聖書の「約束の場所」を連想してしまうので,そういうことかなと思ったら,聖書は関係なかった。本当に約束していた場所があったのである。
青臭い青春もので,それを綺麗な映像に乗せて語る。たまにSF要素,メカ要素があったりして,その辺がアニメっぽかったりする。うーん。脚本やストーリーを考えるのが苦手なら,得意な人と組んだ方がいいんじゃないの?と思った。
意外な展開が面白い秀作映画。
あらすじは書けません。
展開が面白い。調べてみたらアカデミー脚本賞を受賞していて,それも納得の出来である。
あんまりこういう下ネタありのラブコメディに四つ星をつけることはないんだけど,いくつかのギャグ(スターウォーズの物真似をやるシーンと,アルマゲドンよと言ってみんなで合唱するシーン)のくだらなさと心意気のよさに,ちょっとサービスである。
軽い恋をやらせたら名人のクリスティーナとその友人たちのどたばたコメディ。
キャメロン・ディアスは相変わらずこういう役をやらせたらうまいもんである。あんまり年をとって見えないのもすごい。たぶん,実際はいい年だったはず。ついでに言うと,すっぴんの彼女は年相応だったはず。いくつになってもこういう映画に出演してくれるところが彼女のいいところだ。
脚本も,私としてはこのくらいの下品さがちょうどいい。
原作は知らない。けど,映画として中途半端すぎないか? これで終わりはないだろう?
兄妹は実はお互いの親の連れ子で,血はつながっていなかった。二人は次第にお互いを意識し始める。
R-15の映画。アニメが原作らしいけどそれは知らない。俺がどうかと思うのは終わり方である。星は二つにしてやろうかと思ったくらいである。これで終わるならただのエロ……ごほんごほん。まあ,元はアダルトアニメだったらしいので,だとすると中途半端なのは中途半端な決断によるものだろう。
情緒的に物語を盛り上げようとしているんだけど,だったらその先の話も見せてくれよ。
マライア・キャリー主演のアイドル映画。しょうもない映画。しかし,彼女を主演に撮るんだったらこういう映画にするのは当然の選択だと思う。映画ファンは見向きもしないし,それでよい。
場末のバーで歌っていた女がスカウトされ成功するという話。
酷評されていたのでどんだけひどいのかと思って観てみた。こういう恐いもの見たさの映画鑑賞もよくやる。で,まあ,酷評だというけど,スウェプト・アウェイよりいい映画だった。酷評ってことだけど,マライア・キャリー主演の映画に過剰な期待をする方が間違ってる。これなら別にテレビで放送してたらつけっぱなしにしておいてもいいんじゃないかと思う。
人からつまらないと聞いていたのでビデオも借りず,地上波放送を待っての視聴。つまらないのを覚悟し過ぎたせいか,それほどでもないという感想に落ち着いた。
リュック・ベッソンが名前を出していないのでそこそこまともなサスペンススリラーにまとまっている。
フランス・アルプスの大学町ゲルノンで、バラバラに切断された裸の死体が胎児のような格好で発見された。この奇妙な事件の捜査に派遣されたのは、元特殊捜査部隊のピエール・ニエマン刑事(ジャン・レノ)である。一方、フランスの田舎町ザルザックでは、子供の墓が荒らされという奇妙な事件が多発していた。捜査にはマックス・ケルケリアン駐在員(ヴァンサン・カッセル)があたっていた。一見、接点が見当たらない2つの事件だが、互いの捜査が進むにつれ1つに交わって行く。果たしてこの2つの事件の背後に潜むのは、悪魔の崇拝者か、それとも狂気の殺人鬼か?
あくまでそこそこまともというのが微妙なところである。見ていると「んー?」と首をかしげてしまうところも多い。一級の娯楽作品を期待して観た人は「金返せ」となることろなんだろうけど(期待はずれ,というか),つい,ひどいフランス映画というとリュック・ベッソンを想像してしまうので,それよりは遥かにマシである。
見どころとしてやはりヴァンサン・カッセルという役者の演技があると思う。この役者は確かにいい。エネルギッシュで,見る者に伝える力を持っている。
おそらく原作はもっと面白いのではないかと思った。
観ていて思った。「これは完璧な映画じゃないか」
戦国時代にタイムスリップしたしんちゃん。そしてそれを追って戦国時代にやってきた野原家は,歴史に名も残らない一つの合戦と深く関わっていく。
前回の「モーレツ!」もすごかったけど,こっちのほうがすごい。っていうかもう完璧。こんな映画はあちこち探してもそうは転がっていないでしょう。合戦シーンでは身震いしました。もっと大迫力で観たい!と思ったけど,そんなことしたら子供が泣いちゃうだろうな。
エンディングのテーマソングがもう浮いてしまってどうしようもない。
前回までの路線と違って爆笑アクション路線。方向にケチはつけたくないので別にいいけど,やっぱり内容が薄いように感じてしまう。
今夜は焼肉というときに指名手配されてしまい,陥れた組織のいる熱海に野原一家が乗り込む。
アクションヒーローの船上試写会に参加したしんちゃんだが,試写会の途中で船上の大人たちが猿に拉致されてしまう。しんちゃんたち春日部防衛隊は行動を開始する。
ヒーローに声援を送るすべての人に感動する。
素晴らしい。千と千尋を越える2001年の邦画ベストワン!
あらすじは紹介できません。そんな複雑なものじゃないので。
過去の水島作品に比べればまし(参照)。クライマックスの一連のアクションは楽しかった。これなら暇つぶしに観てもいいかもしれない。最後のアクションシーンがいいという意味で。
しんちゃんたちが映画の中の西部劇の世界に引き込まれるという話。
どうしてもダレる部分が気になる作品。悪の使いが7人の護衛を次々と倒してやってくるところは異様な緊張感があってなかなかグッド。
最初から最後まで一気に見せる。これだけの完成度があれば映画としては充分。スパイアクション。
海外旅行先でインディ・ジョーンズばりのトラブルに巻き込まれる野原家。格闘技のできる女の護衛官が,最後の決戦でチャイナ服になるというのは,ええと,言いにくいですが,なかなか萌えます。
まあ,それはそうとクレヨンしんちゃんのファンサイトで映画リストを見てください。公開順が分かります。ここではあいうえお順なので。
これはなんかあまり面白くなかったという感じです。どうしても前に見た傑作を基準にしてしまうので。これはかなり幼稚というか,ストーリーがあまり引きこまれないというか。
テーマパークを利用して世界征服を企む悪人魔法使いと,それを阻止せんとする魔法使いの戦いに巻き込まれる話。
念力放火の超能力者が,快楽殺人グループに復讐する。
珍しく原作を読んでいません。宮部みゆきはだんだん説教くさくなっているので疎遠になってしまいました。文庫になったら読もうと思います。
原作と違うということは大体想像できるけど,意外と最後まで見せられます。全体に暗くて重い娯楽映画。超能力者が大活躍とか,爆発シーンが派手でスカッとするという事はなくて,画面は派手でも動機が暗いので陰湿になります。別に悪いわけではなくてこの映画はこういう映画なんだと思います。
役者の演技は軒並み下手。映画なんだからもっと厳しく演出してもよかったのに。台詞も変なので役者ばかりの責任にはできないでしょう。なんか登場人物の行動が奇怪な物に映ります。話の筋そのものも,なんか変。事件の黒幕やヒロインの周りの人間関係も,なんか変。何が変っていうと,あまり突っ込まないように観ていたのでうまく指摘できないけど。
宮部みゆきはスティーヴン・キングのファンであり,小説「ファイアスターター」と映画「炎の少女チャーリー」の影響があるんだろうなと想像は出来ます。私は現時点で小説の「ファイアスターター」と映画の「クロスファイア」にしか触れてないのでうまく指摘することができないんですが。
(2003年1月3日)原作を読みました。原作はかなりのできの良さ。面白いです。映画は原作を刈り込んでいます。といっても,ストーリー的には妥当な刈り込みだと思います。あとは監督の,役者に対する演出力と,特撮への偏愛を克服すれば映画もいいものになったんだろうなと思います。
心理描写はうまい。アクションは古い。最初に銃を撃つところのインパクトは半端じゃないです。
裏切りの報復として皆殺しされた家族の生き残りの少年を託されてしまったグロリア。子供は嫌いだが,組織から追われ,二人で逃げていくうちに少しずつ情が移っていく。
少年のキャラクターがやはり統一されていないと思う。子供なんだから矛盾だらけだというのも分からなくはないが,そのときそのときで行動が支離滅裂なのは勘弁して欲しいと思う。
アクションが古いというのは,現在の常識から少し外れているということです。銃を突きつけて脅したり,なんだかその辺の演出が時代を感じさせる。
つまらないわけではないです。が,妙に物足りない。銃を撃つところのインパクトで星一つサービス。
山場がなく,のっぺりした印象。話は悪くないはずなのに,なんだか入り込めないなーという感じである。
3年の服役を終えて故郷に戻ってきたグロリア。組織に家族を皆殺しにされ,組織も処分に困っている子供がアジトに監禁されていた。受け取るはずの報酬も渡されず,古巣では邪魔者扱いされてしまうグロリアは,少年を連れて逃げ出す。
オリジナルは面白かったんだろうなと思わせる内容。シャロン・ストーンと少年役の演技がどこがちぐはぐでよくない。
古い映画なんだけど,飽きさせない上に,登場人物の精神的成長や葛藤,決断などが盛り込まれていて,見事な作品。
列車強盗などをしているメキシコの山賊の一段は,ある列車を襲撃したとき,アメリカ人の援護を受ける。本国に戻れないというそのアメリカ人を味方に加え,盗賊のボスは次なる襲撃を決める。盗賊の目的は軍隊から武器を奪い,革命軍に売って金をもうけることだが,賊の家業で楽を覚えた彼は,武器を革命軍に渡すことに気が乗らない。
古い映画なんだけど,面白かったです。ストーリーが単純なのもよい。アクションも適度にある。また,アメリカでは客の共感が得られないからやらないような行動を,主人公たちも平気でやっちゃうところがマカロニ・ウェスタンのよいところだ。
最後の30分を除いては悪くない出来だった。最後の30分がなければ星二つにはなっていたんじゃないかと。人気ドラマ「ケイゾク」の映画化。
未解決事件の継続捜査を専門に行う警視庁捜査一課・弐係に南の島でのパーティの招待状が届く。パーティはかつて起こったある海難事件の生存者も招待されていた。島では招待客が一人ずつ消えていく。
映画は不評だったが,これは納得。ひどい映画だ。
もともとドラマの「ケイゾク」は,最初はよかったのだが,後になるにつれてグダグダになり,私もレンタルを途中でやめたという悲しい経緯がある。映画もおそらく脚本家の残りカスみたいなものしか出てないんだろうなと思ったけど,まさにその通りだった。ドラマの話で恐縮だけど,話の後半では脚本家も話を作るのに精一杯になっていましたよ,これ。
とはいえ,西萩弓枝は私の好きな脚本家の一人なので(得意ジャンル以外に手を出すと駄目な人だが),頑張って欲しいものである。
「セブン」でこいつはすげえと思ったけど,これを見てちょっとがっかりさせられた映画。オチが悪いとやっぱり印象が悪くなるもんです。
孤独な大富豪がある会社のゲームに参加する。日常の中のゲームだという。そしてゲームにしてはあまりに奇妙な出来事が起こり始める。
無理に見る必要はないんじゃないかと思います。経過はスリリングなのに,どうもなんだか終わり方が気に入りません。
悪くない。スタンダードな映画を観たいんだったらお勧めである。冒険がない。画期的だったり斬新なものを求めているんだったら不満が残るでしょう。けど,この映画でそういう冒険的要素があったらもっとよくなっていたかと考えると,そんなことはないです。だからこれはこれで正解なのだ。
徐々に失明するベーチェット病にかかった教師が,田舎に帰り,自分の状況と向かい合っていく。
とても語るのが難しい。褒めてもいいんだけど,期待以上のものがないので不満に思う人もいると思う。あくまで普通の日本映画。そういう気持ちで観ましょう。観るんだったら。
こ,これは。フランスに持っていったらそのまんまめちゃくちゃヒットするんじゃないだろうか? 五つ星はやりすぎかもしれないが,予想外の出来のよさにボーナスをあげよう。
剣道部の日高拓也と北原紗月はあることをきっかけに付き合い始める。しかし,日高の方にはもともと彼女に対して一般的な愛情とは違う崇拝を抱いていた。
原作は少し長いのですが,うまく脚色されていると思います。最初に書いたように,これはフランスが得意とするジャンルですね。境界ぎりぎりの表現をしているし,人によっては「これはもう踏み越えてるだろ」と思うかもしれないけど,バランスがうまいと思いました。
フェティシズム的エロスがよく漂っていたと思います。
有名なノワール映画のリメイク。登場人物がみんな小悪党っていうのがよい。最初から最後まで飽きさせないので四つ星でもいいくらいだ。
メキシコの悪党の甥を護送中に逃亡させる報酬として大金を手に入れるつもりだったが,裏切りに遭って男は投獄される。一年後,妻の協力もあり,ドッグレース会場を襲う強盗団のメンバーにスカウトされ保釈されたが,大金の絡んだ計画だけにそれぞれの思惑が交錯し,少しも計画通りに進まない。
ジム・トンプスンの本をたくさん読んだ後だと,また味わいがあります。テンポのいいクライムアクション映画だと思います。タランティーノの原点でもあるな,きっと。
ひでえ脚本。なんとなくアクション映画も一本借りておこうと思って借りた作品。ある意味予想通り。
あらすじは省略。
語る言葉は少ないんだけど,観てもしょうがないです。サミュエル・L・ジャクソンもよくこんな映画を受けたなあ。映像の出来はいいです。演出というか,全体の雰囲気をポップな感じにしようとしています。MIBとかそんな感じで。軽口を叩く男二人とか,登場人物があっけなく死んでしまうところとか。そんな映画なので,誰と誰が対決して誰が有利だとか,誰が裏切ったとか,誰が生き残るとか,真面目に突っ込むべきではないのかもしれません。しかし,それでもあえて,これはひどいです。誰か途中で止める奴はいなかったのかよと言いたいですな。
よいできです。途中までは星四つだったんだけど,クライマックスの展開で減点。
大正時代,下町の化粧師である小三馬と,その周りの人々の物語。
時代がかったタイトルと宣伝から,陰陽師ばりに化粧で魔術でもやるのかと思った。そんなわけではなくて,序盤から中盤にかけては化粧師と人々の関わりが描かれている。ラッセ・ハルストレムのショコラみたいな展開。化粧師に対する偏見というのはたくさんあっただろうし,そういう偏見が少しずつ解かれていく過程というのは見ていて気持ちよかった。
残念なのは後半で,前半の展開から,化粧師に対する偏見や敵意と直面するというクライマックスを期待してたんだけど,化粧をしてあげた女性たちとの個人的な物語になってしまった。前半のこれから,後半のこれはないんじゃないの?という感じ。
女優と主人公は綺麗に撮れていると思います。
寄宿舎高校を舞台にした青春物。恋愛がからんでくるんだけど,ラストで恋愛の方の着地点が提示されないので「え? これで終わり?」という感じ。寄宿舎での高校生のむやみに明るい男子校ノリは楽しめると思います。
ジョナサンとスキップは寄宿舎高校でルームメイトになる。最初の印象はよくなかったが,次第に二人は友情を深めていく。
あらすじとしては上のような感じなんだけど,恋愛が絡むのである。ジョナサンはガリ勉真面目キャラなんですが,あることがきっかけでシカゴで一人でナンパすることになり,そこで三十代と思われる女性ヘレンと知り合い,その後,毎週のように会うことになります。しかし,高校生とバレてヘレンは姿を消します。新年にスキップの実家に遊びに行ったジョナサンは,親友の母親としてヘレンが登場するのでビックリすることになります。
古い映画なんだけど,ヘレン役のジャクリーン・ビセットが美人で色っぽかったです。
シーズ・オール・ザットと何が違うんだといわれると答えに窮する作品。けど,こっちもこっちで面白いです。
堅い姉と,遊びたい妹。父は厳しくて,二人のデートを禁止している。ある日,父は嫌がらせの妥協案を出し,姉がデートしたら,妹もデートしていいと条件を出す。妹とやりたい男子生徒たちが,イケメンの男子生徒を雇い,姉を口説くように仕向ける。やがて,二人は本気になっていく。
この手の学園ラブコメでは,学生たちがやりすぎというくらいカテゴライズされているわけだけど,この映画も例外ではない。最初から学園ヒエラルキーを分かりやすく見せてくれます。
「シーズ・オール・ザット」のレイチェル・リー・クックのほうがかわいいとは思う。けど,それは仕方ない。こっちはこっちでいいシーンがあり,面白いです。原題「10 THINGS I HATE ABOUT YOU」の意味が分かるシーンもジーンとする。
コメディ映画のくせに最後は綺麗にまとめる。サンドラ・ブロックがぶっ飛んでてよいです。点のつけすぎと思うかもしれないけど,実際,面白かったのでここは自分に素直に。
結婚前のパーティのハプニングを終え,結婚式場のサバナへの飛行機に乗り込むところで,新郎のベンは事故に巻き込まれてしまう。そこで出会ったハチャメチャな女性とサバナへの道中を共にするうちに,新郎の結婚への自信が次第に揺らいでいく。
出てくる人物がどいつもこいつも結婚について悲観的な意見を述べまくるのがおかしい。掴みからどうしようもないドタバタコメディだと分かるが,期待を裏切らない展開である。結婚についてのネガティブな参考意見をたっぷり聞かせてもらえ,結婚について考えさせられた(単に俺の年齢の問題か?)。
サンドラ・ブロックはこの映画に前後して,ぶっ飛んだキャラを何度も演じ,さらにインタビューでこれが地であることが露呈した作品の一つである。顔もスタイルもいいのに,なんとなくノーマークでした。出ている映画は結構観ています。この映画では,「地」なんだと思うと評価しづらいけど,ピタリハマったよい演技を見せてくれます。
霊感のある主婦と,テレビの音響スタッフである夫。誘拐事件の犯人が意識不明で,子供の捜索を依頼される。だが,偶然とちょっとした欲が,夫婦の運命を狂わせていく。
犯罪ドラマと夫婦ドラマとホラー映画の要素の詰まった映画。
主人公の夫婦が欲望でずるずると不幸になっていくというのは,下手をすると苛立たしいというか,ムカつくだけかもしれない。なんか,演じる役者がイケメン過ぎたせいかも。これが不細工だともっといい感じになってたかもしれない。その辺は課題だろうなと思います。
ホラー表現はホントにぞっとします。印象に残るというか,夢に出てきそう。
掴みはよい。回想の殺戮シーンもグッド。本編は大したことない。けど,ホラー好きとしては合格点を挙げましょう。TATARIよりずいぶんマシだよ。
40年前に行方不明になった船の情報を手に入れたサルベージ船員たちが,漂流していた豪華客船に乗り込む。
繰り返すが掴みはいいです。あとは別に怖いわけじゃないです。メイキング映像がたくさん入っていたけど,同じ人の同じコメントがあちこちに流用されたりしていて,なんだかなあ。
なんだか変な映画。ネットで調べたら元はフランス映画だそうで,それなら納得。
娘が妻と一緒に家を出て行ってから,娘の幻覚を見るようになった秘密諜報部員は,監視していた女性が犯罪を犯すのを目撃する。幻覚の娘が忠告するので報告せず,彼は彼女の監視を続けていく。
「氷の接吻」というタイトルから悪女物を想像すると間違えます。イントロと掴みはかなりいいです。展開が「はあ?」な感じ。けど,この変な展開はある意味個性的なので,興味がある人は観てもいいんじゃないかと思います。予想を裏切る展開を楽しめる人ならってことですが。
主人公が実際にはただのストーカーだったりして,フランス映画じゃないと,たんなる煮えきらない男にしか見えない。つまらなくはなかったけど,おそらく元のフランス映画の方がさまになっているんだろうと思います。
おそらく原作は面白かったんだろうな。
これまでの四件の身代金誘拐を完璧にこなしてきた犯人グループが,五件目に選んだ家族を相手に立ち回る。しかし,計画は少しずつ狂っていく。
誘拐サスペンスと呼ばれるジャンル。この手の映画で原作付きというのは,いつでも原作が傑作である。映画を観ると,ちょっと足りない感じがした。手口は斬新でよかった。犯行グループの別の動機が表に出てくると安っぽくなる。
ファンには申し訳ないけど,シャーリーズ・セロンにはあまりグッときませんでした。個人的にはケヴィン・ベーコンとダコタ・ファニング萌え。ケヴィン・ベーコンはあいかわらずいい。ダコタ・ファニングは「アイ・アム・サム」がかわいかったんだけど,こっちではまた違う演技。喘息の演技がそれっぽい。これはたしかに天才子役だ。出番少ないけど。
心理描写とミステリーの両方を取ろうとして,見事成功させている。うまい。
行方不明になった男性が最後に書いた卑猥な手紙を手がかりに,彼を探そうとする男と,手紙の受取人であるコールガールの物語。
名作の部類。僕がまず感心したのは導入部。最初の数分でこの映画がどういう映画かを観客に伝える手腕が見事。進行はミステリーとしての基本を外さず,人間関係の意外性も用意していて,この辺もうまい。
星四つ付けたいところだけど,同じ日に観た「指輪物語/王の帰還」が三つなのにこれが四つではおかしいかなと思って。
ハル・ベリー主演のホラー。この手のジャンルとしてはよくできてる方。
優秀な犯罪心理学者のミランダは、夫が監督している女性専用刑務所の精神病棟で働いていた。患者の中には殺人犯クロエのように、事実とも作り話とも判断つかない恐ろしい拷問や暴力を告白し、彼女を混乱させる危険な女性もいた。ある夜、ミランダは帰宅途中に奇妙な少女と遭遇、そのまま記憶をなくしてしまう。やがて、意識を取り戻した彼女は、夫が惨殺され、自分がその容疑者となり、それまで働いていた精神病棟に収容されていることを知る。ミランダは担当のグレアム医師に、自分は正気で、夫を殺してなどいないと懸命に訴えるのだったが…。
世間的には叩かれていて,つまらなそうだなと思いつつ,ホラーファンとしての衝動に負けて観に行ってしまいました。いくつか離れた場所に座っているおっさんがやたらうるさい男で,殴ってやるべきかどうか迷いましたが,とりあえず映画に集中できたと思います。
ストーリー的には矛盾点がいくつか見つかります。幽霊の行動が,助けて欲しいのか主人公に危害を加えたいのかよく分からないとか。
多大な期待をしなければ楽しめるんじゃないか? 俺はこのくらいの作品なら歓迎します。
恋愛映画。すれちがったり惹かれ合ったり。俺が子供だったら理解できなかっただろうなあ。展開がうまくて,恋愛映画なんだけどきちんと見せる。終わりも見事。
かつて人妻と付き合っていた小説家が,別れてから二年後にその亭主と再会する。小説家はそれをきっかけに小説を書き始める。
妙に引き込まれる脚本だなと思ったら「クライング・ゲーム」の監督で脚本だった。アカデミー脚本賞を取った人ですね。この人の脚本力は本物だなあ。
なぜ別れたのか,それぞれの愛の形と誤解。それが丁寧に描かれていて,見ている方も引き込まれる。甘ったるいといえばそうだし,不倫といえば不倫なんだけど,見せ方がうまいから納得してしまうなあ。
これはいい恋愛映画ですね。若くない,静かだけど消えないものって感じです。観た後はいい気分になれることでしょう。
こいつは面白い。大阪と京都の少年少女が繰り広げるラブコメディ。
オフィシャルサイトからの引用。
ある日の授業中、後ろの席のキンタにいきなりカンチョーをされたセイ。その瞬間に電気が走ってオシッコをチビってしまった。でも、なんだか変。慌ててトイレに掛け込みチャックを下ろすとなんだか粘っこくてベットリしている。「オシッコとちゃうやん!」
セイこと七尾聖市は、大阪郊外に住む小学校6年生。身長体重はクラスの真中ぐらい。勉強やモテ具合は親友のニャンコに全然かなわないし、剣道とケンカはキンタが一番。何をやっても普通のセイなのだが、こうして思わぬことがクラスで(多分)一番になってしまった。その日以来、セイは授業に身が入らない。物知りの友人ニャンコには「要するにセイくんは発情期に入ったんだ」と事もなげに言われてしまうし、おちんちんは気まぐれに固くなってズボンにテントを張ってしまうし、そんな自分の身体の変調に戸惑っていた。
そんなある日、京都の祖父母の家に遊びに行ったセイは、お使いに行った老舗の漬物屋でナオちゃんと呼ばれる少女に出逢い、まん丸目でふっくらした頬の彼女の事が頭から離れなくなってしまう。剣道の練習で脳天を叩かれても彼女の顔が浮かぶ。「こんなん初めてや、どないしたんやろ僕。ナオちゃんに会いたい…」どこか上の空でいつもと違うセイに、「それは恋だな」と診断を下したニャンコは、彼女に会いに行く事を勧める。「女は情熱に弱いんや!」と、キンタにも激を飛ばされたセイは、1人京都に向かう事を決意した。
ニャンコの教えどおりに、漬物屋のオバちゃんから「ナオちゃん」こと「瓜生直子」の居場所を聞き出したセイは、彼女の父が営む喫茶店『サガン』に向かった。しかし、意を決し店に入ったセイを待っていたのは、「らっしゃい!」の言葉とともに、早く席に着くようまくしたてるエプロン姿のナオだった。どこかイメージが違う…。飲み慣れないコーヒーは苦いし、父親は無愛想。しかも、ナオにはセイのことを覚えている気配がない。その上さらに思わぬ事実が判明する。何と彼女は中学2年生だったのだ。「中学生!」と思わず声を上げて立ち上がったセイは、みんなの注目を浴びてしまい、いたたまれなくなって黙って店を後にしたのだが…。
性のめざめと年上の少女との初恋の間で、とまどい、キリキリまいする少年セイの日々を、面白くも真面目に描いた物語。果してセイの初恋の行方はいかに…。
まあ黙って観ろ。「小さな恋のメロディ」なんかよりキクから。
つまらないといえばつまらないんだけど,観れないことはない。邦画や日本のドラマの駄目脚本に通じるものが海外にもあると知った。
シンガーソングライターを夢見て田舎からニューヨークにやってきた女が,うまくいかなくて打ちのめされていたときに,コヨーテ・アグリーというバーを知る。そこは女性ばかりの店員がタンクトップ姿でカウンターの上で踊る店だった。
日本のドラマや映画を観ていると,たまにわけの分からないシーンに出くわします。なんでそこでその人間がそんなことするのか分からないという,行動についていけないシーンです。この映画は海外の映画であるにもかかわらず,それに通じるものがあります。
シンガーソングライターを目指していた女が,タンクトップのバーで踊って働く理由が全然分かりません。もうとにかく脚本を書く人が「コヨーテ・アグリーで働く女たちの映画」というテーマで書こうとして,「じゃあ女性のサクセスストーリーにしよう」とか,全部内容を後付けしていったような印象を受けます。大体,シンガー希望なのに人前で歌えなくて,「駄目,やっぱり歌えない」とか弱音を吐くなんて,意味が分かりません。シンガーを諦めてバーで働き始めた時点で,本来ならそいつの人生は終わっています。これがダンサー志望の話ならまだ筋が通ってたと思うんだけど。
映画の中の恋愛もチープ。
しかし,出てくる女の人たちは容姿も踊りも上々で,ビジュアルとして悪くありません。脚本の細かいところに突っ込んではいけない映画だと思います。
以下,雑談。
日本のドラマや映画に駄目駄目な脚本が多いのは,脚本を本格的に勉強する場所がないというのもありますが,現場でリアルを排除しているのも大きいそうです。つまり,誰かが「不自然ですよ。普通はそんなことしませんよ」と言い出しても,「ああ,うぜー。誰も気にしないよ。そんなことはヒットと関係ないよ。どうでもいいんだよ」と考える派閥があり,その派閥の影響だそうです。変な演出の肩を持ち,自然体の演出の邪魔をするそれらの派閥は,どちらかというと日本の作劇の世界──とくにテレビ──では多数派を占め,いいものを作ろうとする少数派を排斥しているそうです(もちろん,両者が考える「いいもの」の定義が違うというのは分かってます)。大味グダグダの作品もあってもいいとは思いますが,きちんとしたものを作ろうという人たちは,その人たちで仲間を作って,コツコツとやって欲しいなと思います。
完成度は決して高いとは言えない。だが,ここには新しさがある。誰も寄せつけないオリジナリティがある。そのほとんどは原作によるものだと思う。
ストーリーの前半は,主人公の兄が餓死したことから始まる。その部屋にあった新品の掃除機の,ささったままのコンセントを兄からのメッセージと受け取った主人公は,なぜ兄が死んだのか,その謎を探りはじめる。
この前半のストーリーがとにかく面白い。ぐいぐい見せられる。そして,そういう褒め方をしていることからも分かるように,謎が見えてきてからの展開が少々ダルい。ここはもっと簡単でよかったと思う。謎が解けると同時に,周りの人間関係も一気にとけていけばいいのに,その展開のスピードにつまずきがあるから,「だりー」という感じになる。
あと,いいところでアホたれな音楽を使っている。これは失敗だと思う。クレジットを見るとどうも主題歌の宣伝もしたかったようだが,やや自己主張に過ぎる部分があると思う。
現在の癒しというものを考えてしまう。見事なストーリー。ややこしいようで難しいようで,ホントに簡単。
個性的な役者が多く,登場人物もほとんどがくせを持ってます。これが成功してる。市川実和子も,この映画では見事な存在感です。キャスティングの成功例といっていいでしょう。
ヒッチコックの有名映画のリメイク。音楽まで変えてないっていうのはどういうこと?
会社の金を横領して逃亡したマリオンはあるモーテルで消息を絶つ。私立探偵と彼女の妹と恋人が行方を探して事件の真相に遭遇する。
ここまでリメイクだとコメントのしようがないなあ。古い映画をわざわざ古い手法のまま撮り直したという感じです。アン・ヘッシュがかわいいので俺は許す。
デボラ・カラ・アンガーが出ているのにクレジット見るまで気がつかなかった……_| ̄|○ クライマックスの虐殺シーンは見応えがあったけど,それ以外はいたって普通。テレビで放送していたら観るだけの価値はあるんじゃないって感じ。
小波のホラーゲーム「サイレントヒル」の映画化。夢遊病で,寝言でサイレントヒルと呟く娘を心配した母親のローズは実際に40年前にゴーストタウンとなった街サイレントヒルへと出掛ける。途中で事故に遭い,気がつくと車の中の娘がいなくなっていた。車の外には白い灰が降り続け,視界はひどく悪い。ローズは娘を探すために無人のはずのサイレントヒルへと歩いていく。
クライマックスの虐殺シーンはよいです。久しぶりに顔をしかめて「うわー」って気分にさせられました(よいって言い方もあれですがホラーとしては成功しているという意味で)。
そんなに悪くない。四つ星あげてもいいくらいだ。星が減ったのは,この予算で撮る映画じゃないだろうと思ったから。低予算で,メル・ギブソンじゃなくもっと無名の役者を使っていたら私の好みの映画となっていただろう。
世界中にミステリーサークルが出現,フィラデルフィア郊外の農家にもそれが出現し,家族は動揺する。その家長は,元神父で,妻を事故で亡くして信仰を捨てた男だった。その後も怪奇現象は続き,彼は再び信仰を試される。
怪奇現象の見せ方が非常にうまい。具体的には書かないが,たとえばホラー映画でノブをゆっくり回すシーンなど,その手の見せ方にはすごいセンスを感じる。ホラー映画を撮らせてもきっといい仕事をする監督だろうと思った。
B級ホラー,B級サスペンスとしては掘り出し物の部類。そういうつもりで観ましょう。俺は好きである。
B級サスペンス映画。アメリカでは本当に大量に製作されている連続殺人ものの一つとして,ほかと比べてもよいところが見つからない。個人的にはまったく期待しないで観たので,平均点の三ツ星でもいいのだが,「平均的に面白いんだ」と期待して観ると,平均以下という感想を持つだろうし,このページのほかの三ツ星に比べてもやや劣るのでこのような点数にした。
若い女性を狙う連続殺人犯と刑事の話。
キアヌ・リーブスがかっこよくない。主人公の刑事もそれほどでもない。映画のストーリーは,この手の映画では順当だけど,こういうストーリーばかり見ているとそのうち頭が腐りそうで注意しないといけないと思った。マリサ・トメイもいい女優だと思ってたんだけど,この映画では魅力を感じられなかった。
「痛い映画」と言われ,ちょっと興味があった。これは痛い。掘り出し物。物足りなさもあるけど,表現のいくつかはとても新鮮である。痛いのが苦手な人は観ない方が。
湖の上に釣り小屋が浮かんでいる人里離れた場所。管理してるのはしゃべらない若い女。行き来するためには彼女の運転するボートに乗るしかなく,物を受け取るときにも彼女が必要になる。客は時には彼女を買い,愛人を連れ込み,娼婦を呼んだりもする。彼女は一言もしゃべらずに客の様子を見ている。
あえてこの先のストーリーは説明しないが,日常的な物語の話ではない。映画は最初から,女の異常性を匂わせるし,犯罪が始まる予感はプンプンする。が,とにかくこの映画のすごいところは女の声が全く観客に聞かされないことと,セリフがなくてもその女の異常性というのが観るものにひしひしと伝わってくるその描写力だと思う。映画の途中で,「あんたまさに異常だよ」と突っ込まずにはいられない。
映画館やビデオでお金を払い,期待して観た人は不幸だと思う。以下の説明を読んで,それでも興味があれば観てもいいかという感じ。私個人の感想は,「そんなに悪くないじゃない」
使う者の寿命を吸い取り,妖怪征伐の力を与える妖刀村正。父の村正を継いだ榊咲夜は,富士の結界を破った妖怪達を退治する旅に出る。
オープニングからビビるが,これは2000年の映画じゃない。テレビがまだ白黒だった時代の古き日本映画を忠実に再現しようという意識がある。問題は,そんな作品に需要があるかということをまるで考えていない点だろう。最初の十分で観るのをやめようと思ったのだが,さらに五分,観ていると,慣れてしまった。こういう映像を日本映画の歴史とかのテレビ番組でちらっと見たことがある。けど,別にこんなふうにしなくてもよかったんじゃないの?
感心したのは,主演の安藤希の殺陣である。文句をつければつけられるんだろうけど,私は観ていて,なかなかよく動いてるし,うまく日本刀を振り回しているじゃないかと感心しました。まだ,「あずみ」を観てないんだけど,「あずみ」よりいいんじゃないかと思う(推測でものを言うなって? すいません)。
ま,特撮は頑張ってるし,古い日本映画の雰囲気はよく出ている。けど,あなたがたとえば200円とか400円のお金を払ってレンタルし,一人あるいは複数の人間と一緒にテレビの前に座り,ビデオをセットして再生したとき,期待したものよりは下まわるだろうと思う。たまたま観る機会に恵まれた人間が,得をした気分になるかもしれないという感じの映画。
何度も言うけど,俺は楽しんだけどね。面白かった。山田風太郎の映画化だと思えば。
微妙なところなんだけど,よっつ付けておく。実際にはみっつ半といったところ。
女子校出身の人が,「まるでリアルじゃない」と言ってました。ま,それは分かる。それを言いたい気持ちも分かる。フィクションの男子校がリアルじゃないのと一緒である。
ある女子校の創立記念行事で演劇部が上演する「櫻の園」開演までの2時間。
リアリティに対する批判を聞いてしまうとつい疑ってかかってしまう。けど,見ているうちにその演技の自然さにやっぱり引き込まれてしまう。女の子達が何人かのグループでおしゃべりしているのを見ていると,「あー,あるある」という気分になってしまうから,これはもう製作チームの勝ちなのかもしれない。
映画は1990年のもの。日本もずいぶん変わったものだと思う。女の子がかわいくないのはご愛敬。この年月で女子高生に対するこちらの認識も変わってしまったのだ。この時代の距離感がどうしても「古典」みたいな感じとして受け取れるので,リアルタイムに「必見!」とは言えない。
B級学園ホラー。期待しなければ楽しめる。ホラーというより映像特撮に力が入ってる。
母が死に,情緒不安定になった女の子がロサンゼルスに引っ越してくる。引っ越し先の学校には気味悪がられ,クラスから浮いた魔女と呼ばれる三人組がいた。三人組は,生まれつき力を持った彼女を四人目だとして接触してくる。
思い出話を先に。私はこの映画を楽しみにしていて(1996年公開),大学生のときに田舎に帰ったとき,ロビン・ウィリアムズの「バードケージ」と二本立てで観ました。公開終了間際だったので客がほとんどいなかったのを覚えています。バードケージは大して面白くなかったので観直すということはないでしょうが,こちらは今回のテレビ放送を見つけて観てみました。その日の最終上映は1000円になるというサービスをしていたのですが,チケットを買うのが早すぎて定価で買ってしまった私は,その分割り引いてもらうのではなく,別の映画館で上映していたスタローンの「デイライト」(これは面白いのでテレビ放送のときにもう一度観た)の招待券をもらいました。
この映画の何がいいかっていうと「サウンドトラック」がいいのである。劇場で観たときに,「音楽がいいな」と思ってサントラを買ったんだけど,これが大ヒット。今でも聞いています。是非一度聞くことを勧めます。
映画そのものは,どちらかというと平凡です。この頃のホラー映画は,クライマックスにモンスターが巨大化したり,ぐちゃぐちゃのドロドロになったりするのですが,それが魔術対決になっただけです。すこし簡単に言うと。
マイノリティとされる少女達が,世間からの扱いゆえに社会への敵意を持つようになるというのも,ホラーの王道です。マイノリティがどのように社会と向き合うかというのはホラー映画が持っている一つの命題であり,ちゃんとそれを基調テーマに選んでいるのは好感が持てます。ホラーを知ってる人が作ってます。で,モンスターとか殺人鬼ではなく,魔術を持ってきたところが狙いとしてよいです。そんなわけで,ホラーが苦手な人にも,「ちょっと無気味な雰囲気のする青春映画」としても観れます。
グロくもなく,怖くもなく,ほどほどの完成度です。もっとも,大学生のころより,今観た方が「面白い」と感じました。当時はもっと熱心なホラーファンだったので,野心的でなかったり革新的でないホラー作品に対する点が辛かったのです。
のちに「スクリーム」でブレイクするネーヴ・キャンベルが,四人組の全然目立たないところにキャスティングされてます。あ,彼女目的で観てもしょうがないので注意してください。
大体予想通りの大味映画。作戦舞台の人が次々に命を落としていくのは新鮮(不謹慎)。
地球の核が活動を停止した。ショックを与えて活動を再開させるため,各分野のプロフェッショナルのチームが地球内部に潜入する。
こういう映画にどういう感想を書いたらいいのか分からん。最初の感想がすべてだけど,楽観的な展開じゃなくて,妙にサバイバル的展開を見せてくれます。
オスカー二つも獲ってるヒラリー・スワンクがなんで出てるのか分からんけど,それも一つの味って感じ。
どうでもいい映画。なんだかなぁ。
人の心にダイブできる装置を使って,女性を誘拐したまま意識不明になってしまった連続殺人犯の精神にダイブし,女性を監禁している場所を探り出す。
とにかくぞっとするほど無内容。こんなところで星一つの作品に出会えるとは思いませんでした。殺人犯の心象風景に進入するというアイディア自体,誰でも考えそうなものだけど,それが物語になっていないところがものすごい。映像も,なんだかCMでも見ているような感じで,美しさも斬新さも見つけられない。
特に一番大事な,監禁している場所を探り出すという目的のために,結局犯人の精神に進入する必要が全くなかったというオチが映画を無目的なものにしてしまっている。観ると脱力しますよ。さらに,いつまでも進入していると危険だという設定とか,危険を感じて何度も接続・切断を繰り返し,進入する主人公がもう無理だとか危険だとか泣き言をいう展開も,本編になんのアクセントもつけていない。
どんなものを観客にみせたいのか,そこんところがね。全くなっていないなぁと。映像だけ作りたいならそれもいいけど,必然性のない映像というのはちょっとなぁ。
原題「HANGMAN」。頭悪そうなタイトル。実際には結構良品。だけどインターネットはまるで関係ないっす。良品だけど,終わり方がこれはちょっと約束違反。よって減点。
あらすじ省略。いわゆるシリアルキラーのB級サスペンス映画。
シリアルキラー(連続殺人)の手口っていったら,銃とかナイフとかチェーンソーとかアイスピックなんつうものまであるのに,2000年の映画のくせにこれ,絞首ですよ。最初に第一の殺人が起こるんですが,「へ? 絞首?」と思ってしまいました。慣れというのは恐ろしい。
刑事が主人公です。ルー・ダイアモンド・フィリップスの刑事役ってなんだか不思議な感じです。活躍するんだかしないんだか,有能なんだか無能なんだか微妙な雰囲気がいい。エピソードと捜査の進行は(ちょっと無理はあるけど)よい感じで,見せてくれます。面白いです。
最初に書いたように,終わり方が気に食わなかった。
演出やギャグや殺陣はよい。ストーリーが冗長。見せる物語になっていない。
そんなことはどうでもいいよというところに上映時間の多くが割かれている。物語として楽しみたい人間である僕は,語りの下手な映画というのが嫌いなのである。もちろん,僕が監督の語りと同調できないだけであるという言い方も出来る。けど,僕にとってこの映画はストーリーを楽しむことができない,つまらない映画であった。
ビートたけし名義で出ているだけに,この映画はコメディとして観た方がいいのかもしれない。しかし,それにしてはシリアスだ。真面目な映画だと思って観ると白ける部分が多くて,緊張を維持することができない。中途半端な映画。
つまらないシーンが多すぎるのだ。
日本映画はメジャーだと駄目なのかなあ。
原作の感動の方が上品。けどあざとさでこっちの方が泣ける。ちょっと悔しい。
周囲に考えてることが伝わってしまう「サトラレ」は例外なくIQ180以上の天才であるため,サトラレ保護法によって本人に自分がサトラレであることがバレないように監視され保護されている。あるサトラレは外科医を目指しているが,考えていることが患者や周囲の人に伝わってしまうサトラレが医者になることは現実的に不可能であるため,委員会の方では薬学研究への道を進ませようと画策する。
僕が何度やられてもハマってしまう泣きのパターンに,周囲に馬鹿にされていた人が,何かのきっかけで認められるようになるというのがあります。これをやられると僕は非常に弱いです。で,この映画は原作の設定を少し変えてまでそういうシチュエーションを作り出してます。サトラレは病院関係者にうるさがられています。厄介者扱いです。それがあるきっかけで認められるようになります。で,僕のツボに入ってしまいぼろぼろ泣いてしまったのですが,だからといってこの作品を傑作などといって他人に薦めるわけにはいかないです。なぜなら,僕は原作を読んでいて,原作の力強さを知っているから。
原作では,サトラレは周囲の人間に愛されています。その筒抜けの思想は,自分勝手でわがままで,いざとなった時のヒューマニズムがある普通の人間であり,愛さずにはいられない
存在であるからです。おばあちゃんが入院したり,失恋をしたりしたら,周りの人は,相手が同じ人間であるがゆえに同情をせずにはいられないのです。
僕はこっちの方がリアリティがあると思います。映画では,委員会がわざと失恋するように仕向けて,「よし。やった。任務完了」などと平気で口にして,周りの人もやれやれと同意するシーンがあるのですが,失恋した男の「あーあ」という頭の声を聞いて,そんなに非情になれる人間はいないでしょう。ようするに周りの人間の反応がどうも納得いかないのです。予告編にもありますが,サトラレの人権を鈴木京香が訴えるというシーンがあります。サトラレに接している人はそんなこと言わなくてもやっぱりサトラレの人権を尊重するんじゃないかと思います。なんか感動させるためにそういう設定に変更したんだなということが見えてしまって残念です。
けど,その設定のために漫画より数倍の感動があることも事実です。種類が違うのですが。映画でもできれば,「絶対に助ける」という声が患者に伝わるシーンを強調して欲しかったです。
「これはいい映画だ」と多くの人に勧められてたけど,確かにこれはいい映画だ。
無実の罪で投獄された男が22年後に釈放されるまでの経緯を描いた実話。
オープニングでDeborah Kara Ungerの文字があって喜んだ。デボラ・カラ・アンガー,好きなんですよ。癖のある変な顔ですが,ちょっと見てやってください(「ブス」とかいうな)。カラ・アンガーだと思ってたら,カーラ・アンガーと記述されてて,どっちなんだろうと思った。
この映画は,けど,役者の演技を押しつけるような話ではなく,実際にあった話を淡々と語る形式である。デンゼル・ワシントンが唯一,ボクサーとしての体を作ったという感じで,あとは人種差別から来る偏見と,それが生んだ冤罪を綴っていく。事実の衝撃が胸を打つ。
事実としてカナダ人が彼らを救ったというのがあんまり面白くないのかなと思った。ハリケーンを救うカナダ人たちの描写が淡白で,これがアメリカ人ならもっと英雄扱いになっていたんじゃないかと,ひねくれて考えた。
1980年のカーペンターのホラー映画。頑張っちゃいるけど映像は汚いし,ストーリーは貧弱だし,改めて観る必要はあまりない。ホラー映画の歴史としてカーペンターやジェイミー・リー・カーティスを押さえておきたいという学術的な目的で観るしか。
百年ぶりに悪霊が復活するとかそんな話。本当はもう少しストーリーは凝ってます。
久しぶりに古典的なホラーを観ることができてよかった。霧の無気味さはなかなか頑張ってると思う。
まるで期待していなかったので「普通の映画」って評価に落ち着いた。
メキシカンという銃をメキシコから持って来いと命令されたチンピラが,銃を狙うトラブルに巻き込まれる。チンピラの彼女は直前に喧嘩別れをしていたのだが,やはり銃を狙う組織に目をつけられる。チンピラカップルのドタバタ風味。
普通の人はこういう映画に何を期待するんですかね? ま,僕もテレビでやってたのでブラピファンとして観ただけですが。彼の演技はよかったです。ジュリア・ロバーツも口のデカい女が好きな僕としては気に入りました。ぬるいラブコメだと思えば普通。
しかし邦画ってこういうレベルの作品さえ作れてないよなあ。よく考えたら。
名画。売れなくなった脚本家が往年の大女優に気に入られ,はじめはチャンスだと思うが,過去の栄光に囚われている女優と,次第に歯車が合わなくなっていく。必然的な狂気までまっさかさま。
悪くないです。設定や話がそれこそスタンダードのような気もしますが,一発こういうのを作られると他の人がスタンダードを作れなくなります。ある意味,隙のない映画。僕は多少の欠点がある方が映画として魅力的だと思ってしまう方なので,この映画の完璧さはなんか観ていてこそばゆいけど,好きにはなれなかったり。勉強にはなりますね。標準はやっぱり知っておかないと。
17歳のカルテと同じ役だと思ったらこっちの方が先か。スーパーモデルとしての栄光から麻薬中毒になって転落していくジーアの半生を描いた映画。モデルのジーアってのが実在してるのかどうかも知らなかったので検索してみたら,実在の人物みたいだ。アンジェリーナ・ジョリーが熱演。
上に書いたけど,スーパーモデル「ジーア」の伝記。
キャラクターとしては典型的な境界性人格障害って感じで,こういう破滅的な人格に興味があるなら思い入れを持てるだろうけど,客観的になるとベタなキャラのように思います。観る人によって評価は変わりそう。
主役を演じるアンジェリーナはよいです。同一人物とは思えない感じ。
学園ラブコメディの定番。主演二人がとてもいいです。
学園一の男ザックは,「俺と付き合えばどんな女でもイケてる女になる」と豪語し,そこでオタク女を変身させられるかどうかで賭けをすることになる。付き合っていくうちにザックは彼女に本気になっていく。
フレッシュでよいです。あと,テレビでブレイクしたというイケメン俳優がいかにも薄っぺらい人間として登場してくるのが最高。ヒロインもかわいい。ベタベタ過ぎるんだけど,定番少女コミックみたいな展開が,観ていていい気分にさせてくれます。
B級ホラー。画面は暗いシーンがほとんど。主人公達の行動に苛立つシーンが多い。けど,この手の映画としてはツボを押さえている正しいB級ホラーである。
田舎に帰る車中からある姉弟は田舎の古びた教会で一台の車を見る。男がトラックの荷台から,シーツにくるまれロープで巻かれた布団くらいの大きさのものを穴に落とすところを目撃する。二人は立ち去るが,直後に教会にいた男のトラックが追い上げてきて,後ろから体当たりを仕掛けてくる。二人はなんと事故を逃れ,男のトラックも立ち去るが,弟は,「あの荷がなんなのか確かめよう」と言い出す。
南部,テキサス・チェーンソーに出てくるような典型的なアメリカの保守的農村が舞台。実際,ストーリーは違うとはいえ,受ける印象は似ている。
もっとも,後半になってからこの映画の恐怖の主人公の正体が分かってくると,さらにB級っぽさがグレードを増します。俺は楽しめたけど,B級ホラーファン以外には勧めませんし,B級ホラーファンでもこれよりはもっと別のビデオ借りた方がいいです。テレビで観るのが正解。
実話。なかなかの感動作。競馬のシーンで馬が走る音が聞こえるところでは,映画館で観たかったと思ったほどである。ちょっと長いような気がする。特に最初の物語が始まる部分は,色々意見もあるだろうけど,じれったかったなあ。
恐慌時代。伝説の競走馬,シービスケットの物語。
うまいことが言えません。予定調和的なストーリーだけど,この映画はよかったなあ。
予備知識無しで観て衝撃を受けたから四つ星。普通なら三つ星。
映像や雰囲気にインパクトあり。悪夢的映画。
ベトナム戦争から帰ってきた主人公が頻繁に悪夢を見るようになる。やがて政府の秘密実験が明らかになっていく。
映像的な悪夢がすべての映画ですね。サスペンスとかアクションを期待するとたぶん切ないことになります。
おもしれー。理屈抜き,ストーリー抜きでただサーフィンしているところを撮っただけの映画。監督とスタッフを調べてみたら完全お手製の映画だった。
ドキュメンタリー形式で,ストーリーがないわけじゃないです。ロードムービー形式だけど,別に登場人物が成長したりトラブルに巻き込まれたりするわけでもない。
これ面白い。といっても映画的な面白さを期待すると駄目です。何度でもダラダラ見てしまいそうな陽気さがあってよい。ここまで完全に「悩まない」映画を作るのは難しいぞ,ホントは。
撮影は,ほかのサーフィン映画よりちょっと貧弱というか,下手だと思います。ま,世の中にはサーフィン専門のカメラマンとかいるからね。けど,そんなハイレベルなものじゃなくても,楽しいものは楽しい。
1963年の映画。ストーリーはスタンダードだけど悪くないです。それだけ見たら星四つ。ミュージカルで,全編,ありとあらゆるセリフを歌でしゃべるのを是か非かで評価が分かれるだろう。俺は,「こういう映画が興行的に問題なかった時代もあったんだなあ」と,資料的な感想に終始したので,是非は問いませんでした。単純に,変わったことをしている分だけハードルが高いので点を低くしました。吹き替えの歌なしでもいいような……。
結婚を約束した二人に戦争の招集状が届く。引き裂かれ,揺れる二人。
ミュージカルってのはどうしてもストーリー展開が遅くなるもんなんですが(歌っている間はストーリーが進まないので),この映画では歌いながらストーリーは進んでいくわけで,その辺は私のように脚本好きの人間にはよかったです。登場人物の掘り下げも見事で,ラストシーンはジーンときました。話いいですよ,これ。古今東西,恋愛物で見てきたストーリーではあるんだけど,グッときます。
映像に走ってしまった日本映画の典型的駄目パターン。
新宿駅で女子高生50人が一斉に飛び込み自殺をした。それから全国で集団自殺が相次ぐ。事件性も不明。
イントロだけの映画かもね。とにかく印象的な映像を作ろうと腐心するあまり,ストーリーがおざなりになったという印象がぬぐえません。映像に対して星を増やしてもいいかもしれないけど,ここは辛くいきましょう。
暗くて重い。最後に希望が見える。
お前は駄目だと育てられた男が故郷で次第に心の傷を克服していく。
暗いなー。重いなー。人に推薦されたのでタイトルだけは覚えていたんだけど,このたびやっと借りて,「なるほど」と納得の暗さ。うむ。
星一つ足りないのは字幕のせい。面白い! ブラジルの実話をもとにしたギャング映画。群像劇。60年代から80年代までのスラムの物語。
英語字幕しかない映画の横に日本語字幕をつけているので見にくいったらしょうがない。これはおそらくオリジナルテープが入手できなくて,英語圏のテープに字幕を付けたせいなんだろうな。
しかし,本編はとんでもなく面白い。ヤクザ映画にとても似ている。また,出来がとても良い。ちゃんと映画の方法論に則って製作されていて,「映画になってないぞコラ」というようなことはない。登場人物が多いけど,きちんと描き分けられているのですぐに理解できるでしょう。
原題は「MY LIFE WITHOUT ME」。そんなに感動する作品ではないが,淡々としていて押し付けがましくないからまあいいか。主人公の行動はキリスト教の結婚観から考えると賛否両論あるだろうなあ。俺はすぐに,「ああ,こういう映画か」と割り切れましたけど。
余命3ヶ月と宣告された女性が,残りの人生を生きる。
総合的に言って,「悪くない」ぐらいの感想しかない。泣ける映画ではなく,淡々としていて,少しだけ切なくなる映画。
連続的に傑作に出会ってしまったけど,これにも五つ星を付けないわけにはいかないでしょう。テンポとリズム,ストーリーもキャラクターも最高。これは見事。
ロリータファッションに命を懸ける竜ヶ崎桃子は,茨城県下妻市から二時間以上の道のりを通って代官山で服を買っていた。……映画の冒頭に,自己紹介があるので,そっちを観たほうがいいです。
映画とは関係ないけど,日本映画専門チャンネルで観たら,この放送のあとにインタビューがあった。解説の軽部真一という人が,ファッションについて深田恭子にへたくそな質問をするのが気になりました。
うまく褒められません。面白かったです。
悪女の映画。リブ・タイラー演じるジュエルの魅力にやられてしまった男たちが振り回される。悪女にもフェロモン系の悪女とロリータ系の悪女がいますが,今回は後者。誰とでも寝る女っていう点では同じだけどさ。
ストーリーの流れは最近はやりの,「レザボア・ドッグス」「ロック,ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」系の映画です。回想シーン,複数視点,交差する運命。僕は嫌いじゃないので別に文句はないですし,手法にケチをつけるのはナンセンスです。
リブ・タイラーがそんなに魅力的には見えないんです。「メリーに首ったけ」は観ているこっちまでメリーが好きになるくらい魅力爆発してたんですが,そういう意味では惜しいですね。ただ,僕は映画の中で美人扱いされているなら,役者がどうであろうと美人役として見るので特にこの辺も問題はないです。なんかケチばかりつけているような気になってきましたが。
死ぬほど怖い。勘弁ものの怖さ。
いわゆる怪談,都市伝説物と呼ばれるホラージャンルでほぼ最恐。呪われてる。怖くても2まで観ましょう。
その辺のホラー映画なんかよりはよっぽど怖い。けど,ビデオ版の衝撃が強すぎて,期待感から少し辛め。
ビデオ版のリメイク。恨みを残して死んだもののいる家に関わりを持ってしまった人間が,無差別に呪われていく。
キャストがアイドル映画みたいになっていて,大丈夫かよと思いましたが,その辺は大丈夫です。ただ,多分,大人の都合で奥菜恵の出番が増えたようになってしまっていて,これはまずいなあと思った。明らかに死ななきゃいけない場面で助かってるもんなあ。
呪いの種類や元凶はビデオ版と同じですが,エピソードは違います。パンフレットを見ると,ビデオ版をなかったことにしているわけではなく,ビデオ版とは別のエピソードを切り出しているというスタイルのようです。
前作より薄め。こんなもんだろう。
演出がちょっとわざとらしい。それがだんだん鼻につくようになってきた。
(2003年9月20日)時系列の入れ替えなどはいい感じ。恐怖表現でも新しいものがいくつかある。
子供向け映画。子供向け映画ならこのくらい大風呂敷広げた方がスカッとします。アクション,テンポ,なかなかの物。日本映画の特撮にあるような安っぽさがほとんどありません。ナイス。
キャンプ地で拾ったテトラというロボットを子供たちが拾う。ロボットはテトラというかわいい奴だったが,身の回りの部品で何やら機械を作りはじめる。テトラを拾った少年たちはそれを匿うが,そのとき,ボイド星人という宇宙人がテトラを奪いにやってきた。ボイド星人とテトラの真の目的とは何か。
アクションのテンポはピカ一。センスのない日本のアクション映画の多い中で,これは頑張っています。言い訳もなく,やれるだけのベストを尽くして自分たちの作った物語をそのまま見せようとする監督の姿勢には感心します。
エピローグの方に出てくる緒川たまきが妙にいい雰囲気です。いるだけで雰囲気がある女優っていうのを実感しました。もともと緒川たまきは好きだったけどさ。
例の島で少年が行方不明になった。グラント博士を騙して,両親は救助に向かう。
普通のパニック映画。ちょっとしたスリルの映画。CGは質が落ちていると思います。母親役のティア・レオーニは私の好みのタイプ。だけど映画の中ではみんなに迷惑かける悲鳴女になっています。それにしてもどんどんラプトルが化け物化していくなあ。
あと,疑問に思うのが,巨大肉食恐竜が人間を襲うところです。ラプトル程度の肉食恐竜が人間を襲うのはいいんです。食料の体重比的にちょうどいいと思うから(ま,だからこのシリーズではラプトルが人間の天敵という扱いになってるんだろうけど)。けど,ティラノサウルスとかが人間を食っても,なんのカロリーにもならないでしょう。あの辺の恐竜はほかの恐竜を食べないと満腹にならないと思うけどなあ。なんであんな小さな人間に執着するんでしょう。……「そりゃ,映画だからさ」
オリジナル版。1973年の映画。おもしれー。時代がかったところはあるし,どこから切っても「古い映画」には違いない。しかし,停滞しない小気味良いストーリー展開,徹底した娯楽性と,日本映画ならではのどろどろした情念が,今でも楽しめます。
生まれたときから修羅として鬼の道を生きることを定められた雪。彼女の生い立ちと復讐劇。
血飛沫出まくり。切りまくりです。最初の掴みがよくて,「いずれトーンが落ちていくんだろうな」と思っていたら,クライマックスまでトーンが上がっていく見事な展開。普通にレンタルしても楽しめると思うぞ。
現代の感覚では理解できないような恨みと情念の塊のストーリーに,昔の日本人の思想みたいなものを感じた。手加減無し。ヤッヂマイナー(映画が違う)。
アクションは頑張ってるからサービス。
ゴメン。説明台詞が多すぎて適当に流しながら観てたよ。
テレビ映画だけど,そんなに悪くなかったと思います。クレオパトラがブスだったらどうしようと思ったけど,ちゃんと美人だった。シーザーは美男子というイメージがあったので,その辺は違和感がないこともなかった。美男子顔の役者じゃなかったからね。まあ,慣れてきます。
ジュリアス・シーザーの歴史もの。
無難にまとまってる。けなす部分も見当たらないが,人に勧めるほどの引っ掛かりが自分にはなかった。
ディズニーの王道をわざと茶化したフルCG映画。
アメリカではすごい記録を出していますが,僕の目からみると割と普通の映画にみえる。つまらなくもないし,ワンパターンでもないけど,どうも大ヒットしたという期待感ほどじゃなかったなー。
ある国の王子が国の「おとぎ話の物」をすべて怪物シュレックのいる沼の方まで追放してしまった。シュレックは迷惑なのでその命令を取り消すよう王子と交渉に向かう。王子の条件というのがドラゴンのいる城から姫を救い出して来るということだった。
CGはすごいです。特に姫の顔とか肌,それとビロードの服の光沢がもうホントにそのまんま。あと,水や炎のエフェクト。これを観るとファイナルファンタジーなんてまだまだです。
うーん。どこをどう切り取っても普通の映画なんだよな。面白いけどさ。
あと,原作の絵本「みにくいシュレック」はなかなか強烈なインパクトです。映画のように波乱万丈じゃないけど,それでも話の切り取り方がすごいので頭に残ります。映画より残るくらい。
1954年の映画。ミュージカルショーシーンが多いため,好きでない人は退屈するだろう。その辺のクドさは私も疲れました。けど,ミュージカルを楽しんでやっている様子と,映画のストーリーがとても陽気でよい。観終わるとタイトルの意味が心に染みる。
芸人のドナヒュー夫妻には三人の子供がいた。夫婦は旅と興行の日々を送りながら子供三人を育てるが,やがて三人とも成長して大人になっていく。
芸人一家に対する温かい視線が終始貫徹しているのがよい。観終わるとあったかい気分になる。とはいえ,上記のストーリーを語る上で必要なミュージカルシーンだけでいいはずだけど,明らかに本編とは無関係のミュージカルシーンがてんこ盛り。種を明かすと,私は早送りしてました。ミュージカルファンならミュージカルシーンそのものも楽しまないといけないんだろうけど,さすがにそこまでは付き合えません。
展開のテンポの悪さを早送りで解決すれば(すでに映画鑑賞ではない気もするけど),芸をしながら楽しそうに人生を送る五人が羨ましくも楽しい気分にさせてくれます。
面白い。期待していたものの数倍は面白い。ストーリーの完成度がこれほど高いとは思わなかった。
おちぶれたかつてのサッカー選手をコーチに,少林拳を広めるためにかつての少林拳を学んだ男たちがサッカーを始める。
つくづく香港って映画が進んでるよなーと思う。日本ではコメディ映画なんて全然作れないからな。騙されたと思って観てみてください。普通の映画としてきちんと作られてて,破綻がありません。
面白い。意外な拾い物。無茶苦茶なんだけど,ちゃんと観せるところが邦画によくある寒いお馬鹿映画とは一線を画す。少年チームの生き残りが松田龍平というのがちょっと不満。一番目や二番目の少年の方が主役の貫禄があります。
東京の調布市。少年達は目的もなく集まっては古い昭和歌謡を歌うという気晴らしをしていた。同じ調布市で,同じミドリという名前を持つ主婦たちによるミドリの会のメンバー達も,カラオケで昭和歌謡を歌って気晴らしをしていた。ある日,おばさんの後ろ姿に欲情した少年が,彼女に声をかける。
ガキとおばさんが殺し合いを始める物語。
森尾由美とか細川ふみえがちゃんとおばさんになっているのである。実際,この「映画の感想」を書くためにその辺を調べるまで彼女たちが出ていることに気づかなかった。きちっとした役作りをして,役を成立させている。これが素晴らしい。役者が,自我ではなく,映画の中でどのような役なのかを理解し,本当の自分を主張することのない(邦画ではご機嫌取りのために,登場人物ではなく役者そのものが自己主張するシーンがよく出てくるものなのだ)しっかりした映画を久しぶりに観た。
市川実和子も出てるんだけど,こういう役をやらせたら天下一品だねーという役回り。原作にある役なのか,彼女のために用意された役なのか分からん。
最初に書いたけど,松田龍平より安藤政信を推す。
ブラックでナンセンスだけど,これは面白いです。なんでこういう映画がヒットしないんだろ?
読み方が分からないので「しょくじん」としてます。原題がこのまんまなので広東語読みが正しいんだろうけど。「料理の鉄人」と「ミスター味っ子」を思わせる料理コメディ。映像がちょっと汚い。
かつて食神として崇められた料理人の周は実はやらせといかさまの偽料理人だった。仲間の裏切りで化けの皮を剥がされ料理界から追放された彼は,路地の屋台で真の料理に目ざめ,再びのし上がっていく。
少林サッカー,カンフーハッスルと観ていくと,この監督がブサイクというか,顔の美醜にかなりのこだわりがあるように感じる。少林サッカーのヴィッキー・チャオも確か向こうのアイドルだったはずだし,このカレン・モクも向こうでは確か……。ま,このこだわりはなかなか現代映画界においては貴重であり,どちらかというと尊重したい。敬意を表するといってもいい。今のショウビジネスではコンビニの店員まで美形を揃えることが暗黙の了解になっていて,テレビやスクリーンの人物(特に女性)の顔や体形に少しでも欠点があれば,受け手である観客は,鬼の首でも取ったように喜んで指摘し,飲みの席の肴にしてしまうことがまかり通っている。楽しんでいる場に水を差すのも野暮なんだけど,それっておかしくないかと一石投じるのはとても勇気のいることなのだ。チャウ・シンチーはずいぶん意識的だと思う。最後に美しくなってしまうのは映画としてのご愛敬だと思うけど。
映画の感想だけど,派手でコテコテな料理コメディです。面白いし,やっぱりうまい監督だと思う。予算の関係だろうけど,映像が汚いのでブレイク前の佳作って感じです。最初にこれでチャウ・シンチーを知ったとしたら,「今までの香港映画とは違う新しい才能だ」という感想を抱いたんじゃないかと思います。
こんないい映画だったんならもっと早く観ておけばよかった。五つ星に近い四つ星。
あらすじを知らずに,「いい映画だ」とだけ聞いて観たので,それにならってあらすじ略。
「障害者が美人だったりするのは映画の嘘ってことでいいと思う。頭がよく料理が上手だったら,そりゃ惚れるよ,やっぱり。ラストも見事。これ以外の終わり方はないね。」
意外と面白い。面白いと言うには深刻な内容だけど,面白い映画だと思う。
ジョンの息子が心臓病で倒れる。助かるためには心臓移植しか方法がないが,手術には25万ドルという費用がかかり,保証金を現金で用意しなければ,移植待ちリストに名前を乗せてもらうことさえできない。彼はなんとか金を工面し,息子に手術を受けさせようとするが,何も手はなかった。彼は最後の決断をする。
今回はアン・ヘッシュだと気づいて,キャストを調べたらやっぱりアン・ヘッシュでした。好みだったので嬉しい。
ジョンQが身近な人に理解されていて,それがテレビを通じて伝わっていく様子をうまく演出している。やりすぎで,物事が都合よく進みすぎていることに違和感を感じることもないことはないが,俺はこういう話なのだからと受け入れられました。
導入の映像が伏線になっているのが斬新でよかった。これはここにもってこないと観ていて白けたと思う。
社会派っぽく描いているし,もしかしたらアメリカには社会的に,貧乏人が医療を受けられない仕組みがあるのかもしれないけど,社会派的面ではイマイチでした。
どう評価しようか迷ったけど,話がそれほど面白くないので,脚本評価を重視して低めにしました。役者や撮影を重視するなら評価はグッと上がります。
中学のガキ大将がヤクザの抗争に巻き込まれて誘拐された。クラスの仲間三人は彼を探し出すための行動を開始する。
相米慎二監督は好きで,この映画でも映像にはいいものを感じます。特に凄いのがロングショットワンカットの長回しで,やたらと使っているんだけど,この映画ではいやな感じがしません。ただ,顔のアップが見たいなあと思うんだけど,この映画ではほとんどアップがなく,それだけが残念です。アップばかりの映画よりはいいけどね。
ストーリーはなんだかわけが分かりません。というか,思春期の子供の冒険譚を撮りたかっただけで,話が長引くならそれでよかったんじゃないかという印象を受けました。あと,発砲シーンが出てくるんだけど,邦画の発砲シーンはどれも全然駄目だなと思いました。多分,銃の反動が全然描けてないからでしょう。
これは評価が難しくて,だったら無難に星三つでいいだろうと思ったんだけど,評価が難しいから自分の評価を無難で角の立たないものにするっていうのも違うだろうと考え直した。で,たとえ原作が文学的に評価が高くて,これを褒めないことで私の映画を見る目が疑われるようなことになるかもしれなくても,散漫でつまらなく,中途半端な映画だとここで言ってしまおう。
大学教授が人種差別的な発言をしたことで不当にクビになり,妻は死んでしまう。だが,彼には誰にも言えない秘密があった。
ネットの評判を読んだんだけど,意外とみんなも似た感想を持っていて安心した。文学的だからけなしにくいなあと感じてたんだけど,やっぱつまらないことはつまらないのだ。もっとも,無理して観るほどじゃないってだけで,それほど駄目な映画というわけでもない。三つ星に近い。
人種差別がテーマみたいなんだけど……。やっぱり散漫で焦点が合ってないと感じる。
スコット・スミスの傑作ミステリーの映画化。森に入った兄弟とその友人の男三人が墜落した飛行機から400万ドルを見つける。三人はそれを手に入れるためシンプルなプランを立てる。「半年待って,誰も探していないようなら山分けする」というプランである。だが,そのプランはそれぞれの思惑によって崩れていく。
やるせない原作だったが,映画を観てまたやるせない気分になった。欲望に振り回される人々の実態が見事。
原作と違い,ちょっと展開に無理がある。窒息死を墜落死に偽装したり,身元確認をしない田舎警察なんてのが出てくるが,それはいくらなんでも無理がある。白けるとしたらそこで白けてしまうと思う。けど,まあ,映画はあくまで,どうしようもなく崩れていく計画にあるわけで,その辺はしっかりしていると思う。
後半がちょっと。甘くて素敵なプロポーズとか出せば,前後に関係なく女性客は感動するんだろみたいなやっつけを感じる。
仕事中毒の男に一人の女性が現れ,癒して救ってあげるといってくる。偶然も重なり,男は彼女の十一月の恋人となる。
調べてみると,ラジー賞をとっています。まあ,そこまでひどいとは思いませんが。
後半の展開がよくないと思います。ラストは,別にこれで終わりでもいいんですが。
星は三つだけど,個人的には二つでいい。その中間,2.5くらい。
女の子たちがビッグバンドジャズにはまっていく話。
ヒットしたそうなので,それなりの期待をして観たのだけど……。
まず,演技が下手。全員棒読みです。そして,役者が下手なのもあるんだろうけど,無理のある台詞や展開を書いた脚本担当にも問題がある。全体的に薄っぺらい。
みどころはイノシシのシーンくらい。
女の子たちがみんなでビッグバンドをやって盛り上がっていくところは,さわやかさを狙っていることがミエミエで,魅力に欠ける。出演の女の子たちが制作者の意図を充分に理解していて,そのとおりに振舞うだけの頭のよさがあったということなんだろう。演技にそれが悪い意味で出てしまっている。
また,私は東北出身なので,へたくそな訛りにも閉口しました。いかにスタッフ・キャストともにいい加減な気持ちで作っているのかということが,そこだけで手に取るように分かりました。
評判の駄目映画だけど,これがビックリするほど駄目映画。海外の映画にもこんな駄目映画があるんだな。
漁師がリゾートヨットの召し使いとして働いていた。やってきた女性客の高慢さに我慢ができなくなっていたが,遭難をきっかけに二人の立場は逆転していく。
マドンナがはじめ高慢でやがて従順になっていくわけなんだけど,誰もそんなマドンナ見たくないってのが欠点の一つ。
そして最初は,そういうキャスティングの悪さ(というか観客が見たいものを理解していない制作の失敗)が不評の原因だと思っていたんだけど,後半になって意見が変わります。これがマドンナじゃなくても駄目映画でありゴミ映画であると。ただの駄目映画がミスキャストを得て,ただごとではない駄目映画になってしまった作品であると理解するのである。
まー,とにかく駄目な映画であった。期待以上の駄目さである。
なんかよく分からんけど迫力に押されて星を四つ付けておく。内容はコメディタッチのサスペンス。デミ・ムーアだけがやたらマジに演じているのが妙なトッピングになってます。
ストリップダンサーのエリンは,最低の亭主と別れたが娘の親権を夫に取られてしまう。ある日,酔客が彼女に絡んだところで別の観客がそいつを殴りつけるが,彼も下院議員のくせに女好きの最低男だった。親権を取り返そうとするエリンと,ストリップバーの写真を撮られた下院議員のお互いの行動が思わぬ事態を招いていく。
登場人物が馬鹿だらけ。とにかく最低の人間ばっか出てきます。そんな中でデミ・ムーアだけボケてんだかマジなんだか分からんキャラクターになっていて,繰り返しになるけど,妙な感じ。何ていうか,役がどうとかいう以前に,「あたしがストリッパーをやるんなら妥協しないわよ!」という気合いが,エリンがどういう人間かという役作りよりも前面に出てしまったんではないかと思う。コントロールを外れてしまったという意味では駄目映画。
けど,その妙な迫力と,映画全体のコメディサスペンスの雰囲気が,微妙な不協和音を奏でていて,計算から外れた味を出しています。アンバランスさがいいんだけど,こんなアンバランスさを楽しめるのは映画好きだけだろうなあと思い,ラジー賞を総ナメにしたと分かって納得しました。ラジー賞ってこういう作品に贈られる賞なんだね。
たしかこれ以降はデミ・ムーアは「ゴースト」のイメージをブッ飛ばして,仕事のジャンルを変えたはずです。なんか認めるのも嫌だけど,この映画やチャーリーズエンジェル フルスロットルのデミ・ムーアを見て,「いいなあ」と心から思える俺は,女王様好きの奴隷君かもしれん。いや,根っからではないだろうけど,そういう側面が自分の中にしっかり存在するということは認めた方がよさそうだ。
邦題はおそらくそれまでのピュアなデミのイメージにあやかって売ろうという狙いだけで,深い意味はないと思います。
(2004年12月16日)調べるとデミ・ムーアってラジー賞の常連みたいで,毎年のようにエントリーしています。そんなにラジー賞関係者から愛されてるとは知りませんでした。……不名誉なのかな?
日本映画専用チャンネルからの引用。
2000年11月~2001年3月にかけてインターネットのみで配信された日本初のインターネット映画“クリックシネマ”第1回配信作品。田中麗奈主演の3部構成からなるオムニバス映画。1話につき200円払うと、インターネットを通じて観賞できるというシステムで、300万以上のアクセスが殺到した。1958年、1981年、そして2000年……。それぞれの年代の女性が心に抱いている強い感情「好き」という気持ちを切なく描く珠玉のラブストーリー。
「チャーシュー麺」(本田昌広監督)1958年横浜。直子(田中)は中学卒業と同時に久留米から集団就職で上京し、横浜の裏町にあるひなびたラーメン屋で働いていた。ある日、チンピラに追われた安藤(高橋)をかくまい、同郷という共通点から次第に打ち解けあっていくが、その先には悲しい別れが……。
「波」(鋤田正義監督)1981江ノ島。畠中すみれ(田中)はその春、小学校に新人教師として赴任した。夏休みの初日、なかなか心を開こうとしない東京からの転校生・野原カズオの自宅を訪問したすみれは、父親の野原洋(井原)と出遭い惹かれていくのを感じる……。
「テンカウント」(長澤雅彦監督)2000年夏、東京。専門学校に通う草野美穂(田中)は空しい毎日を過ごしてい、ある夜、公園でボクサー・高橋ハルヲ(井澤)がトレーニングの途中で落としてしまった封筒を拾う。翌日、ジムへ封筒を届けた美穂はハルヲのスパーリングを目の当たりにして{何か}を感じ、そして惹かれていくが……。
あんまり面白くないッスよ。まず年代別っていっても演技や演出は全部一緒だし。なんかドラマ性もあまりないし。もう少しひねって欲しかったってところ。
アキラに多大な影響を与えたと思われる超能力映画。ホラーに分類してもいいけど,なんか違う。
遂にここにクローネンバーグ作品を書くことになりました。クローネンバーグについて書き始めたら長いよ。けど,とりあえず一発目だから長めに書くね。
僕はこの監督の名前をあまり意識してなかったのだけど,「ザ・フライ」の解説で,「人体の変化/変質に異様なこだわりを持つ監督」というコメントを読んで,自分の中でこの監督が理解できたような気がします。
クローネンバーグの作品の中では何らかの人体の変化が起こります。肉体そのものの変化というのでしょうか。グロテスクといえばそうなのですけど,頭のスイッチのどこかを切って,監督の「肉体変化」そのものを受け止めると,なかなか別の視野が得られます。
皆さんは肉体の変化でどこまでイメージすることができるでしょうか? 僕はあの漫画の「コブラ」を見たとき,腕が銃になるという発想に恐怖を抱いたことを覚えています。「ジョジョの奇妙な冒険」では,自分で口を開けすぎて,口の両側が裂けるゾンビが出てきます。映画では意外と多い,腰から下がない真っ二つの死体というのも,ちょっとまともな日常生活からはイメージできない肉体だと思います。本文は体に障害のある人を除外しているというわけではなくて,あくまで普段のイメージのことです。
さて,そういったイメージの限界を探すと,意外と底が浅いことを感じさせられる。「頭爆発とか,半機械人間とか,ハエ男とか,色々イメージできるぞ」と思うかもしれない。けど,大抵はそういうのはテレビからのイメージだ。オリジナルじゃない。クローネンバーグは,もちろん世の中にヒントはあるのだろうけど,そういった数少ないオリジナルの人体変化をイメージできる監督なのである。
この映画のサワリだけちょっと教えると,超能力者が能力で衝突して,片方の頭が風船のように割れて飛び散るというものすごい映像が出てきます。珍しくないと思うかもしれないけど,これが元祖。「北斗の拳」はこのあとの漫画。
これだから深夜映画は侮れない。意外によくできたサスペンス映画。
有名女優が妹の夫の殺人容疑で逮捕される。正当防衛か殺人かでマスコミはゆれる。有名弁護士が彼女の味方につくが,世論などを考え,彼はまったく無名の新人弁護士に任せ,自分は陰から指示を出すことにする。それぞれの思惑が交錯し,お互いがお互いを出し抜こうとする。
データソースとしてallcinemaを使っているけど,ここのユーザコメントはいつも質が低い。評判を知りたかったらほかのサイトを見ましょう。このサイトの感想だけ見ると騙されます。
「よくできてる」というのが最大の賛辞ですね。完成度が高くて,目が離せません。終わり方がちょっと淡白で,そのせいで印象は薄れる感じだけど。
ベタなストーリー展開だけど,ロックを教える熱い演技と,ラストのライブシーンは確かに盛り上がる。
自己中心的なアマチュアロッカーがバンドをクビになり,家賃を稼ぐために私立小学校の教師として潜り込む。彼は子供たちの楽器の才能に気づいてバンドメンバーとして彼らにロックをやらせる。
まあ,言うことはこれだけかな。ヒネリがないので不満もないこともないが,10歳の少年少女の演技は見応えがあります。
ティーンエイジャーがみんなで盛り上がりながら観る映画。ホラー映画。
「キャー」「ウオー」「わははは」と騒ぎながら観る映画。内輪ウケとホラーの王道を逆手に取って,その上でしっかりホラー映画としても成立させているからよい。ホラーとしては十三日の金曜日とか,あの辺のスプラッタ,連続殺人ものです。本当に駄目なら駄目だけど,別に製作者は怖がらせようとしていないので,気にすることはないと思います。「たかがホラー映画じゃないか」って声が聞こえてきそう。
三つ半といったところ。非常に惜しい。面白いので観てもあまり損はないです。期待が大きいと駄目。
プロの金庫破りであるニックは,引退前に最大の
「それで終わりかい!」と突っ込みたくなること必至。ストーリーに展開がない。ここで終わらせるというのはなしでしょう。
金庫破りまでのプロセスはなかなか面白いのでよいです。終わりがよくないので薄っぺらい印象。エドワード・ノートンってこういう役,こういう演技ばかりだなあ。イマイチ彼の仕事の選び方が分からん。
これは懐かしい。かつてシュワルツェネッガーがコナンシリーズをやっていたような,筋骨隆々のファンタジー男戦士もの。何年経っても,役者は変わっても,同じことやってます。
あらすじは省略してもいいけど,伝説の最強部族の生き残りの戦士が,仲間を殺した帝国の独裁者に単身戦いを挑むとかそんな話ですよ。
ヒロイン役のケリー・ヒューという女優がこの手の映画としては珍しく東洋系でした。でもって当たり前だけどナイスバディ。
ザ・ロックが追い詰められると手近のものを投げつけるんだけど,ジャッキー映画じゃないんだからそういうことはやめて欲しかった。頭の悪いマッチョ映画なのは分かってるんだから,開き直って筋肉だけで勝負つければよいのだ。
フランスのアクション映画。頑張ってるけどやはりイマイチな感は否めない。
倉庫に強盗に押し入った一味。マフィアのボスの護送途中で襲われ,特殊警察が装甲車ごと倉庫に逃げ込んでくる。マフィアに囲まれた警察と強盗と倉庫警備員は行き残るために手を組んで応戦する。
映画を楽しむのとは別のところで,こういうのを作るのは本当に難しいなあと思った作品。襲ってくるマフィアも一流じゃなくちゃいけないし,迎え撃つ側もアイディアがないといけない。その辺のストーリー展開にちょっと難がある作品。けど,おおむねよかったし,正面から堂々とアクションをやろうという姿勢はいいと思う。これでごまかしが利かなくなってドタバタコメディとかにしてしまうのが日本映画なわけだけど。
言わずと知れた12歳の少年の映画。青春映画というより思春期映画って言うべきなのか?
「私が生まれて初めて死体を見たのは12歳の時だった」という最初のナレーションがすごく好きですね。原作の小説では控えめな書かれ方をしているんですが,この映画ではこのナレーションがすべてです。死体探しに4人の少年がキャンプ道具を持って1泊の冒険に出掛け,街に帰ってくる話。
最後のシーン,字幕では「もう二度と……」と結んでありますが,実際に書かれているのは(そして吹き替え版で使われるフレーズは)「皆もそうなのではないだろうか?」です。あなたはどうですか?
むしろネズミより猫を見るのが楽しい。
リトル家に養子でやってきたネズミのスチュアートの話。
大真面目にネズミの養子を取り扱っているところが面白い。子供向けだから風呂敷き広げてるという感じじゃなくて,ギャグとしてやっているのである。登場人物のリアクションがいちいち面白いというか,「ええ,真面目に受け取っちゃうの?」ってところが味になっている。
主人公のスチュアートはほとんどCGなんだけど,飼い猫スノーベルとその他の野良猫たちが訓練された本物を使って撮影されています。これが実によい。猫好きにはたまらないんじゃないかと。
猫も人間もしっかりキャラが立ってて,物語のお手本のようです。
これは面白い。エンドレスサマー2より失礼だが面白い。エンドレスサマーの監督の息子が送る,サーフィンドキュメンタリー第三弾。
世界各地のサーファーを映像に納めたドキュメンタリー。
ブルース・ブラウンの余計な語りがない分だけ面白い。この監督の方が現代感覚を持っているので,今だとこっちの方が普通に観れる。
前半の導入部で,映像の撮影シーンをちょろっとだけ映すのだが,それを見てもう少し興奮した。水中カメラマンがチューブの中のサーファーを撮った映像というのはいくらでも見ることができるが,チューブの中を撮影しているカメラマンを後ろから撮った映像っていうのはそう滅多に見れるもんじゃないだろう。
サーフィンの魅力をそれぞれの人が語り,サーフシーンをたっぷりと撮った,それだけの映画。
関係ないけど,英会話の先生が「リキッドじゃない。リクイッドだ」と怒ってました。
以下,この映画を見た感想。
何かにハマるという感覚はよく分かる。サーフィンにはそういう魅力があると出演者は語っているが,もちろん,世の中のすべてのものにはそういう魅力があるものだ。映画を観ながら,私は,「俺は本だな。本を読むのをやめるということはないだろうな」と思った。本には人を惹きつけて離さない魅力がある。同じ波が二つとないように,同じ本も二冊となく,サーファーが完璧な波を夢見るように,読書家も完璧な本を夢見るのだ。どの波も楽しめるように,どの本でも楽しめるけど。
私が本の魅力について考えるとき,感心するのはドラえもんのあるエピソードである。宿題として読書感想文か何かを課せられたのび太に,ドラえもんが出す道具は,人が本を読んでくれる道具である。細かい話は忘れたが,のび太は出来杉君に十五少年漂流記を読んでもらう。出来杉君は話を語ってくれるんだが,途中で喉が枯れて,その夜はお開きになってしまう。のび太は続きは明日と思って寝ようとするのだが,続きが気になって仕方ない。仕方なく出来杉君に本だけ借りて,のび太は夜中までそれを読むのだった,というエピソードである。話は,ママが夜更かししているのび太を注意するのだが,ドラえもんが,「読書の楽しみに気づいたんだし,ここはそっとしてあげようよ」とママをなだめて終わりである。
およそ人が本にハマるときにはこういう経験を持っていると思う。そしてこれを書いた藤子不二雄は,やっぱりそういう経験があるんだろうなと思うのである。
何かに夢中になったことのある,すべての人が理解できる映画だと思った。同時に,自分もサーフィンやってみようかなと思わずにはいられない映画である。
つまらなくはないのに狙いがよく分からん。
「フィクション」と「ノンフィクション」の二部構成。ある作家の創作講義を受けている生徒たちが,自分の作品を発表するが馬鹿にされる。彼氏の作品をけなされた女生徒は,バーで飲んでいた作家に声をかける。リアルな高校生を撮ろうという映画監督は,ある家庭の取材許可を受ける。どの家庭にもある問題をその家庭もはらんでいた。
ネットの感想を見ると「悪趣味」ってのがあって,それに対する賛否があるんだけど,この程度で何が悪趣味なのかよく分からん。催眠術のところはリアリティを欠くけど,それ以外は「まあ,こういうこともあるかもしれない」というような描写であり,そこに皮肉や批判を感じ取ることは難しい。そういう映画ならもっとどぎつくやってもいいと思うし,そうじゃないならもうちょっと映画全体をまとめてもよかったのではないかと思う。
観た直後の感想は「テーマがありそうでない映画だ。なんで二部構成にしたんだろう?」というものであった。
最後のクライマックスに篠原涼子が歌い出すところがビビった。
ストーリーとしては,こういうなにかの企画に乗っかったようなものはあまり見たことないけど,義務感からすべてのキャラクターを登場させましたという感じである。これがたとえば主人公とライバルと敵とヒロインと,そのくらいのキャラクター構成だったら普通の映画にすることもできたのではないかと思う。ゲームファンが怒るだろうからそんなことは不可能だろうけど。
まあ,変なものを見せていただきました。
アメリカ・アイオワ州ローレンスに住む73歳のガンコな老人アルヴィン・ストレイト。ある日、彼のもとに、76歳の兄が心臓発作で倒れたという知らせが入る。10年来仲違いをしていた兄に会うため、アルヴィンは周囲の反対を押し切り、たったひとりで時速8kmのトラクターに乗って旅に出ることを決意する。
アメリカの田舎のでかーい,ひろーい映像が楽しめます。リンチらしくフェードイン,フェードアウト,オーバーラップの多い場面転換。奇妙ではなくて普通の旅。お涙頂載にしないのはエレファント・マンから続くやり方でさすがと思った。のんびりいい話を見たいときにおすすめ。
84カラットのダイヤを巡る騒動。
84カラットのダイヤというのは値段が付けられないそうです。
油断して観ていると初っぱなからハイスピードストーリー。「そうだ,この映画の監督はガイ・リッチーだった」と思い出して気合いを入れ直す。
リズムやテンポは「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」とほとんど同じ。ただしストーリーはもちろん違います。テンポのせいでどうしても同じような印象になってしまうのはしょうがないかな。ブラッド・ピットが見事にわき役に徹していていい味出してます。これでまた味方同士の撃ち合いで終わったらどうしようかと思ったけど,もちろんそんなことはない。とにかく気合いを入れてこの高速ストーリーの流れに乗り,そして身を任せるのだ。
まあ,平均点のサスペンス映画。悪くはないんだけど,もうこの手の映画というのに見慣れてしまって,新鮮みをあまり感じない。
えー,なんかふつー。
男がアパートに引っ越してくる。大家の老女は彼を部屋に案内する。アパートの住人が彼に話しかける。「彼女は力を持っている。俺たちを精神病院に送り返す力を持っているんだ」彼はすこしずつ過去の出来事を思い出す。
クローネンバーグお得意の肉体変化はありません。また,オチも,それで終わり?という程度のものです。何で今,こういう映画を撮ったのかがよく分からない一品。
星二つだけど,テレビでやっているのを観る分にはまあ,いいかもしれない。見どころはある。B級もいいところだけど,とりあえず。
実験用にクモを積んでいたスペースシャトルが原因不明の事故に遭い(ストーリー上「宇宙人」という単語は出てくるんだけど,具体的じゃないです),乗組員は奇形化したりして変死。クモが乗組員の体に卵を植えつけていたのだが,それが孵化するとバスケットボールほどのクモになり,人を襲いだす。宇宙人ゴシップを追い続けていた女性記者の主人公は,エリア21でシャトルの墜落を目撃して基地に侵入し,パニックに巻き込まれる。
陳腐もいいところのストーリー。B級モンスターパニック映画。ひどいもんです。しかし,この映画がビデオスルーではなく,日本では劇場公開されたのは最後の20分のおかげです。この監督はクライマックスの使い方を知ってますね。僕はこの手のB級映画は好きなので,クライマックスがもっと見どころなくても楽しんだと思うけど,このクライマックスのおかげで,僕のような人間以外にもちょっとだけ「得した」と思わせる力があると思う。
評価が高いのは,この手の映画としての期待感より高い,という意味合いで。もともと興味無い人などが,試しで借りて観る場合にはあまり褒めないんじゃないかと思う。けど,それほど単純じゃなくてよかったです。
冴えないいじめられっ子のピーターは,幼なじみのMJにずっと片思いしている。そんな彼がある日,クモに刺され,超人的な能力を身につける。
僕は,何も努力していない人間が,ひょんなことから強力な力を手に入れるというストーリーがあまり好きではありません。主人公がいじめられっ子だったりすると最悪です。そこに,弱者の願望がモロに出てくるのが好きではないのです。「あー,こんな俺にすげー能力が舞い込んでこないかな?」「あー,こんな俺がいきなり女にコクられたりしないかな?」そんな願望(実は甘ったれ)を受け止め過ぎているからだと思います。それを歓迎する人間のコンプレックスが見えてしまうからですね。コンプレックスを利用しようとする商売も好きじゃないし。
で,まあ,この映画ってアメリカで大ヒットしたんですが,そういう妄想を叶えてくれるから大ヒットしたんだと思ってました。けど,この映画はさすがにそこまで安直ではありませんでした。大きな力を持った者の責任にまで言及し,そこを理解し主人公が受け入れることをちゃんと描いています。確かにヒーロー願望を叶えてくれる安直な映画ではあるけれど,掘り下げがそれよりちょっと深いところに好感が持てました。
空中のスパイダーマンの動きがあまりにCGっぽくて,もうちょっと何とかならんかと思いました。
なんで「1」の感想がないんだろ? そんなわけで追加しました。面白かった。アクション超大作ってわけじゃなくて,王道だけどヒーローの苦悩を扱っててよい。「3」につなげるところはやっぱり映画としてちょっと引きました。映画の基本は一話完結ですよ。
スパイダーマンとの二重生活は苦しく,勉強もバイトも駄目になりそうなピーター。幼なじみのMJはどこかのイケメンと結婚しそうである。そんな彼はスランプもあって,スパイダーマンをやめる決心をする。
「3」につなげてるところがちょっとねー。あと,空中シーンのCGも代わり映えがなくてねー。
それでも面白いのはやっぱり面白いから。アメリカ人がヒーローが好きっていうのがなんとなく分かった気がする。
近親相姦の映画。ヘビー。
映画全体として観た時,この映画の完成度について測りかねる。なんだか頭の一部が真っ白になって,吐き気さえ催すのだ。まあ,テーマがテーマだからしょうがないけど。
話は最初から最後まで底に向かって落下していきます。弟が姉と父の関係に疑問を持って,映画全体を支配しているぬめるような重い気分の中,少しずつ証拠を集めていきます。この映画で印象に残っているのは(この映画で印象に残るシーンはたくさんあるんだけど)父が否定するところです。何がなんでも否定を繰り返すというこの態度はなんなんだろうと僕は繰り返し思い出すのです。
なんにせよ胸くそが悪くなるので万人にはおすすめできません。そういう気分になりたくてこの映画を観たんだけどさ。
これはよくやった。脚本勝ち。安っぽいセリフがないのがよい。そしてナターシャ・ヘンストリッジのナイスバディ!
捕獲した宇宙人は人間の美しい女性の外見をしていた。彼女に脱走された研究者たちは,エイリアンが地球人の遺伝情報を取得するための交尾対象を探していることを突き止める。特殊部隊員は彼女を追跡する。
「宇宙人」とか「エイリアン」という単語が出てこない。また,勝手な名称(「○○星人」とか)も出てこない。正体を説明するセリフは徹頭徹尾,生物学的な説明だけである。これがよい。
モンスターもののホラー映画は,エイリアンからこっち,くだらないものばかりだったんだけど,これは真面目に制作してそれが成功したよい作品。
後半のクライマックスはB級になるんだけどね。
アクション映画。展開,ストーリー,仕掛け,どれも見事で飽きません。止まらない。
爆弾による爆破に美学を感じる爆弾魔とSWAT隊員の対決。一定の速度(確か時速100マイルだか80マイルだか)以下になったら爆発するという爆弾が仕掛けられたバスをなんとか止めるというとにかくそういう物語。
この映画のすごいところは緩急がほとんどなく最初から最後まで一気に突っ走る点。最後の地下鉄だけはちょっと余計だけど,全然充分なスリルです。
大友克洋ファンだとしても,すでに使い古されたイメージしか見れないので観る価値はない。原作ファンは受け入れられないでしょう。何も知らずに観てもつまらないだけ。
超古代文明を封印するための国際組織アーカム。そこに所属する特殊部隊をスプリガンという。ある日,ノアの方舟が掘り起こされる。兵器として狙うアメリカ国防総省に対して,スプリガンの御神苗優が戦う。
無意味に人が死ぬ。爆発はよく起こるがじれったいだけ。「僕が神だ」というセリフは,よほど慎重に使わないと失笑を誘うだけ。
原作とキャラクターデザインが違うんだけど,なんでわざわざこうしたんだろ? 僕は原作ファンじゃないんだけど,これはまずいんじゃないかと思う。思うに,これはスプリガンの映画化という企画に大友克洋が顔を出してきて,彼が原作の世界を自分好みに作り替えてしまったんじゃないかと思う。で,大友克洋というのはストーリーテリングの能力が低いのでこういう結果になってしまったんじゃないかと。ま,原作ファンにも大友ファンにも不幸な結果になった。
ストーリーも意味不明です。必然性のないシーンが多くて,脚本も練れてない。ちなみに公開当時もさんざん叩かれていました。
原作者の名前に見覚えがあると思ったら,「オカルト」の作者だったのか。
星は少ないがつまらないわけではない。俺はホラーファンとして楽しめた。ただ,一般評価を下そうとするとこういう点数になる。フォローについては以下の文章で。
ハレー彗星に接近した調査船は,そこに人工物を発見し,それと接触する。三十日後,応答のない調査船に接近したシャトルは,死体だらけの船内に残されたカプセルに入った三体の裸の人間を発見する。カプセルは地球上のものではなかった。また,調査船の脱出艇は使用され,そこに一人の生き残りを発見する。
「異形のものとの婚姻というのはクトゥルフ神話的モチーフなんですね。データを調べてから終わり方が腑に落ちました」
小学生のときに怖くて観れなかった映画である。懐かしくて観た。あちこちのホラー表現はアイディアに富んでいて,「血が寄り集まって人の形になっていくところ」などは斬新だと思う。また,全体に女性のエイリアンが地球人を捕食していくストーリーがスピーシーズに通じます。ヌードが綺麗なのも同じく。この映画ではマチルダ・メイのヌードに言及しないわけにはいかないです。非常によい。
また,展開と特撮に金がかかっています。最初の宇宙船のシーンを見て,「あ,B級映画より豪華」と思いました。後半のパニックシーンも大掛かり。ここまでやるとは思わなかったという映像が見れます。
ただ,なんか引っかかるんだよな。すでにスピーシーズを観てしまっているせいか,映画そのものが古くなっているからなのかもしれない。しかし,それ以外の脚本のちぐはぐさのせいじゃないかと思う。
情緒もあって悪くない映画だが,いまいちな感じ。観る人にもう少し思い入れがあれば評価も上がるだろうけど,私はそれほどでもなかったです。
テキサス生まれの生粋の二人のカウボーイが,牧場の閉鎖で行き場所を失い,メキシコまで旅に出る。メキシコまでの旅路と牧場での仕事と出会いの話。
タイトルがカッコイイが内容とは一致していない印象がある。途中で出会う青年の自業自得の扱いと,ヒロインの名誉に対する信念は,ほかの映画の典型とは外れていてよかったと思います。ペネロペ・クルスは美人だねー。
湾岸戦争。フセインが奪ったクェートの金塊の情報を得た兵士たちが,単独行動で金塊の奪還を狙う。
ノリが軽い。「一度は戦闘やってみてえなぁ」という兵士たちがほとんど。戦闘もノリが軽い。BGMも変。その軽さの中で深刻さが出てくる。
悪くないです。どこかで「これぞ反戦映画」というコメントが出ていました。僕はあまりそうは思わなかったし,これを観て「戦争は駄目だ」とも思わなかったけど(むしろこっちの反戦メッセージの方がストレートでプライベートライアンより饒舌なんじゃないかと思ったけど),けど,つまらない映画では決してなかった。
具体的にはあげないですけど,ホントになんか妙なノリの軽さがあります。言ってることは深刻なのに笑っちゃうような。やってることは深刻なのに。間違えたら死んでしまうのに。なんだか妙です。全編を通しているのでそれがこの映画の味になってます。
キングのB級嗜好を理解してないと辛い。ぶっちゃけ,面白くない。変な映画である。とことん演出が安っぽい。
あらすじは普通のモンスター物。村にやってきた母と息子が実は精気を吸いとるスリープウォーカーだった。
キングの外見を知っていたので,出てきたとき,「あ,キングだ」と思いました。ほかは気がつきませんでした。
昔から何度も観てるんだけど,やっぱり面白いわ,これ。
不景気な世の中,労働者である主人公は,教会が地下組織の拠点になっていることに気づく。地下組織は日々,テレビをジャックし,「彼らは生き,我々は眠る」「彼らは消費を促している」「我々の思考を奪っている」といったメッセージを流していた。主人公は教会でサングラスの入った段ボールを見つける。
B級映画なんですが,アイディアが面白い。とくに,地下組織が「1950年代から大気組織など地球環境が激変しました。明らかに環境が作り替えられています」とメッセージを流すところにはぞくぞくする。事実から大胆なフィクションを構築されると,意味もなくウキウキしてしまう。
何度も見ているのに,カーペンターだとは知りませんでした。へー。
連続猟奇殺人事件を追う二人の刑事。殺人は「失楽園」の七つの大罪に由来した物であり,それぞれの罪を象徴する人物が殺されていく。
いわゆる「テーマ」として普通の人間の普通の罪について問われています。世間はクソだとか,世の中はどんどん悪くなっていっているという愚痴は,他人に話して聞かせる場合にはよほど慎重にならないと耳を傾けてもらえません。そしてこういった原罪についての話というのは重い純文学のテーマになってしまいます。これに娯楽性をミックスさせるというのはとても難しいです。人を楽しませつつも普段の生活を反省させるんですから。僕はこの映画に,それに挑戦し,一つの形を作り出したという点で,離れ技を感じるのですが,あんまりそういうことを言う人はいません。製作者はそんなこと考えていなかったのでしょうか? 僕はそうは思いません。ハリウッド映画というのは娯楽作品でなくてはいけませんし,これだけ製作費のかかった映画であればやはり製作費を回収できるだけの娯楽性は要求されるはずです。みんなが観たいと思うか。みんなが観に来るか。そういうマーケティングをしなくてはいけないはずです。そしてこの映画はギリギリまでそういう,テーマという製作者の押しつけを消しています。作者はそんなことを考えていないのかもしれない。ただの商業的なスタンスとしてこういう映画を撮っているのかもしれない。ストーリーの道具としてこういうテーマを選んだだけなのかもしれません。しかし,あるいは,世間に対する苛立ちを娯楽のオブラートにきれいに包んでうまく見せているのかもしれません。
僕はそのバランス感覚が絶妙だと思います。
それと,何度も見ると,脚本の構成の妙にも感心してしまいます。たぶん,第四,第五の殺人の展開が早すぎるというのは感じることだと思いますが,それでもなお,その綱渡り的なテーマとストーリー展開,全体のセンスが何度観ても飽きない物にさせていると思います。映画には珍しく雨のシーンが多いというのも特徴かな。
低予算でNokiaのスポンサーを勝ち取って制作しましたという感じが出ているけど、これが拾い物的に面白い。観る映画がなかったらこれをレンタルするのも手ですよ。
誘拐された主婦が、部屋にあった壊された電話の回線を繋げて適当にダイヤルすると、見知らぬ若者の携帯につながる。話に付き合っていた青年はやがてこの電話が本物だと信じ、彼女を救出するために東奔西走する。
コンパクトなストーリーに思いつく限りのアイディアを注ぎ、矛盾なく、そしてドキドキを継続させた見事な作品。何度も観ればあらも分かるんだろうけど、充分面白かったです。
意外と面白い。後半になってくるにつれて話が盛り上がってくる。
湾岸戦争時,一人の前線の女性兵士が戦死,名誉勲章候補に上げられる。調査をしていた主人公は,兵士の証言に食い違いがあることに気づく。
いい映画だし,なにげなく観ればそれなりに考えさせられると思う。感動もするしね。ただ,個人的な話をすると,俺だったらビデオを借りてまでは観ないなと思った。
登場人物達の苦悩が興味深い。別に湾岸戦争である必然性はなく,戦場での現実とか勇気についての映画。悪くない。
悪くなかった。淡々としているので思い入れを持たないとそのまま終わってしまうかもしれない。事実だけの迫力。
ラジオでピアノを弾いているポーランドのピアニストが,皆と一緒にナチスに捕まりゲットーに隔離される。
最後に実話だと知りました。そうかもしれないとは思ったけど。
ユダヤ人が実に日常的に殺されていくシーンはショッキングで,見ていて思わず肩をふるわせてしまいました。自分がユダヤ人だったとしても感覚が麻痺しちゃうよ,これは。自分がナチスだったらどうなのか,よく分からないけど。殺すシーンにおいてはほかの映画よりこの映画の方がきつく感じました。
物語性というのはあまりなく,主人公がいくつかの偶然に助けられて生き残るというだけの話です。観ていてしみじみ思ったのは,生き残るのが単なる偶然なんだなあということです。それも一度や二度の幸運ではなく,10回に1回の幸運を5回ぐらい積み重ねないと無理だということで,なんだこりゃって感じです。
まるでホロコーストを病気か天災のように言ってるけど,実際には人間が人間に対して行ったことなので,偶然もクソも無いんだけど。
宮崎駿復活の冒険活劇。余計なテーマはありません。
田舎に引っ越してきた12歳の千尋がおかしなトンネルを抜け不思議の町に迷いこむ。豚に変えられた両親を助け,元の世界に帰るために千尋は奮闘する。
面白いです。クライマックスに爆発や巨大な怪物を持ってこないで,それまでの町の話から電車による水平移動に持ってきて,それをクライマックスにするというのが斬新。カタルシスはどうなのか分からないけど,失敗してないと思います。
あちこちに宮崎駿の今までのアクションがあります。
これは面白い。最後がちょっと残念なんだけど,過程が面白いのでここは褒めておこう。
引退した大女優,藤原千代子のドキュメンタリーを製作するため,立花源也はカメラマンと共に彼女にインタビューをする。彼女は戸惑いながらも彼女の人生を語り始める。
ネタバレです。「最後がね。言わないけど,私個人としては,残念な感じだった。最後といってもクライマックスではなく,最後の最後のセリフなんだけど,ちょっと観ている方としてはそういう言葉は聞きたくなかったなという感じである。」
世界的に高い評価を得たというけど,それも納得の面白さ。この監督の作品を今までスルーしてたぜ。あとで観直そう。あと,おそらく,「市民ケーン」を土台にしてますね。このくらいやってればパクリとは言わないと思います。ラストの音楽もよかった。感動!
悩んだけどこれは星二つも付けられんなあ。もともと駄目と評判だった日本映画。これがホントに駄目。というかゴジラと同系列だと思えば鑑賞できるんだけど。
「ミドリの猿」という洗脳組織があって,そのテロと戦うって話だと思えばいいです。
セリフが死んでる。説明だけのセリフで,人間の口から出ているのが異様に不自然です。演技が悪いと言ってもいいのかもしれないけど,これは脚本のせいじゃないかなあ?
鑑賞態度として,「ゴジラ」を観ているつもりになればなんとか観れます。ようするに辻褄やリアリティをできるだけ気にしないようにする。けど,この映画の雰囲気ではちょっとそういう気分にもなれないしなあ。
安っぽくて馬鹿馬鹿しい映画でした。水野美紀のファンが我慢して観るって程度。俺はファンじゃなくて,しょうもないと聞いてたからどれだけしょうもないのか確認するために観た。
これは面白い。後半の展開は粗削りだし強引だけど,まあ,大目に見ようじゃないかという感じで面白い。
ある地下室で男は目が覚める。足は太い鎖でつながれていた。地下室の反対側には別の男。やはり鎖でつながれている。部屋の中央には死んだ男。死体の手にはピストルとテープレコーダー。
でたー! ライオンズ・ゲート(LIONS GATE)! アメリカのアップリンク。インディーズ映画の専門会社である。
オールド・ボーイから立て続けに観たけど,この順番で観てよかった。
一緒に言った友人が「自分を傷つけるのってはやってるのかな?」と言ってたけど,たしかに少しはやりではある(ネタバレなので読むときはご注意)。
ま,これは面白いのでおすすめである。シーンもいちいちぞくぞくします。低予算でも面白いものは作れるぜということのよい証拠。これで終わり方に強引さがなければもっと誉めちぎるところですが,映画好きの人が多大なる期待をもって観に行くとおそらくがっかりするだろうから,面白いんだけど「ものすごい」を期待しないで観ろって感じ。
予備知識無しで観たので高い評価。あと,コンピュータ技術についてはこういう映画では突っ込まないものだ。見事にノンストップのストーリー展開と,スムーズな結末。そして登場する女性がみんな,おつむの弱い雌犬扱いというのがイカス。
娘の親権を取り戻す訴訟費用のため金が必要だが,キーボードに触れてはならないという裁判所命令(だと思う)を受けている凄腕ハッカーのもとに女が訪れ,仕事を依頼してくる。とてつもない金のために銀行をクラックしてくれという依頼。依頼人の男は急進的な治安思想の持ち主なのか,それとも単なるテロリストなのか,分からないまま計画は進む。
ボスであるジョン・トラボルタはなかなかいいです。美女をはべらして言うことを聞かせるてるところが実に見事。ハル・ベリーも「ボスの女」っていう存在感を見事に醸し出してます。強い男の言うことならなんでも聞くわ的な。嫌々演じていると伝わってきますが,結構堂々と演じているので妙な説得力を感じました。こういう女もありだな,みたいな。
オープニングの掴みの爆発シーンがカッコイイということで借りてきたが,そっちの方はそれほどでもなかった。
前にも見ているんだけど,この映画いいなあ。色気というものをよく分かっている。
十四歳の少年と年上の女性の恋の話。「個人教授」というタイトルの付いたフランス映画はたくさんあるけど,相互関係のないものもいくつかあります。これもそれで,ほかとは別の映画。
ヒロインの見せ方がホントにうまい。今観ても美人。
エロスの表現が非常にうまいというか,丁寧に惹かれあう心情を表しています。性についてはあんまり直接的表現はないです。
終わりに向けて現実や世間や社会といったものが顔を出してくるのも俺は好きで,願望充足のファンタジーとは一味違う映画になっています。
超長いテレビ映画。劇場未公開。マット・デイモンの「ボーン・アイデンティティ」と同一原作。二日掛けて観ましたが面白かったです。ラブシーンだけ妙に長くて,戸惑ったけど,まあ,とにかく楽しめました。長いくせに,エピソードを削ってギリギリこんだけにしましたという印象を受けるくらい充実の三時間。
男が記憶喪失のまま浜辺に打ち上げられる。体にはチップが埋め込まれていた。また,銃の分解が無意識にこなせるという自分の正体を突き止めるために,彼は動きだす。
アクション映画に女性をからませるのって難しいなと観ていてしみじみ思った。この映画ではうまくいってる方だけど,意味もなく主人公が人質に取った女性を連れまわしたりするアクション映画のなんと多いことか。
マット・デイモンの「ボーン・アイデンティティ」の方はチェックリストに入れたきりでまだ観ていないけど,こっちを観ちゃうともう観なくていいような気もする。こっちは三時間以上あるのに,あっちは二時間以下だぜ。こんだけのストーリーをまとめきれるはずがないのが分かっちゃうんだよなあ。
古い映画なのであちこちに時代を感じさせます。そのくせ,非情なところではとことん非情で,スパイや暗殺者のやり取りというのはこんな感じなんだろうなと思います。時代のわりにその辺は嘘をついてない。「カルロスを見つけて「カルロス!」と叫ぶのはプロじゃないと思ったけど」
看板に嘘偽りあり。思ってたのと違った。退屈な映画。
allcinemaより解説を引用。
グローバル経済に取り込まれたアフリカの一地域で引き起こされた悪夢のような現実をセンセーショナルに描き出す衝撃のドキュメンタリー。アフリカのビクトリア湖は多様な生物が生息していたことからかつて“ダーウィンの箱庭”と呼ばれていた巨大湖。そんなビクトリア湖に、今から半世紀ほど前、外から持ち込まれた肉食の巨大魚“ナイルパーチ”が放たれた。ナイルパーチは在来の魚を次々と駆逐、爆発的に増殖し湖の生態系を破壊していく。しかし、その淡泊な白身は食用としてEUや日本で好まれ、湖畔の町にはナイルパーチを加工・輸出する一大産業が誕生する。しかしそこでは、資本主義の論理があまりにもむき出しのまま人々に襲いかかる──。新たな産業は地域社会に雇用を生み出し富をもたらした一方で、すさまじい格差を招き、町には売春、エイズ、ストリートチルドレン、ドラッグがあふれかえる。さらに、旧ソ連からやって来て大量の魚を積みEUへと空輸していく飛行機にも、果たして往路は空のままなのか、新たな疑惑も浮かび上がってくる…。本作は、工場経営者や輸送機のパイロット、彼らに群がる売春婦、廃棄される魚のアラを常食する地元民や、暴力や飢えに苦しみ粗悪なドラッグに手を染めるストリートチルドレンなど、グローバル経済システムに組み込まれた各階層の人々それぞれにスポットを当て、グローバリゼーションの縮図とも言えるこの町で繰り広げられている恐るべき日常を見つめていく。
この解説を読んで興味が湧かない人、観なくていいと思います。この解説を読んで興味が湧いた人、やっぱり観なくていいと思います。じゃあどんな人が観たらいいかというと、この映画はヨーロッパでは色々とセンセーショナルだったようで、また、ドキュメンタリー部門の賞も獲っているとかいうことで、そういう周囲の評判を聞いて「どれどれ、自分の目で見極めてやろう」と思った人が観るべき映画。
途中で何度も寝てしまった人間が感想書くのもおこがましいが――ついでに誘ってくれた友人に言っておくがあなたが悪いわけではない。こんなキャッチーな解説を書いた奴が悪いのだ――これは見事に期待を裏切られた。悪い意味で。
グローバル経済の弊害について今さら何を言ってるんだという気がする。実はこの映画は2004年公開作品だそうなので、それを考えると、まあ頑張ったかなという気がする。けど、ネット見ている私のような人間にとって、上で引用したようなグローバル経済の悲劇なんてほとんど当たり前という認識なので、この程度でショックを受けた人間がいることの方がよっぽどショックだ。欧米というのはほんとに呑気に生きているようだ。
作品テーマが古いからといって減点はしない。この映画が退屈なのは――上の解説文ほど内容が過激ではないこともそうだけど――結構無目的に撮影しているので、グローバリゼーションの悲劇なんてビタイチ感じないことである。
だらだらカメラを回しただけで何を訴えるものがあるというのか。うーん。イマイチだなあ。
B級アクション映画。人類と機械の戦争に終止符を打つべく,将来の人類側の指導者の母を殺すために未来から殺人機械が送られて来る。そして人類側からそれを守る護衛も。
シュワルツェネッガーは演技なんてあまりないと思いますが,この映画では逆手をとって無表情の機械役。これがハマっています。表情を変えなければいいので誰でもできる役ですが,シュワルツェネッガーの存在感に注目してこれを採用するというのは正しいです。
この映画,前半,中盤,後半で全体の雰囲気が少しずつ変わっていくのがすごくいいと思います。そのせいで最後まで見せられます。知り合いが言っていたのですが,この映画で,最初と最後のリンダ・ハミルトンの雰囲気がまるで違い,その人間的成長が伝わってくるのがすごい演技だと言っていました。確かにその通りだと思います。
僕はやっぱり一貫して筋の通ったストーリーと,小止みないアクション,そしてどうすればいいのかわからないという緊張感と恐怖がとても気に入っています。
続編に当たり無しの常識をくつがえす驚天動地のアクションSF映画。
キャメロンは寄生獣を見たことがあるんじゃないかと思ったけどどうなんでしょう?
実は暗殺用殺人機械は二体送られていた。一つは母親を殺すため,そしてもう一体は指導者を子供のうちに暗殺するため。そして今回も人類側の護衛が送られて来る。
映画館で観ました。観るつもりなかったんだけど,知り合いの「面白いよ」の一言でその気になって。この年は確か,弟と,これとジュラシックパークを観に行って,どっちもものすごく面白かったのを覚えています。どちらも映像やストーリーの予備知識を全く持たず,映画館で初めて観ました。そのストーリーと,敵のものすごさに久しぶりに楽しいアクション映画を観たと思ったのを覚えています。弟が映画館で思わず呟いたのを覚えています。
よかったのですが,どうもあの,途中で,人類の敵となるコンピュータの開発者のところに乗り込むのがやたらと急展開で戸惑ったのを覚えています。「国外に逃げようとしているのに,そいつの家ってそんなに近所なの?」って。おそらくこの映画でご都合主義がいきすぎて戸惑ってしまう唯一の部分ですね。さすがに気になってしまい,その後の展開はどうでもよくなってしまいました。
友人がみんな,「それなりに面白い」と言っていたけど,まさにその通り,ちゃんと面白い。1や2には劣っているかもしれないけど,ちゃんと面白い。ファンから「作らないほうがいいんじゃないの」なんて言われていたけど,観てみればこれは充分に作る価値があった。
あらすじを言うのは野暮ってもんだ。
終わり方は充分にありです。俺は好きだな,こういうの。ハリウッドでこれをもってくるのはものすごい勇気だと思う。その勇気を称えたい。ターミネーターにハードSFの魂を感じた。
「4」はあってもなくてもいいや。未来にはちゃんと希望が持てたから。勝って生き残る。人類としてこれは諦めないぜ!
メイキングからCG製作まで見てしまった。いい映画。牧瀬里穂は「顔」のときに,いい女優だなあと思ったけど,この映画でも実感した。すごいね。雰囲気を持ってる女優だなあ。
交通事故に遭った女性が気がつくと,前日の同じ時間だった。それから彼女は事故に遭った時間になると前日に戻るということを繰り返すようになる。唯一,前の世界と違うのは,そこには誰も人がいないということだった。
CGが鮮やかに使われていて感心します。無人の新宿なんて映像はとても新鮮。こういうさり気ない映画でさり気ない映像に使われて,効果的な演出に役立ってると,CG時代っていうのは悪くないものだと思う。
よい評判は聞いていたけど,確かにいい。「愛を乞う人」「OUT」の監督だと聞くと,確かに納得させられる。メイキングを観て再確認したが,この監督は完成図が見えてる人なんだなあと思う。言葉が足りないけど,観て損はないです。
あえてケチをつけるなら,ちょっと無駄な映像もあったように思う。「綺麗に見せるための映像」というか。風船のシーンはそれほど必要じゃないんじゃないかと思う。あと,高い服を着た牧瀬が新宿を歩くところでは,ロングからアップにいかないと嘘でしょう。予算がなかったのはよく分かるけど。……俺も細かいな(笑)
それとこの映画,ワーナー・マイカル・シネマズ製作のシリーズなんだよね。1000円で観れるっていう奴。このシリーズ,いつもいい映画作ってる気がする。今後も要チェックだ。
男性視点から見るとストーリー的にはつまらない映画。沈没シーンは見ごたえあり。ヒロインの視点から観るべし。
沈没するタイタニックに乗り合わせた上流階級の女と労働者階級の男の恋物語。
ドラマ,ストーリーとして観るとなんのひねりもなく,氷山にぶつかるまでは退屈以外の何者でもありません。個人的には氷山にぶつかってからが本番です。
その後の展開もヒロインの行動はどうも男性視点で見ていた僕にとっては,「まったく,うざいヒロインだな。早く脱出しろよ」みたいな印象だけでした。申し訳ないです。どこで泣いていいのかも分かりません。
星二つじゃないのは,沈没シーンがそれなりに見れるものだからです。あと気になった点として,船首から船尾に回り込むカメラが必ず船の右から回り込むのが気になりました。左から回り込む映像も作ってくれればよかったのに。繰り返されるので気になってしまうんですよね。
死ぬほどつまらない。批評家にも興行的にもコケた作品だが,納得のつまらなさ。
地球が破壊され人類が漂流している30世紀頃の宇宙。唯一の希望タイタンへの地図を託された若者が,宿敵の異星人と対立しながらタイタンを目指す。
映像に金がかかっています。見るのが辛いつまらなさですが,金のかかったCGを見たいというならこの映画の背景画像には価値があるのではないでしょうか? 致命的なのが人物で,動きは遅く,動作は変で,ここだけディズニーのアニメになっています。セルアニメキャラクターなんだけど,ここはあえて役者として,「この下手くそ」と言ってやりたいです。演技が下手です。途中で観るのをやめなかったのが不思議なくらい。
20世紀フォックスって,アニメに進出しようとしていきなりこれで失敗して撤退したんじゃなかったっけ? よく分からんけど。
期待していなかったら意外とよかったって感じ。
1970年代のアメリカ。黒人白人の混成フットボールチームが,周囲の偏見と戦いながら友情を深め,試合を勝ち進んでいく。
あらすじ以上の紹介の仕方がないなこれは。実話だそうです。白人の監督の,フットボール狂いの娘がとてもよく,強烈なインパクト。映画でも彼女が語り手になってます。
ビルに人質をとってたてこもったテロリストに,たまたまテロリストの手から逃れた刑事がたった一人で反撃を開始する物語。
僕が知るかぎり,アクション映画という物の歴史を変えた映画です。それまでのアクション映画といえば,香港アクションか,ランボーやターミネーターのような乱射型のアクションばかりだったと思います。この映画では,主人公はできる限り敵から身を隠し,限られた弾を有効に使い,その場にあるものを工夫し,なんでこんなことになっちまったんだとしきりに愚痴ります。なぜか弾の当たらない主人公というものはここにはありません。また,あちこちの伏線がきれいに展開されていくというのも必見です。誰が誰の顔を知っているとか,手に入れた道具をどこで使うかといった展開がものすごく整然としています(もちろん,慎重に考えるとおかしい点もあります)。見終わったら,発砲シーンが何分おきにあるか調べてみるのもいいかもしれません。おすすめ。
1ほどじゃないけどそこそこ楽しめる。なんか見つかったら殺されるという緊張感がなかったのでぬるい。
テロリストが空港の管制塔を占拠する。ジョン・マクレーン刑事はやはりその場に居合わせた。
普通の2といったらこのくらいだろうなという出来。たまに1より2の方が面白いという人がいてビックリさせられる。そんなことはないよねえ?
面白かった。これは面白かった。
1と双璧をなすアクション映画の大作。ストーリーは観て知って欲しい。
スピードに似ていると言われましたが,実際似ていると思います。
リンク先で知ったんだけど,DVD版のもう一つのエンディングで完全犯罪が描かれているみたいですね。私は普通にテレビで通常版の方を。息をつかせぬ展開の早さは職人芸。この脚本家は現代の技を身に付けてるなあと思ったら「逃亡者」の脚本家でした。なるほど。うまいうまい。
ヒッチコックのダイヤルMを廻せのリメイク。資産家である妻は若い画家と不倫している。彼女は夫という人間を知っていた。夫はすべてを知っているのではないかと考え恐れていた。
展開のスピードが素晴らしいので観た方がいいと思います。オリジナルの方を期待する人は間違いなくがっかりするでしょう。グウィネス・パルトロウ,セブンのときは美人と思わなかったんだけど,この映画では美人だと思いました。金と時間と努力の体してます。
感想がストーリーと直結するので以下は伏せ字。「ストーリーの展開上,仕方ないのかもしれないけど,ヒロインが最終的に,美人で金持ちでしかも無罪となってしまうのがなんとも残念。一瞬,これでよかったんだと思うんだけど,不倫してたら映画の中ではそれなりの代償を払うのがお約束ってもんじゃないの?」
あと,タイトルからも分かると思うけど,電話が重要なミステリーってのはリメイクできない時代になったと思った。携帯使えばいいじゃん。
服役中だった兄が帰ってくると,家庭が崩壊していく。暗い映画。個人的にはいくつものインスピレーションをいただきました。
途中で何度もインサートされるシーンがどういうものなのかつかみにくくて戸惑いました。最後に分かりましたが,これはこの映画の中心になっている時間の,あとの時間でのエピソードですね。物語そのものは一日のうちに起こっています。僕は最初,長男が刑務所に入れられたという過去のエピソードのインサートだと思っていました。
居心地の悪い,最悪の家というものがこの映画には出てきます。それはおそらくこの日本にも存在する,居心地の悪い家なのでしょう。
実際の事件というのは,看護婦の強姦殺人事件だそうです。
しょうもないと言えばしょうもないB級アクション映画。けど,B級なんだからこれでいいんじゃない?
プロの企業スパイが,公安局に依頼され,偽札原版奪取を実行する。だが,担当公安局員は裏切り者だった。彼らは偽札偽造組織,公安局に追われながら,復讐のために担当官を追い詰める。
分かりやすいストーリーでしょ? 見ていて思ったのが,この程度のB級アクションも日本では撮れないのかということ。B級アクションというのは,つまり,映画「エンド・オブ・バイオレンス」で語られていたように,アメリカ人の大好きな三大要素「暴力」「セックス」「復讐」を盛り込めばそれで作れるのだ。方法論なんて確立されまくってるんだから,撮ろうと思えば世界中の誰が撮ってもちゃんと撮れるはずである。撮れないのは単なる勉強不足だ。
話の本筋からずれてしまった。金城武,日本語のセリフよりは感情がこもってます。けど,なんか存在感が薄い。映画の中でも何してんだか,何のためにいるんだかよく分からん。アクションは香港アクションとして順当。カンフーアクション映画ではないので,その辺は少なめ。火薬はちょっと多めだから,少しは気合いの入った製作企画なのかもしれない。
B級アクションファンがなんとか楽しめる程度。金城武ファンが観ても,存在感の薄さのせいで欲求不満になるかと。あと,僕もB級アクションは好きだけど,それは,低予算でも製作者の情熱が伝わってくるものが好きなのであって,そういう意味ではこれはあまり野心や情熱も感じ取れなかった。だから,B級ならなんでも好きってわけじゃなくて,B級でも面白いものが好きって人は,やっぱり駄目だと思う。
ちょっと否定的になったけど,金城武っていうネームバリュー無しで,香港アクション映画ってくくりで何も考えずに観るんだったら特に問題はないそこそこの出来。
これはいいよー。掴みはよくないけどじわじわ引き込まれる。山田洋次ならやるせなく終わらせるだろうと思ったら終わり方がよかった。感動した。エピローグはご愛敬。
あらすじ省略。下級武士の生活の話。
まあ,山田洋次が時代劇をやるといったらこういう題材を選ぶだろうなという通り。
うちの両親の実家,つまり祖父母が山形出身なんですよ。山形の百姓やってます。だから訛りがそのまんま。懐かしい気持ちになりました。食い終わった茶碗にお湯をいれて漬け物を食うところも,あー,そういえばやってたな,と思い出しました。田舎の庶民というのはもっと長い時間の流れの中にいるんだなあと思った。ま,この辺は蛇足だけどさ。
別に珍しくもないストーリーも,クライマックスのダンスシーンですべてオッケー!
製鋼所で働く若者が,やりきれない毎日から抜け出すため,風変わりなタップダンスチームを作る。
紳士の格好をして,ステッキを持って踊るというタップダンスを,ジーンズとヘルメットを身につけて汗臭く踊るというアレンジにした実在グループの人が監督したという映画。何度も言うけど,まあ,ストーリーは凡庸かな。若者の立身出世の話なのでそれなりに興奮はするけど,ラストのダンスシーンの前には他のすべての要素がぶっ飛びそうである。
こういうタイトルですぐに「エロティックサスペンス」だと分かるのはよいね(笑) 話としては普通かな?
依頼人と関係を持った弁護士が,彼女の夫を射殺してしまう。
わざわざ観るような映画ではないです。女優は,そんなに美人でもないような……。
これは怖い。見事な緊張感。
実際の事件をモチーフに,子供四人の共同生活の姿を描く。
観ているのが耐えられなくて,間をおくこと数回。やっと最後まで観ました。
ホラー映画としても観れます。シーンごとの緊張感がすごい。ほとんど退屈しません。
あちこちで褒められてるけど,YOUの存在感がいいです。
部屋の掃除って大事だなと思った。部屋の掃除こそが人間を人間らしくしているのだ。
暗い映画。とことん暗い映画。
ある映画評論家が,こんな映画大嫌いだとコメントしていたので,どうしても観たくなった。
主人公の女性,エルマはアメリカにチェコから移民してきた女であり,小さな子供が一人いる。夫はいない。遺伝的な病気で,将来は失明することが分かっている。彼女は自分の子供も同じ病気であることを知っており,その手術のためのお金を貯めている。コツコツと苦労を重ねてきたエルマだが,そこに悲劇が訪れる。
私は評判を聞いて,救いのない映画だと知って,それを期待して観に行き,そしてまあ,おおむね救いがなかったので満足して帰りました。それでも多少救いがあったところが不満だった。「素肌の涙」といい勝負です。性質はちょっと違うけど。
こんなところで書くのもなんだが,とにかく暗い映画として「アメリカンヒストリーX」「素肌の涙」「ダンサー・イン・ザ・ダーク」「ニル・バイ・マウス」などを挙げておきます。ほかにもいくつかあったと思うんですが,意識して暗い映画を見るようになったのはつい最近なので。
この映画で素晴らしい点として,ミュージカルが初めてだったり,ミュージカルが苦手だったりする人にも素直に観れる点を挙げましょう。この映画,実はミュージカル映画です。ミュージカルがエルマの想像,幻想として表現されているため,タモリなどがよく言う「なんでそこで歌うんだ」という突っ込みが無効になります。
TRPGの名作「ダンジョンズ&ドラゴンズ」の映画化。なんかちょっといくらなんでも入り込めない。
悪の宰相と市民の平等を目指す女王の対立に,平民のシーフが巻き込まれ,ドラゴンを操る杖をめぐって冒険(?)が繰り広げられる。
どんなに根性入れても盗賊が戦士には勝てないっていう世界観は好感が持てます。ただ,ラストの方で魔法使いが杖を剣のようにして立ち回ったのは少し白けました。どんな魔法使いでも,ここは距離とって戦ってくれよ。
どっちにしろストーリーがちょっとお粗末で,観ていられません。お子様向けで,大人は相手にしてないんだろうけどさ。
韓国ホラー。ゴシック系。現代的じゃないし,怖くもないが,驚くシーンはちょっとだけある。技術はあると思う。けど,試写会で無料で観たからいいけど,金払って観たら怒ってたと思う。
韓国ソウル郊外。ある日、スミとスヨンの姉妹は長い入院生活を終え、静かに佇む一軒家に帰って来た。2人を笑顔で迎える継母のウンジュ。だが、そこには同時に冷たい表情も浮かんでいた。新しい母親に対し、姉妹は嫌悪と警戒心を抱く。その夜、部屋で何者かの気配を感じて怯えるスヨンを優しく抱きしめ落ち着かせるスミ。しかしスミのほうもその晩悪夢にうなされてしまう。以来家の中では怪奇現象が頻発、情緒不安定になったウンジュと姉妹の対立も深まるばかり。ところが父ムヒョンはそんな彼女たちをただ傍観するのみだった…。
スピルバーグがリメイク権を獲得したことでも話題になった作品(リメイク権を獲得されたことを喜ぶのも志が低いと思う人もいるだろうけど,まあ,現在では宣伝文句になるということで)。観ると確かにリメイクしたくなると思う。「ここをこうすればもっと面白くなるのに」という部分が一杯である。
あと,展開が遅い。エンタテインメントやストーリーテリングはどんどん早くなる傾向にある。5分かけていた心理描写を1分にし,5秒の情景描写は2秒にする。というのが最近の流れである。これはストーリーというものに作り手と受け手が慣れてくると,それだけ余計な説明が要らなくなるからだ。で,この映画は,そこからはちょっとずれている。けれど,この監督はなにげないシーンを丁寧に撮りつつ,本当にどうでもいいシーンは大胆にカットするなどしているので,センスがないわけではないと思う。年寄りとか,普段は映画を観ない人にも観せるためには必要なテンポダウンだ。まあ,そのおかげで俺は前半は眠かったけど。
ラストもよくない。というか,映画のルールとして,「いま,何が起こっているか」を分かりやすく見せなくちゃいけないんだけど,そのルールが守られていない。何が起こっているのか分からないし,後半に何が起こるのかという期待感もないから(ベースは韓国の古典怪談だという話だが,こっちは知らないからねえ),全体を通した面白さがあんまり伝わってこない。
全体を見ると褒められない。
シーンに分割すると面白い。シーンごとの,観るものに緊張を与える演出と音響はなかなかのものだ。呪怨のパクリみたいなシーンもあるが,「このシーンのこれは怖い」というのはある。
演技も面白い。というか,韓国という文化なのか知らないけど,「女優の演技」というものに対する認識がすごく違うんだと思う。狂気とか憎しみとか,あと,泣き顔とか,そういうのを表現する演技ではひょっとすると世界一なんじゃないかと思う。世界一というか,ここまで醜く表現できるってのはすごいと思った。
総合的に,やっぱり駄目な作品だ。普通の人は映画を分割して観ないし,シーンや演技に注目する人も多くないだろう。トータルで,前半,中盤,後半のクライマックス,といった展開を普通に観たとすれば,これはつまらない映画の部類に入ると思う。「ボイス」よりギリギリましという程度。
スポーツとしてのチアリーディングにスポットを当てた,まっとうな青春スポコン映画。ベリグー。
全国最強のチアリーディング部(アメフト部は最弱)トロスの新キャプテンに選ばれたトーランスだが,今までの演技が盗作だと知り,イチから立て直す。
爽快です。アメフトがもともと弱いので,映画の中ではアメフトなんてほとんど出てきません。応援したチームが優勝したという話ではなく,狙いはあくまで全米チアリーディング大会の優勝なのである。
主人公はかわいいし,物語はベタでよし。こういう映画はこれでいいのだ。もっとも,これを観ちゃうと,チアリーダーをただの学校代表の美人なんて軽薄な視点から見れなくなっちゃうかも。
恋人の過去にこだわってしまう話とかゲイの話とかそんな話。「分かる分かる。その気持ち」と甘酸っぱい気持ちになること間違いなし。
登場人物の心情を丁寧に追っていて,とてもよい映画です。青春の失敗談なんだけど,終わり方は前向きでいいです。
本編とはまるで関係がないんだけど,映画のデータベースの表記って意外と統一性がない。英語の大文字・小文字の区別なんてまるでなかったりするし,邦題になったときも「・」を入れるか入れないかがサイトによって違う。
悪くはないんだが,もっと短くまとめられたと思う。ちょっとした勇気と技術が足りなかった。
硫黄島に星条旗を掲げ,英雄と扱われた兵士たちの物語。
硫黄島上陸がまんまプライベート・ライアンのオマハ・ビーチになってます。これはなかなかよい。緊張感もさすが。日本兵が火炎放射器で焼かれるのを見るのは,なんとなく辛い。プライベート・ライアンを観たドイツ人も同じ感情になったんだろうか? あと,日本兵が「助けてくれ」と叫ぶところはちょっと時代を感じた。そんなところまで演技指導してると思えないので,役者のアドリブで叫んだんだろうけど,現在の役者はアドリブで「助けてくれ」と叫ぶのである。あの時代にそれを叫ぶ兵士は,日本にもアメリカにもいなかったと思うぞ。
話はその後,国旗を掲げた兵士たちを祭り上げたキャンペーンが間違いをしていて,英雄扱いされることの辛さを描いていく。
もう一度書くけど,やや長い。戦闘シーンはよいので,見どころはあるのだけど,もっとコンパクトにまとめて,もっと印象に残すことができたのではないかと思う。これは監督が淡々と描くという意図をもって撮っていたこととは別の,もっと技術的な意味で,同じ内容で同じ印象でも,刈り込めたのではないかと思う。あと10分くらい短くできたら,グッと評価が上がったんだけど。
あと,英雄といえど,将来に向かってきちんと計画を立てて行動することが大事なんだなと思った。いつまでも英雄じゃいられない。
バカ映画。劇場で3回も観たのは今のところこれだけである。
ノックス社のソフトが盗まれたので取り返してきて欲しいと依頼を受けたチャーリーズエンジェルが陰謀に巻き込まれる。昔のテレビシリーズの映画化である。
バカ映画。B級を狙っているのは間違いない。コスプレとワイヤーアクションの連続で,ダレるところがないから全然飽きない。アクションはマトリックスの人の兄弟がやってて,なんだかそこだけ一流。とにかくノリがいいのだ。
前作と同じくバカ映画。どこまでも突き抜けてて楽しめてしょうがない。
ストーリー? よくわかんねえ。
デミ・ムーアがカッコイイです。
前作より点が低いのは,ちょっとマーシャルアーツの部分がぬるかったから。今回はアクションに関してトレーニング不足なんだと思う。映画のバカ度は全然変わらない。また今回もジャンキーのように何度も映画館に行ってしまいそうで怖い。
大体,この「フルスロットル」ってサブタイトルもいいセンスだよな。
テレビ特別編集版を視聴。つまらないと聞いていたので覚悟していた。前半は確かにイライラさせられる。ただ,後半からは持ち直した。
田舎で暮らすちょっと変わった人々の日常。
特別編集版は2時間弱だったけど,データによると実際には143分だそうで,それは確かに長すぎだなあと思った。ゆるりとした日常を映画にするときにだらだら長くしてしまうのは愚作もいいとこである。
前半の苛つく部分は,この映画全体の演技トーンである。役者が悪いわけではなく,意図的に全員が変わった喋り方をしているんだけど,それが妙にムカつく。
とりあえずこのテレビ編集版というのはそれほど悪くなかった。もちろん絶賛をするような作品でもない。
韓国人が,韓国映画として,こういう映画を撮ろうとしたその本気を評価したい。内容的には星二つかな?
小説家の男は家で小説を書いている。女は毎晩帰ってくるが,携帯が鳴るとすぐにどこかに行ってしまう。寝る所がないからやってきているだけのような女を,男はいつも待ち続けている。
韓国だってフランス映画作れるんだぜ,みたいな作品。意味不明だけど。
どうでもいいけど,韓国名を覚えるコツを教えてくれ。男か女かも分からん。名前見ても,思い出せる自信,まるでなし。
セックスシーンが大半を占める。それも生々しい奴ではなくて,芸術的というか,綺麗なセックスである。ほかのやりとりもあるんだけど,全体が芸術寄りである。しかも主人公の男のナレーションが付いている。
自分が西洋文化に犯されてるのか,こういう映画はフランスという固定観念があるのか(同じ意味だって?),なんか不思議な違和感を覚える。黄色人種が綺麗なセックスを撮っちゃうの?っていう,言葉は悪いけど物珍しさがある。セックスを芸術風に撮るのって西洋の十八番なんじゃないのって気がしてたし,おそらくこれも中途半端だったら鼻で笑っていただろう。だけど,この映画は本気である。韓国人の裸の肉体を使って,見せるセックスを撮ってやろうとしている。で,俺が思うに,そういう意味では成功している。何作か撮ればさらによくなるだろう。
ストーリーラインは凡庸。凡庸過ぎて,「えー,またそういう展開~?」と思った。悪いとは思うけど,誰もが思いつくよ,これは。
1984年,20年前の映画。これ,劇場まで観に行ったなあ。観直すと,当時のアニメらしく,血や裸がぽんぽん出てくるのが凄い。当時は裸とか意識したことがなく,純粋にストーリーだけ楽しんだ記憶があるので,物語の出来もよい部類だと思います。原作の「魔女の世紀」の映画化。
連邦軍情報局長官ヤマキに説得され,エスパーであるロックは,エスパーを集めて新しい千年王国の創造をもくろむレディ・カーンの調査を始める。
このエピソードは原作の中でも屈指の出来で,映画にしても鑑賞に耐えるものになっていると思います。SF描写は今観ても不自然じゃないし,キャラクター描写も見事。意外と物語の人物造詣って進歩してないんだということが分かって,安心するというよりショッキングでした。進歩していると思ったんだけどなあ。
古臭いというか,予算が削られているのは超能力描写。単にビームが出るだけですね。あと,女の人の裸(というか乳首)がぽんぽん出てくる。出すなとは言わんし,当時は普通だったのかもしれないけど,違和感を感じる。ストーリーがしっかりしているので,物語を下品なものにはしてないのが救い。
あとは特に無し。懐古的に観るものなので,ファンじゃない人がわざわざ観るような価値はないでしょう。
ハル・ベリーがオスカー受賞の苦くて切ない大人の恋愛映画。
主演二人の演技は見事です。
演技のための脚本って感じがしないでもない。ハル・ベリーが酔った勢いでセックスするのはちょっと観ていてなんか違和感がある。観ている方は別にエッチな気分になっていないので,おいてけぼりな印象を受けるのです。
「発狂する唇」の続編。展開が退屈でつまらん。
あらすじは説明不可。理不尽な馬鹿映画。女が死刑前に罪を懺悔する。回想で,子供が誘拐されたと警察に駆け込むが夫が娘はいないと説明する。頭のおかしい女の妄想だと思ったら脅迫電話がかかってくる。宇宙人を全体のキーに,いろいろ。
エロがない。前作は「何でエロやねん」と突っ込んだけど,今回は,「エロがねえぞ」と突っ込む羽目になった。あと,ストーリーが破綻しているのはいいんだけど,その展開に今回は興味が持てないというのが致命的。見ていてあくびが出るというか,「別にどうでもいいよ」「この先に何が起ころうと,興味ねえよ」って気分になる。
それなりに公開当時はウケていたらしいけど,どうだろ? 集団催眠的なもので,内容は全然つまらないと思う。カンフーシーンくらいかなあ。見どころは。
いわゆる典型的なディザスター(災害)ムービー。最後まで映像で押し切ってくれればよかったのに、後半に予算切れのように家族ドラマ、人情ドラマになっていくのが残念。
異常気象が頻発した後、原因はよく分からないけど北半球が氷河期に突入する。
もういい年した息子を助けに、災害のキーパーソンである科学者が危険地域に向かうというのはなんともしょうもない。その状況に全然手に汗握れない。
とはいえ、そういう細かい突っ込みをする映画ではない。最初に書いたけど、そんな展開で話を繋げるよりも、もっと異常気象を見せまくって欲しかった。映画館で観るとか、なんにせよ大画面が必要な映画。
原作は面白いと思うのだが,映画としてストーリーを刈り込んだときに感動するために大切何か(何かは分からないけど,微妙な心の揺れのようなもの)も刈り込んでしまったため,ご都合っぽく見えてしまう。
夫婦が三人の子供たちとパーティに出かける。母が息子から少し目を離したときに,4歳の次男が姿を消してしまう。
ドラマとして短い時間の中で頑張っていると思う。原作を腰を据えて読みたいと思わせる作品。映画としては,よく頑張ってるが,「おすすめ」とまではいかない。
そんなに悪くないが展開が都合よすぎる。
トムはかつての恋人が上司として配属され出世で先を越されたが,その彼女に逆セクハラを受ける。拒絶した彼だが,次の日には彼女が彼をセクハラで訴えた事実を知る。
逆セクハラっていうのはどうしても昼ドラの味つけになってしまうのだけど,本作はそれを避けようと頑張ってます。また,セクハラしといてセクハラされたと訴えるデミ・ムーアは悪役として申し分の無い迫力で,よいエッセンスだと思います。
本作は「俺は何もしていないのに訴えられた」「会社側が俺を陥れようとしている」っていう状況を切り抜ける,スタンダードな骨子を持っている。悪くはないんだけど,最初に書いたように,おそらく原作では丁寧に描写されていたであろうところが単純化されていて観ている方の盛り上がりに欠けます。
五つ星! 一緒に観に行った弟と「日曜の昼間から何を見ているんだ!?」と激しく後悔してしまったスプラッタホラー。怖いぞバカヤロウ!
テキサスのある村にふらりと立ち寄った5人が遭遇する事件。
素で怖い。気の休まるときがない。笑える要素があってもいいのに笑えん。インターネットでは結構怖い
,意外と怖い
,それなりに面白い
といった感想が多くて,「それなりの怖さ」を期待して観に行ったらこれがもうそんな生易しい表現では足りなかった。
「殺人鬼に追いかけられる怖さ」を原始的に追求して,極めたんじゃないかと思われる一本。悪魔のいけにえは未見なんですが,これは観ないわけにはいかないな。そこで精肉工場に逃げ込むなよ
って感想があったけど,まさにその通り! そこに旧来のホラーは笑いの要素があったのに,この映画ではまるで笑えない。
役者は,馬鹿でも出来ると軽んじられるかもしれないけど,この映画のジェシカ・ビールはよい存在感を放っていると思います。殺人鬼のレザー・フェイスもすごいですが。
観おわった後,弟と3時間くらいぶらついてやっと落ち着けたって感じです。あー,とんでもない映画だった。
最後がいまいちなためにどうしても印象がよくない。
宝町に住む天涯孤独の二人の子供シロとクロ、二人は我が物顔で町を闊歩していたが、宝町を離れていたヤクザの鈴木、宝町を作りかえようとする組織が気に食わず、抗争が勃発する。
書いてもいいと思うのですが、ネズミが死ぬところやシロが追われて刺されるところなどは原作よりも雰囲気が出ています。緊迫感では映画の方が上です。
まあ、動いているだけで満足という側面もあるのですが、映像化したことで原作ファン以外でも歓迎できるようなよくなった部分がたくさんあり、よいものだと思います。
原作の忠実な映像化と言いつつ、忠実じゃない部分が気になります。
多くの部分で満足できる作品で、まあ、無理に貶めることはないと思うんですが、それでも観るのは原作ファンがほとんどだと思うのでいくつか気がついた点をいくつか。
最初に書いた通り、クライマックスのクロとイタチのやりとりが非常によくない。だらだら長く、幻想的シーンの中で高いところから落ちるという描写を繰り返したりして、しつこくて飽きます。心理的葛藤のシーンで突然、印象派の絵画のような抽象的イメージに迷いこむのですが、こういう表現はクライマックスで突然持ってこられると苦し紛れのように見える。
海の見える場所のイメージショットも何度も繰り返され、これもしつこい。
些細なことだけど、銃の撃鉄くらい描け。モデルガン丸写しはかっこ悪い。原作に撃鉄が描かれてないところもあるけど、そこは別にいいだろ。
と、まあ、こんな感じで、特にここで私が何か書いても観る人は観ると思います。こんな映画全然知らないという人に、「これ観ないと人生損するぜ」とまで言えるかというと、うーん、その人次第という感じです。
なんとなく借りて観たらこれが大ヒット。胸を打ちます。
殺人と死刑の話です。
あんまり感想は載せられません。これを観た友人3人がみんなよかったと言っていました。それなのにどういうわけか僕に推薦するということはなくて,それが不思議。
点数は低いけどただの馬鹿映画ですので……。
冷凍刑務所に30年以上投獄されていた犯罪者を捕まえるため,同じく投獄されていた壊し屋刑事が保釈される。2036年のアメリカは犯罪を防ぐため無菌栽培された管理社会になっていた。
肉体的接触をする握手やボディタッチの風習がなくなり,悪態や憎まれ口も罰金の対象になっている未来像が変なコメディになってます。
サンドラ・ブロックはもっと色気のある役でもよかったのに……。
スタローンとウェズリー・スナイプスの,カルチャーギャップに悩むコミカル演技と悪役演技はそれなりに面白いです。
普通のアクション映画を期待するとがっかりするでしょう。
やっと観れた。「アメリ」「エイリアン4」の監督の長編でビュー作。奇妙な人たちと奇妙な映像で送る摩訶不思議な世界。
あらすじ略。アパートに住むおかしな住人の物語。
リンチみたいな映像だなと思ったけど,ネットで調べるとやはりそういう感想が多いようです。画面が暗い。実験的というか,誰かの独特の世界にどっぷりはまり込みたいという人にとっては必見の一本。この手の映画にはありがちなエロやグロですが,この作品はそのへんは薄いです。
宮崎アニメの最高峰。冒険活劇!
ま,実際には未来少年コナンとどこが違うんだっていう人もいるだろうけど。
ここしか書く場所がないから書くけど,このアニメに出てきた海賊の息子たちと,コナンのダイス船長が,僕が宮崎アニメに対して唯一感じる大いなる疑問です。どちらも,ヒロインの,とても小さな女の子に夢中になる。どうしてこんな人物が子供向けのアニメに出て来るんでしょう? 僕はコナンのダイス船長が嫌いでアニメを見るのをやめたという経験があります。このラピュタでも,海賊の男たちがやたらシータにちやほやするのが気持ち悪くて見ていられなかったです。我慢して観たけど。宮崎駿はやはりロリコンの部分を大きく持っています。そういう人が作品を作った時に,素晴らしい物語を作る時も確かにある。「不思議の国のアリス」とか。けど,作中に自分を出すというのはどうだろう? 「ラナちゃーん」とか,ああいうのって,ものすごく気持ち悪い。僕が小学生の時だったけど,大の大人が自分と同じくらいの年の女の子に,親としての愛情以上のものを示しているというのはものすごくグロテスクだった。たとえ作中のヒロインが気に入っても,それに夢中になる自分を作中に登場させるのはいかがなものかと思った。
ま,僕は宮崎アニメではこれが好きな方です。やっぱり飛行石の呪文を思い出し,ロボットが目ざめるところでは夢中になって観ていました。
面白い。演技のまずさで星一つ減らしました。
御存知。高校生の男女の中身が入れ代わる(体が入れ代わる?)というコメディ。甘酸っぱい青春物をブレンドした名作。
オープニングクレジットで原作が山中恒と知って驚いた。俺の敬愛してやまない児童作家である。よく考えたら彼が考えそうなアイディアである。もしかしたら知らずに原作を読んでるかも。
特筆すべきはやはり主役二人の演技でしょう。小林聡美がとくにすごい。結構平気で脱いでて驚いた。
逆に演技はちょっとね。ひどい棒読みとかがあちこちで出てきてしんどいです。古い映画なのでそれも味として楽しめないことはないけど。
ま,普通に楽しめると思います。良い映画です。
エロい。切ない。いい。とてもいい。気に入ったメキシコのロードムービー。
メキシコの若者二人が夏休みを迎えていた。二人の彼女はそれぞれ旅行に行ってしまった。ある日,人妻に出会い,声をかける。軽くあしらわれるが,偶然が重なり,ナンパのときにでまかせで言った「天国の口」というビーチに三人で出発する。甘い期待をしながら,若者二人と年上の女性のビーチへの旅行が始まった。
エロい。女優がホントにいい。スペイン系の美人である。エロシーンに関しては,ソフトなエロビデオと言ってもいいくらいだけど(こういう映画のボカシはホントに邪魔だ),ストーリーがしっかりしている。メキシコの底抜けの明るさ,若者の屈託のないエネルギー,嫉妬と狭量などが身にしみてきて,本当に素晴らしい。
感動作品だというのは分かるし,悪い映画じゃない。ケチをつけてもしょうがない。けど,感動や何かがあるかというとあまりない。観なくてもいいんじゃないかと思う。
かつて豪勢な生活をしていたが今は没落し,金に困る生活を送る主人公。母が心臓疾患を病んでいて,治療のためには転院させる必要があった。だが,彼以外の兄弟は積極的でなく,彼は一人で転院させることを決意する。
コメディ映画。個性的なシスターの面々と,ゴスペルシーンの素晴らしさで,ニヤリと笑いスカッとさせられるおすすめの映画。
クラブ歌手で悪党の情婦が,殺人現場を目撃し,修道院に匿われる。はじめはおとなしくしていた彼女だが,下手くそな聖歌隊に入り,聖歌をゴスペルにアレンジして歌うようになる。その聖歌隊がウケ,地元で話題になっていく。
公開当時,大ヒットした。何も考えずに楽しめる良質のコメディ。付け加えることはあまりない。シスターがゴスペルを歌ったり,走ったり騒いだりしているだけのシーンがやけにおかしい。
前作ほどよいとは言えないと思う。けど,歌のシーンになるとあいかわらずスカッとして,何もかもチャラな気分になるから不思議なもんだ。
ベガスの人気歌手になったウーピーの元に前作のシスターが現れる。教区の教師をしているのだが,手を焼いてほとほと困っているので手を貸して欲しいといわれる。仕方なく音楽教師として潜り込んだ彼女だが,生徒たちは言うことを聞かない問題児ばかりだった。だが,学校閉鎖が決定され,それを阻止すべく生徒たちの聖歌隊が結成されると,もともと歌う事の好きだった彼らは真剣に取り組み始める。
ほとんど金八先生と同じノリ。ウーピー・ゴールドバーグが熱く語るうちに生徒が感化されていく。ご都合主義的に生徒が説得されるのはいかがなものかと思うけど,金八先生だと思って,脳内でのツッコミを控えるようにすればそれはそれで感動するのかもしれない。俺はその辺は,「都合よすぎる」って気持ちになっちゃったけど。
学校閉鎖も,生徒の改心も,ウーピーの正体がバレるタイミングも,すべてがご都合主義で,もう少しうまいことできなかったのかなと思う。コメディにはそういうのも必要だけど,なんかこの映画ではその辺の展開がコメディっぽくないから,違和感を感じるんだよなー。
で,今回は聖歌をヒップホップにするわけだけど,歌うシーンはあいかわらずの迫力で,観ていてスカッとさせられます。このシーンがあるから元は取れる。
以下はやや脱線する感想。
ただ,前作のようにシスターが聖歌を歌うのと違って,高校生に聖歌を歌わせるというのは,宗教的狂気を感じてしまって俺はなんとなく引っかかってしまった。聖歌隊のコンクールのシーンも,大観衆がいるんだけど,高校生が聖歌を歌っているところを見て喜んでいる悪趣味な集団のように見えて,なんか嫌。これは俺の感覚だけど,宗教って,大人になって,「それでも何か特定の信仰を持ちたい」という人が自主的に持つようになるならばいいんだけど,大人が子供に対して,「キリストを信じてるの? 偉いわねえ」などと洗脳気味に推奨して,子供も褒められるからそれに従う,という構図で持たされるものになると,途端に胡散臭く思えてしまう。コンクール会場に来ていた人間達が,まるで日本の高校野球会場に集まる妙に笑顔な父兄の集団のようなのだ。
もちろん,映画そのものとこういう考えは切り離した方がいいんだけど,高校生に聖歌を歌わせるというストーリーが悪趣味に映ったので,つい一言。
公開当時のあちこちで聞いた感想と同じで,「思ったより悪くないな」という感じ。わざわざ観るほどではないが。
アキバ系男子,彼女いない歴=年齢の主人公は,電車で乗客に絡んでいた酔っぱらいを注意した。まあ,だから何が始まるってわけでもないけどと,淡々と2ちゃんねるに書き込んでいた彼だが,スレの住人の書き込みは彼の背中を押すものだった。電車男(男達が後ろから撃たれるスレ 衛生兵を呼べ)
繰り返すけど,思ったより悪くないというのが感想。日本の,テレビドラマだか映画だか分からんようなリアリティのない演出とスケール感の映画で,突っ込みどころ満載なんだろうなと思っていると,ま,確かにほとんどそういう映画なんだけど,そのスケールから一歩もぶれないところがむしろ潔い。
ただ,その日のうちにすぐ電話をかけるところは納得行かなかった。あそこは是非,もう一日時間を置いて欲しかった。
同名ゲームの映画化。だらだらしていて退屈。バストが常にフレームイン。
どんなシーンでも肩から上ではなくて胸から上が画面に入って来る。はじめは苦笑しちゃうんだけど,だんだん慣れてくる。
アクションは最初の掴みだけがすごくて,本編が始まると本当に大したことないです。ゲームで出てきたアクションが結構出てきて,ゲームファンとしては楽しめました。ゲームでシヴァ神だった敵キャラが出てきたけど,映画ではけっこうあっけなかったなぁ。ゲームの方が登場シーンがかっこよかったのに。
これはちょっとつまらないんでないの? まあ,アクションのみでいえばB級アクションより金がかかっているので見どころたっぷりと言ってもいいと思うんだけど,後半になればなるほど話がぐだぐだになっていく。
あらすじ省略。
期待のタイトルだっただけに,二作続けて失敗だとおそらく続編を作ることは不可能でしょう。題材がいいものなだけに残念。
これは見事。面白い。悲劇じゃなくてハッピーエンドで人を感動させるいい作品。
ホームレスの三人はクリスマスイブにゴミ捨て場で赤ん坊を拾う。警察に届けるのを反対する一人に押し切られ,三人で親を探すことになるのだが,そこにさまざまなトラブルが襲い掛かる。
映像がいい。金がかかっています。その割にセリフと口が合ってないところが多数あり,吹き替えの技術はイマイチ。こんだけ丁寧に作ってるんだからそこまで詰めて欲しかった。
人生の物語が挿入されるのがとてもいい。また,一種のファンタジーなんだけど,アニメとアニメ的リアル描写が絶妙なバランスで融合しているので,その辺にも感心してしまった。
声優のキャスティングも適材適所でした。
エロいなあ。原作の江國香織の雰囲気はうまく再現できていると思います。その上で小説にはない肉体的な性も感じさせる。
二十歳の男と四十歳の女の不倫を含めた恋愛映画。
寺島しのぶが賞を取ってるそうだけど,この映画では納得の演技。いい存在感でした。
全体的に文学的な雰囲気が色濃いので,そういうのが受け入れられない人にはアウトでしょう。ストーリーを追いたいような人にはきついと思う。
田中麗奈なのでどうもひいき目。三つ星が正しいかな?
彼女がアメリカに留学した男に,彼女が戻ってくるまで一年だけ付き合ってと言って付き合い始めた女の話。
男も駄目なら女も駄目な,かなりヘタレな恋愛模様。この監督の癖だろうけど,風景描写がやけに多い。ロングショットもやけに多い。いかにも「日本映画してます」って感じは,嫌いじゃないんだけど妙にあざとさを感じます。ま,いいんだけどね。嫌いじゃないから。
日本の食卓,きれいな風景,ほとんどない会話。田中麗奈がだんだん情緒不安定になっていく様がなかなか。その終わり方がとても意外ですっきり。無理して観る映画じゃないかも。上から下まで日本映画。
ジャック・ライアンシリーズ。このシリーズとして,普通に楽しめる。ストーリーもほかのシリーズより詰め込んだ感じがなくてそれはよかったと思う。映画の中で核によるテロが発生するのだが,そこだけ妙にリアリティがない。あと,大統領って存在も,「一人の人間にこれだけ権限を与えていいの?」って気がした。
今回のストーリーは簡単に要約できる。ロシアに新大統領が現れ,アメリカで核爆発が起こる。ロシアによるものと判断したアメリカ大統領は戦闘態勢を取るが,CIAアナリストのライアンは,ロシア大統領によるものではないと推察し,真実を伝え,全面戦争を防ぐために奔走する。
原作未読。トム・クランシーはあんまり読みません。すいません。けど,これが原作とかなり違うものなんだろうとは推測できた。
娯楽作品としては及第点です。設定や展開も,珍しさもあってB級アクション以上の作品にはなっていると思います。それにしてもひどい核だなこりゃ。
なかなか面白い。最初から最後まで観せるずいぶんお洒落な映画。
モネの絵画が美術館から盗まれる。保険調査員のキャサリンは大富豪のトーマス・クラウンが犯人ではないかと目星をつけ,彼に接近する。
超セレブという世界がこれでもかと見せられて,溜め息と共に「はー」って気分にさせられます。庶民としては,撮影だけでもいくらかかったんだろうと思ったりします。
軽快なクライムサスペンスとしては出来のいい映画だと思います。まあ,私がジョン・マクティアナンのファンなのでややひいき目も入ってるんですが。ダイ・ハードとかプレデターの監督です。
これはおもしれー! オリジナルの退屈なところがうまく変更されてて抜群によくなってる。スプラッターとしての魅力も忘れてないので,血がべちゃべちゃ。僕もあまり得意ではないので観ている間は顔をしかめてたけど,面白さは認める。
ゾンビ映画。
「死者がよみがえり地上を歩き回る」というのは聖書に書いてある恐怖らしく,おそらくキリスト教徒にはまた違った意味合いがあるんだと思う。登場人物達もキリスト教をベースにした意識があるみたいだし。けど,この映画ではそういう宗教色はほとんど見られません。
心臓の弱い人には勧められません。映画後半になってヴィジュアルが変わるんだけど,どうも見たことある映像です。有名な技法なのか,それとも同じカメラマンが撮影に加わってるのか,よく分かりませんでした。
観た後はぐったりしました。テキサス・チェーンソーといい,これといい,リメイクがうまくいってるな。
これはもう傑作。マジで泣くかと思った。それでも星が一つ足りないのは主演の声優が少し演技下手だったから。それでも入り込めるくらいシナリオがいいんだけど,ここがよければ完璧だったのにという感じです。限りなく五つ星に近い四つ星。
筒井康隆の原作の映画化でも,以前の映画のリメイクでもなく,オリジナルストーリー。タイムリープを覚えた女子高生紺野真琴は,その能力をくだらないことに使って喜んでいた。ある日,友達だと思っていた生徒に告白された真琴はタイムリープしてなかったことにしてしまう。
後半に向けての見どころの多さにやられます。ほんとにいい。
作画的にはスクリーンで見ると荒さが目立った。しょうがないのかもしれないけど。ロングショットを多用しているのは映画的でよい。そして声優がちょっとうまくなくて,ダイレクトに胸に入ってきませんでした。何ていうか,観ていて常に「声優」の存在を意識させられる感じ。
こいつはまた……。胸糞が悪くなり,途中から「えええ!?」ってことになるけど,さらに最後に映画がちゃんと終わる。見てる途中で監督が誰だか思い出しましたよ。ラース・フォン・トリアーだったんだよな。
セットがほとんどない,手抜きの演劇のようなセットです。けど,すぐに慣れると思います。映画の展開そのものはオーソドックスだからね。
山道の突き当たりにある小さな町ドッグヴィルに,女が迷い込んでくる。彼女を追う車がすぐにやってくるが,村の住民トムは頼まれて彼女を匿う。その日,集会で,村全体で彼女を匿うことを彼は提案する。
すごいなあ。賛否両論あるのはすぐに分かるよ。観たくない人も多いだろうな。それは置いておいてやっぱり傑作だと思う。こういう映画だと思ってなかった人には衝撃的でしょう。録画しておいて監督を忘れていた自分は,衝撃を受けましたよ。
不愉快に違いない。ただ,演劇のようなセットで,それを映像としては見せないところは,意図としてよく分かる。映像ではっきり見せたら,この映画の焦点がぼやけるというか,ウケ狙いな雰囲気が出てしまっていたと思う。
メイキング映画もあるんだけど,そっちは未見。それほど観たいとは思わないな。映画がすでに充分な完成度を持っていると思うから。
面白いけど,これを楽しめるのは心に余裕がある人だけじゃないかと思う。
ドキュメンタリータッチに進行していく,全米ドッグ・ショウに賭けるなんとも奇妙な飼い主たち。
このレベルで変わり者が出てきて,「いるいる」「いかにもいそうだ」と思わせてしまう実力は凄い。ストーリーはあってないようなもので,とにかく一癖も二癖もありそうな人間たちの言動を見てクスクス笑うか,笑うタイミングがなくて愕然とするか。どっちかだ。
冒険活劇の宮崎駿が年をとったなと子供のころは思ったものです。今はこれのよさも分かります。サツキちゃんがリアルに泣き出すところが,とても印象に残っています。
童話の面白さを理解してないとこれは難しいですね。あらすじを思い出してみると何てことないのに,見終わった時にはやっぱり,「ああよかった」っていう気持ちになっているから不思議です。
アホというか何というか,そのまんまいうとつまらないんだけどさ。役者に俺の知らないイケメンタレントが多数出ている。その一方で女優陣が変。顔が変。
引退したF1レーサーが,チームオーナーの要請で新人を教育するためカムバックする。
調べたらラジー賞ノミネートしまくり作品で,それも納得できました。特に語ることもないです。
びみょー。なんかベルリン映画祭で賞は獲ってるみたいだけど,そんなに面白いとも,興味深いとも思えない。つまらないと切って捨てるほどではないけれど,「暇なら観てみれば」とも言えない。フランス系の芸術作品に興味があれば,という感じ。
性的不能から妻に去られた男が、やがて金持ちになって、妻に奇妙な復讐をするまでを描く。
ほかにコメントはありません。
ケイゾク/映画と同じ監督で同じような映画。だけどこっちの方が点が高いのは,皮肉なことに監督が「映画」を完全に諦めたからである。つまらないが全体の統一感はある。
人気ドラマ「トリック」の映画化。
つまらないというか,ドラマの二時間スペシャルと何がどう違うのかまったく分からない。結果として,劇場どころかレンタルして観るのも不毛な作品。テレビで放送していたら,ドラマのファンだったらそのスペシャルとして楽しめるんじゃないでしょうか? 面白くないけどさ。
べたべたのギャグ映画。広東語は分からないけど,演技が棒読みなのは分かる。それでも思わず声に出して笑ってしまう場面もいくつかあった。一人で観ているのに不覚である。何が面白いって,その過剰なまでのサービス精神と,ベタベタのしつこさがじわじわ効いてきます。チャウ・シンチーの若かりし日の佳作。ところで登場人物の名前が,ロッイーとかマンキッとか,日本語の発音感覚からはありえなんですが(笑)
天才詐欺師がある男の依頼を受け,色々な人を騙す話。あらすじ書くのも馬鹿馬鹿しいので興味があったら観てください。
知性とかシュールとか,そういった笑いを期待してはいけません。コッテリです。こってりしたギャグです。
悪くない。刑事物でサスペンス物。
新人刑事が配属された先で上司に仕事のやり方を教えられるが,時に非合法な手段を取る上司に,新人は戸惑う。これがここのやり方だと説得されるが,ただの悪徳警官のようでさえある。
頭空っぽにして,新人のイーサン・ホークと同じ立場から観た方がいいでしょう。果たして自分だったらどうするか。
ゴロツキに捕まったところで,ボスの娘のレイプを防いでいたという義理から見逃されるシーン。チンピラにもその辺の道義があるというシーンが妙に印象に残った。「これも縁か……」なんて呟きは,なんかヤクザの仁義を見ているようだった。
「これが五つ星?」と思うかもしれないけど,とにかく痛快な怪獣映画。最高。
あらすじは教えませんので,ぜひ観てください。
この映画で僕が好きなのは脚本です。とにかく怪物が最初に登場してくるまでの展開が最高です。そして登場してからの展開も最高。ケチのつけようがない極上の面白さ。映画館で観て,ビデオでも何回も観ました。「スワロウテイル」の岩井俊二監督がある本でこの映画をかなり褒めていました。その指摘がうなずけるものでした。「とにかく映画をたくさん観ている人には気持ちのいい仕掛けで一杯である」もちろんパロディではない。そうではなくて,そこに現れる映画としての文法である。それがもうとにかく背筋がぞくぞくするほどよくて,影響を受けました。作った奴は天才なんじゃないかと思いました。
同時に,ケビン・ベーコンという役者に注目した一本。別のところでも書くと思いますが,私が信用している役者としてケビン・ベーコンとブラッド・ピットの名前を挙げています。僕は役者で映画を選ぶことはほとんどしませんが,この二人だけは,それで映画を選ぶほどです。なぜか? どの映画も脚本がいいから。多分この二人の役者は,すごくきちんと脚本を読み,自分で読んで面白いと思った映画に出演しているんじゃないかと思います。その結果としてこの二人が選ぶ脚本には外れがないのです(「デビル」は出演が決まってから脚本が変わったとブラピがぼやいてたけど)。
とにかくこの映画は出来がいいですよ。
前作ほどじゃないけど,意外と制作陣が前作のよさというものを理解していたことが分かった。B級映画。1995年の作品。ちなみに前作は1989年。
倒したはずのグラボイズが生き残っていて,油田プラントが襲われた。専門家として雇われた主人公は,再び対決する。
あんまりばらしたくないのでばらさないけど,怪物の性質と全容が早々に明かされるという文法は健在。ただ,今回はそこまでの持っていき方と,性質を生かしたストーリー展開が弱い。ほんのちょっと,アイディア不足。傑作ではなく,B級映画のよくできた方,くらいのノリ。
もう少し短くてもよかったんじゃないかと思う。あの一騎討ちは剣を二,三回合わすだけで決着をつけて欲しかった。
もはや神話の3600年前(か,そのへん)の「トロイ戦争」の映画化。
アキレスはもっとべらぼうに強くてよかったと思う。実際,戦場では相手と剣も合わせずに倒していくような死神がいたはずであり,アキレスもそんな一人だったはずだ。決闘は決闘でいいんだけど,決着は一瞬で。これ,大事。
戦争のきっかけを作ったカップルは,まあ,原作があるんだからしょうがないけど,なかなか情けないです。ヘレン役のダイアン・クルーガーは美人に撮れていたけど,ハリウッドメイクとハリウッド撮影の賜物のような肌で,なんとなく普段はそれほどでもないんじゃないかと逆に勘繰ってしまいました。
役者を語るしかない映画ですね。ストーリーはわざわざ言うほどのことではない。長いと書いたけど,退屈するほど長かったわけじゃなくて,なんとなく,「あとちょっと短くても……」という感じ。正しい大作映画。失敗してない大作映画。
オカルトホラー。こういう映画が大好きだ!
あらすじ省略。
懐かしいなーと思って観ていた。古いタイプのオカルトホラー。これを書くために調べてみたらロマン・ポランスキー監督で,「戦場のピアニスト」でも有名だが,「ローズマリーの赤ちゃん」で有名な監督である。なるほど。この監督の作品をざっと観てみようかなと思った。
この手の映画にあるように(「ローズマリーの赤ちゃん」「ジェイコブス・ラダー」「エンゼル・ハート」すこし違うけど「エクソシスト」など)終わり方は消化不良。こういう映画はストーリーの進行をぞくぞくしながら楽しむのがいいのだ。
これはひどい。
プロ自転車チーム「パオパオ」所属のレーサー,ペペ・ベネンヘリは,スペイン一周レース「ブエルタ・ア・エスパーニャ」の地元のステージで逃げの集団に加わる。その日は兄の結婚式だった。
スタジオジブリだけが無意識にやっている演出というのがあるわけで,それはもちろん「普通の人間はそんなことしないよ」「そんなことするやつがいたらここに連れてこい」というほどリアリティのないものなんだけど,日本の国民はそれに慣らされているのである。残念なことに,この作品ではそのわざとらしさが鼻について,気持ちの悪い人間ばかりになってしまった。
あと,製作スタジオは関係ないと思うんだけど,「ジブリには描けない人物」というのがいくつかある。ノリの軽いラテン人物というのもそのひとつだ。スペインではそういう人間を描写することが求められるわけなんだけど,陽気なつもりなのに妙に真剣だったりして,ノリが悪い。
とにかくもう全体的に駄目でした。原作が面白かったので,これはアニメ化した人間の腕が悪いということなんだろう。
キングの映画化作品としてはとてもよくまとまった作品。きちんと緊張感が出てる。
古道具屋「ニードフル・シングス」がメイン州の田舎町キャッスルロックで開店する。店の主人は欲しいものと引き換えにさまざまな行為を頼むのだが,それによって町の人間関係が次第に壊れていく。
悪魔が人間の憎悪や不信感に火をつけていく。直接は手を下せないというのは新鮮。そして面白い。正体を突き止めるのは少し簡単な展開だけど,序盤からの展開は観ていて引き込まれる部分があります。
全国,今日まで公開。息もつかせぬ法廷劇。面白い。法廷映画って傑作が多いので,そういうレベルからいうと平均点。劇場で観たせいか,迫力に押された。
銃器メーカーを訴えた全米が注目する裁判。陪審員側から両方の弁護士に評決を売るという交渉が持ちかけられる。陪審を誘導してどちらにでも評決を変えてみせるという。
ぐったりです。レインメーカーとどっちが面白いかというとどっちも同じ程度に面白いです。それも高い水準で。それでもあえて優劣をつけろといわれたらレインメーカーの方が俺の好みかなあ。ニューオーリンズの方は評決を売るというアイディアと,陪審員制度の欠点みたいなのが見え隠れして,アイディアとしては優秀。原作は面白そうだ。
ダスティン・ホフマンがちょっと弱い。弁護士として説得力の薄い部分がある。他の役者はよいです。
(2004年2月28日)原題は「RUNAWAY JURY」。最近は日本語に翻訳するとウケがよくないらしく,なんでもそれっぽいカタカナにします。
オフビートでポップなアニメ。真面目に観てると損するぜ。
車に轢かれそうになった猫を助けた女子高生のハルは,猫が直立して,「このお礼は後日必ず」と言って頭を下げるのを見る。
コメディ色が強い。どこをどう切り取っても面白いとは言いがたいんだけど,まあ,たまにはいいか。同時収録の「ギブリーズ Episode2」は,面白いという人もいるみたいだが,つまらなかった。
ショートアニメムービーとして「BLOOD THE LAST VAMPIRE」とどっちが面白いかと言えば,やっぱりこの猫の恩返しの方がよいと思う。ま,無理してみるほどのもんじゃないな。ちなみに俺が「アリーテ姫」を借りようと思って2本で1本分の値段だと聞いたからついでで借りた作品。
宇宙飛行士の船外活動中に事故が発生する。二人の宇宙飛行士は一時通信不能の状態に陥るが,無事に生還する。しかし一人の宇宙飛行士が変死。妻も自殺する。もう一方の宇宙飛行士の妻は,帰還した夫の様子がおかしいことに気づく。
先が読めないとかそういうことはありません。ホラー映画らしいイントロと展開から,予定調和的なオチまで,普通です。どうってことなし。シャーリーズ・セロンは綺麗に撮れてます。ジョニー・デップも不思議な雰囲気を出している。
有名女優と書店の店員が恋に落ちる。
普通にラブコメ。
映画にあんまり詳しくない友人が,「これがよかった」と言っていたのでちょっと借りて観た。まあ,変わり者も出てくるけど,全体に悪くないっていう感想以上のものは持たなかったです。印象的なのが,女優が普通の家庭に夕食に来て,「ごちそうさまでした」と外に出たら,ドアを閉めた後,中の人間が雄叫びを上げたこと。けっこう愉快だった。退屈ではないです。
佳作というか,意外と悪くない出来の映画。予想通りの部分もあるけど,なんかよかった。適度に皮肉もきいてる。
モテない銀行員を十年やってきたジョン・バッキンガムはロシア人妻を手に入れるためサイトに登録する。やってきた女性は何の手違いか英語も喋れない人物だった。しかし,夜のお供は平気なようで,ジョンは少しずつ情が移るのだった。
ニコール・キッドマンの顔がよく分からないので,観ててもなんとも思わなかったけど,スタイルはよかったと思います。
サスペンスっぽくもあるけど,基本的にコメディ路線だと思います。笑えるシーンがあるわけじゃないけど,演出がわざと肩の力を抜いている。
意外と面白い。最初から最後まで飽きさせずに見せてくれます。ラブコメディ。
お金を信じ,結婚詐欺を繰り返すコンビの母娘。だが,新たに狙ったターゲットでは計画がうまくいかず,少しずつ狂い始める。
コメディでノリが軽い。本気で惚れちゃ駄目とかいいつつ惚れちゃったり,綿密な計画がぐだぐだになったり。まあ,とにかく終わると爽快な気分にさせてくれる良作であった。
床屋の娘と結婚して床屋になった男。偶然とちょっとした野心から事件に巻き込まれる。
無口な主人公という設定は面白い。コーエン兄弟ならではの,ブラックユーモアの効いたストーリー。展開が読めないのでなかなか面白いです。
邦題はかなり間違い。キャシー・ベイツが好演。意外な拾い物のシリアスドラマ。ジョン・トラボルタが大統領候補っていうのは違和感あるけどさ。主人公はエイドリアン・レスターです。
ある青年は大統領候補の一人であるジャックに出会い,彼を本物と見て選挙運動のスタッフとなる。理念に燃える彼だったが,やがて選挙戦の汚い側面を見ることになる。
面白いんだけど,ラストにもう一つ欲しかったという気がする。レンタルで観たとしたら,物足りなさが残るだろう。
タイタニックを越えようと狙ったブラッカイマー製作の高予算大作メロドラマ。世界的には大コケ。日本での興行成績は普通。内容でいうと,やっぱり単にだらだら長いだけの映画だなー。
ぶっちゃけのあらすじ。男二人はパイロットで友達。一人に看護婦の彼女あり。彼女のいる方が英国空軍に志願して撃墜され,戦死の報告を受ける。慰めてた友達の方との間に愛情が芽生え,二人はくっつく。二人の任地は真珠湾。死んだと思った男が実は生きてて,友達の彼女を取りやがったなって話になる(個人的に言わせてもらえば,戦死しておいて生きてる方が非常識。そんなことで責めるなよ)。喧嘩した次の朝に日本軍の真珠湾攻撃。で,男二人とも報復作戦のパイロットに志願して,東京湾爆撃に向かう。その作戦で,友達の方がホントに戦死。彼女は既に彼の子を宿していて(ちょっとここだけ古い言い回しですか?),元の恋人と死んだ友達の子供を育てるって感じで終わり。
真珠湾攻撃の映像は結構な迫力です。どういうわけか僕はのめり込めませんでしたけど。なんか話の筋と関係ないからかも。
DVDで見ました。撮影裏話の映像がいいと聞いたので。確かに,大作映画の特殊効果ってこうやって撮影するのかって勉強になりました。ただ,「史実に忠実に」ってほとんどのスタッフが繰り返し言っているところが痛々しかったです。そんなに「史実に忠実」を強調しなくてもいいのに。アメリカで叩かれたのは,まさにこの「史実に忠実」という部分なのですが。
ま,簡単に言うと全然史実に忠実じゃないんですな。やたらドラマチックな,変な機銃掃射が多かったです。僕が聞いた話だと,攻撃は朝の7時半で,そんな時間にリトルリーグの練習をしているとは疑わしい,とか。
ただ,期待で言うとこんなもんだと思います。「ドラマ,スカスカ,アクション,それなりに見れる」を忠実に守ってます。製作費は回収できなかったそうで,ザマミロと思います。製作者本人にそのつもりがないとしても,タイタニックの二番煎じにしか見れないんだよね。それに,うーん,この映画を観ると,アメリカ人というのは国を信じる狂信者の集団か?とまで思ってしまいます。さすがにヒットしなかったっていうから,アメリカ人といえども白けちゃったんだろうけど。
ま,「アルマゲドン」と同じコンビの作った映画なんで,こんなもんだろと思ったけどさ。
映画としてどうというよりミラ・ジョヴォヴィッチが好きかどうかに左右される映画。内容は普通にアクションホラー。
あらすじ略。ゲームの映画化。
トゥームレイダーの方がゲームとしては好きですが,映画としてはこっちのほうが面白いです。なんかミラ・ジョヴォヴィッチって映画をやるたびにどんどんファンを増やしているような気がします。そういう意味でいい仕事してるといえましょう。参考になってなくてすいません。
オチがちょっと……。
エル・サルバドルでの一般人虐殺の罪を着せられた夫を救うため弁護士の妻が軍事裁判に挑む。
プロットは悪くないんだけど,イマイチ感が漂う。観なくていいでしょう,これは。
評判がよろしくなかったので期待せずに観に行った。結果として,そんなに悪くないじゃないかという印象。期待して観に行ったとしても,それほどがっかりはしないだろうなあ。ただ,犯人の正体が分かってからのシーンが長すぎる。決定的な行動を起こしてから結末まではもっと一気に話を進めてくれないと,観ているほうがだれてしまう。「危険な情事」の構成が見本かな? クライマックスのだらだらした長さが減点対象。
夫婦と娘の三人家族。ある日,母が自殺してしまう。父は娘と郊外の家に引っ越すが,娘はそこで見えないチャーリーという友達を見つけ,彼と遊び始める。
今年になって連続した俺の中でのダコタ・ファニングへの流れに乗って鑑賞。彼女自身はやっぱりかわいいです。映画の中にも,「おそらくこれはダコタ・ファニングファン向けのサービスだなあ」というシーンがないこともないです。こういうことをあまり言っちゃうと白ける人もいるだろうけど。
ホラーサスペンスとしては普通です。世間の点が辛いのは期待値を下回ったからではないかと。ただ,「普通」をわざわざ観るには,出演者のファンであるとか,このジャンルのファンであるとか,もう一つの動機が必要でしょう。
(2005年5月3日)それと,海外ではペットの死体をビニール袋にくるんだまま埋葬するシーンがよくあるんだけど,日本人の感覚から言わせてもらうと信じられないです。ビニールは埋めるなよ。
世間の評価と似たようなもん。映像はいいし,まったくつまらないとは思わないが,設定を活かし切れているとは思えないし,倍賞千恵子の声はイマイチだ。キムタクは悪くない。
荒地の魔女に老婆にされてしまったソフィーは街を出る。そこでひょんなことから魔法使いハウルの動く城で働くことになる。ハウルは荒地の魔女と対立しており,さらに国の魔女から参戦の要請を受けていた。
イマイチの感が否めない。テレビで放送されたときに観ればいい感じ。
あいかわらず傑作。やっぱりピクサーアニメは最高です。
バッタ達に食料を納めているアリたちが,彼らを撃退するためにほかの虫たちを助っ人に雇う。しかし彼らは落ちこぼれのサーカス団のメンバーだった。
「こういう解決でもいいんだけどそれじゃあちょっとやだな」と思っていると,見事にそれを裏切られる展開が見事。物事が万事綺麗に収まるところなんか,芸術的ですらあります。
最初に。このページは映画を五段階で評価しているわけだけど,だんだん無理が出てきたように思う。本日は,この映画と「復讐の処刑コップ」というB級アクション映画を観たんだけど,「1997年のB級アクション映画」と「1959年の白黒メロドラマ映画」を同じ数直線上で比べるということに無理があると思いました。そんなことやる前から分かるだろうと思うかもしれないけど,面白さを基準に点数をつけることは不可能ではないと思っていたのだ。それに,理屈ではなく実際に点をつけてみることで感じる矛盾というのは,やはりすこし違います。
妙にエロい。エロスが漂う。しかし切なくも見事な恋愛映画。
第二次大戦下,地元で徴兵を逃れていた若者と,美しい人妻がふとしたことで出会い,若者は彼女に惹かれる。若者は家に送っていった所で彼女の夫の戦死を聞く。
意外と無駄がなく堅実な作りが良い。見せ場で音楽がじゃじゃーんとなるのは時代のせいってことで大目に見よう。体を寄せ合ったり,キスをしたりするシーンが,雰囲気があってよいです。ラストシーンもいいセンスだ。
最初の30分は面白かった。話が大ごとになると白けてしまう。
尻尾の生えてしまった女子高生を巡る騒動を描いた映画。狙いとしては笑いあり涙ありという感じ。
マスコミに登場して騒動になるのは最後の30分でいいと思います。普通に尻尾の生えたことに対する戸惑いと周囲の人間の反応を丁寧に撮って,突然,政府機関が乗り出してくるという,E.T.の展開をなぞった方がよかったんじゃないかと。
リアリティとかは排除したメルヘン中心の物語であることは分かるのですが,それにしてもちょっと駄目かなあというところ。
主人公は名のあるアイドルだなこれは,と思っていたら宮崎あおいでした。この映画の彼女はとてもかわいいです。よく撮れています。あと,萩原聖人って(マスコミには叩かれてるし,人間としてはどうなのか分からないけど)役者としてはいい役者なんだなと思いました。すごく自然で,伝わってくる演技をしています。役者に関してはどれもいい感じです。話がちょっとなあ。惜しい!
三つ星が付いてるけど,「普通」って意味じゃない。「悪いってわけじゃない」という感じ。原作ファンタジー小説をアニメ化した映画。この手のものは,テレビでも映画雑誌でも取り扱わないので一般に知られることはほとんどないが,それなりに作られてそれなりに全国で公開されてるみたいです。今も。
公開年が1995年。古い。画面の色の数が少ない。昔のアニメっぽい。動きは滑らかでその辺は頑張ってる。俺が感心したのは女性キャラ。「萌え」って単語はこの頃は影も形もなかったはずだけど(Windows95が発売した頃だからねえ),確かにこの業界は昔から「萌え」というものを,そんな感情に名前をつけられる前から意識していたんだなと思った。ま,原作の水野良が意識してたのかもしれないけど。
いや,リアルタイムに現在作成されている美少女アニメとかの現状がどうなっているのかなんてまるで知らないけど,これだけ古いアニメだと冷静に分析できるってもんです。どの女の子もなんかしらのツボを狙っているなあ。
あ,あらすじ書くの忘れた。父を殺された息子が復讐を誓いつつ仲間と逃走すると,「力が欲しければ来い」というような呼びかけを聞く。応えると岸壁が開き,クリスタニアへの道が開けた。クリスタニアは神々が完璧な世界を創ろうとして周囲から断絶された箱庭のような世界だった。主人公たちはよそ者としてその歴史の流れに巻き込まれていく。
日本映画としては面白い方。テレビ編集者の失敗の物語。ストーリーは面白い。テーマを饒舌にセリフで語るところはアマチュアっぽいかな?
展開が意外なのでストーリーは見て楽しんだ方がいいです。テレビの編集者が映像素材を手に入れたが,先入観をもって編集したせいでトラブルを起こしてしまう。
ミステリーとしては説明不足な部分もあります。不充分なところもあります。けど,総合的に言ってこの映画は面白い部類だと思います。少なくとも映画なんだかテレビドラマなんだか分からないような,しょうもない邦画よりはこっちの方がいい。
ストーリーにドラマチックな展開はない。映像が美しい。主人公たちは裸足ではなく,邦題にまで偏見があると感じるのは俺だけか?
アボリジニ同化政策のために親と離れ離れになった三人の子供たちは,歩いて親のところまで帰ろうとする。
同化政策と失われた世代については予備知識があったので逆にこの映画では物足りなさを感じた。批判したり主張じみた熱いセリフを吐くことはなく,ノンフィクションとして実話を淡々と描写する構成。だが,ちゃんと訴えているものはあります。知らない人には,オーストラリアの差別政策を知る上でよい入り口になるかと。
この映画は最初に書いたように映像が素晴らしく綺麗です。オーストラリアの平原や砂漠を綺麗に撮るということが一つのミッションだったんだと思います。
あと,主人公の女の子はかわいいですね。オーディションで選ばれたんだろうけど,すごくいい顔をしています。
母が若い頃に書き,出すことのなかった手紙を見つけた娘が,母とその初恋の相手を会わせようとする話。
田中麗奈っていい日本映画に出ています。この映画も外れではないです。僕はいい映画だと思いました。未見の人にどういう風に言えばいいのかよく分からないですが。
母が今の父との出会いを言うところがとても気に入っています。
ちょっと辛口評価。綺麗な映像を撮っただけの映画。
小さな村に赴任してきた教師と村の少女の恋の話。見るべきところは特にないなあ。男の役者がしょうもないというか,なんで惚れたのか全然分からん。
ホラーを基調にした馬鹿映画。エロ,ホラー,アクション,コメディ,なんでもあり。
女子中生四人が行方不明。容疑者の家族である母一人と娘二人は周囲の好奇の目にさらされる。霊能力者に真犯人を捕まえてもらおうとするわけだが。
観てみたら意外とエロかった。エロの演出がまたうまい。展開なんかはいろいろと凝ってて面白かった。特に最後のアクションが金がかかっているというか,手間がかかっているというか,吹き出してしまうこと請け合い。あと,「し,しびれる~」に爆笑してしまった。
ただ,海外ではこの手の映画の傑作が何本も作られているが,日本映画は駄目だなと思った。コメディがあんまり笑えないのである。やっぱ突き抜けるというのは難しいなあ。気持ちは分かる。観ている方としてそういう部分に同情することは一切ないが。
面白い。人間ドラマ。深刻な話なのに全然暗くない。
ゲイの二人に,人生に疲れた女が,子供が欲しいので手伝ってくれと持ちかける。
感じの悪い男に,「っていうか子宮じゃ考えないでしょ。脳があるんだし」と切り返すところがよかった。ほかにもたくさん名シーンあり。どうも最近日本映画にハマってしまって抜け出せません。微妙な人間関係とかを描いているのがホントによい。この監督得意の長回しもあり。
男二人もいいんだけど,主演女優の片岡礼子がすごい存在感。癖があるけど嫌味にならない人物を見事に演じてる。彼女の動向が映画を見てて気になるんだから大したもんです。
うーん。どこまでも微妙。宗教映画なのでその辺の価値によって評価は大きく変わると思います。個人的にはその中に含まれる普遍的な部分に期待していたんだけど,「これはキリスト教徒以外にも通じる」という部分が少なかったように思います。
ナザレのイエス・キリストが弟子の裏切りに遭い,裁かれ,十字架に磔にされる。
残酷な暴力描写については,(1)キリスト教徒にはこれが必要,(2)メル・ギブソンはこういうのが大好き,という二点で,まあ,こんなもんだと思います。需要と供給がこの分野においてはマッチしているってことです。メル・ギブソンは拷問映像が好きで,なぜかどの映画にも出てきます。信仰に篤かったわけではなく,聖書を読んで「これは行ける」と感じた拷問フェチだったとしても,私は不思議には思いません(拷問が好きだからキリスト教徒になったのかもしれないし)。
まあ,それはそうと,それ以外の何かがあったかというと,残念なことにシンプルになりすぎてて,宗教映画を越えた何かになれる可能性を秘めつつ一歩及ばなかったというのが私の印象です。
「死を遠ざける医者」ではなく「生を高める医者」になろうとして,医大に入り,ユーモアで周囲を変えていく一人の人間の物語。実話をもとにしている。
ロビン・ウィリアムズの感動物としてありがちなんだけど,やっぱり感動してしまう。しみじみその通りだなあと思う。
年をとったせいか,感動ものに滅法弱くなったなあ。
ホントに悪いサンタだなあ。悪趣味なギャグは個人的には気に入った。一般的な日本人にとってはどうなんだろ?
酒びたりの金庫破りのプロ、ウィリーは毎年サンタの扮装の仕事をもらって、クリスマスの番にデパートの金をいただくのを生業にしていた。
サンタがこれをしちゃいけないっていうタブーを破り続けるところに面白さがあるわけで、その辺を楽しめないと魅力が半減すると思う。
まあ、そこそこ面白かったです。
映像が凝ってて楽しませる。何度も観たくはないが,つまらなくはない。
金持ちが作った家には「パニック・ルーム」という非常時のための避難部屋がある。引っ越してきた初日に強盗に入られた母娘はそこに逃げこむが,強盗の目的はまさにそのパニック・ルームに隠された隠し財産だった。
基本的に睨み合いが多く,ちょっとだれます。あいかわらずオープニングのタイトルムービーは感心します。
「専業主婦」をテーマにした映画だと思う。なかなか重い映画。
母がガンで倒れ,娘は仕事をやめて介護することになる。父は教授で,あまり家事を手伝ってくれない。
娘役のゼルウィガーがよい演技です。腕を組む仕草がキャラクターをよく表現していると思います。美人でないのも一興。
観ていて,「家族」とか「母」とかを考えてしまった。娘を通して全体が描写されるんだけど,娘の理屈やストレスが理解できるので,その問題の大きさにふと立ち止まる。働く女性に対して,社会人としての女性に対しての問題というのはまだ解決してないんだなと思った。
上の感想は観ていて私が感じたことであり,直接的な映画のテーマではないです。映画の筋としては,娘が,母と父に対する気持ちを徐々に変化させていくという物語。
残念なことに「ザ・セル」と同じ間違いを犯してしまった失敗作。なんとなく予感はあった。それはそうと林原めぐみがうまいという事実を認めました。
相手の夢に潜り込む装置が開発されたが,試作段階のそれを盗まれてしまう。あらゆる人間の意識をコントロールできるようになってしまった犯人を追うため,研究員も被害者の意識へダイブする。
こういう「夢」とか「意識」の映像化というのは,映像作家が一度はハマる罠みたいだ。そういうことにしておけばストーリーに関係なく好きな
というわけで,この作品もそれなりに意欲的な映像が出てきて,それはそれで確かに興味深いのだけど,映画全体に対して夢の中にいる場面が多すぎる。八割くらいは夢の中だったんじゃないだろうか? ストーリーに関係ない映像が出まくりである。犯人捕まえるためにこんなにややこしい映像は要らない。イメージだけで圧倒したいという監督の意図も分かるし,……と,いろいろ弁護してあげようかとも思ったけど,やっぱりこれは大いなる失敗作だと思う。つまらんのだ。
本当はもっと色々と語りたかったんだけど,意外とこれだけ書けばこの映画がどういう映画か伝わるような気がしたのでここでやめておく。
タイトルに見覚えがあるのでレンタルした。パッケージはちょっとエッチなただの映画で,なんでこんなタイトル知ってるのか不思議だったが,最初のクレジットを見て納得。ペネロペ・クルスが出ているのか。
金持ちと娼婦の娘が付き合っていて,娘は妊娠した。息子の母親は反対して,男を雇い,娘を口説くように仕向ける。
色々な国の映画で色々な口説き方を見るけど,自分はやっぱりスペイン人の口説き方がいいなあと思った。フランス人みたいに雰囲気や相手の空気を読むというのは無理だし(っていうか,ホントにフランス人がフランス映画みたいな恋愛をしているとはさすがに思えないんだけど……),この映画みたいに,女の人に,「綺麗だ綺麗だ」と言いまくるという口説きはとてもカッコイイ。理屈がないので。女もそれに応じるだけの情熱があればいい。劣等感や優越感,恋愛観や価値観なんてどうでもいい感じです。まあ,映画だからっていっちゃうと身も蓋もないけど。
話そのものは「なんじゃそりゃ?」です。とくに後半の展開がワケ分かりません。シュールなコメディなのかどうかも判断がつかない。まともな心理描写を期待すると開いた口がふさがりません。
原作を読んでない方が楽しめるかも。大ベストセラーファンタジー小説の第1巻の映画化。
幼い頃に両親を亡くし,親戚の家でいじめられて育ったハリーに魔法学校から入学案内が届く。
「え? あのシーンが映画になってないの?」っていうのがたまにあった。クィディッチのシーンは見ごたえあり。ほかはやっぱり小説の方がいいな。ハーマイオニーはかわいかったです。
意外と悪くないと思うのは,熱狂から自分が距離を置いたからか? 原作を読んでいるからか?
あらすじは言いません。
ハーマイオニーが活躍するなあ。ラストのロンがかわいそう。声変わりした子役達がちょっと気になった。
ネタが分かれば楽しめるんだろうけどさー。さすがに有名監督の顔を覚えているわけじゃないので,パッと見たときの瞬発的な笑いができない。
落ち目で契約破棄された脚本家が,売れっ子脚本家に紹介されたのは,生きている本物のミューズ(詩神)だった。ハリウッドの実在の有名人を登場させ,パロディを混ぜつつ,ミューズに振り回される情けない脚本家の様子を描いたコメディ。
話の大筋の,売れない脚本家が……という部分がそんなに面白くない。というか,オチがイけてない。キレがない。あとは実在の監督が出ているという意外性だけど,それだけで楽しめるかというと,ちょっとねえ。
私はシャロン・ストーンのファンなので,彼女を見るのは楽しかったんだけど,一般的な点数を付けるとこんなもんでしょう。個人的にはシャロン・ストーンでおまけして星三つです。
良質な感動ドラマ。いい映画だった。
アルツハイマーの妻に懇願されて殺したことで
地味な人間ドラマに終始したストーリー。実際の裁判ではこのような展開になることが多いとはいえ,カタルシスを求める人には物足りないかもしれない。地味です。
高畑勲,宮崎駿コンビの出世作。時代を感じるぜ。1972年の作品。
あらすじ省略。子供向けの30分アニメ映画。
主人公の女の子がミニスカートからパンツを覗かせているワカメちゃん状態。二,三日なら小さな子供一人に留守番させるのもいいかという田舎のおおらかさ。「パパはパイプを吹かすものよ」なんて子供がパンダに煙草を吸わせる。こういう描写は逆に新鮮。日本が30年でどういう風に変わったのかを意識しないではいられなかった。
内容については言うことがなかったりする。子供は喜ぶだろうけど,やっぱり時代がなあ……。
上の続き。1973年。現代の放送コードでも多分大丈夫。
あらすじ省略。
煙草のシーンは無し。感想はありません。
演出が音楽に頼り過ぎ。音楽のでしゃばる映画は好きになれないので辛めの点数。
人に説明するのがとても難しいあらすじ。基本は恋愛。とても変な感じの映画で,恋愛映画なのに観終わってもロマンチックな気分にはならないです。
現状ではこれ以上言えません。もしかしたらビデオでもう一回観るかも。
オフィシャルサイトからの一部だけ引用。
エリカは子供の頃からピアニストになるために、母から遊ぶ時間など許されず厳しく教育されていた。現在は名門ウィーン国立音楽院のピアノ教授となっているが、母の夢だったコンサートピアニストになることはできず、自分を責めていた。父を精神障害で幼いときに亡くし、今は母と二人きりで暮らしている。彼女は、母親の支配から逃れるために、ひそかにポルノ映画館やのぞき部屋に通っている。彼女は今まで一度も異性に触れさせられた事はなく、潔癖性が発展した病的なのぞき趣味と、マゾヒズムの世界に生きてきた。
ある日、小さなコンサートでピアノを弾いた青年ワルターが、エリカに恋をする。エリカは彼の強い視線を感じ、いつしか彼女も彼に惹かれていく。そして、レッスンが終わってから跡を追い、彼がアイスホッケーの練習にも打ち込んでいることを知る。ワルターは音楽院の大学院を受験するが、エリカだけが彼の年齢が高すぎると入学に反対する。しかし、他の教授たちが彼を推薦し合格となる。
中年女性と若い男の恋物語ではないです。私は知っていて見たんだけど。男女が勝手に自分の思い込みで恋をして,すれちがう様を描いた映画と,私は受け取りました。
フランス映画特有の変態性があります。で,なんといってもすれちがう思惑みたいなのは興味深いです。二人ともこういう恋愛をしたいという考え,あるいは,こういう恋愛が普通だという考えを持っていて,それを相手に求めるんだけど,タイミングの違いというか何というか,そういうもので決定的に二人はすれちがいます。なんにせよ,日本やアメリカの恋愛映画の文法とはまるで違うので,そのくらいの心の用意はしておいた方がいいでしょう。
イギリスも製作に関わってるのかと思ったら,アメリカのみの製作だった。ローワン・アトキンソンもスタッフらしいスタッフにはクレジットされてないので,ビーンの役者としてのみ出演したようである。そんなに面白くない。
英国美術館で働いているビーンが,トラブルを起こせば堂々とクビにできるという美術館側の思惑からアメリカに派遣される。彼はいつものように騒動を巻き起こす。
アリー・MYラブで変わり者をやってたピーター・マクニコルが,ビーンに振り回される普通の人を演じているのが変な感じ。
ビーンという人間はみんなに愛されるキャラクターではないというか,現実にいたらちょっとたまらない人間なわけで,この映画版のビーンでは,そういうたまらない部分が観ている方に妙にびしばし伝わってしまって,コメディ的虚構として楽しめない。まったくつまらないわけではなく,面白いところもあるので,そこに注目すれば「駄作」ってほどじゃなく,「凡作」どまりの評価は得られると思う。
そんなにつまらなくはないんだけどね。河村隆一の太宰治っていうのはかなりのはまり役だと思ったし。ただ,単純に映画として,太宰治の半生を映画で観てもそんなに面白くないなあって感じだったのである。
つまり太宰治の半生を描いた映画。大胆な解釈はなし。
役者はどれもよかったです。キャストをほとんど知らずに見たんだけど,河村隆一の太宰治は「うわー,はまり役」と思いました。その他の女優も,並んだ名前を見ると引いちゃうかもしれないけど,みんな,悪くないと思いますよ。そんなに難しい演技が要求されてもいませんけど。
最初に書いたけど,この映画のよくないところは,太宰治の半生を映画で観たときに「ふーん」にしかならないところなんだよなあ。
クライマックスまでは退屈な映画。最後のビッグ・ウェンズデーが爽快。
挫折したり,進路が変わったりしながら交流を続ける男たちの友情とサーフィンの物語。
サーフィン映画としても青春映画としても中途半端。クライマックスはいいんだけど,全体を通して評価すると,前半のもたつきが足を引っ張る感じ。かといって後半だけ観るというのは映画道に反するから,人に勧めるべきか,微妙なところだ。「ステップ・イントゥ・リキッド」など,もっといいサーフィン映画があるので,そっちを勧めるな。
悪くない。全然悪くない。面白い。けど,ラストでもうちょっとカタルシスがあってもよかったな。「オー・ブラザー!」の方が面白い。細かい欲求で,ホントに悪いもんじゃないんだけどね。
街の駄目人間の一人リボウスキ(デューク)が,トラブルに巻き込まれる。
巻き込まれ方がしょうもなく,展開もしょうもない。この場合のしょうもないとはけなしているわけではなく,登場人物たちがしょうもないのである。観てる方はその偶然のドタバタ加減がおかしくてしょうがない。
登場人物が最後まで成長しないのはやっぱりちょっと残念だなあ。観る方はどうしてもそういうのを期待しちゃうんだけどね。
銃撃戦が幼稚。1993年の映画とはいえ,もうちょっと大人の銃撃戦を見せてくれてもよかったんじゃないの? ドラマはまあまあ。刑事が新聞記者と付き合っているというのはありえないと思うが,そんな都合も利用してクライマックスの叫びが盛り上がるので,駄作から普通へと評価を回復させた。
凶悪犯罪者を調べ,マークし,逮捕ではなく現行犯での射殺を目的としたLAのSISという組織に,はぐれ刑事がスカウトされる。彼はやがてSISのやり方に疑問を持ち始める。
主演のルー・ダイアモンド・フィリップスといえば,殺人ドットコムにも出ていたと思う。邦題を並べれば分かるけど,B級でエロのない映画での定番キャストなんだろう。
原作の妙に耽美なところはきちんとやってると思う。映画で観るとなんだか変。
こういうのは相性の問題かもしれないけど,原作のファンじゃないと楽しめないんじゃないかなあと思う。
ごく普通の高校生だった主人公に,突然,一族に遺伝する病気が発病する。それは血への欲望が抑えられない奇病であった。
期待したほど面白くなかったB級SFホラー。
太陽が三つある惑星に不時着した宇宙船が,その星の皆既日食に遭遇する。
こういう映画はもっとキャラクターをしっかり区別しないと。途中の展開はよかったけど,光源の分からない映画としての照明が多すぎた。
まあ,この手のジャンルはとりあえずチェックしないと気がすまない人以外は観なくてもいいんじゃないかと思う。僕のような人間は,けっこうお約束のシーンがあったりして嬉しいところもあったけど(エッチシーンって意味じゃないです,念のため)。
一体テレ東はどこでこういう映画を見つけてくるのか。劇場未公開。ビデオスルーのファミリーコメディ映画。オルセン姉妹の演技がちょっとあれだけど,ベタな展開で安心して見れる。いくらなんでもベタ過ぎるので劇場公開はきついだろうけど。
孤児院の女の子と金持ちの女の子が鉢合わせ。でもって入れ替わる。孤児院の先生とやもめの父をくっつけるために奔走する。
テレビ吹き替えの声優が下手くそで参った。内容的には,第一印象以上のものはないなあ。オルセン姉妹は最初戸惑うけど,見ているうちにやっぱりかわいさを発見できます。
こんな映画だったとは! 不覚にも泣いてしまった,ある天才数学者を描いた実話映画。
数学者ジョン・ナッシュは,数学にすべてを捧げる偏執的な数学者。独創的な理論で世間の人間をあっと言わせようと考えている。だが,数学のことしか頭にない彼の精神は,常人とは少し違っていた。
まったくずるい。こんなシーンがあったら泣いちゃうぜというツボに見事にハマってしまった。中盤での意外な展開にしてやられました。後半の展開が特に目を離せません。
ヘプバーンってホントにかわいいんだなと実感する。リアルタイムで「オードリー!」とスクリーンに絶叫できないのが寂しい。観ていてくすくす笑ってしまうラブコメディ。
私立探偵の娘アリアンヌはチェロを学ぶ学生。金持ちで女たらしのフラナガンをふとしたことから助けてしまう。彼女は彼を振り回してやろうと謎の女を演じる。
外国だとおっさんと若い娘の恋愛が嫌みにならないんだよね。僕はたまに日本の風土でこういうのが出来ないかと思うんだけど(確かにたまにそういうカップルってあるけどね),受け手(つまり観客)の共感までは得られないだろうなあ。映画観て映画作ることを考えるのも無粋なのかもしれないけどさ。
原作のエピソードをきっちり盛り込んでます。おそらく原作未読の人には理解するのが辛いんじゃないでしょうか? テンポはいいんだけど,いまいち傑作になりきれてないと思う。
ペコこと星野とスマイルこと月本は幼なじみで,同じ卓球教室出身。ペコは才能はあるが努力を嫌って二流に留まっていた。才能だけではどうにもならない相手にペコは挫折を味わい,ペコを英雄視するスマイルは複雑な感情を抱く。
月本のコーチ小泉に竹中直人がキャスティングされているのがどうにも納得できない。原作ファンから言わせてもらうと,これはミスキャストだと思う。
原作のエピソードがほとんど削れないものだということに気づいた。そのくらい完成度が高い。だから脚本は詰め込み過ぎで無茶をしているけど,精一杯努力していると思う。おそらくこれがベストだろう。
竹中直人以外のキャストは好印象。スマイルがいいです。
デビッド・フィンチャーによる,ジャンル分別不可能な映画。とても好き。
不眠症の社員が飛行機で出会った男と殴り合って鬱を解消するファイト・クラブを結成する。やがて同じ憂鬱を抱えた男たちが集まり,大きな力を持った組織に成長していく。
これもセブンと同じくテーマ性があるんだかないんだか分からない微妙な作品です。強烈に心に残ります。そしてジャンル分けがすごく難しいです。
身近にいる女の人が「嫌い」と言っていました。女の子には向いてないかもしれません。基本的に,「あー,毎日つまらねえなこんちくしょう」という感情に対して,正面から向き合える人でないと,消化不良を起こしてゲロを吐いてしまいます。
とりあえず提示されるメッセージとして,「この社会システムから開放されるためには何もかも捨てる必要がある」っていうのがありますね。うーん。とにかく一言で説明できず,そこが強烈な魅力です。
噂のゴミ映画。見るだけ損。本当に損です。
CGがすごいと言っても「シュレック」の方がすごいです。シュレックのためのいい経験になったんじゃないでしょうか? 向こうのスタッフにとっては。
謎の隕石衝突後,人類は化け物に襲われて人口が激減,科学者のアキが,敵の正体を解析して人類を救うことができるのかというのが全体の流れ。
ストーリーが「はあ?」という感じです。映画版の「アキラ」と「エヴァンゲリオン」で感じた,作る必然性がまだない物を,製作の流れの中で形にされてしまったような感じです。とにかくものすごく白けます。
イージー・ライダーと並ぶアメリカン・ニューシネマの代表作。やるせない現実。こんな映画が流行った時代があったとは。
音楽家一家からドロップアウトした男の日常。
僕の父がこういう映画を観て育った世代らしいです。なんか映画を観て父のことが少し分かった気がします。娯楽作品とか,サスペンス,ストーリーとは一線を画した映画です。アメリカン・ニューシネマというジャンルは,あちこちで解説されていますが,ようするに絶望していることがスタイルになった時代に,絶望するために作られたような映画ジャンルです。イージー・ライダーを観ていないので,アメリカン・ニューシネマというジャンルでは初めて観た映画。
けど,はっきり言って,高校生のときにこれを観ていたらやばかったと思います。ものすごくハマっていたでしょう。フリッパーズ・ギターが好きだった僕は,「すべての言葉はサヨナラ」とか,人はどうせ分かりあえないとか,世の中なんて思い通りにはいかないに決まってるさというのを,分かったような顔して語るガキだったので,この映画のスタイルに実はものすごくシンパシーを感じるのです。それはもう今でも。
それが無駄だったとは言わないけど,別のやり方もあったんじゃないかと自分の青春時代を振り返ってふと思う。
角川系のアニメ映画なのでしょぼいだろうと思ったけど,意外とまともな作り。もちろん,古い映画なので現在においてわざわざ観る必要はないし,そもそも未完の漫画を一巻だけ映画にしましたという作品なので,「映画」って感じではないです。あくまで一巻の映像化。
あらすじをここで書くのも野暮な気がする。何も知らずに観るか,一巻を読んで観るか。
なんていうか,それでもファティマを映像で観ることが出来たってだけでもちょっとファンにとっては新鮮。まあ,アニメにするんだったらこんな感じだろうなというところに見事に着地しているので,いいんじゃないかと思います。久しぶりに漫画を読みたくなった。
オーストラリア、グレートバリアリーフ。広大な海の中でカクレクマノミの400個の卵が孵化しようとしていた。しかし、無事に生まれたのは母親の命と引き換えに助かったたった1つだけ。父マーリンは、この子を“ニモ”と名付け、同じ悲劇を繰り返さないと誓い過保護なまでに大事に育てていく。そして6歳になったニモに、初めて学校へ行く日がやって来る。しかし、突然の悲劇がニモを襲う。彼は、人間のダイバーにさらわれてしまったのだ。打ちひしがれるマーリンだったが、陽気なナンヨウハギ、ドリーの助けを借りてニモを取り戻す旅へと出るのだった。
プロローグ,母が殺され,卵がたった一つ残るところで既に少し泣いた。我ながら感動しやすい体になったもんだ。劇中で何度か泣いた。だがこの映画のよさは泣けるところではなく,(今までのシリーズ同様)陽気で明るく,楽しさを忘れずにストーリーを語っていることなのだ。
映画としては久しぶりの冒険活劇という感じである。父と子が冒険を通して成長していく。単純で爽快な素晴らしい物語である。
アニメも見事。海を舞台にした映画と聞いた時点で,CG的な挑戦を狙っているなと思った。水の表現はCGではとても難しいのだ。けど,今回の挑戦では見事に成功したように感じる。こんな見事な水をCGで見られるとは思わなかった。
いやー,これはないんじゃないの?
ミステリーというかサスペンス。ファム・ファタールというのは,「ファム・ファタールもの」というジャンルが確立されているほど歴史が深い。犯罪に女が絡んでいて,男はどこまでが嘘でどこまでが信用できるのか分からないまま翻弄されるというのがおおまかな流れ。……という説明であらすじに代えさせていただきます。
僕はどちらかというと酷評側の人間です。この作品は褒められません。
前半と主演女優のヌードはよかった。デ・パルマは女性を撮るのがうまい。
ちょっと甘い点だけど,三ツ星にしてほかの「普通の映画」と同じ扱いにするには忍びない。面白いのだ。このあと周防正行監督は「シコふんじゃった」「Shall we ダンス?」と傑作を撮っていくのである。
家業の寺を継ぐために修行をすることになった現代の若者たちを描いたコメディ。
この後の周防監督の作品と比べるとどうしても完成度が低いと思う。それでも面白いことは面白い。無駄なシーンをそぎ落としていればもっとよくなると思う。
早期型アルツハイマーにかかったキャリアウーマンの話。家族とも話せず,交流がなくなっていくが,そこから抜けだそうとする。ノンフィクションらしく,物語最後のエピローグによると,アルツハイマー患者の互助会を創設した人らしい。
平凡ではない。無理に感動させようというエピソードはない。話は退屈でもない。短いが面白い映画だ。
これは面白い。迷わず観よう。中盤から後半にかけて,息つく暇もないほど見事な展開。
ある日,スーパーの強盗に巻き込まれ,老女が命を落とした。葬儀にはたくさんの人が集まった。彼女は数え切れないほどの子供の保護者となり,養子の世話をしてやっていたのだ。かつて札付きのワルだった四人の少年たちは,引き取り手がなく,彼女のもとで育てられ,更正して家を出てそれぞれの生活をしていたが,葬儀に集まった彼らは,犯人を自分たちの手で探し出すことを決意する。
犯人についての情報を集めていくサスペンスも見事。また,アクションシーンも地味だけど見ごたえがあります。
いやー,これは拾い物だった。
副題がわけ分からん。アメリカの歴史を駆け抜けた一人の男の一生。60年代70年代のダイジェストみたいな。
僕はけっこう好きです。堅っ苦しいテーマをいくらでも盛り込めるのに,単にそこを生きたっていうだけの物語にしているところが好き。
あんまりウケたので星四つにしようかと思ったけど,それで傑作だと誰かが期待して観たりすると不幸なので三つ。
B級アクション映画。ドラム缶の好きな監督らしく,撃たれる敵の背後には必ず可燃性物質が山と積まれています。「好きなんだなー」と思ったけど,最後の敵のアジトにまでドラム缶が積んであるところを見て思わず笑ってしまいました。
それと,アクションに前置きがほとんどないのも凄い。お約束としては,敵のアジトのそばに車で乗りつけて,そこから降り,銃を構え,侵入し,見張りを倒してから銃撃戦が始まるものだけど,この映画には(それを守っているものもあるけど)それがなく,いきなり銃撃戦から始まるシーンが記憶にあるかぎり二ヶ所ありました。
弾は必ず敵に当たるし,敵の弾は絶対に主人公に当たりません(足や腕さえ撃たれない)。なんだか凄いです。アクション映画を観過ぎて,感覚の麻痺した人間が,前後のことなど考えず,敵が撃たれるシーンと,敵が爆発でふっ飛ぶシーンと,敵が火だるまになって建物から飛び出してくるシーンだけを撮りまくり,繋げまくったような作品。
導入部の掴みはなかなかうまいです。あらすじは,二十五年前の家族殺しの犯人を知った刑事が復讐するという話。
リンダ・ホフマンが美人です。どうせB級なら濡れ場も欲しかった。この映画はその辺に出てくる女性まで,出てくるのはなぜか美人ばかりです。そこだけ予算がきちんとしてやがんの。
褒める人もいてちょっと興味があった映画。けど自分で観てみると凡庸じゃないかと思う。「アマデウス」の方が面白いと思うな。
ベートーベンの遺書に「不滅の恋人」にあてられた文章が見つかる。不滅の恋人は誰かを彼の友人が探っていく。
ベートーベンってこんな人だったっけ?
こういうクラシック映画って定期的に製作されますね。日本の時代劇のようなものじゃないかと思います。映像や衣装は期待通りの出来栄えなので,そういうのを見るのが好きな人は観てもいいと思います。ストーリーも,別にケチをつけるようなものではないので悪くは言えませんが……歯切れが悪いな,我ながら。
これに四つ星を付けるのはただのマニア。1985年の映画で,わざわざレンタルしたりして観る必要はまるでない。けど面白い。最初はただのB級ホラーかと思ってたけど,心理描写や細かい演出,予算の使い方などがちゃんと分かっていて,どんどん引き込まれる。うまいうまい。チープだけど特殊メイクもあるので,苦手な人は気をつけよう。今さらこんな特撮で気持ち悪がる奴はいないか?
隣に引っ越してきた男が吸血鬼だと知った少年が,退治を決意し,テレビの吸血鬼番組の司会に協力を依頼する。
何度も言うけど,これ,面白いんだよ。
その1。志の高さ。志が高い映画っていいですよね。分かる人にだけ分かればいいとか,無理して分かってもらえなくても構わないとか,分かりやすさを拒絶しているもの。逆方向で,所詮低予算ですからとか,ギャグが寒くてすいませんとか,言い訳ばかりが目立つもの。そういうのは志が低いと思います。この映画では,いわゆるモンスター映画を,そのまんまの形で,言い訳もなく娯楽作品として作っています。それがよいです。
その2。心理描写。ホラーを撮るときに,感覚が鈍っている人は,普通の人の反応というのを知りません。この映画の怪物は吸血鬼です。「隣に引っ越してきた男は吸血鬼なんだよ」などと言われて,人がどのような反応をするか,そこら辺のところをちゃんと想像しないといけません。それをやらないと,現実とは違う,妙にずれた世界観での映画になってしまいます。不信感。それから疑問を持ち,確信に変わるまで。この辺をしっかり描写するのがよいホラーです。
その3。なんといってもロディ・マクドウォール。テレビの吸血鬼番組の司会者が,「隣人が吸血鬼なんです。退治を手伝ってください」と視聴者に言われる災難。詳しくはいいませんが,この映画のコメディとリアルのすべてを担っている,一番の見どころだと思います。
その他。吸血鬼のスタンダードをきちんと踏襲しているところも好感が持てました。お勧めしたいけどお勧めしない。誰でも楽しめる映画だと思うが,今となっては話題作を放っておいてまで観るものではないだろう。昔のホラーの秀作を観たいという人は是非。
兄弟3人が死んでしまった
映像がショッキングで繰り返しの鑑賞に耐えられません。といいつつ,私は劇場で二回,ビデオで一回観ています。
グッタリする映画ですが,傑作だと思います。世間的には「最初の三十分だけ」などと言われていますが,僕はもう全編愛しています。この映画のすごさはなんといっても戦場の映像でしょう。映画を観ていて本当に,「弾が当たりませんように」と祈るような気持ちになります。戦場で生き延びるというのがどういうものか,嫌というほど分かります。音楽がほとんど聞こえず,全編通して銃声と跳弾の音しかしないというのは本当に疲れます。
ストーリーでは意外なほど登場人物のキャラクターが描き分けられています。それはもう漫画みたいに。七人の侍との類似性を指摘する人がいますが,確かに通じる部分があると思います。性格の違う八人がライアンの救出のための作戦行動を共にするという感じがとてもよく出ています。
「戦場の実態」みたいなものに触れ,戦争には本当に行きたくないと思えたらそれでいいと思います。それが正しい見方なんじゃないかなー。安っぽい戦争批判みたいなものはかけらもありません。
ライアンが嫌な奴じゃなくてよかった。
うわー,B級映画。しかもつまらん。殺人蜂の映画なのに,なぜかアマゾンの原住民の村を戦闘ヘリが爆撃するというシーンが何度も出てくる。
殺人蜂が飛行機の中で暴れて,それに対処する乗客の話(こちらがメインっぽいけど,映画ではサブストーリー)と,アマゾンの現地で殺人蜂の正体と解毒剤を得るために奔走する女性ジャーナリスト(こっちがメイン)の話。
まあ,B級パニックものとかホラー物をチェックしてればこの手の映画は避けて通れないってことだ。
愛した男性が早死にしてしまう魔女の家系に生まれた美人姉妹の話。
なんとなく女の子の夢って感じがする。周囲の男性を引きつけてやまない魅力の持ち主でありながら,愛した男性は早死にしてしまうとか。ほんでもって女同士の友情とか。ただ,結局のところ理想の男性ってそいつかいって感じはするんだけど。
あちこちでは辛口の評価をされてます。まあ,ビデオ借りて積極的に観る映画ではないかもしれないし,恋人同士で見るようなラブロマンスでもないんですが,「少女漫画!」って感じがして俺は嫌いじゃないな。相当な期待をして観てしまうとがっかりするんでしょうけど。主演女優二人に期待するとよくない。美人姉妹という設定だけ受け入れて観ていればいいんじゃないかな?
ソマリアの内戦に国連平和維持軍として参加した米軍が体験する混沌とした市街戦。この映画の事件の二週間後,アメリカはソマリアから完全撤退したそうである。
目眩がするほどの混乱。プライベート・ライアンもすごいが,こっちもすごい。近代戦で市街戦の,グッタリするほどの戦場描写。ストーリーは皆無だが,そういう映画ではない。
もうこれは観るしかないね。すごいと聞いていたのだけど,やっぱりすごい。市街戦で敵が民兵というシチュエーションが,とにかくもう……どんどん戦闘が泥沼化していくときの音楽が結構好きです。
それにしても,ヘリが一機撃墜されただけでこんなにも戦局って変わるものなんだなぁ。
(2003年1月5日)この映画に嫌悪感を抱く人の感想を見た。いわゆるアメリカ万歳主義が気に食わないそうである。分からなくはない。そういう側面を感じることも可能だろう。けど,僕はDVDを借りて再度鑑賞して,やっぱり面白いと思った。僕が感じるのは一兵卒の感情である。国に命じられるままに派遣され,作戦に参加し,そして実践で,「やべえところに放り込まれちまった」と途方に暮れる,鍛えてはいるがまだまだ戦場の認識の浅い兵士の視点で見てしまうのです。面白い。
うーん。アイディアが幼稚で笑ってしまう。けど,この映画はそのヘンテコさがウケたものなので期待通り。それよりもなんとなくつまらないのが悲しい。これはおそらく俺がマッハ!を見たからだろうなあ。
アクション映画。ストーリーは省略。
出てくる小道具やアクションの演出がなんだかすごい。真面目にやってるようなふざけてやってるような微妙なところだけど,真面目なんだと思う。そしてその過剰で失笑してしまうようなアイディア,演出の数々が変な伝説を作りそうである。
ドイツ当局が無能だったということがよく分かるドキュメンタリー。NHKみたいな手堅い作りです。生き残りのテロ実行犯にインタビューしているところがこれの凄いところです。
ミュンヘンオリンピックでのパレスチナのテロリスト「ブラック・セプテンバー」によるイスラエル選手団人質事件のドキュメンタリー。ニュース映像と関係者のインタビューでほとんど構成されている。
スピルバーグのミュンヘンと同じ事件を扱ったもの。あっちがその後の復讐に焦点が当てられているけど,こっちはテロ実行そのものについてである。手堅い作りで事実がよく分かるようになっている。
テロリストをゲリラと訳すところに時代を感じる。
ケビン・ベーコンが出てて,タイトルがカッコいい。星四つでもいいけど,古い映画なのでなんとなく距離感がある。
適切な処置を執ることができれば安全に臨死体験を味わうことができると,ある医大生の一人が言い出した。医者になるためには必要だという理由から,ある医大生グループは順番に交互に,凍死と蘇生という処置を行い,臨死体験をする。臨死体験はそれぞれの意識に暗い影を落とし,トラウマと罪の意識がグループに襲いかかる。
フラットラインとは心拍数がゼロになることです。
悪くはないです。臨死体験後,現実に奇妙な違和感があるという描写がすごくよくて,あっちの世界で何を見てきたんだろうと思うとこっちも引き込まれます。
主演の二人がなかなかよい。役者はいい。ストーリーラインがどうにも稚拙で,そこだけ見ると★★
友人にレイプされるが両親も助けてくれず,風俗からAV女優へと進んでいく少女。メル友との出会いをきっかけに同棲を始めるが,AVの仕事とのジレンマに陥っていく。
観る前のテンションは限りなく低く,録画したものの最初の10分で観るのやめようかと思った。俺の中では「絶対につまらない。つまらないに決まってる」という評価がゴリゴリに決まっていたので。ところが,まあ,最初に書いたように,ストーリーラインはへなちょこで,これを見ても,愛がなんなのか,どうしてこういうことになったのか,彼らがこうならないためにはどうすればよかったのか,その辺はまるで分からない。展開も予想できるし,こちらの心が動かされることもない。なんだか典型的で普通なのだ。レイプされてAVに出演することも,予想の範囲内なのでどうでもいい。けど,主演の加賀美早紀とオダギリジョーはよい。口に出すセリフは(ようするに脚本は)なんだかなあという感じなんだけど,どちらも存在感があってグッドである。
まあ,本当に「つまらないに決まってる」という気持ちから盛り上げていったから観れたのであって,ある程度期待していたら駄目かもしれない。
あのフランダースの犬がハリウッドでリメイクされると聞いたのはずいぶん前のことだと思う。さらに,エンディングが変更されてハッピーエンドになると聞いた私は複雑な気持ちになったものだ。ハッピーエンドになって欲しいけど,悲劇として終わるからフランダースの犬はフランダースの犬なんじゃないかという,両方を揺れる気持ちだ。さて,結論からいうと,あらすじは同じだ。ハッピーエンドでもない。けど泣けない。……と思ったら,マルチエンディング仕様という,製作者の主体性のかけらもないような作品であり,自分が観たのが悲劇バージョンだったらしい。
あの「フランダースの犬」の映画化です。
この映画のことを調べるために映画サイトを見て,さらにいくつか原作小説について書かれたサイトを読みました。原作未読ですが,古本屋で見つけたら買おうと思います。当たり前ですが原作ではネロとパトラッシュは死んでしまうわけで,アニメはオリジナル要素がそれなりにあるとはいえ原作に忠実です。ハリウッドにおいてハッピーエンドに作り替えるというのがどれだけ言語道断であるか,くどくど言っても仕方ないし,これを読んでいる人にその判断は任せたいと思います。ハッピーエンドのフランダースの犬を観たいという需要もないわけではないだろう。俺は,映画を観てあらすじを思い出すまでは,ハッピーエンドもありだと思っていたんですが,映画を見ることで逆にオリジナルの優秀さ(集団が弱者に犠牲を強いる構造をさりげなく批判しているところとか)を再認識してしまったので,「否」です。
で,中途半端に悲劇バージョンにされてしまった方だが,駄目。ストーリーは明確。悲劇に向かって収束していくのが「フランダースの犬」なわけで,それをハッピーエンドに向けて収束していくように作り直された挙げ句,最後だけ悲劇に置き換えられたら,全体の演出がちぐはぐで,「何がしたいだ,これは?」という気分にさせられました。
ディズニー映画。ありがちで「ふーん」程度の感想だったけど,ラストのドタバタは笑ってしまった。
母と娘が入れ替わるというディズニー映画。
中身が主婦の十三歳ジョディ・フォスターも確かにいい演技をしている。ただ,中身が十三歳になった主婦を演じたバーバラ・ハリスの方を褒めたくなりますね。草野球でスライディングするのは見た目より大変だと思う。
上に書いたけど,ラストのドタバタがこれでもかとたたみかけてきて,ずいぶん引っ張るなあという退屈から,「ここまでやるか」と期待を越えたドタバタにまで発展させてくれるのは,意外な収穫でした。
ネットで感想を見ると,「プリティ・ウーマンの方がよかった」という意見が多くて驚く。理由は,評価の基準になるほどプリティ・ウーマンってよくはなかったと思うからである。俺は無難にできたよい映画だと思った。とはいえ,プリティ・ウーマンの方がシンデレラという恋愛物のスタンダードを焼き直しているだけ安定感がある。こちらは設定の特殊さとオリジナリティを認めないと楽しめないだろう。
結婚式当日に逃走するという奇行を三度も繰り返している田舎の金物屋の娘マギーの噂を聞いた,女性蔑視を持ち味とするコラムニストのアイクは,そのことをコラムに書くが,事実誤認のためにクビになってしまう。彼は名誉挽回を計るために実際に彼女のいる町へ取材に出かける。会ってみると逃げ出すような人間には見えなかったが,話して取材するうちに彼は彼女のことを知るようになる。
「プリティ・ウーマン」と同じ監督,キャストで送るプリティ・ウーマンの第二弾として公開された。原題はRUNAWAY BRIDE。
ジュリア・ロバーツはあいかわらず魅力的に映っていると思います。ストーリーは,もとから二人がくっつくことを前提に作られていて,それが暗黙の了解になっています。記者が取材対象に言うとは思えない甘いセリフがぽんぽん出てきますが,大目に見てやってもいいかと思います。そういう映画なんだからしょうがない。
全体に甘い(ピントが甘いとかじゃなくて,スウィートって意味)作りですが,それに対して結婚式に逃走してばかりいる花嫁というエキセントリックなキャラクターをマッチできなかったように思います。これはプリティ・ウーマンを意識した色々な方法を考えると難しいので,こういう期待された映画で,スタンダードからは少し外したスタッフの冒険を褒めようと思います。うまくいってたらもっと褒めるけどさ。
意外と悪くない。掘り出し物。星を四つ付けると大袈裟な気がするけど,めっけもの感があるので付けたくなる感じ。
建設会社の社長から,妻の愛を確かめるために妻を誘惑して欲しいと依頼された若い男が,ためらいながらも美しい妻に近づく。
ありがちといえばありがちな筋書きなんだけど,テンポがよいので飽きさせません。どんでん返しが気持ちいい。人妻役の女優サフロン・バロウズは下品な役になるところを実にうまくこなしています。
サーフィンを舞台にした女の子スポコン物。ストーリーとしては王道。
まあ普通にいいと思う。波がでかくて迫力あり。なんかサイドストーリーや日常生活の描写が観ていて邪魔くさいというか,もっとサーフィンのシーンを見せてくれという気分になる。ヒロインは普通にかわいくて好きだな。最初のキスがあまりにあっけなくてちょっと笑ってしまう。ま,どうせするだろうから引っ張らなくてもいいんだけど,「引っ張らなさすぎ」なところが新鮮だった。サーファーの恋はこうでなくちゃ。
クライマックスに合成が出る。
俺はサーフィンはまだできない。台風が近づいてるときにボディーボードをやったことがあるが,楽しいけどうなされるもんで,それを思い出した。でかい波に突っ込んで行くのはなんとなく好きで,この映画にはそういうパドリングのシーンもたくさんあってよかった。
どこをとっても普通の映画でした。変な映画ではないので,普通の刑事物を見るならありかと。
父親であり警部でもあるビルとなんとなく反目していた刑事のジェイクは,別の事件の捜査から同じ容疑者にぶつかったことから協力して捜査を進めることになる。
なんというか,「汚職刑事が出てきます」と書いてもネタバレにならない感じ。
期待していたわけじゃないので非常に順当なB級アクション映画。これでいいんじゃないかと思う。ウェズリー・スナイプスの体のキレはイマイチ。
ヴァンパイアとの混血であるブレイドが吸血鬼たちと戦うシリーズ第2弾。
B級と記述しましたが,予算はついてるし,ヒットもしているので,メインストリームの映画には違いありません。映像はきれいだし,センスの光る映像もあります。ストーリーも上手に料理されています。アクションシーンはCGだったり,中途半端なカンフーアクションだったりするのですが,その辺をB級だと解釈すれば受け入れられます。もともと,なんていうか,すこしコアな層を意識した映画だと思うので,「この程度ならいいか」という気持ちになります。
最初の10分の導入部が素晴らしい。続く5分も素晴らしい。残りはやや単調。最後の盛り上がりもイマイチ。全体でみると,「まあまあ面白い」「つまらなくはない」ってところか?
導入がよいのであらすじ省略。ネイティブアメリカンを扱った暗い映画。
終わり方がなあ。この程度で終わるなら映画を撮る意味ないだろうと私は思う。「雰囲気止まり」って感じで。この辺は意見が分かれるだろうな。これはこれでありだとも思うし,途中で,こういう終わり方なんだろうなと予想は出来た。
ホラー映画。グロテスクな死体描写が一切ない,珍しい映画。精神衛生上よくない映画です。これを観て,そろそろホラー映画から卒業しようと思いました。
オフィシャルサイトから引用。「神の手」(ゴッド・ハンド)という謎の文字を現場に残す殺人鬼が、テキサスのバラバラ殺人事件として全米中を震撼させていた、ある嵐の夜、「神の手」を追い続ける事件の担当捜査官ドイルの前に突如、一人の男が現れた。男はフェントンと名乗り、連続殺人鬼の正体を知っていると告げた。真犯人は実は自分の弟で、人々を殺害後、<悪魔がそこら中にいる>という謎めいた言葉を残して自殺を遂げたと言い出す。しかも、まだ警察でも未確認の死体が無数に存在すると言う。ドイルは話を信じなかったが、フェントンの話には更に続きがあった。1979年のうだるような暑さの夏に始まった、彼の父親にまつわるその物語は、信じ難く、そして身の毛がよだつ、世にも恐ろしい内容だった・・・。
やりたくないことを,父親に無理矢理やらされたという経験がある人(ほとんどの人があると思うけど)にとってはもう悪夢です。うなされます。ホラーっていっても,ここで扱われているのは「恐怖」というよりもっと違う何かです。
回転しながら宙に舞い,敵を切り裂く剣舞。ハングリーな復讐物語の真骨頂。
実は何度も観てます。話の序盤が少し長すぎて,いつになったら話が始まるんだろうと思います。
刀鍛冶の主人公が,父がある殺し屋に殺されたと聞き,その直後,刀匠の娘を救うための決闘で腕を切り落とされ崖から落ちて,助けてもらった家で剣術の指南書を発見する。この先の展開は想像の通りだが,観て確かめるべし。
役者のハングリーな演技に感動します。こんな演技のできる日本俳優っているんでしょうか? いるだろうけど,需要がないのかもしれないですね。
剣術をマスターしてからの主人公の強さにシビレます。画面や背景はあくまでドライで,乾いた砂ぼこりが舞います。全体に無理して文学っぽさを出そうとしているのがちょっと引っかかります。女性が申し訳程度にしか出ていません。それもアクションと関係ない文学のところで。
慰安用レプリカントのプリスと,寿命の短い人形師が好きです。特に人形師の表情にものすごく憧れました。
宇宙で労働力として消費される合成人間「レプリカント」が地球に密入国(星)してきた。レプリカントを人間の中から見つけ出し捕獲するブレードランナーのデッカードが捜査を開始する。
原作の小説も非常に豊かで示唆に富んだ内容です。一読を勧めます。タイトルは「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」です。
当時の塵一つない宇宙船と都市という未来観に対して,汚くて猥雑で高度な機械との共同生活という世界を映像化した作品として名高い。
ストーリーとしては不条理で納得のいかない点もあると思います。なんとなく気になって何度も観てしまうという人がハマる映画です。僕は三回ぐらい見たので,そこそこハマっていると思います。
世界観が前面に出てきているのですが,どうも僕はハリソン・フォードの演技にも見入ってしまいます。彼自身はこのような,自分が映画の背景になってしまうような映画には二度と出たくないと言っているんですが,僕は彼が本当にものの見事に映画の風景の一つとして溶け込んでいることにすごさを感じます。痛みとか緊張がこっちまで伝わってきます。奇妙なデザインの銃を構えたハリソン・フォードは,とてもカッコいいと思います。その他の役者もいい演技をしているので,この映画は決して「世界観」だけの映画ではないと思うのですが。
意外と面白い。これは観ても損しないと思う。あの時代から映像も進歩してるしね。
皆に恐怖を与え,それを糧にしてきたフレディだが,次第に覚えているものも少なくなってきた。忘れられるのは我慢できないと,ジェイソンを復活させたフレディは,彼を使ってエルム街の住民に思い出させようとする。
キャラの違いが明確で,それもこの対決のためではなく,もともと性格が違うところが幸いしてます。面白い。ホラーが苦手な人でもこれは大丈夫なんじゃないかと思います。スプラッターで,血や死体はたくさん出てくるけど,怖いわけじゃないし。かといってふざけたりせずに物語を作っているところもいい。
終わり方はロマンチックでよい。そこだけ素敵だった。途中は特に起伏もない感じ。
イタリア独立を夢見つつ,フランスに亡命中の騎士が,ある女性に出会う。女性は夫に会うために検問を抜け危険を冒そうとしていた。騎士は彼女を守るために行動を共にする。
「もしかしてこれ面白くないんじゃないか?」と観ながら感じた。本当に退屈なわけじゃないけど,面白いとか綺麗とか,そういう分かりやすい見どころがあるわけじゃなかった。で,終わり方がよかったのが救いだった。点数は低いけど,そんなわけで後悔はしてないです。
話を省略しすぎでは? B級オカルト映画。
妻の事故死から2年後。記者のジョン・クラインは車で取材に出かけ,途中の路上でエンストを起こす。近くの民家をノックすると住人に銃を向けられ,「ついに見つけたぞ,このストーカー野郎!」と罵られる。その村はポイントプレザント。彼は自分が一時間で600キロ近くを移動していたことを知る。
超常現象を少し飛ばしすぎである。もう少し丁寧にやれば……。リチャード・ギアが出ているだけでB級映画がサマになるから不思議なものだ。ストーリーが安っぽいことに変わりはないが。力はあるが神ではない存在ってのが出てきて,ラヴクラフトの神話をイメージさせます。
あちこちで正しい「2」と言われているが,その通り。前作からスケールダウンして,そこそこ面白い無難な作品になってる。手軽な短さもよい。
メキシコの銀行強盗を狙うチンピラグループが吸血鬼と遭遇し,仲間が襲われる。
まともな批評をするのも野暮な感じ。けど,シャワールームのパロディはこの映画でやらなくてもよかったんじゃないのと思った。こういう頭のいい真似は似合わないッす。B級を狙ってるわりにはエロが少なめ。お約束程度にあるだけ。あと,ロバート・ロドリゲスを意識したカメラワークがちょっとだけある。あくまで意識した程度だと思うけど。
こちらも正しい3。これだけの面白さがあれば期待してない分楽しめる。
時代は変わって,1900年代初頭のメキシコ。ほかのストーリーは適当。
うーん。早送りで観るくらいでちょうどいいかもなあ。真面目に見なければそこそこ楽しい。
悪くはないんだけど傑作でもないかな? あと,向こうのキリスト教的ボランティア精神を理解してないとピンとこないかもしれない。
教師から世界を変える方法を考える宿題を出されたクラスの少年の一人が,ある方法を提出する。それは受けた善意を誰か三人に回していくPay it forwardという方法だった。提出したことで満足せず,少年はそれを実践する。
繰り返しますが,そこそこいい映画です。
これは面白い。真面目な演出と明らかにコメディな設定が絶妙なバランス。
夫の殺人の現場を目撃した女性がショックでテレビと現実の区別がつかなくなってしまい,ドラマの主人公に会うためにロスへ向かう。犯人と,彼女が夫を殺したと思った保安官が彼女を追う。彼女はロスでドラマの主人公を演じている俳優に会う。
観る方としてはニュートラルにしておかないと駄目だと思います。特に,初めからこれをコメディだサスペンスだと期待して観てしまうと,その期待には添えないのではないかと思います。普通に観ていたらサスペンスなんだけど,ベティがショックを受けてからの展開が予測不可能。そこの展開の妙を楽しめるかどうか。
レニーの演技はすごいですね。あと,モーガン・フリーマンもこの映画の役どころはちょっと変わっていて面白いです。
性転換手術に失敗した男の人生を綴ったミュージカル。
観ているうちになんだかそれなりに気分が乗ってくる。ロックナンバーなので悪くないです。こういう映画だとは思わなかった。完全にミュージカルです。主人公ヘドウィグ,慣れてくると結構美人。
三つつけてもいいかなー。けど,リングのパクリがあまりに露骨なので低めに。
ある携帯番号には非通知の着信がある。その番号を使った人間はみんな死んでしまう。
「ちょっとパクリ過ぎなんじゃ?」というくらいリングをパクっていて,その上で火曜サスペンスです。下手をすると失笑してしまうかもしれません。子役の演技は確かになかなかのものでした。「ショッカー」的な演出が多く,ビクッとはするのですが怖いわけではないです。ビクッとする観客の反応は楽しいかも。
とにかく火曜サスペンス。これがすべて。
駄目駄目な日本映画かと思ったら意外と面白かった。邦画としては普通に観れるレベル。
出港したばかりの海自のイージス艦《いそかぜ》で事故が起こり,乗組員の一人が死んでしまう。ただちに帰港すべきと主張する先任伍長だが,上司は今回の訓練の重要性を主張する。不自然さを感じた彼が詰め寄ると,副艦長は今回の訓練に隠された目的を語り出した。
ダイ・ハード以来,お約束になったたぐいのアクションです。この手の筋道はありがちなんだけど,やっぱり面白い。
ただ,ちょっとだけ,国際レベルではB級扱いになるだろうことも分かって悲しい。日本政府は映画撮影のときくらいはもっと実銃に近いものの使用も許可してください。
アメリカの銃社会を追うマイケル・ムーアのドキュメンタリー。客観的事実を並べるのではなく,監督のマイケル・ムーアは自分の仮説を証明するためにインタビューをし,情報を並べていく。
マイケル・ムーアの仮説は新鮮で,単純で,説得力に満ちている。思わず納得しそうである。いずれアメリカも銃を規制するようになるんだろうか? 少なくとも,この映画は,そういうことから目を逸らし続けてはいけない,今すぐ取り掛からなくてはいけない,という力強さを持っていると思うけど。
女探偵が主人公のハードボイルド探偵もの。レズビアンなんだけど体形が現実的過ぎてセックスが幻想的ではない。
これは原作があるんだろうなと思ったらその通りでした。「ハードボイルド」を知っていると分かりやすいです。そのコンテキストで話が進むので。
最初に主人公の全身というか体形が出てくるんですが,「この体形でセックスシーンをやるのか,きついな」と思いました。映画に求める幻想というのを満たしてもらえなかった悲しさがあります。
何でこの映画を手に取ったのかと思ったけど,どこかのサイトのバナー広告に出ていたんだよな,これ。
ミステリーとしては,入手した証拠品(ビデオ)は最後まで見て検証しろよと思いました。ご都合主義的な行動だと思います。抜け目ない行動で真相に辿り着いてもらわんと,観ていて脱力します。
「ハードボイルド」っていうジャンルを知っていれば受け入れられるんじゃないでしょうか? 逆にジャンルの知識がないと雰囲気に入り込むのに時間がかかるかもしれません。
この手の映画にとても弱いのである。田舎町を出て行く少年の物語。主演にロバート・デ・ニーロの名前があるのになかなか出ないなーと思っていたら,画面によく出てくる男がデ・ニーロだった。恐ろしい男だ。印象が違う。
クズである父から逃げ出し,母と二人で少年はシアトルに逃避行する。母はそこである男と出会い,付き合うようになる。息子さえ気に入れば母は再婚したいと思っているが,家庭と流転生活のせいですっかり不良気質になってしまった少年は,どうしてもなじめない。
リアルだと思っていたら実話だった。こういう話は世の中にたくさんあるらしい。
継父として登場するドゥワイトの個性がよい。観ていくうちに彼がどんな人間か分かってきて,それでどういう映画か分かるはずである。「ムカつく人は途中で観るのをやめてしまうかも……? けど,僕は,彼のことを完全否定はしたくない感じである。ほんのちょっとだが,彼のやっていることで的を得ている部分があると思うのだ。」ドゥワイトの個性を語らないとこの映画は語れないのだけど,分かってて観ちゃうと面白さ半減だと思うので,ここは隠します。ハッピーエンドなので安心してください。
評判がよかったので期待して観にいったので,期待ほどじゃないという残念な歯ごたえ。映像はよかった。ストーリーがそんなに胸に迫らない。
だんだんサンタを信じられなくなった年頃の少年は,クリスマス・イブの夜に家の前に停車する電車の音を聞く。外に出ると果たしてそれは蒸気機関車ポーラー・エクスプレスであり,出てきた車掌は彼に,目的地は北極で,君は乗った方がいいと思うがそれは自分で決めなさいと言う。
小さい頃に読んだ童話を思い出します。童話というのはこういう感じですね。次々におかしな人物が現れて,色々な経験をすることになります。この映画の中で発生するトラブルや事件が,主人公のドジや間抜けさをきっかけとしているので,その点では観ていて少し嫌な気分になります。もう少しうまくストーリーを組み立てて欲しかった。
この映画はフルCGなのだけど,リアルCGとしてか最高峰といってもいい出来だと思います。スペクタクル部分ではもちろんCGバリバリなんだけど,穏やかなシーンでの映像のリアルさったらものすごいです。
子供向けのファンタジーです。ピクサーのように大人も楽しめるというところまではいってないですが,子供は喜ぶでしょう。何より,「劇場の大画面で観るべき」というシーンが目白押しです。息を呑みますよ。
面白い。四つ星でもいいと思う。減点理由は三部作の第一弾だから。これ一つでも完結しているような気がするけど,やっぱり少し消化不良の点がある。アクションやストーリーに関しては申し分ない。
記憶喪失で海から引き揚げられた男は,自分に身についた格闘術やその他の戦闘能力に驚きながら,自分が何者なのかを調べていく。しかし,すぐに自分が追われる身であることに気づき,逃走劇へと発展していく。
狙撃者/ボーン・アイデンティティーのリメイク。ずいぶんキャラクターが変わっている気がするけど,時間も短いし,しょうがないか。
派手じゃない簡潔なアクションが非常にいいです。ホントに訓練された男という感じ。
一応,ホラー映画。特殊視覚効果に凝ったせいで全然怖くない。
原作は有名なホラー小説「たたり」(持ってるはずなんだけど本棚を見たら見つからなかった)。有名なお化け屋敷にやってきた4人の男女が,そこで怪奇現象に襲われるというもの。
原作はいわゆる幽霊屋敷物の起源。やや乱暴な言い方をすれば,ここから,リチャード・マシスンの「地獄の家」,スティーヴン・キングの「シャイニング」と続く。原作が見つからないのがとても残念だが,とにかく傑作であるので読んでみてくだされ。
まあ,これをホラー映画という前知識でもって観た人だったらすぐに分かりますが,この監督,ホラー映画をまったく分かっていません。特殊視覚効果の使い方も間違えてます。ホラー映画はこうじゃ駄目なんである。映像よりも演出をしっかり勉強するべきだった。一言で言うと,怪奇現象が前ぶれもなく起こりすぎである。しかも原作の,怪奇現象なのかそうじゃないのかというその微妙な綱渡りを無視してるし。
あと,一般に,霊媒師や除霊師の常識として,「生者は常に死者より優先される」というのがあって,どんなに恨みがあったり,未練があったとしても,既に死んだものが生きているものの生活を脅かすことは許されないと思います。けど,この映画では死者が優先されている。
あー,こういうことを書いて変に誤解しないで欲しいんですけど,ホラーとしての方法論の話ね。勘違いしたホラーだと大体そうだけど,生者が,死者に対して必要以上に気を遣うと,受け手が白けるので,やっちゃいけないんです。「ほっとけよ。別にいいだろ」と見ている人間が思ってしまったら,もうそれは失敗。うまいホラーの作り手は,逃げられないという状況をうまく作り出しています。
(2003年1月29日)「生者が優先される」という方法論について。
日本の怪談などではスタンダードだけど,恨みというのは無念さが強調される。何も悪いことをしていないのに殺されたとか,単なる事故で死んでしまったとかである。そういった死者が「死んでも死にきれない」として生きている人間を引きずり込もうとする。そして日本の怪談では,たとえそれが同情すべきものであっても,理解を示したり妥協するものではないとされているのである。苦しみを理解してもらうために生きている人間の生活を脅かすものは,強制的にでも排除しなくてはいけないのである。
僕はホラーファンだけど,霊現象は全然信じていない。そのことを踏まえた上で,たとえ話を聞いてもらおう。
夜に塾の帰りで小学生の女の子が歩いている。途中までは友達と一緒だったが,最後の三百メートルほどは人気のない住宅街を一人で歩かなくてはならない。途中にはその女の子が通っている小学校がある。そのそばを通りかかったとき,大きな大人に襲われ,中に引きずり込まれる。何発か殴られ,服を破かれてレイプされる。終わった後,うずくまった少女は顔を上げ,犯人の顔を見る。塾の先生だ。先生と目があう。先生は彼女の首を絞めた。少女が気絶すると,死んだと思った先生はプールに少女を投げ捨てた。死体は翌日見つかった。
それ以来,学校では奇妙な噂が流れ始める。プールで誰かに足を引っ張られて溺れかけた生徒が何人もいるとか,夜中に校舎の中で変質者の荒い息遣いが聞こえるとか。やがて霊感の強い生徒が,授業中,窓の外からこっちを見ている少女の幽霊を目撃する。やがてその幽霊は,その生徒の自宅にまで現れるようになる。一緒に遊ぼうと,その霊感の強い少女を誘うようになる。祈祷師が呼ばれる。
あなたが祈祷師だとして,幽霊の訴えようとしていることを理解する必要があるだろうか? 犯人を捕まえてと訴えているかもしれない。ただ,遊び足りなくて,霊感の強い子を誘っているだけかもしれない。ただ,被害者の遺族には残念なことだが,祈祷師ができるのは,安らかに成仏してくれと祈ることだけである。祓うだけである。それは祟りであり,呪いであり,生者に害をなすものだからである。祈祷師は,成仏させるために少女の恨みを正しい方向に導いてやることができるかもしれない。すなわち,犯人に取り憑かせることである。だがもし犯人がその時点で既に事故などで死んでしまっていたとしたら,あなたは祈祷師として何ができるだろうか? そう,その恨みを晴らすことはできないから,どうか成仏してくれと祈祷するだけである。これが生者が優先されるホラーの文法である。
男二人女一人の幼馴染だが,女の子は引っ越していってしまう。二人はニューヨークでそれぞれカトリックの神父とユダヤ教のラビになっていた。そこに女の子アナが帰って来る。
やるせない展開の中でベストの決着を見せるという後味。決して単純にハッピーエンドとはいかないのだけど(三角関係だからね),まあ,そんなもんかと。
ふられる方がそれをギャグにしてくれるのがこの映画のいいところです。それがないと,この映画はひどく暗くて陰気なものになっていたでしょう。あるいは日本映画ならそうなるかも。嫉妬のままで話が終わらなくてよかったです。
ところでこれ,男女を入れ換えると全く違った物語になりますよね? 男一人が女二人と仲がよくて,片方とくっついてしまう物語というのは,一体世間ではどんな風に評価されるのでしょう。
「つまらない」とまでいかないのは,年下男というか年上女のというか,そういうシチュエーションが好きなだけで,本当は星二つ。
妻を亡くした男が年上の女とセックスに夢中になり,そこから愛しはじめる話。
原作に忠実なのでラストまで分かっていながら観ました。知らない人にはなかなか印象的なラストだと思います。本当に相手のことを愛しているなら,ここまでやらないとね。
オリジナル版を鑑賞。この作品には声優を使った声優版と,自主制作の過程で作られたオリジナル版がある。声優版の出来は知らないが,オリジナル版の声は確かにいまいち。
風景を描写したアニメーションではかなりの出来。ストーリーは凡庸。芸術寄りの作品である。
国連宇宙軍に選ばれて,恋人の女の子が地球を離れてしまった。二人は,次第にやりとりに時間がかかっていく生活の中でメールを交換していく。
人物を描くのは下手です。風景とモノローグのアニメ。自主制作で一人の人間が全部作ったということを知らないと観るのは辛いかもしれない。
あと,フェードアウトがたくさん使われていて,デヴィッド・リンチを思い出した(こういう連想をするのが映画マニアなんだろうなあ)。
劇場公開作品ではなく,2005年に作られたテレビ映画。けど,テレビ映画のわりには金がかかってるね。二つ星なのは,オリジナルのポセイドン・アドベンチャーを観たことがない人ならこんなんでも楽しめるだろうってことで,観たことがある人だったら華麗にスルーしてよいと思います。
豪華客船ポセイドン号がテロリストに狙われ,船底で爆弾が爆発する。船は完全にひっくり返った状態で水面に浮かぶ。転覆が時間の問題となった船内から脱出するために,乗客は,上になった船底へと床になった天井の上を歩きながら進む。
「ポセイドン・アドベンチャー」にテロリスト関係ないよね?
助かるのが家族って変だよ。「不倫相手の女性の殺し方がどうにも納得いかん。なんちゅう卑劣な脚本だ。」
突っ込みどころはいっぱい。後半になるとしょぼくなるのも面白い。あと,どう考えても不要なシーンや登場人物が多い。何ですかこれは? って,テレ朝の映画だからこれを楽しむのが王道。間違ってもレンタルしてはいけません。
意外と娯楽作品。社会派ドラマじゃないです。
実話の映画化。アフリカルワンダでの民族虐殺事件を背景に,逃げ込んできた人をホテルにかくまい続けたホテルマンの姿を描く。
最初から最後まで緊張感が続く。女子供まで殺す完全な抹殺を目的とした虐殺事件は,その中にいた人にとって信じられない出来事だったに違いない。主人公がヒーローではなく,また,危機回避も暴力ではなく交渉である点もよかった。徐々に正義感に目覚めていく姿が感動を呼びます。
それにしても100万人も殺したとは,恐ろしい事件だ。
悲しさと信仰の物語。なんだこれは。すごいぞ,これ。
4歳のポネットは腕のギプスに,父から落書きを書いてもらっていた。数日後,父は彼女をドライブに連れ出す。母さんより運転はうまいぞと父は言う。あんな馬鹿じゃない,と。それに対してポネットは言う。ママは馬鹿じゃない。父は,ママはお前に怪我をさせたと言うし,ポネットもそれは知っているが,ママは馬鹿じゃないともう一度言う。父は車を止め外に出ると,ポネットに,母の死を告げる。
カメラワークが凄いことになっている。すべて子供の高さ。大人は腰やヘソあたりまでが見えるくらいで,あとは見上げないと顔が見えない。フレームに大人の顔が入らないこともしばしば。
「信仰」が話の中で大きなウエイトを占めている。もちろん,主役のヴィクトワールの演技だけを見ていても充分満喫できる映画だが,「信仰」というものをとても強く考えさせる映画だと思う。
演技についても語ろう。この映画の,子役の演技はすごい。何より,大人が望む演技ではないところに,監督とスタッフの技術を感じた。行動やセリフはそのまんま大人で,脚本家や作者の小さな分身になってる子役はたくさんいるが,観ていて,「あー,子供ってこういうことをやるよな」「子供ってこういう思考パターンだったりするよな」と,こっちが忘れていたことを思い出させられるような子役は少ない。この映画では,自分が子供で,まさに,生まれて初めて「死」を考えたときの,あの,よく分からない感覚を思い出させてくれる。
この映画,凄いな。
単にかわいい子供が見たいって人にも勧めるが,悲しみと信仰についてじっくり考えたい人にもいい。コッテリ泣きたい人には欲求不満が残ると思う。俺はジーンとした。素晴らしい。
最後までいい出来。ラスト,「なんじゃそら?」
原作未読。ホラー映画。
普通に対決してればよかったと思うんだけどなー。なんか,ベタベタにすることに躊躇いがあったんでしょう。
結構いい映画だった。四つ付けてもいいんだけど,田舎に帰ったらそこにいい男がいて,それとくっつくというのがどうにも嫌で減点の対象。田舎の男にだって嫌なところがあるものなのだ。で,何が気に入ったかって,母と父と娘の人間関係である。これがよかった。
トークショーで夫の不倫を暴露されたバーディは田舎に帰る。そこで彼女は,自分やまわりがどのような人間で,高校時代から今に至り,どのように変わってきたのかを学んでいく。
こういう映画は映画の筋に大事なものがあるわけではないので,ネタバレなど気にせずに語る。意外といいなと思うのは,主人公のサンドラ・ブロック演じるヒロインが,夫のことをまだ好きである点である。吹っ切ってすぐに新しい恋が始まっちゃうのかと思ったけど,そうでもない。そして娘もまだ父のことが好きである。とても好きなのだ。ラストで浮気亭主がヒロインの前に再び姿を現し,そして去って行くシーンでは,全員がとてもいいと思うのだが,どうだろう? このシーンを見ただけで俺は満足できた。
そして,だから最初に書いたように,地元にまだ男がいて,待ち構えていたようにくっつくのは好きになれないのだ。この映画ではその男のことを好青年として描いているし,決して粘着質だったり視野の狭い人間としては扱っていない。それでも,こういうふうなやり方で人を愛する男が好きになれない。
サンドラ・ブロックは美人です。しみじみ思いました。ヒット作に恵まれないなあ。デンジャラスビューティとスピードくらいか。
テレビドラマみたいな白ける演技にがっかり。演出と撮影が悪い。脚本に罪はない。
日本最大のダムがテロリストに占拠される。彼らは50億円を要求。唯一テロリストの手から逃れられたダム職員が対抗する。
ひどい演技だ。犯人,主人公,下流の対策本部,みんながみんな,テレビドラマのような演技。大声を出し,激昂し,対立する。「普通の人間はそんなことしねえだろ」「そんなことしたら周りの人間から馬鹿扱いされるぞ」というツッコミが満載です。白けます。
これは映画瓦版にも書いてあったことだけど,アップが多く,物語のスケールのワリに,安っぽいせせこましさを感じる。何だろうこれは。対策本部は,ゴジラの対策本部と同じノリだし,苦笑せざるをえない。映画を観にくる人間というのは,役者の顔のアップを見に来ているわけではない。巨大なダムや,長い階段をロングショットで撮るだけでバシッと決まったはずなのに,なんかスタジオで撮影されているような安っぽさを感じる。
とにかく何から何までテレビスケールで,観る価値のない映画だった。テレビの仕事をやり慣れてるスタッフが撮ったせいだと思う。そういう人間がどのような失敗をするのかということを知る上で価値があるかも。
原作をなかなかよく映画化。もちろんイメージが違うよと突っ込みたい部分は多々あるが,私にとっては許容範囲。原作を読んでない普通の人にとってはどうなんだろ? 骨格は単純なので分かりやすい映画だと思います。
アーティストで独善的な母親が殺人で収監され,娘のアストリッドは里親を点々とする。さまざまな里親の元で成長する娘と,刑務所の中からなおも支配しようとする母親の物語。
久しぶりに本棚から引っ張り出してみたら,原作小説の定価が1143円(税抜き)でやんの。たっけー。なんでこんな高い本買ったんだろ?
私にとって本が面白かったのでつい原作と比べてしまう鑑賞になってしまい,あんまり映画として評価できないです。が,あえて言うけど,やっぱり母親の迫力がイマイチ伝わらないかな? 主人公は小説でもこんな意思がどこか弱そうな感じなので,忠実だと思う。
ま,別に大した映画ではないです。先の読めない脚本が「おっ」と思わせるくらい。
ヨーロッパを移動中のロシア出身のダンサーが,飛行機トラブルでロシアの空港に緊急着陸する。亡命者である彼は身元がバレて政府に軟禁される。
二転三転するストーリーと,一流ダンサーによるバレエシーンが見物です。それらに興味があれば。
サスペンス映画。ちょっと心霊現象あり。なかなか怖くていいです。批判もあるみたいだけど,スタンダードでいいんじゃないでしょうか?
娘が大学の寮に行って,夫婦の二人生活がまた始まった。しかし家の中で奇妙なことが起こり始め,妻は霊が何かを訴えようとしていると思い始める。ちらつくのは女の姿。
どんな意味なんだろうと辞書で調べてみたら「What Lies Beneath = すぐ下に位置するもの」だそうです。けなした意見が多かったのであまり期待せずに観たのがよかったのかもしれません。確かに画期的なサスペンスを期待したら裏切られるかもしれないです。
火薬の量など,派手さにおいてかなり頑張っている。見事なもんです。出尽くしたのかもしれないけど,新しいアクションのアイディアというものは少ないです。あと,ちょっと残酷。
香港警察のチャン警部は警官を娯楽で殺す犯罪集団を逮捕しようとアジトに乗り込むが,返り討ちに遭って部下を死なせてしまう。無気力になった彼に再起を呼びかける男が現れる。
派手だけどある意味,いつも通りのジャッキー映画です。あと年齢による衰えは隠せません。快楽殺人とかネット犯罪とか,現代風の味つけがあります。
音楽と映像がうまい。ストーリーは何てことないのにぼーっと見るのにいい音楽と映像。賛否両論あるだろうけど邦題もうまいね。
腕のいいシェフのマーサは内向的で何かあると厨房の冷蔵庫にこもり,カウンセリングも受けている。ある日,姉の子供を引き取ることになり,職場にもイタリア人のシェフがやってきた。
だいたい上の説明でどんな話か想像できると思います。ベタだけど妙に飽きない映画でした。
ストーリーはまあまあ楽しめる。映像的には金はかかってるが,普通。想像を超えるものではない。
犯罪予防局が予知能力者を使って犯罪を未然に防いでいる近未来。予防局に勤めるジョンは自分の殺人を予知され,陰謀を感じて逃走する。
近未来の技術があちこちに出てくる。けど,ストーリーとは関係がない。この映画,実際,予知能力者による犯罪予防局というものが存在すれば,現代を舞台にしても構わないのである。技術的な描写に凝っているとはいえ,そこに凝ったからといって映画の印象が変わるわけではないと思う。
主人公の部屋が豪華なんだけど,そこにも白けるものを感じる。主人公がその職業からいっても高収入であり,上流階級の人間であることは分かる。この映画に出てくる新技術のほとんどは,公務に就いている者か,一定の収入層以上のものでないと利用することはできませんよというメッセージのようにも思える。これでは未来は暗い。どんなに技術があっても暗い。前述のように,この映画に積極的にSF要素を取り入れる必要があったのか疑問を感じる。原作がSF小説だからといっても,近未来を舞台にする必要はないだろう。
この映画に出てくる予知能力者のヒロイン,サマンサ・モートンがいい。中性的で,はかなげな色気が僕のツボにはまった。このヒロインを観れただけでも僕は満足だが,普通の人にはやはり物足りないのではないかと思う。
恋愛にまつわる群像劇。見ていて混乱するかと思ったけど,上手にエピソードが描き分けられているのでちゃんと理解できる。この手腕は見事。そしてそれぞれのエピソードがそれぞれ見応えある。面白かった。
十一人のそれぞれの恋愛の物語。
群像劇が最後につながるんだけどそれがまたいいです。恋愛映画としてこれはお勧め。
感動作っぽいのはなんでも「マイ」を付けるのやめて欲しいなあ。原題は「ビューティフル・ジョー」。コメディ。脚本がうまい。
検査で脳腫瘍が発覚した花屋のジョーは,帰宅してみると妻に「あなたは退屈だ」と言われて離婚する。義理の父は,「娘はアバズレだったが,お前のような息子が持ててよかった」と言い,気晴らしを勧める。二ヶ月以内に手術しなくてはならないのだが,決断を先送りして彼は気晴らしを始める。そして競馬場でギャンブル好きの一人の女性と出会う。
偶然をうまく組み合わせたコメディ。出会った女性がチンピラから借金していて,そのトラブルに巻き込まれるんだけど,業界で有名な殺し屋「ビューティフル・ジョー」と勘違いされて,展開が奇妙な成り行きを見せます。面白い。
って,まあ,例によってシャロン・ストーン目当てで見たんだけど,あいかわらず綺麗でした。撮影当時で42歳。うーむ。役どころとしては自分のことが分かっていない,身の丈に合わない野心を持っている馬鹿女で,見ていて嫌になるんですが,最後は綺麗に終わります。この監督は脚本家として有名な人らしいです。確かに観ていてうまい脚本だなと思いました。
悪くない感動作。少年が変わり者達の間で成長していく。
ギルバート・グレイプとどっちがいい映画かというのは微妙な勝負。少年ものには基本的に弱い。だけど,まあ,こっちに軍配を挙げよう。
出てくる人間がみんないい人というか,拒絶のない優しいおとぎ話である。
クリスピーナ役のアイリーン・ウォルシュの演技が特筆もの。
キリストによって改心した娼婦マグダラのマリアに因んで名付けられたマグダレン修道院。性的に“堕落した”女性たちを矯正させる目的で運営され、閉鎖される1996年までに延べ3万人もの少女が経験したとされる過酷な実態を綴った衝撃の真実の物語。俳優ピーター・ミュランの監督第2作目。2002年ヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞。
1964年、アイルランド、ダブリン。マグダレン修道院に、時を同じくして3人の少女が収容される。孤児バーナデットはその美しさで周囲の少年たちの目を惹きつけてしまうことが、マーガレットは従兄弟にレイプされたことが、そしてローズは未婚のまま赤ん坊を産んだことがそれぞれ“罪”とされたのだった。彼女たちは、修道院を管理する修道女たちに性悪女と決めつけられ、祈りと労働によって神に奉仕し“罪”を悔い改めるよう言われるのだった。しかしそこで彼女たちを待っていたのは、過酷な労働と自由の一切ない刑務所以上に非人間的な環境だった。
評価は高い。けど,僕の評価はそれほど高くない。「これって映画かな?」と思ったからだ。事実は述べられている。各個人のエピソードもないわけじゃない。けど,不条理な修道院生活について告発するということに目的が置かれて,映画として物語を上手に語るという点への配慮がないのではないかと思った。ようするに映画ではなく,映画っぽく作ったドキュメンタリーという感じなのだ。
セックスの知識のない女吸血鬼が,両親の決めた結婚に反発して家出する。家出先の都会でのアホな出来事と恋の行方と,彼女を追ってやってきたアホな男吸血鬼の出来事。
B級ホラーコメディ。悪くはないです。きちんと笑えます。これだけ面白ければ損したとは思いません。ちょっとなんかエピソードがバラバラすぎると思うけど。
魔女の掟に従い,13歳になって町に出て一人暮らしを始める少女の物語。
弟が最後にせめてジジの声を聞きたかったと言っていました。最後になってももうジジの声は聞こえないというのが,何か「赤毛のアン」に通じる寂しさを感じさせますね。喪失と成長は分離できないのでしょう。
肉体を使い,ワイヤーアクションやCGを排したジャッキー・チェンの正当な後継アクション。ムエタイを使うので,肘や膝を使いまくります。
村の仏像の首が盗まれた。取り返すために若者の一人が,村の期待を背負ってバンコクへと向かう。
確かにすごい。ジャッキー・チェンの映画より,早回しがない分,上まわっている。
ただ,それでも言うとすれば,それでも観る方はジャッキー・チェンの映画でこの手の映画に慣れてしまっている点だろう。ジャッキー・チェンが,自分の作品の中で,少しずつ過激なスタントに挑戦していったことに対して,この映画はそのまんま延長線上にあるに過ぎない。ようするに,「ジャッキー,最近ぬるいな,もっと過激な奴ないかな?」という,「もっと」の欲求に応えるだけの力しかないように思う。そうでなければジャッキーの映画を知らない世代に対してか。頑張ってる出演者のみなさんには悪いんだけど,なんだか見慣れている物を見ているような気分になってしまった。一度も見たことがないのにね。
注目するとしたら,一度も見たことがない点だろう。肘や膝を使った攻撃はムエタイならでは。痛そうです。
あと,村を出てバンコクに毒された若者というキャラクターたちは,ホントにどうしようもなく描写されていて,監督の意図通りにムカついてしまいます。都会はおっかないところだ(冗談です)。
(2004年8月21日)ようするに惜しいのだ。これだけのアクション,これだけの準備をしたのだ。脚本にももう一つアイディアや時間を費やしてもよかったんじゃないかと思う。同じアクションを見せつつ,ストーリーにも面白さを盛り込むことは充分に可能だったのに。
この素材だったらもっと面白くできたんじゃないの?という気持ちから少し辛め。
現実に妙な違和感を感じる主人公は,あるとき,真の現実に目ざめる。今までの現実は機械が見せていたマトリックスと呼ばれる夢であり,現実は培養液の中で一生を過ごす機械生物の奴隷であった。彼を目ざめさせ引き入れた,同じくマトリックスから目ざめた仲間たちと共に,主人公はマトリックスと現実世界で革命のための地下活動を始める。
どうもあの新鮮な映像と呼ばれるものが,微妙に映画の中で必然性を欠いていて冷めてしまいます。久しぶりにギーガーデザインの異形の怪物を見ることができてちょっと嬉しい。機械も進化すると生物と区別がつかなくなるんだろうなと思います。
面白いか? これ。あんまり面白くないよね? 世界中でヒットしたマトリックスの続編。
予言者の予言通り覚醒したネオ。予言を信じるモーフィアスは,予言に従って,ザイオンを救い人間の世界を取り戻すために戦う。ネオはシステムのソースにアクセスするためにキーメーカーに会い,ソースへアクセスする。そこで予言された救世主の意味を知る。
面白くない原因はアクションに必然性がないからだと思う。ジャッキー・チェンの映画でも感じたことなんだけど,殴り合いのアクションでは何発入れれば相手は起き上がってこないのか,体力ゲージでも画面につけておいて欲しいものである。どうせまた起き上がってくるんだと思うと一発一発のパンチがとても軽く感じられるし,どうせ主人公が勝つんだと思っているとドキドキもしないのだ。勝つと分かっている勝負のシーンでは長引かせないで欲しい。とくにキーメーカーを連れ去る一連のアクションは,誰が死ぬわけでも怪我をするわけでもないので,「無事にキーメーカーを仲間に入れました」で済んでしまう。
もちろん,必然性のないアクションを「映像」という技を使って見せている。「映像」があるから早送りして観るという人は少ないだろう。けど,いずれこの映像に慣れてしまった数年後に,それでもこの映画を観て興奮できるかというと,そんなことはないように思う。二度目三度目にはアクションシーンは早送りされ,見向きもされないのではないか?
ひどいものにはなっていないのだけど,あんまり面白くないなあというのが正直な感想。
マトリックス内のアクションよりも,現実世界のアクションを増やして欲しいですね。本当の敵はマトリックスにはいませんから。ほとんど圧倒的ともいえる機械の迫力が素晴らしいです。禍々しくて,こっちと戦う方がよっぽどぞくぞくします。マトリックス内の戦いと違って,勝てるかどうか分かりませんから。
キーワードやキーパーソンがあちこちに出てきて,ストーリーは伏線を張るのみ。
あと,全然関係ない映画の感想。機械の反乱は将来的には絶対に起こるという意見を聞いたことがあるし,僕もそう思います。もちろん何年も先の話だけど。生物の定義とかは置いておいて,進化というのは過酷な状況下に追い込まれた弱い種によって起こるもので,頂点にいる種に起こるものではありません。そして,現在,機械というのはもっとも過酷な状況下に追い込まれた種だと思います。単純な労働。水も酸素もない環境。そういうものに適応した機械が進化したとき,人間が太刀打ちできるとは思えません。実際,この映画の未来像を見たとき,こんな世界に適応した奴らを支配して,再び頂点に立つというのは不可能だろうなと思いました。
機械の反乱が必然的だというのは,SFが予言したものはその方向に向かって未来が進むという仮説があるからである。ようするにアイディアを実現していくとそのとおりになってしまうという意味。
ヒロインと主人公のキャラ付けが見事で,始まってすぐに立つ感じ。古い映画だという贔屓目があるので(今,これをやったら,「ワンパターンな人物造詣だ」と感じてしまうだろう)甘くなっているが,序盤,中盤,終盤,それぞれに見せ場があって,とてもいい出来。
流れ者のガンマンが男に絡まれている尼僧を助ける。彼は,彼女の情報を得て,メキシコの革命に乗じて一攫千金を狙う。
悪くなかったです。シャリー・マクレーンが美人。
わけわからん。女優を撮るのが変にうまい。
あらすじはデヴィッド・リンチなので省略。あるようでないようなストーリーです。
なんていうか,「とりあえず観た」という感じ。
普通の映画。日本では普通の映画って少ないので貴重だと思う。物語の嘘を受け入れられないと,評価はやや低くなるのではないかと思う。ちょっとこの映画に出てくる警察官がね,どうなんだろうと俺は観てて思ってしまったのさ。後半は気にならなくなったけど。
札幌郊外の新興住宅地。ヒロインは鈴木一家の一人娘、希。17才の女子高生です。教頭昇格間近の父親はなんと希と同じ高校の教師。専業主婦の母。会話も食卓の風景すらなくなった希の家庭は静かに崩壊しつつありました。希は塾に通っていると両親に嘘をついて、女子高生専門のコンパニオンクラブでアルバイトしています。いわゆる援助交際ではなく、一緒にご飯を食べ、カラオケにつきあって話をいっしょにするだけです。希には佐藤というなじみの客がいます。必ず最終の電車で家に帰る希の日課は、自分のホームページを作ること。自分の理想の家族像をつづった架空の家族にもかかわらず・・・。
勤勉実直を絵に描いたような交番巡査の小林。まじめが過ぎて、どこか人とかかわるのがずれてしまう。でも正義感は人一倍です。万年巡査長の村田、上昇志向は強いくせに、どこか投げやりな吉岡という2人の先輩警察官と交番勤務をしています。村田にはしょっちゅう交番に手作り弁当を持ってくる押し掛け恋人気取りのの元オペラ歌手の美恵子がいます。吉岡は警察官にあるまじきことに(?)自殺願望のある謎の女、早紀と交際を続けています。
希が奇妙なアルバイトをしているコンパニオンクラブで働いている同じ女子高生たちもくせ者ぞろいです。ジャンクフード愛好家で、コンソメ味のチップスに異常にこだわる梨絵。一回に何個もプリンを食べる程のプリン中毒なのに食べると吐いてしまう指に吐きダコのある真里・・・。みんな自分のやりたいこと、自分の居場所が見つからないのです。その元締めを自称している純は、やくざな商売をやっている堕落した自分に何となく納得してしまっています。
そんなある日、夫の行為を知って激怒した佐藤の妻がコンパニオンクラブに乱入して刃傷沙汰を起こしてしまします。この事件をきっかけにクラブは摘発され、希たちは自分たちの居場所を失ってしまいます。また希は家宅捜索の最中に小林巡査と"知り合う"ことになるのでした。
そんな折、女子高生達の間で"夢のマンホール"の噂が広まっていました。希はその噂に強いデジャヴを感じるのでした。それは幼い日、家族が家族であった頃の記憶に似ていたからかも知れません。そして、ひょんなことから希と小林巡査はその"夢のマンホール"を探しに行くのです。決して信じているわけではない。でも、どこかでそんな場所があればと心のどこかで願いながら・・・。
面白いわけじゃないのでわざわざ観るほどのことはないでしょう。北海道の地方映画という趣と,崩壊しない安定したストーリーに私は少し心が休まりました。
最近観た日本映画がほとんどクズだったからねえ。
面白い。もうちょっと盛り上がれば星が四つついたのに。惜しい! 映画制作の裏側をシリアスにコミカルに見せてくれる映画。
映画プロデューサーと脚本家と有名脚本家の息子の三人が,出資者を探して映画制作をスタートさせようと奔走する。出資者は自分の女を映画に出させようといちいち口を挟んでくる。
出資者もたまらん連中なんだけど,プロデューサーが口先で金を出させようとするその騙しが面白い。実際,映画制作では詐欺まがいのことをして金を引っ張ってくるプロデューサーの話をよく聞きます。後半になって,映画化がもっと真面目なテーマだったりすることが分かってくるんだけど,そんな思惑はどこかにいったまま口先だけの歯車はぐるぐる回る。最初に書いたけど,これでクライマックスがもっと盛り上がればもっと面白かったのになあ。
映像に凝ったSF映画。ストーリーそのものに斬新さはない。映像は楽しめる。ジャンルとしてはSF,ファンタジー要素が強いかな?
火星基地の通信が途絶えたので救助に向かった隊員が,巨大な遺跡を発見する。
映像はやや安っぽい。最後の方の火星の歴史描写はよかった。間延びしたシーンはすこしじれったい。総合的に無理に観ることはないな。
宮崎駿って一般にとなりのトトロからだんだん駄目になっていったという評価です。評判が盛り返すのは「もののけ姫」と「千と千尋の神隠し」からでしょう。この映画もそんな「最近の宮崎駿って駄目なんだよな」という空気の中で上映され,そのまま消えていった印象があります。けど僕はこの映画がとても好きです。本当の初恋と,本当のハッピーエンドがここにあると思います。ラストシーンなんか思わず照れてしまいます。このラストシーンにやられたといっても過言ではありません。
追記(2006年3月25日)久しぶりにテレビ放送を観ました。やはり素晴らしいです。あと,この映画の背景は天下一品ですね。
悪くはなかったが期待したほどではなかった。
1972年のミュンヘンオリンピックでの,パレスチナゲリラによるアスリート殺害事件に対するイスラエルの報復活動についての映画。
ノンフィクションということだが,俺の心には響かなかった。
訴えていることも分かる。内容も理解できる。だけど,パレスチナ問題のドキュメンタリーを見ているときの憂鬱な気分より印象が劣っていると思う。
つまり,この事件のあとも彼らは30年以上も殺し合いを続けており,おそらくこの先30年,100年は殺し合いを続けるってことが,まわりの人間には分かってしまっているのだ。私はパレスチナ問題には悲観的な見方をしていて(しかも合理的な観点から鼻で笑っている部分もある),今さらこんな映画を撮っても何も変わらないという気がしているのである。
だから,この映画について思うところが少ない。差別や偏見なら我が身に置き換えて理解することができる。だけど,パレスチナ問題が差別や偏見といった人間が持っている醜い部分に端を発しているかというと,そういう部分もないことはないんだろうけど,宗教的な感じがして我が身に置き換えられないのである。彼らの信じる宗教が命をかけるに値するほどこだわるようなことかと思ってしまう。宗教問題に見えるから,それがくだらないものだと感じてしまうのだ。
映画技巧としての細部に注目して語ることもできるけど,この映画で大事なのはテーマだと思うから,テーマについての感想を書かせていただいた。自分の政治的意見になってしまって恐縮である。
テレビシリーズを映画化。切り貼りして映画にしたもの。
話によるとテレビだけだと赤字だから映画を作ったとか。観ると本当に「なんだこりゃ?」という世界におてけぼりにされます。テレビシリーズを見ましょう。俺は絶対DVDを買うぞ。テレビシリーズは傑作です。
ほとんど完璧な映画。エンドロールが始まってから,さめざめと涙が出てきた。やられたー。
フランキーはボクシングジムのオーナー。ボクサーには「自分を守れ」と言い聞かせ,怪我をさせないことを成績よりも優先させるトレーナーだった。彼は,現在はジムに住み込みで働いているスクラップというボクサーを失明させたことに責任を感じていた。ある日,フランキーの元に女が現れて,私のトレーナーになって欲しいと頼み込んでくる。
倒れている相手を殴ったりしたらその場で失格だろうと思う。そこだけ妙にリアリティがない。対戦相手は全員本物の女性プロボクサーだそうだ。こんなプロレスみたいな悪役をやるのはいやだったんじゃないかと思う。
女性ボクサーを演じたヒラリー・スワンクと,スクラップを演じたモーガン・フリーマンがアカデミー賞を受賞。クリント・イーストウッドは監督賞を受賞です。さらに作品賞も受賞。これは納得の出来。
オスカーを獲った二人は素晴らしいです。ヒラリー・スワンクはボーイズ・ドント・クライでもすごいと思ったけど(作品そのものは大したことない),この映画でも見事な存在感を出しています。笑顔がいい。女性ボクシングものではガールファイトがあって,あちらのミシェル・ロドリゲスもよかったけど,スワンクもかなりいい。女性ボクシング物としてくくることも可能だけど,「ミリオンダラー・ベイビー」のほうはボクシングの物語というだけではないです。
「ラヂオの時間」に続く三谷幸喜監督作品第二弾。その辺の日本映画よりはよっぽど面白いが,盛り上がりに欠ける。どうしても期待を越えるものを期待してしまうので,三谷幸喜には頑張って欲しい。
新婚夫婦が一戸建を建てようとする。関係者が勝手なことを言ってその工事は難航する。
三谷幸喜はシチュエーションコメディを書く脚本家で,状況があっちにいったりこっちにいったりするストーリーを得意としている。今回はそれが充分に練れていない感じ。
何度もいうけど,変な芸能人が出演している変な日本映画よりはよっぽど面白いけどね。うーん,なんか物足りなさのようなものを感じるんだよなぁ。
売れない脚本家とナイトクラブの高級娼婦の恋の物語。ミュージカル。長くてダルい。
全体に濃いです。疲れます。けど,それはいいです。有名な曲だけ使っているのでミュージカルとしてもまあまあ楽しめます。とにかくせわしなく,極彩色です。
ただ,別れる別れないの話になってからの展開が急にダルくなります。観ている方としては分かっているので,多少の焦らしは楽しめても過剰な焦らしは「早く話を進めろよ」って気分になります。30分削る勇気が監督になかったせいで,なんだか時間を損した気分にさせられます。最初の1時間だけなら確かに面白いんだけどねえ。
タイトルほど息子の部屋が重要なわけでもない。悪くない映画だとは思うが,同じテーマでもっとよい作品があるように思う。この地味な感じが玄人好みなんでしょうか?
小さな悩みはあっても普通に生活を送る家族四人。長男が事故死し,家族の歯車が少し狂う。
タイトルでイン・ザ・ベッドルームと同じような話かなと思って観てみた。似たような話だった。あっちの方が好きだけど。
こっちは事件性がほとんどなく,淡々とした日常だけがある感じです。積極的に,「感動するぞ」と気合を入れると期待はずれになると思うので,ゆるーく観た方がいいです。ま,わざわざ観なくてもいい気はするけどさ。
ダルデンヌ兄弟の映画を間は空けたけど三連続で見たせいか,これを観る頃には飽きが来ていた。それを考慮しても,このきっついカメラワークは観るほうに余計なストレスを与えると思う。「ある子供」も同じカメラワークだったら俺は観ないな。映画鑑賞以前に気分が悪くなる。
映像が気持ち悪かったので話が頭に入りません。一応,他人の罪を許す話。けど,ほとんどが無駄なシーンで構成されている。
ごめん。まともに評価できないや。映画の本筋と関係ないところで疲れる。っていうか,そもそも無駄なシーンばっかりで,退屈だとあえて言いきっちゃうぜ,俺は。
原題「MONEY」。どうしてそれがこんな邦題になるのか? ストーリー展開が早く,「とにかく原作を映画にしました」という感じになっている。情緒もへったくれもない。ストーリー展開が早いのは私の好みではあるけど,これはなんか違う。展開の早さを買って三つにしたけど,二つで充分かもしれない。
金持ちの放蕩息子が海外に追放されるが,父の遺産が詐欺に遭って横領されたことを知り,首謀者たちに復讐を開始する。
悪い意味で,「こんな映画の作り方があったのか」という出来。支離滅裂とか不条理というならまだB級映画にありがちだけど,破綻していない普通のストーリーを淡々と語って,観ている方は(理由は説明できないが)夢中になれないというのは珍しい。誰かが,「この話はあんまり面白くないんだけど」と前置きをしてから,長い話を一気にまくし立てているような感じ。作り手から,「どうです? 面白いでしょう?」みたいに迫ってくる感じがまるでない。
こういう作品も嫌いじゃないよ。ってことでネットで感想を読んだら,みんな同じようなことを感じているようでした。
小説「ダロウェイ夫人」に関係する三人の女性の一日。
大衆ウケしない文学作品という雰囲気だけを装っている,実際には大したことない映画,というのが私の感想。けど,中身なんかどうでもいいから少し小難しい映画で頭を使いたいなあという需要にはマッチすると思う。私はこういう無意味に複雑にして中身にこだわってないものも嫌いじゃないです。で,ネットで調べてみたらこれでもかというほど賞を獲ったりノミネートされたりしている。「賞」っていうのはよく分からんな。分かりにくいってだけで評論家は喜ぶのか?
面白いのが,詩人のリチャードですね。「買い物をするだけで五十ページだ」と表される難解な作品を発表しているという彼の作品についてのコメントが,この映画そのもののメタフィクションの構造を作っている(けど,作品中に自分の作品(この映画そのもののこと)を「難解」と言っちゃうところが,ずるい。難解にするつもりで難解にしていますという確信犯の犯行声明にしちゃってるもんなあ)。
小説的には,自殺や暴力(殺人含む)などをクライマックスに持ってくるのは安易な手法として,作家の間では暗黙の了解があるのだけど,この作品は最初から,「その安易な手法を使いますよ」と宣言して,安直な終わり方に対する言い訳を構築していくことを物語の軸にしちゃってる。これはうまい。
何度も言うけど,ここまで技巧的にしてしまっているので,話の内容は凡庸。これでストーリーも先が読めない展開だったら誰もついてこれない大傑作になっただろうけど,この作品はその辺はただのパズルとして作られています。ま,それでいいんだろうな。
分かりにくいのでおすすめはしません。
短期記憶を失った男が,それでも妻を殺した男を探すため,写真とメモを頼りに復讐を果たす。
奇抜な脚本,意外性,これはヒットした理由が分かります。ただ,ちゃんと集中して観れば何度も繰り返して観る必要はないはず。
なんといってもストーリーが本当に逆順になっているのがすごい。主人公の行動を,少しずつさかのぼって細切れに見せていきます。一発物のアイディアといえばそうなんだけど。
観おわった後,こっちの記憶もおかしくなり,現実感が薄くなるのがすごい収穫。
キャメロン・ディアスがその魅力を爆発させた下ネタありのコメディ映画。
高校のとき,デートで失敗した男が,彼女のことが忘れられなくて13年後に探偵を雇って彼女のことを調べる。だがその探偵も彼女のことが好きになってしまう。
まー,鼻で笑われるかもしれないけど,ダメ男が素敵な女の人とくっつくという話はやっぱり好きである。まんまと騙されてるかもしれないけど,これも一つのファンタジーなのだ。
コメディ映画としての質はそれほど高くないと思う。声を出して笑ったシーンは僕の場合は一つだけである。お約束だから書いてもいいと判断して書くけど,最後の方の「忘れ物」ってところである。ああいうお約束は好きだ。下ネタの方は別に声に出して笑うほどではないような。
じゃあ何かというと,結局,ラブコメとしてのストーリーを楽しんだ感じである。明るい恋愛映画で,いい夢見せてもらったと思った。
ノリが軽い。すごいものを期待してはいけない。90分を切る時間でこれだけ楽しめれば充分。ロザリオ・ドーソン(Rosario Dawson)がかわいい。最近,こういう顔の女の人にめっきり弱いな。
エージェントKが私情で宇宙人から預かり地球に隠したものを奪いに別の宇宙人がやってくる。エージェントJは一度消去した彼の記憶を復活させ,隠したものを探し出し,宇宙人も撃退する。
前回との違いはないです。期待した程度に面白いものがきちんと提供されています。あとは前作が気に入ってるかどうかっていうことが一つの試金石になるでしょう。僕は期待通りで不満なしです。
バスの前で抱きつくシーンの演技は駄目。だがそれ以外は良い映画。
アカリには彼氏がいるが,妻子持ちの男とも付き合っている。妊娠が分かるがどちらの子供か分からない。
辻仁成監督。井川遙主演という,世間的にはヒットしそうにない映画。前評判通り,ヒットはしなかった。だけどなかなかよかった。
辻仁成のドラマや小説を見たことがあるので,見る方としても心の準備ができていた。この作家は地の文とセリフが区別つかないくらいメッセージ性が強い。それをドラマや芝居,そして映画などで語らせると,セリフが小説みたいになってしまう。最初の方を観ながら,「もし自分が役者だったら,このセリフを自分の口で語れと言われるのは辛いなあ」と思ってしまった。役者にしてみれば,「もう少しこれを口にする人間のことも考えてくれ」という感じだろう。だが,この映画の役者達はそれをやってのけている。口にするセリフに照れは見られない(役者として当たり前かもしれないが)。井川遙もそうで,言いづらいというか,気持ちをまるで作らずに口にしているセリフは少ないように思う。これは収穫だった。観る方としては,日本人が「愛」「愛」と連呼するのに,映画を観ているあいだに慣れることができるかで評価が変わってくるだろう。俺は慣れた。
世間的に叩かれてしまうのはしょうがないだろう。ここまで書いておいてなんだが,私は辻仁成のファンなので,ひいきが入っているかもしれない。だが,役者達はそれぞれ魅力的に演技していると思うぞ。
前半,主人公のアシタカが旅に出るところは往年のファンタジー小説を読むようでニヤリとさせられた。映画の中でテーマを持ちあげるのもいいんだけど,やっぱりつまらないという欠点はどうしようもない。何度も観たくもならないし。
ディズニーの3DCGアニメ。最初から最後までとことん面白い。笑わせて,泣かせて,ハラハラさせる。やっぱ映画はこうでなくちゃ。五つ星でもいいかも。
子供の悲鳴をエネルギー源とするモンスターの世界では,子供を怖がらせるのが仕事だ。だが,モンスターたちは本当は子供を恐れている。触れられただけで死ぬといわれている人間の子供を脅かすのは大変な仕事なのだ。そんな子供を怖がらせて,悲鳴のエネルギーをモンスターの世界に供給しているモンスターズ株式会社でもトップの怖がらせ屋,サリーのところに,人間の女の子が迷いこんでくる。
まったく切なく泣かせてくれます。トイ・ストーリー2もよかったけど,こっちもよい。CMで放送されていたあの,たくさんのドアの並んだ倉庫に入るシーンは,やっぱり映画館の大画面で観れてよかったです。DVDが欲しい。これは面白い。
製作総指揮を見ての通り、懐かしいバック・トゥ・ザ・フューチャーのコンビによる子供向けフルCGアニメ。
冴えない学園生活を送るDJの趣味は向かいの偏屈じいさんネバークラッカーを観察することだった。ネバークラッカーの芝生に落ちたおもちゃは飛び出してきた彼に没収され二度と返ってこなかったからだ。ハロウィンを二日後にひかえた日、ネバークラッカーは倒れて入院する。すると無人のはずの彼の家がひとりでに動き出し……。
ホラーっぽい宣伝がされているけど、実際、小さい子供が見たら結構怖いと思います。ホラー描写はうまい。基本に忠実。
ちびっ子が活躍するあらすじは、グーニーズのように実写でやった方がいいんじゃないかと思ったけど、最後まで見てこれがCGで作られた理由を知ることになります。これはCGじゃないと駄目だわ。
イントロの展開がちょっと遅くて、悪くはないんだけど、めちゃくちゃ面白いってところからはやや劣る感じ。
前作「やかまし村の子供たち」を観ずにこちらを鑑賞。前作も録画してあるので早めに観たいと思います。
「やかまし村」の少年少女の日常をつづった映画。田舎の子供の自然の中で暮らすのびのびした姿を見たいという人の欲求を満たす作品。ケチをつけるわけではないが,これを喜んで観るのはおそらく都会の現代人。そんなことを思うと素直に楽しめない。映画の中の少年少女の無邪気さも,大人の理想像の押し付けのような……そんなことを言い出したらこういう映画は楽しめません。しらける感想ですいません。
田舎で暮らす少年少女の春休みから次の春までの一年の物語。
最初の感想できつく書きすぎたけど,ファンタジーとして良質な部類だと思います。観ている間は上記のような突っ込みはほとんど感じません。「田舎はいいな」といった気持ちにさせてくれると思います。
江戸川乱歩の世界(よく知らんけど)を再現した,やたらエロのある倒述ミステリー。
ある安下宿の二階に住む人生に退屈した青年は,下宿に二階があることを知り屋根裏からあちこちを覗いていた。同じ下宿に住む歯医者の男がモルヒネを持っていることを知り,屋根から眠っている彼に盗んだモルヒネを飲ませて自殺に見せかけた完全犯罪を企むが,明智小五郎がそこに不審な点を見つけ出す。
上のストーリーだけだと普通の倒述ミステリーだと思うでしょう。けど,この映画は犯人が覗く下宿人達の生活(というかエロ)が,ミステリーと同じ重さで語られる。江戸川乱歩ってホントに変態だったんだなあと思う。ボカシが多く出てきて白けるが,昭和な感じが出ているのでこれはこれでアリだと思う。
映画は短いです。乱歩の倒錯世界の映像化だと思った方が楽しめます。
おもしろいか? これ。
アンデルセンの童話の映画化。
セリフがほとんどない映画です。俺は苦手でした。感想を書くのも難しいです。
トム・クルーズ製作・主演で送る日本時代劇。「まあ,このくらいのヘンだったら許そうじゃないか」という感じ。映画としては長すぎる。
明治維新直後の日本。政府は軍事力の近代化を図ろうと西洋式の戦術を取り入れることを決断。一方で前時代的な侍たちを根絶させようと企んでいた。そんな中、政府は南北戦争の英雄ネイサン・オールグレン大尉を政府軍指導のため招聘する。彼はさっそく西洋式の武器の使い方などを教え始めるが、勝元盛次率いる侍たちの不穏な動きに焦る政府は、オールグレンの忠告を無視し、急造軍隊を侍掃討に送り出す。しかし、経験不足の兵士は侍たちの反撃になすすべなく後退、ただ一人最後まで闘い続けたオールグレンは侍たちに捕えられ、山深い彼らの村へと連れて行かれるのだった…。
渡辺謙の演技も悪くないですが,僕としては真田広之の方がよかったです。セリフは少なくても迫力がありました。小雪もいい感じに日本女性(外国の時代劇に出てくる典型的なアレ)を演じていたと思います。合戦シーンには迫力があり,そこはスクリーンで見る価値があるんじゃないかと。映画館ではあちこちからすすり泣きが聞こえてきましたが,さすがに僕はそんなことはなかったです。
プラトーンヒットに乗っかったどうでもいい戦争映画。
米伊共同製作とありますが,イタリア映画です。こういう映画をよく作るなあ,イタリアは。
あえてここに載せる必要もない気がするけど,一応,B級映画批評ってことで。
私立探偵が受けた護衛の依頼からアメフト賭博の陰謀に巻き込まれる。
冴えない男をやらせたらブルース・ウィリスの右に出るものはいません。ハードボイルドで粋なセリフ満載のお気に入り映画。ブルース・ウィリスの拳銃の撃ち方が好きな人にもお勧めです。僕は彼の撃ち方がとても好きです。一生懸命で,「当たれこんちくしょう」って感じがよく出てると思いませんか? こんないい顔で拳銃を撃つ役者もそういないと思います。
データ調べて,マリア役のソフィア・ローレンが公開当時(1995年)60歳を越えていたことに驚く。何ですか,この人は。まだまだ全然美人じゃないですか。
映画「ラブリー・オールドメン」の続編で劇場未公開作品。田舎町で釣りをしていた老人たちの日常に部外者がやってくる。それは凄い美人で,湖畔の店を買い取って高級レストランを始めるという。釣りの静かな時間を邪魔されてはかなわないと,老人たちは嫌がらせを始める。
ジャック・レモンの名前があったので録画していました。年寄りが生き生きしているコメディ映画です。安心できる,スタンダードなコメディ。
つまらなくはないが,ドーン・オブ・ザ・デッドの方が好きだ。ジョージ・A・ロメロの他のゾンビシリーズと同じで,「ホラー映画」じゃないんだよな。ぐちゃぐちゃドロドロには違いないけど。
死者がよみがえり生きている人を襲う奇病が世界に蔓延する。生き残った人々はフェンスをめぐらして生活圏を守って生活していた。一部の人間が危険を冒して歩く死者のいるエリアで食料調達活動などをする一方で,支配層との格差も生まれていた。そんな中,感染者の中には狩られるだけでなく学習を始めるものが生まれ始めていた。
グロいので,苦手な人は駄目です。そればかりをばっちり描写するというわけではないですが,食い殺される人の描写は結構そのまんま写されます。
ストーリーは最初に言ったとおり,怖いというわけではないです。先行き不透明ってわけじゃなくて,フェンスをめぐらしてサバイバルすれば絶望的ではないという状況なので,そこまでの怖さはありません。篭城戦の怖さは「いずれは食料が尽きる」という状況がないと怖くないです。
世間的には社会的メッセージの込められた映画と言われているし,ロメロ監督自身もそういうメッセージを意識して撮った,ひとつのメタファーだと答えている。実際,それ以上の映画になっていない感じがするのが残念。
恋人にお金を作って届ける疾走コメディ。テクノがなかなか。
ノリだけでいける映画です。まさに観る物がない時に観ておく一本。
少年がバレエにハマって,その才能を伸ばしていく物語。
ものすごく感動するわけじゃないですが,いくつかのシーンでジーンとしてしまいました。悪くないですよ。
詰め込みすぎだとは思うけど,スパイとか秘密諜報機関の緊張感が楽しめる。シリアスなので単純な娯楽映画とは違う。
しがない劇団女優だった女が,パレスチナとイスラエルのテロ活動にスカウトされ,手伝わされることになる。
志は高いし,ちゃんと作っているとは思うんだけど,頭に入ってこない部分があって,それが残念だった。原作を読んだ方がいいかもしれません。
わはは。何だこりゃ。すげー面白い。笑わせてもらいました。
コメディ映画。サタンを父に持つ三兄弟。父が引退しないと言い出したので兄の二人は地上を地獄にしてそこを支配することにした。二人を連れ戻さないと父が死んでしまう。気弱でへたれな末っ子のニッキーは,初めての地上に恐る恐る顔を出す。
天国最高! 俺も行きてー! こんな天国だったら最高ですな。っていうか,この「天国」,一番分かりやすいパラダイスだぞ。通俗的で素敵!
と,天国に最初に食いついたけど,映画を観ている最中は始終笑ってました。どいつもこいつもキャラがサイコー! あ,けど,アメリカの風俗とかモラルとかを多少知ってないと(何がマナーで何がタブーかを知ってないと)笑えないと思います。この感想を書くために調べてみたら,ラジー賞を獲ってたりして,なんか世間と自分のギャップを感じる。けど,俺は面白かった。もう一回観ようかな?
「太陽がいっぱい」のリメイクだそうですが,そっちの方は未見。放蕩息子を連れ戻してきて欲しいと依頼された平凡な男が,自由奔放なその男に惹かれる。始めは仲のよかった二人だが,やがてその平凡な彼は,特に理由もなく飽きられてしまう。
可もなく不可もなくという内容。
マット・デイモン,なかなかいいけど,ちょっと変。っていうか,ホモのような映画だけど,後半になると別にホモって感じでもなくなって,わけがわからない。ホモならホモでもいいけど,同性に対する嫉妬と表現した方がよかったんじゃないかと思う。少なくともこの映画では。
火災シーン頑張ってますよ。やたらマスクを外すという馬鹿馬鹿しさはあるけど,日本で同じ火災シーンを撮ることはできないってのが分かってるので,韓国がうらやましいです。
消防隊員たちは,凶悪な連続放火犯の犯行に振り回される。
韓国版バックドラフトって評価が一番適切だと思う。最初に書いたけど,火事場に飛び込んでもすぐにマスクを外しちゃうってところが白ける。しかし,顔を出したいって興行側の意図は分かるし,そんなツッコミをしたら日本映画の方がよっぽどひどいのでここはしょうがないかと。
ストーリーも貧弱。けど,見どころは全部で三つある火災シーンの迫力である。これは見事なんじゃないかと思う。無理して観るもんじゃないけど,韓国映画ではこのくらいの火災シーン,爆発シーンの撮影が許可されるってことを知るだけでも個人的には意味があった。
妙に面白いと聞いて観てみたら確かに妙に面白かった。主人公が馬鹿強いのも飾りがなくてよい。
感情を持つことを禁じられた近未来で、感情的行為を取り締まる特別捜査官が自分の感情に目覚めていく。銃と格闘技を混ぜた「ガン=カタ」を駆使した戦いが始まる。
ストーリーのアイディアはSFによくあるタイプだ。それよりも、あまりシーンは多くないんだけど、見る人に強烈な印象を残す「ガン=カタ」がよい。
恋愛映画のある意味王道。ベタベタでつまんないと思ってたらよかった。ヒロインがちゃんと魅力的なのがいい。
電車に乗ってるとき,酔っぱらった女が,乗客に説教をしていた。やがてゲロを吐いた女は一緒に乗り合わせた知らない男を「ダーリン」と呼んで倒れてしまった。男が介抱する羽目になったところから関り合いになっていく。
さて,どうなんでしょう? もうあらすじで内容は想像できると思う。強気な彼女がだんだん男に惚れていく様子が出てくるとさらに「萌えー!」だったんだろうけど,この映画では基本的に,男の方がだんだん彼女に惹かれていく様子が描かれています。これもあり。
前半は退屈。結局,舞台劇のように四人になってからの後半が面白い。市川準らしさはほとんどなし。役者はそれぞれいい味を出してます。
竜馬の妻おりょうは,竜馬の死後,冴えない男と再婚していた。だが,貧乏で退屈な生活からか,彼女は竜馬そっくりの愛人がいた。おりょうに,竜馬の妻としてしっかりして欲しい竜馬の知人は,なんとか毅然としてもらおうと説得に訪れる。
鈴木京香がいいです。おりょうとしてすごい色気を出しています。木梨と江口洋介もグッド。もう少し短い映画になってもよかったんじゃないかと思う。演出は完全にコメディです。
やけくそ気味に資料から出演者を全部掲載しましたが,見て分かるとおり全員無名です。スクリームのあとを追う若者向けのホラー映画。
都市伝説をモチーフにした連続殺人事件が起きる。結構びっくりするし,なかなかツボを押さえています。星四つに近いといっていいでしょう。
馬鹿映画。面白いんだけどこれに星を四つつけるとなんか違う。フランス人って忍者の何が好きなんだろう?
あと6週間で出所という囚人モルテスが,看守にナンバーズを頼む。知り合いの看守は妻に頼んだという。それが1600万ユーロに当選する。当選番号が発表されると妻はアフリカに旅立ち,モルテスは脱獄して看守を追う。脱獄を知った彼に恨みを持つギャングも動き出し,警察とギャングと看守の妻と,モルテスと看守のドタバタコンビが騒動を繰り広げる。
馬鹿アクション映画です。見れば分かります。何でこんなくだらないストーリーに派手な映像を組み合わせてるんだろうって感じ。役者がみんなブサイク。主人公以外はおそらくコメディアンなんだと思います。
TAXiより面白い。
意外なほど面白かったジョン・グリシャムの法廷劇。
弁護士志望の青年が,保険未払いの請求訴訟と,遺書作成と,DVの被害者に関わっていく。
原作を読んでみようと思った。ジョン・グリシャムの法廷劇と聞いて,知っている人ならすぐに想像が出来ると思う。そうじゃない人になんて説明していいのか分からないなあ。
話はズレるけど,こういう風に「ジョン・グリシャムの法廷劇」と書いただけで表現できる(他の表現が思いつかなくなる)というのはすごいブランド力だと思う。
話の内容については語る力がないので(世評以上の感想はないです),役者について語ります。マット・デイモンは弁護士役としては適任だと思う。クレア・デインズもよかった。他の役者もいい雰囲気を出していて,全体の雰囲気を形作っていたと思う。……役者について語ってもやはり凡庸だな。
頭のいい子供が悪い大人をやり込めていくというのは童話の王道でありながら,やはり胸のすくものである。とはいえ,この映画では「原作ではもっとカタルシスが大きそう」と思わせるだけで,イマイチ。
幸せに暮らしていた三姉弟妹が,屋敷の火事で両親を失い,財産目当ての後見人に引き取られる。
ジム・キャリーの演技や,ところどころに笑ってしまうところがある。けど,全体的にはコメディ色を強くしているわけではない。冒険風でもない。中途半端。悪くはないんだけど,期待すると駄目なんじゃないかと思う。
主演の三姉弟妹はみんな魅力的でよい子役です。今後が楽しみ。
フランス映画にはよくあるフェチ物。一生かけて女を追い続けた男の物語。
ある男の葬式の参列者は女だけだった。
作品紹介には彼は女性の脚にとり憑かれ、常に脚線美を追い求めた男だった……。
というような文章が掲載され,脚フェチの映画とされているが,観た感じだと脚フェチというより女好きの話である。
フランス映画ってこういう恋愛を完全肯定したようなものが多いなあ。お国柄だと思います。
いい映画だった。素晴らしい。
キャリアウーマンの妻と,主夫業の夫。妻の不倫から家庭が崩壊していく。二人の子供はそんな両親の間で揺れる。
いい脚本である。また,竹中直人の作風にも合っている。役者が持つ雰囲気を切り取って,それを観る者に印象づけるという技術に,竹中直人はすごいセンスがあると思う。
天海祐希がはまり役。まあ好きな役者ではあるんだけど,こういう役が似合うなー。二人の子役も見事。っていうか,まあ,この映画ではどの役者も見事です。安易な決着をつけるのではなく,少しずつ事態を納得させていく各登場人物の心の動きを描写するという展開には好感をもてました。
ファンタジー小説「指輪物語 旅の仲間」の映画化。面白いですが,まだ指輪戦争も始まらないんで欲求不満ではある。
色々面白いです。字幕に出てきませんが,エルフの人は戦闘後,「折れてない矢を拾ってきます」と言っています。
なんかCGの特撮がうっとうしいです。あと,指輪のアップが多すぎます。全体的には飽きずに最後まで見れて面白いんですが。
なんかおざなりな感想ですね。なんか何を言っても観る人は観るし,観ない人は観ないような気がするので,適当になってしまいます。
CGを使った,すごいロングショットからの寄りとか,ありえない空間を一気に動き回るカメラとか(地上から坑道の中にもぐりこんで最下層の人物にアップするなどのシーン)が多くて,それらが不要のような気がします。アクションシーン以外はカメラなんて動かさない方が,メリハリがあっていいと思いました。なんか似たようなショットが多いんですよね。ストーリーは信用できるものなので,不安はないのですが。色々ファンタジーの起源に触れているような気がしていいです。エルフが見事にエルフ。繊細でシャープ。
どうも「指輪物語」とか,あと,「ブレイブ・ハート」とか「ジャンヌ・ダルク」とかを観ると,「ああ,プレートメイルってこんなんなんだ」とか「城塞ってこういう作りなのね」とか,日本人には実はよく分かってない部分が一目瞭然でそれが結構ありがたい。まあそれはそうと,迫力はあるし,クライマックスの防衛戦なんか,ファンタジーの王道(っていうかこれがオリジナルか)的で燃えるし,文句はないです。普通の映画。
ファンタジー小説「指輪物語 二つの塔」の映画化。
最初の字幕のクレジットに戸田奈津子以外に評論社の名前があって笑える。今回は字幕は致命的じゃないと思います。あと,この映画の英語って聞きやすいなーと思った。原作を知ってるせいかもしれないけど字幕も読まずに英語を聞いているときが結構あった。ま,ホントに簡単な会話しかしてないんだけどさ。
それにしても「指輪物語」にタイトル変えてくれんか?
(2003年4月1日)それと,ドワーフが普通の人と同一フレームに入らないのが結構笑えた。人間と喋るときは人間は背中だけで,人間がドワーフと喋るときはドワーフが背中だけ。いくらなんでもしつこい感じで,気がつきますよ。ここまでやられたらドワーフと人間が顔を突き合わせて睨み合うシーンがない方が不自然。
アカデミー賞11部門に輝く,「指輪物語/王の帰還」の映画化。
顔のアップがいやに多い。原作がそうであるのと同様に,山場とそうでないところでギャップがあるなあと思った。このくらい緩急があった方がいいのかもしれないけど,すこし気になりました。星は三つだけど,つまらなくはないです。充分楽しめました。
禁酒法時代を舞台にした子連れ狼。
家族を殺され,生き残ったギャングの父と息子が逃走しつつ復讐を計画する。
父と子の物語。アメリカってこういうの好きね。父親はかくありなんっていう理想像がハッキリしてる。みんなこういう父を目指しましょうっていうコンセンサスがあるんだろうなあ。決してつまらない映画じゃないんだけど,俺としてはパターンが読めてしまうのがちょっとなあ。
これは面白い! お馬鹿な大学生による馬鹿青春ロードムービー。
簡単にあらすじを言いたいんだけど,最初の導入も知らない方がいいと思うのでぼかした言い方をすると,大学生がとあることで1800キロ先の別の大学まで悪友三人と出掛けることになる話。その路上で色々な出会いに遭遇する。
面白かった。笑った。登場人物が変わり者だらけでとてもよい。エロシーンは乳首まで。
映画監督のメディア露出って問題だなと思った。ハリウッド俳優がテレビの仕事はやらないというように,映画監督も人前に姿を出さない方がいいと思った。出すことで映画作品そのものにフィルターがかかってしまうと思った。
日本映画にも割合多いし,フランス映画などにも多い,性と愛の話。
セックスレス夫婦の主婦が,人生相談の対応をしている。ある日,相談したある人物から主婦の元に自慰行為の盗撮写真が送られる。ネガを返して欲しければ言うことを聞けと電話で言われる。
映像や演出,音楽など,やはり非凡なものを感じる。下手をするとピンク映画そのものだけど,心理描写がしっかりしているのできちんとした映画になっていると思う。それに,エロい部分をエロいなーと思うことができた時点で,やっぱりいい映画なんだと思う。
まあ普通な映画。期待しなければ損もしない。こんなもんか?
資源不足から人類移住計画の第一号として参加したロビンソン一家が,トラブルから銀河で迷子になってしまう。
ロビンソン家の次女を演じているLacey Chabert(レイシー・シャベール)がなかなかキュート。かわいいなあと思ってじろじろ見てました。
思い出せば思い出すほど,どこかで似たようなシーンの映画があったなあって思ってしまい,この映画の画期的な特徴みたいなのを表現できません。あえていうならSF宇宙物のくせに家族物ってところなんだろうけど,あんまり人間関係掘り下げてないからな。
ソフィア・コッポラがアカデミー脚本賞を受賞した,東京を舞台にした恋愛映画。褒めるほどよくないが,別に悪くない出来。
CMの撮影で日本に来たアメリカ人と,カメラマンの夫の仕事について来て退屈している人妻がホテルのバーで出会い,やがて言葉を交わしていくようになる。
感想が言いにくい映画だな。まず恋愛映画として。気持ちの交流を丁寧に描いているのはよかった。セックスして不倫の泥沼とかそういう映画ではありません。二人が惹かれ合う理由や,微妙な切なさなど,うまく演技できてるし,よいと思います。アメリカの恋愛映画ではこういう演出が少ないので,その辺はいいですね。ま,こういうのではほかの国の方がうまいですけど。
コメディ部分は面白かったと思います。日本が笑いのネタになってるという点に不快感を覚える人もいるだろうけど,この程度ならまあいいかと思います。
新宿や渋谷をスクリーンで観ると不思議な感じです。不思議なだけだけど。
これは面白い。ハードボイルドミステリー。ストーリーテリングとはまさにこのこと。
現代が舞台。ミステリー。渋い内容。
拾いもんです。騙されたと思って観てみるといいんじゃないでしょうか?
ナスターシャ・キンスキーの名前に惹かれて観たんだけど,ナタリー役のMarianne Denicourt(マリアンヌ・ドニクール)がよかった。いや,この映画,どの役者もおいしいけど。
あと,英語の勉強をしているので英語を聞くように努力しているんだけど,この映画の英語は聞き取りやすかったです。イギリス映画。登場人物が自然に英語とフランス語を使い分けるところが新鮮でした。
一応,オカルトホラーですかね? つまんね。
悪魔が復活しようとしているそうで,それを防ごうって話。山場がないのが致命的です。
カンヌのパルムドールをとったということだけど,それほどでもない。それより,こういうカメラワークに意味があるのか? みにくいだけでは?
酒びたりの母と暮らす少女ロゼッタは,仕事をくびになり,仕事を見つけるために奔走する。
監督のインタビューでテーマが"健気な少女"だったそうだけど,まあ,その通りです。悪くはないです。
最初に書いたとおり,カメラがひたすら登場人物のアップを映すので,気持ち悪くなってしまいました。狙いも分からなくはないのですが,疲れました。
とんでもない数の登場人物すべてにキャラクターを与え,それがパズルのように組み合わさってストーリーが組み立てられ,すごいスピードで進んでいく。
いやー,とても面白いです。油断すると置いてけぼりをくらいますが,とてもシャレてて面白いです。それぞれのシーンは短いのに全然無駄がないところもいいですね。情緒はないのかもしれませんが。
へー。大人のラブロマンスっていうのかな? 意外と悪くなかった。
交通事故が起こる。男が走馬灯のように見る過去。妻子のいる男が,妻や不倫相手との出会いを思い出していく。男はどちらを愛しているのか。やがて答えを見つけ出す。
一応,シャロン・ストーンファンではあるけど,それは脇に置いておいて。この映画で彼女は最低映画賞「ラジー賞」の主演女優賞を取っている。けど,批難されるような演技かなあ? クールビューティというか,こういう妻がいて,不倫する男がいるという物語の中に,きちんと存在していると思う。観ている方が「氷の微笑」のイメージを期待し過ぎていたんだろうな。
終わり方が意外で,「へー,アメリカ映画っぽくない」と思ったら,フランス映画のリメイクでした。なるほど。物語は,やや間延びするところもあるけど,悪くないです。
独白形式の女性映画。古い映画です。
頭はいいが孤独な女性が,老いてしだいに孤独と向き合うようになる。やがて自分の本当の姿に気がつく。
こんなに遠慮のない独白映画は初めて観たように思う。ナレーションって映画での一つの禁じ手だとアダプテーションで言ってたけど,この映画ではそれも使って主人公の女性の内面にどんどん迫っていく。
短いところがいいです。この内容で延々とやられたら辛いところだろうけど,コンパクトにエピソードが語られているのでだれるところがありません。匠の技だな。
回想,空想,夢,そして現実の映像のインサートがうまい。先の展開が読めない。基本的に娯楽映画ではなく感傷的で内省的な映画なので,その手の映画が苦手な人には勧めません。ウディ・アレンがこんな映画を撮ってたとは。
基本的によかったんだけど,詰め込みすぎというか,四谷怪談の知識が曖昧な自分にとっては人間関係がすぐに頭に入らずに戸惑いました。
お岩に婿入りした伊右衛門は,やがて容姿は醜くとも頭のいい彼女に惹かれるようになる。しかし,伊藤の執着が二人に襲いかかる。
キャスティングや映像は文句ないです。ただ,声だけは小さくて,日本映画って奴はホントになんでいつもいつも……。しょうがないのでヘッドホンを使って観ました。
ストーリーは悪くないと思うんだけど,観終わったあと,『これは原作読まないと駄目だな』と感じた一本。
粗削りなんだけど,インパクトは凄い。そういう意味では星四つ。粗削りなんだ。なんだか絞り切れてないんだ。けど,たぶん,多くの人の印象に残り続けるだろうと思う。
目に止まった女を凝視する男。女は,視線に気づいて男を避ける。だが,男は突然彼女の唇を奪い,後日,さらに女を罠にはめる。
どういう映画かという説明が難しい。けど,「こういう感情もあるだろうね」と思わせてしまう力がある。そこを評価すれば高得点。「いくらなんでもそれはちょっと」と思ったら引いちゃうでしょう。ところでキム・ギドク,また登場人物にしゃべらせない作りにしちゃったけど,なんかもう技として身に付けちゃった感じがします。悪いとは言わないけど,頻繁にやられると無芸って感じがする。次はどうだろう?
なんちゅうか、盛り沢山なところがいい。最初から最後までこれでもかとたたみかけるアクションは観ているうちに気持ちよくなってくる。
あらすじ省略。007シリーズの第15作。
007シリーズはボンド役の俳優や今回のボンドガールがどうだというような役者に対するコメントをしないといけない風潮があるけど、別になんとも思わなかったので省略。「こんなのボンドじゃない」というような思い入れがあるわけじゃないからな。
最初に書いたように、テンポのいい展開が好きだ。古い映画のせいで現在のバリバリのアクションと比べると迫力に不満を覚えるかもしれないが、なんでもやろうというシナリオの意欲が買える。
自殺未遂を起こして精神病院に入院した少女が,同じ病院の少女と交友を深めていく。
クライマックスのやりとりが少しベタかなと思います。「言葉で致命的に傷つける」というのはなんだかありがちな手法だと思ったので。
それはともかくこのアンジェリーナ・ジョリーは主役を喰う演技を見せてくれます。アカデミー助演女優賞も取りましたが,アカデミー賞は精神病患者の演技が評価されがちなのでその辺はちょっと個人的には距離を置いてしまいました。
前向きでよい映画だと思います。個人的にはこの映画にもインスピレーションをいくつかいただきました。
傑作に近い。ストーリーは特にないが役者達の演技がすごい。長いが面白い。面白いが長い。
麻薬捜査局に逮捕され,保釈されている主人公が,刑務所に収監されるまでの最後の一日を過ごす。
エドワード・ノートンは冴えない男の役が似合うと思っていたが,この映画ではカッコイイ役をやっている。この映画を観て,エドワード・ノートンってカッコイイじゃないかと見直した。
目立つようなシーンはないが,登場人物二人で喋っているシーンでの緊張感はとてもいいです。それぞれの登場人物が強い印象を残します。
スタンダードな学園ラブコメ。問題なし。気軽に見れるところがよい。
新聞記者ジェシーは社長から高校に潜入し,その記事を書けといわれる。オタクとしていじめられていた記憶が蘇るが,チャンスと思い,彼女は潜入する。
化学部みたいなオタク女性とが,ベタだけど実は美少女で,見ていて,「おー」と思いました。日本ではこういう高校生活は無いだろうなと思います。無くていいけど。なんでいじめっ子が人気者になれるのか,アメリカ人がぜんぜん分からん。
地味だけどそこそこ楽しめた一品。悪くないです。後半の主人公が急に強くなるのは引っかかったけど。
研究所。猿が檻に入れられている。動物愛護団体らしき人間たちがやってきて猿を逃がそうとする。とらわれた研究員が叫ぶ。「治療法がないんだ。凶暴性の,ウイルスの」なんのことだか分からない愛護団体は檻を開ける。それから28日後。事故で昏睡状態に陥っていたある男が病院で目を覚ます。
実はゾンビ物。走るゾンビですが,「ドーン・オブ・ザ・デッド」よりホラー色が薄いのでピントが曖昧です。ジョージ・A・ロメロの「ゾンビ」よりもテンポがいいので面白いけど(信者には悪いけど「ゾンビ」は退屈です),中途半端にホラー映画という枠から逃げ出そうとしたのが間違いだと思う。
期待しなければ楽しめると思う。大体,後半が予想通りなのは引っかかるけど。
ど,ドロドロ。女の愛憎劇なんだけど,ミュージカルの「変」が前面に出てて,ミュージカル嫌いの人から思い切り笑われそうな映画。歌うな踊るな。
一家の主人が背中にナイフを刺されて殺された。大雪で身動きできない状況の中,家にいるのは妻,妻の妹,祖母,夫の妹,長女,次女,メイド,ハウスキーパーの8人。この中に犯人がいる。
ミュージカル部が寒くて,これは星二つだなと思ってたんだけど,話が進むにつれて暴露合戦になってくると,ふっ切れたように楽しめました。もうしょうがねえよ。
男性視点から見ると,「このメイド,美人だー。誰だー?」と思ってたら,(これを書くために調べたら)エマニュエル・ベアールで,顔を覚えられないくせに俺って見るたびにチェックしてるなあと思った。もう40近いのに。ほか,ヴィルジニー・ルドワイヤンとリュディヴィーヌ・サニエもかわいいです。まあ,ロリータ趣味な男には物足りないキャスティングでしょうけど。
思いっきり舞台劇っぽい映画。
事件後のオウム真理教(現アレフ)の状況を撮影したドキュメンタリー映画。前作「A」の続編。
よい。オウムにまつわるもっとプライベートな記録が見れます。五つ星にできないのはボリュームの問題。1999年から2001年までの記録だけど,やはりいつかもっと長い期間をまとめたすごい映画を撮って欲しいと思います。
オウム信者が嫌いになりました。映画は中立を保ってて,マスコミ批判や,人によってはオウムを弁護しているようにも見えるでしょうが,僕はオウムを嫌いになりました。映画に関しては,必見だと思います。もうオウムの知識はこりごりと思っているなら別ですが,まだあの地下鉄サリン事件やオウム真理教というものが分からないと思っているなら,この映画がまた別の判断材料を与えてくれると思います。オウム監視テントの撤去を住民と信者が笑いながら共同で作業したり,右翼がオウムをどうすべきか真面目に考えていたりするのは,この映画でしか知り得ないでしょう。
映画の内容についてはコメントできません。信者が松本サリン事件の被害者河野さんの家に謝罪に行くところがなかなかすごいです。謝罪に来たのかと思えばなんだか信者側は話し合いや説明をやったり,河野さんが「謝罪を求めていない」と言ったら,信者が「河野さんはそうだと思って,こちらも謝罪しなくてもいいかと思ったんですが」などと言い,「けどセレモニーとしての謝罪も必要だと思ってこういう場を用意したんですよ」と河野さんが言うと,オウム信者が別室で謝罪コメントの原稿を書き始めます。
以下,映画を観ての感想。
オウムを嫌いになった理由は,向こうが地に足がついていないと思うからです。オウムの正確なところの教義は分かりませんが,現世だけでなく来世も視野に入れた教義であるのは間違いないようです。そして,地域住民などと普通に話をしていても,彼らは基本的に現世だけで生きようとしておらず,来世を信じ,普通に今を生きている人を馬鹿にしていたりします。うまく言えないですが,「今の仕事は嫌いだ。俺の本当の仕事は別にある。いずれ絶対に転職する。自分にはその才能がある」と言っている人と,一緒に仕事をしているような感じです。そんな奴と一緒に仕事したいと思いませんよね? そういう人に新しい仕事を教えようと思っても,そもそも向こうは何かを覚えてスキルを上げようと思っていません。それで,たとえば,俺は将来ミュージシャンになるとか,女優になるとか,そんなことを言っているわけです。フリーターが「俺には夢がある」と言うのと,少しは似ています。違うのは,彼らにとって普通の生活はすべてバイトであり,夢が叶うというのが既にベクトル違いであることなんですね。
彼らは修行により少しでも徳を積もうとしているわけなんですが,その積んだ徳を周りの人(信者でもなんでも)に還元しようとは思っていません。そんな教義ではないのでしょう。勧誘が徳の還元だと思っているなら,徳というものに実体がないのではないかと思います。
よくも知らずに適当なことを書くなと言われるでしょうが,現世での生活を大事にしていなかったり,信者でない人を馬鹿にしているような人間というのは,やはり気分が悪いものです。さっきの仕事の説明だけど,職場の同僚が,「こんな仕事よくやるね。俺はこんなくだらないこと,一生懸命やりたくないよ」なんて言ってきたらどう思うでしょう? 今回の仕事とは人生なんですが。そんな奴とは一緒に仕事したくないですよね? 僕は,一緒に生きるなら,一生懸命生きている人と生きていきたいと思います。それが普通です。やめようとしたり投げ出そうとしている奴らと,表面的にならともかく,背中を任せられるほど信用して付き合えるかといえば,否に決まっています。
もちろん,オウムも現実での居場所を求めています。けどそれは衣食住の確保としてです。それを確保して修行したいわけです。だから彼らは現実の中の居場所を確保します。その確保の仕方は,自分の権利だけを拡大解釈した,非常にわがままなものに私の目には映りました。
悪くない部類。普通に見られるでしょう。それだけに不満点もちらほら。
事故に遭って下半身付随になった男が合気柔術に出会う。
まずエンディング。「なんでサマ子を見つけ出さないんだ? クライマックスはヤクザにからまれてる彼女を助けるために事務所に乗り込み,合気柔術で全員をブッ飛ばして終わりだろう?」
ひどいのは演武会ですね。おそらくは打撃系格闘技とやりあうことになるんだと見ている方も分かっているけど,なんでここだけリアリティを放棄しちゃうの? 映画全体の雰囲気に対して,ここだけ浮いている。これは完全に監督の責任。自分が撮っているのがどういう映画なのかまるで分かっていない。ここはゲストが,「ホントに戦えるのかよ? うさんくせー」とケチをつけ,「ちょっと二人で戦ってみてください」というのが普通というか,それ以外に戦う理由なんてないと思うんだけど。
褒めるべきは,やはり合気柔術に出会うまでの過程。障害者が自分の状態を受け入れるというのはここまで長い時間がかかるものなんだという部分を,非常に丁寧に描写していると思います。
加藤晴彦は好演だと思う。ただ,練習はしたらしいけど,やはりいまいちですね。師匠もなんかいまいちかも。もっと本格的な先生が登場してもよかっただろうに。
日本映画としては,ガックリくるところもあるけど,大丈夫な部類。世界レベルで100点満点から点を付けると,40点から45点くらいだろうけど。
監督にエンディングと演武会のシーンの意図を聞きたくてしょうがない。どうして?
びみょー。攻殻機動隊もそうだけど,どうも士朗正宗の作品の映像化は難しいな。というか,映像化にあたってまず登場人物の性格を変えるって,それ違うだろ! この作品にも攻殻機動隊にも言ってやりたいんだけど。
あらすじは原作からずいぶん違います。高い戦闘能力をもつ戦闘員デュナン・ナッツは立法院に招かれ,ユートピアオピュンポスに招かれる。オリュンポスでは人造人間バイオロイドについての問題があり,立法院,行政院,オリュンポスの意思決定を行うコンピュータ「ガイア」の意見の対立があった。デュナンは自分が招かれた理由を知る。
なんで登場人物の明るい側面を出さないのかねえ。
まあ,それはともかく,アニメの出来ですが,表情が乏しいです。ちょっといただけません。ストーリーも「アニメでござい」という展開で,原作を期待した人にとっては拍子抜けです。
犯罪サスペンスとして観ると,犯行後の行動があまりにお粗末。ドキュメンタリーというか,事実として受け入れないと駄目。無軌道な若者の生活とエロを撮るのがうまいなと思った。
いじめっ子を殺す少年たちの物語。
ストーリーはノンフィクションなので突っ込まないとして,この監督の裸やセックスを撮るうまさは目を引いた。女の子を脱がすのがうまいんだと思う。変な意味に聞こえるかもしれないけど,そう感じた。
あと,フロリダ州のせいなのかアメリカ全体がそうなのか分からないけど,殺人に対する刑が重いですね。映画の最後で,へー,そういう判決になったんだと思いました。日本ではもっと軽くなると思う。
映像のよさで星一つサービス。実際は2つかなあ。
1966年、ベトナム戦争最中の米空軍・横田基地。基地周辺で相次ぐ不審な自殺の陰に吸血鬼の存在を察知した「組織」は、基地内のアメリカンスクールにひとりの少女を送りこんだ。彼女の名は≪小夜≫(SAYA)。小夜は日本刀を手に吸血鬼たちに闘いを挑んでいくが・・・。ベトナム戦争直前の日本、米空軍・横田基地を舞台に、歴史の陰で続く怪物と人間の死闘を描くアクション・モダンホラー。
短編映画としてはこんなものかなと思いましたが,カットできるシーンも少なくないように思います。この内容ならさらに15分くらい刈り込めるんじゃないでしょうか? 登場人物の演技(アニメだけどここはあえてこう言わせてもらう)もやや不自然に思いました。リアリティを目指すとアニメから感情がなくなるわけではないと思うんだけど,むやみに登場人物が無表情です。これは監督の世界観ということで受け入れてもいいけど。
もっと面白くなると思うんだけどなあ。映像は悪くないです。
どういうわけかいつもつかっているallcinemaにデータが見つからなかった。ほかの映画のサイトにも情報がなく,公式サイトの情報はFlashと画像ばかりで引用するのがめんどくさかったので,DVD情報から転載。なんだか映画業界から黙殺されているような無気味な感じ。……と,思ったら全角で検索したらヒットしました。不便なシステムだな。
前作ほどではない。が,完全につまらないというわけではない。前作を観ずにこちらから観るというのはまったくお勧めできません。
以前と同じような立方体に閉じ込められた何人かの男女。彼らは力を合わせて脱出方法を探す。
脱出の謎解きがよくないです。難解になっているのに解答に衝撃がない。「謎の数字がただの時間ならば,部屋を移動する意味なんてない。実際,前回と違って部屋の移動は,現在いる部屋が危険になったので隣に移るという以上の行為ではない。時間が来るのを待つだけ」
カメラワークも平凡になってしまった。さらに,全体の緊張感も薄い。それでもつまらないとまでいかないのは,密室からの脱出というのが観る人間の心を掴むだけの力があるからだと思う。そうはいってもわざわざ観るほどのものではない。
「日本映画でサイコサスペンス?」と思うかもしれない。ところがこれは本当に怖い。すごく怖い。特に萩原聖人の,人を不安にさせる話術がとても怖い。
手口が同じだが犯人が違う。そして犯人同士につながりのない奇妙な連続殺人事件。捜査線上に一人の男が浮かび上がる。
僕は黒沢清ヤッホーというノリでビデオを借りてきたので,出ているのが役所広司と萩原聖人だとは知りませんでした。どうも萩原聖人って映画で観ると浮いてる感じがするんですが,この映画ではもうホントに見事。なんかこのムカつく感じを見事に演じてます。おんなじ質問を何度も繰り返したり,こっちの話を全く聞いていない部分とかがすごく伝わってきて,観ている方も,「なんだこいつ?」という気持ちになります。その先はとても言えません。
別にあらすじは要らないような……。
田中麗奈は脇役です。駅伝って日本人好きなんですよね。だからクライマックスに駅伝もってこられると嫌でも盛り上がるんですな。
実際の事件をもとにした映画のわりにはフィクション性が高くて興醒め。
囚人役と看守役に無作為に被験者を分けて,与えられた役割で人がどう行動していくかを実験する。実験はやがて暴走していく。
「蝿の王」などに通じる,支配するものとされるものの対立を描いた作品。ただ,心理学の実験のわりには暴走し過ぎで,リアリティに欠ける。監督がスタッフが描きたかったものはそういう暴力の暴走みたいな部分なんだろうなと分かるんだけど,そこに至る過程がイマイチうまくない。やりたいことに技術が追いついてないパターンである。実際の暴力がなくても,口ぶりや態度などで人間が変化していくことを描写していけば,充分に異常性は表現できたんじゃないでしょうか?
恋愛描写もまるで意味不明で,これに頼らなくても見られる物語にしないと駄目だよなと思いました。
最初に見たときはつまんねーと思ったし,今でもつまらないと思う。本当にヒットしたのか? 面白いと言っている人は何を見て面白いと言っているのか,それが分からない。結局,私がすでに原作を読み込んでしまってそれなりに消化してしまっていたから,分かりやすくするために薄っぺらにした脚本が気に入らないのだと思う。
ネットが地球を覆ったが民族や国家が消えるほどには情報化されていない未来。犯罪の目を探し出しそれを除去する攻撃的防衛組織,公安九課,通称攻殻機動隊と,国際的ハッカー人形使いの対決を描く。
単品というか,入門としてはよい。気に入ったら原作や,テレビシリーズのS.A.Cも観るとよい。
イケメンと美人の勝手にやってくれな青春恋愛映画とも言えるし,在日問題を絡めた苛立ち青春映画とも言える。っていうか俺から見ると恋愛映画としてはちょっと……だな。
在日の高校生がふとしたことから少女と出会う。
邦画としては完成度が高いです。微妙な褒め方ですね。映画一般としては,それでも悪くないんじゃないでしょうか? もちろん,少しいけてないところもありますが。具体的に言うと,親父が愚痴を言って,窪塚が「だせえ」というところ。演出が古くて,マジでめちゃくちゃだせえ。
大竹しのぶと山崎努はいいです。大竹しのぶはいくつになってもかわいいなあ。
つまらんです。B級アクション映画なんだけど,その中でも駄目な部類。
あらすじ省略。
「2005年1月に31本映画を観る」という無謀な企画に挑むために消化したような映画。1時間だからと思って観たんだけど……。長くても面白い映画の方が苦痛にはならないという当たり前のことがよく分かった一本。映画が好きで映画観てんだから,嫌いになるようなものをわざわざ観ることはないよな。この映画自体は単にしょぼいアクション映画というだけで,そんなにひどいものではないです。……いや,志の低さという意味でこれもひどいんですけど。
……「しょぼいんだけど最悪ではない」という微妙なニュアンスを書こうと思ったんだけど,失敗したなあ。
世間的な評価は高いです。映像が綺麗なだけのつまらん映画。
10年修行を積んだという剣の達人「無名」は,秦の王(ようするにのちの始皇帝)を討とうとする三人の剣士を倒したという。その褒美として彼は始皇帝から10歩の距離まで近づくことを許される。「無名」は始皇帝にどのように倒したのか聞かせてくれと言われてそれを話し始める。
始皇帝を好意的に解釈しているのは新鮮で面白い。けどね,ホントにこの監督は「初恋のきた道」でも感じたけど,映像だけなんだ。映画を観る面白さが話を聞く楽しさと融合していないんだ。もちろんこの人の芸風って奴を認めることはできる。好きな人が好きっていうのも分かる。ただ,俺とは相性が悪い。おそらく何作撮っても,俺が好きになるような映画は撮らない監督なんだろうなと思う。
角川の古いセンスが爆発したダサいホラー映画。
神戸震災のメンタルケアのボランティアとして参加した由香里は人の心を読む能力があった。彼女はカウンセラーとしての能力を見込まれ,ある少女のケースを紹介される。それは十三番目の人格にISOLAを持つ,人格障害の患者だった。ISOLAは凶暴な性格の持ち主だった。
お勧めしません。古い。とにかく古い。ひどいセンスだ。いまさらこんな演出するなよ。
各監督による短編映画オムニバス。全体の平均点でいうと,水準は低い。
あらすじ省略。
短編映画を作るにも技術が必要だと思うんだけど,撮り慣れているとは言いがたい出来。あんまり面白くない。もしかしたら気に入る短編が一つ,見つかるかもしれないという程度。
掴みは弱く,つまらなそうな印象だけど,進むにつれて引き込まれていく。公開当時によく聞いたけど,この映画の中山美穂はいい。
死んだ恋人の中学の卒業アルバムに載っている住所に手紙を書くと,恋人から返事が来た。やがて奇妙な文通が始まる。
映像にこだわる監督にありがちな「ちょっと不要でかったるいシーン」があちこちにある。観客の立場で観たときにこういうシーンがどういう印象になるか,監督というのはよく分からないようだ。それでも,これはずいぶんよい映画である。
恋愛について,押し付けがましくないので,いい気分にさせてくれます。
一つ星にしようかと思ったけど,踊る大捜査線2と同じ評価というのはあんまりだなと思ったので追加。
あらすじ略。どうしようもないストーリーです。
チャン・イーモウの映画って,俺には退屈そのものなのでこれもつまらないだろうなと思ったんだけど,予想以下のつまらなさでした。
(2005年12月6日)画像はきれいなんだけど,物語を聞く楽しみに著しく劣るのだ。
確かにホラー映画なんだけど,結果としてホラー映画になっちゃったという印象。俺が思うに,監督の最初のアイディアはホラーではなかったのではないかと思う。屈折した悲劇に近い印象。
女の子のメイは,弱視に生まれ,友達を作らないように両親に育てられた。彼女も成長し,やがて人と交流したいと願うようになる。
面白いです。星を四つ付けてもいいくらい。なぜ付けないのかというのは自分でもよく分からないけど,ほんの少しだけ足りないものを感じたからである。この映画のプロットは,他のスプラッタ映画や連続殺人鬼ものと通じるものがある。実際,最初から最後までのあらすじを説明すると,すごく平凡なものに聞こえるのではないかと思う。だけど,観た印象がまるで違う。ホラー映画が被害者側から描かれ,悲鳴を上げる男,女,カップルたちで占められるのに対して,この映画は加害者側から描かれている。だから,誰かと観て一緒にキャーっと叫びたいという欲望を抱くと裏切られることになる。観客は,メイと一緒に,彼女の心を知る。彼女の行動を知る。最後の結果を体験する。アイディアは平凡なのに,新しいものを感じる。
監督は,ホラー映画ありきではなく,女の子の心情ありきでプロットを組み立てたのではないかと思うのである。
迷ったけど,ストーリーを重視する私の映画鑑賞視点から言わせてもらうとこんな点数。映像はいいけど中身はからっぽ。
手塚治虫のMETROPOLISを映画化。ロボットが日常に入り込んでいる巨大都市メトロポリスで,世界征服なんて話が進行しちゃったりするのである。
子供向けSF作品にありがちな,「ガチャ」「ガチャ」「ウィーン」というメカ描写が無駄に多い。さらに,大友克洋が大好きな破壊崩壊のシーンも力が入っている。しかしストーリーそのものは薄っぺらく,人間描写も,ステレオタイプに堕して語るに値しない。漫画のキャラクターのステレオタイプを手塚治虫が作ったのだと言えばそうなんだけど,やっぱりちょっと。
物語については辛い点だけど,映像は綺麗なので,それだけでも楽しめる人は観てもいいかもしれません。ただ,銃を構えたり喋ったりしながら,キャラクターがせわしなく動き回るのは気持ち悪い。普通の人間が動かない場面では,アニメでも動かさなくていいです。ディズニーの真似をしてるのは分かるけど。
黒木瞳の吹き替えがイイ。ややマニアックで,全体を通して子供に分かるのかなという気がした。ほんのちょっとだけね。ま,こちとら大人だからいいんだけど,ピクサー作品を観るときは,子供向けの内容に大人向けのネタをどれだけ仕込んでいるかを意地悪く楽しむという心構えなので,仕込み方の微妙さ加減が今回はそれほど楽しめなかった。いつもの安定感はある。個人的にピクサー作品のランキングを発表すると,上から順に,「トイ・ストーリー2」「モンスターズ・インク」「ファインディング・ニモ」「Mr.インクレディブル」「トイ・ストーリー」(「バグズ・ライフ」は未見)といった感じです。つまり,ピクサーアニメの中では低めの点数。面白いんだから序列を付けるのは間違いかもしれないけど,面白さのレベルを分かってもらいたくて付けました。モンスターズ・インクを期待して,「イマイチ」なんて感想を持つのは避けたいところだ。
スーパーヒーロー達は人々を救っていたが,救助活動に伴う損害賠償請求や訴訟が起き,それはバッシングにまで発展した。政府はスーパーヒーロー保護プログラムを実施し,彼らに別の身分を与えて匿うと共に,以後の救助活動を禁止した。そんなスーパーヒーローの一人,Mr.インクレディブルも,同じヒーローであるイラスティガールと結婚して三人の子供を持ち,保険会社に勤めて平凡な人生を送っていたが,スーパーヒーローとしての彼の能力を必要とする人物からある依頼を受け取る。
感想というのがちょっと書きにくい。感じたことを羅列する。
黒木瞳がいい。敵のメカが子供向けじゃなくて実用的。マント批判が面白い。イラスティガールを酷使し過ぎでは? イラスティガールの尻のデフォルメは最初戸惑うが慣れるとどうってことない。
吹き替えは違和感を感じないレベル。もっと言うと,現実の誰が吹き替えをやってるのか黒木瞳以外は気づきませんでした。で,イラスティガールをやってる黒木瞳がキャラとピッタリ合っていて,見事なキャスティングだと思いました。この吹き替えは必聴。
敵が操るメカは球形に五本の多関節の脚がついたデザインです。これ,非常に実際的な兵器デザインで,こういう兵器を開発するならこういうデザインになるだろうなと思うのですが,子供向けのアニメの兵器としては新鮮でした。子供だったら砲塔とか銃口とかがあちこちから突き出している変態的なデザインの方が喜ぶでしょう。そこをあえて子供受けしない実際的デザインにしたところに感心しました。
コスチュームをデザインしている登場人物が,「ヒーローの衣装にマントは駄目」と力説するところが面白い。その後のシーンで敵のボスがマントをひるがえしているところを見て笑ってしまいました。上のメカデザインといい,実用性を重視する監督だなと思いました。ヒーローがマントをあちこちに引っかけて事故死(?)するシーンは,ギャグっぽく見せているけど,人が怪我するシーンはピクサーとしては珍しい。
イラスティガールの方が活躍してると思う。っていうか大活躍。最強は能力的にも彼女でしょう。
イラスティガールはお尻のサイズが最近気になっているという設定だけど,ホントにデカい。肉体的なそういう部分をきちんと描いているのはよいです。慣れると気にならないしね。
あと,もう一つ。ピクサーには日本のアニメのファンが多く,そんなわけでこの作品も登場人物の目はデカめです。実はアメリカのアニメとしてはこれはとても珍しい。
なかなか面白かった。ハードボイルド刑事ドラマ。
麻薬捜査班の刑事が殺された。二人の刑事が犯人を探す。
オープニングや音楽がカッコイイです。センスがある。話そのものはありがちなのに,見せ方がうまいのでじっと見てしまいます。最後に事件の真相が分かる展開も見事。ざらついて色彩の薄い撮影がまた感心します。
星の数こそ少ないけど,映像的にはものすごい。金のかかったアニメの映像をみたいと思ったら,ジブリか押井守監督作品を観るのが一つの常識ではあるのだけど,ああいうのとはちょっと違って,テレビアニメのアニメをそのまんま金をかけて作るとどうなるかっていうのを観ようと思ったら断然これです。意味が分からないかもしれないけど,観れば分かります。この映像は凄いです。テレビっぽいんだけど,やっぱり劇場版になっている。
海の向こうから争いの無い理想郷を作るという理念を掲げた騎士達が攻め込んでくる。
思想的にも色々と面白いです。大人アニメと違うので子供に分かりやすく描いているけど,勧善懲悪から少しでも外そうとしたところには好感が持てます。
どうも観るほうの自分が原作を意識してしまって,原作と違う点が最初は気になった。しかし慣れてくるとこの映画独自の部分も気に入ってくる。佐竹の暴力性は一見の価値ありかと思うけど,そのほかは普通かな? 一部の演技がわざとらしくてそこで白ける。
深夜の弁当工場で働く主婦たち。ある日,夫の暴力に耐えていた一人が衝動的に殺してしまい,同僚に相談の電話をかけてくる。
原作を見事に加工していると思う。必要な部分に刈り込まれた脚本は悪くない。
繰り返すけど,佐竹を演じた間寛平の存在感が見事。この映画は話が進行するにつれて登場する人間の悪人度が増していくんだけど,この佐竹は,ついに本物を招きよせてしまったという感じがあった。
なんとなくいい。喰うか喰われるかのシビアな世界を感じてしまう。僕はどうしても,自分とは違う世界だと思って観ているんだけど,関わりにならない方がいいような気がします。映画を観て好奇心だけ満足させよう。生き残るのは難しい世界だぜ。
オフィシャルサイトから引用します。
東京の近郊都市から家出してきた真理(17)と敦(20)。真理は小さいときの事故がもとで軽く足を引きずっている。お金も少なくなり、泊まる所もない2人は仕事を捜すがうまく見つからない。そんな時、真理は街中でパー券を売る女の子、可奈に声をかけられる。可奈は自称18歳の女の子。自分の目の前であっという間に数千円を稼ぐ可奈に真理は驚かされる。
一方の敦、生来のナンパ体質があってか仕事探すどころか道でAV女優の美樹に逆ナンパされてホテルへ。美樹のマネージャーの義弥は、撮影をトバす訳にもいかず、急遽代わりの女の子を路上でスカウトしてなんとか現場に間に合わせることができた。仲間うちの情報をもとに敦と一緒の美樹を見つけ、敦をよそのスカウトマンと誤解した義弥は二人を自分が所属するタレント事務所、メモリーにつれていく。ほどなくして誤解が解けると事務所の社長、杉下に誘われてスカウトスポットに向かう敦。仕事を探していた敦にとってスカウトの仕事は自分の体質に合っているように見え、杉下の言われるままにスカウトの世界に足を踏み入れていく。しかしそのことが原因で敦と真理はけんかをしてしまう。
可奈との出会いは真理をまるでジェットコースターに乗っているような日常に引きずり込んでいく。援交でお小遣い稼ぎをする中学や高校の女の子達、自分の娘ほどの女の子たちを買っていくサラリーマンのオヤジたち。それで得たお金を湯水のようにホストクラブ、ショッピングに使う可奈。お金は可奈にとってドラッグのようなもので、使っていないと息が詰まるのだ。同年代の女の子、大人をバカにして自分の才覚で生きるストリート・キッズの可奈。真理はそんな可奈に戸惑いつつも自分のおよび知らない価値観をもつ可奈に引き込まれていく。
敦が入った世界も別世界のようである。スカウトと一口にいってもそう簡単なものではない。女の子に嘘をつかないで彼女らをAVや風俗に導く仕事であるナンパのような気軽さは、声をかけた女の子達の蔑むような反応であっさり吹き飛んでしまう。しかし美樹にマネージャーとして連れられていったAVの現場は学校のサークル活動のような明るさだ。女優たちも自分達の居場所を見つけたかのように活き活きと振る舞っていた。
真理、敦ともにそれぞれの在り処を必死で探しつつも、価値観を揺るがす人々との出会いの中で、お互いを傷つけ、お互いを見失っていく。そして可奈や敦の周りのスカウトマン達に一つの転機が訪れる。それとともに敦と真理の恋の行方もある日唐突にひとつの終わりを迎える・・・・。
ダルい部分は少なく,きちんとストーリーが展開していきます。性風俗に興味がなければ飛ばしてしまう可能性はあるけれど,普通の人にとってはなかなか馴染みのない世界のだと思うので,興味があったら観てみるのもいいかもしれません。そんな世界は自分とはまるで関係ないと思ってると,痛い目をみるかもしれないぜ。あと,別にエッチな映画ではないです。必然的に胸は出てくるけど,セックス描写があるわけではありません。
あと,英語のタイトルって実は邦画の方が多いんだよね。変なの。
サイコサスペンス。途中で展開が分からなくなるところではこれも外れかと思ったけど、綺麗に着地してくれてよかった。無難な作品。
アイドル未麻は事務所の意向もあり女優に転身するが、その直後から関係者が不審な死を遂げる。
イントロがなかなかよい。初監督作品なんだから低予算なんだろうけど、それを感じさせないゴージャスなオープニングである。群衆の中でのパンフォローなんてアニメでは大変なんじゃないだろうか?
アニメでサイコサスペンスをするのはある意味無謀だけど、見るとこれはアニメでしか無理だろうという表現があり、アニメ化も納得である。っていうか、実写だと寒かったろうな、これ。
R指定があるということなんだけど、観て納得。これは指定が付くよなあ。けど、なんかアニメでこういう表現って珍しいので新鮮でした。
うーん。どうでもいい映画。ラストだけちょっと笑った。
猿の惑星のリメイク。宇宙空間での事故の後,ある惑星に不時着した宇宙飛行士は,そこで人間が猿に支配されている光景を見て愕然とする。
これは評価が微妙な作品だなあ。元の映画とはまったく違う,娯楽大作として観ればもちろんそう観ることもできるのである。ただ,元ネタのない娯楽大作として考えたとしても,もっと面白い映画があるんじゃないかと思う。トロイとかハムナプトラ2とか。
二度は観たくない。途中でさえ退屈でした。
ひっでえなあ。努力賞だけあげよう。
銃の使い手で正義の味方(?)ミヤモトの元に未来から来たという少女が現れる。未来では宇宙人との戦争が始まっており,それを防ぐために来たという。ミヤモトは少女に無理矢理手伝わされることになる。
序盤は見ていて辛い。導入が下手な映画というのは駄目ですね。中盤になると慣れてくるのでいいです。しかし最後まで間延びした演出と,ちぐはぐな行動にイライラさせられる。
褒めるところは映像。頑張ってると思います。
その他の部分は全滅か? ストーリーと展開が厳しいなあ。展開と演出は,一時間半にまとめれば評価も上がっただろうに。上がったといっても星三つ。さらにストーリーを変更して星四つですね。要するに惜しいところだらけ。観てもしょうがない。現在の日本のCGと映像効果のレベルを知るにはよいかも。
ストーリーのパクリは僕は大目に見てます。ちょっと新鮮な背景もあるしね。ハリウッドではこういうストーリーにはしないでしょう。それよりも細かい矛盾,「あれはどうした?」「どうしてそんなことするんだ?」「目的は何だ?」といった,シナリオがはっきりさせなくてはいけない問題(監督や演出家や撮影スタッフはその辺には無頓着というか気づかないものらしい)をほったらかしにしている点が気になりました。ラッシュや,本当はもっと前の段階でこういう問題には気づくべきだし,気づいたら修正して辻褄を合わせないといけません。辻褄を合わせる努力を放棄しているのが分かるので,この映画はプロじゃないなと思うのです。
どこかで聞いたような展開や見たことあるシーンなどは,アジアの「ハリウッドを越えた超大作」にはよくあることですよ。日本でも同じってだけ。面白ければいいのに,面白くないからミソがつくんだ。もちろん,パクリじゃない方がなおよいけどね。パクリじゃあそもそも,面白くないし。
初めて観たのはもっと前。今回はテレビ。
フランスが舞台のドタバタコメディ。女優がみんなかわいい。シナリオは辻褄がそんなバカなという感じのストーリー。
コメディでもストーリーはしっかりしていた方がいいと思う。警察が間抜けなのはいいけど,なんかコメディとして守らなくちゃいけない常識も多少壊している気がする。ま,けっこう何も考えずに笑えたりしたけど。
女刑事役のエマ・シェーベルイ(Emma Sjöberg)が好き。僕は背の高い女の人って好きです。
改造タクシーに乗って走り回る腕のいいドライバーの男が,たまたま間抜けな刑事に捕まる。彼は,みんなに認められるため,特に女刑事に認められるために連続銀行強盗犯の逮捕しよう狙っていた。捜査に協力すれば交通違反を見逃してやると持ちかけられ,二人は協力して捜査を開始する。
リュック・ベッソンが波に乗っていたので公開され,また,そこそこヒットもしたという感じ。出来としてはB級アクションコメディって感じかな。B級の割に女優は綺麗じゃんみたいな。
あいかわらず女刑事のエマ・シェーベルイ(Emma Sjöberg)がかわいい。
アホ日本だけど,WASABIに比べれば良心的かな。こっちはまだコメディとして面白いからね。
よく分からないんだけど,この辺の脚本を全部リュック・ベッソンが書いているというなら(まさかクレジットに嘘は書かないだろうけど),リュック・ベッソンは脚本家としての力なんて何もないんじゃないかと思う。よく考えたらリュック・ベッソンの映画ってあんまりシナリオに力がないもんなー。
日本の偉い長官が誘拐されたので,前回のコンビがまた活躍する。
フランスでヒットしたらしいけど,観に行った人はがっかりしただろうなと思います。全然大した映画ではないです。見事なB級コメディ。あ,コメディで分かったけど,ようするにリュック・ベッソンにはギャグセンスがないってことなのかな? けど,サブウェイもコメディじゃないけどだらだら長くてあまりまとまりのある映画じゃなかったし……。
さんざん制作された呪怨のハリウッドリメイク。リメイクなのに清水崇さんがまた監督しているという不思議。けど、あいかわらずよい。フラッシュバックやインサートカットで手っ取り早く事件背景を説明するのはやめて欲しかった。
日本で介護ボランティアをするカレンは、連絡の取れなくなったほかのスタッフの代わりにとある家へと向かう。そこは荒れ放題で、老婆が一人だけ横になっていた。彼女は二階に何者かの気配を感じて階段を登った。
劇場版パンフレットなどで断片的に説明されていた伽椰子の事件がやっと映像として出てくるのですが、これが実に惜しい。短いカットではなく、伽椰子への夫の虐待をじっくりねっとりと、顔をしかめて顔を手で被いながらその指の隙間からついつい見てしまうような、くどい描写を見せて欲しかったと思います。
リメイクですが、単独作品として観ると、説明がつく分だけこっちの方が完成度が高いと思います。
ユーロスペース上映の正しいインディーズ映画。吉川ひなのの可能性を感じてしまった。
拳銃発砲事件が続く中,兄が刑事で,美容師見習いのヒナノは怪しい青年と出会う。つけていくとまさしく彼が事件の犯人だった。
インディーズと知って観ているので退屈はしない。日本映画としては正しい姿である。吉川ひなのって使い方ではいい演技をするのではないだろうか? 説得したり真面目なセリフを語らせたら危なっかしいことこの上ないが,楽しんだり喜んだりする演技は,本当に楽しんでいるようにしか見えない(「天然だろ」とか,まあ,あまり突っ込むなや)。楽しむ演技を上手に伝えるのは難しいと思うので,これは貴重な才能だと思う。
展開は淡々としてる。途中から携帯電話が現れたりするところがとてもおかしい。邦画に慣れた人向け。
見始めてすぐに日本映画によくあるパターンだと思った。構成やシナリオを作り込まずに,撮りたい映像だけを撮るようにカメラを回し,あとで編集で映画っぽくするやり方である。これに限らず作り込まずに撮影に入り,撮りたい映像だけ撮ってしまうという邦画がどれだけ多いことか。と思って最後のスタッフロールを見たら,監督と編集に同じ名前がクレジットされていて,やっぱりと思いました。駄目押しでネットで映画のデータを調べたら,シナリオは用意せず、それぞれの女優には役柄と構成だけを与え、役者自身の内から出てくる自然な演技を引き出す独特の演出法が採られた。
と,予想通りのことが書かれていた。
映画としては意外と悪くない。もちろんストーリーに注目したり,「この映画はどういう話?」と質問してくる人に対しては,なんにも起きないつまらない映画と言って切って捨てていいと思うが,一時間が経過した当たりからだんだん慣れてきて,ぼーっと観れるようになる。というか,ぼーっと観れるかどうかで星三つか星一つか(なんにせよ傑作ではない)分かれる。
映像はどちらかというと汚く,フィルム撮影に慣れてない人なんじゃないかと思う。監督はCFディレクターといっても,撮影は慣れている人みたいだから,これはわざとでしょう。やや光量の少ない映像。
各女優のファンの人は,それぞれの演技や映像はどうなのか気になるだろうけど,俺はあまり気を引かれなかった。あくまで自分の印象だけど,本上まなみは存在感があったなあ。
最後に,どういう話かちょっとだけ話すと,6人の女性の日常生活の話。
地上波編集放送でレビューするのは失礼かもしれない。ストーリーラインはよい。アクション演出がやや単調。本格的な軍事アクションの観点から見るとめちゃくちゃ。
第二次大戦中。そろそろ艦を任せてもらいたい副潜水艦長がいる隊は,ドイツのUボートから暗号通信機エニグマを奪うという司令を下される。
映画「Uボート」に比べるとぬるい。それでも潜水艦独特の,息を潜めて発見されないようにじっとするとか,お約束だけど限界以上の潜航などのシーンでは手に汗握ってしまう。あと,副艦長の成長ものというスパイスも,悪いもんじゃないです。
ただ,潜水艦が本格的に攻撃力を持つのはそれこそ「沈黙の艦隊」とかに出てくる原子力潜水艦からじゃないかと思う。いや,ツッコミはよくないか。そんなに心に残らないなというのが正直なところ。
星一つじゃないのは,まあ,アクションがいいのでサービスしただけ。
クソつまんねー映画。
ストーリーは無いようなもの。
飯田譲治に通じるいい加減さを感じる。B級アクション映画だというのは分かるけど,アクションというのはすべてストーリーありき。その上に乗ってないと,どんなアクションでも白けてしまうのです。まず,アクション映画の基本だけど,勝負(対決)が始まったら,宿命のライバル以外の登場人物同士でない限り,そこで決着をつけなくてはなりません。横から邪魔が入って勝負はおあずけ,みたいなシーンが二回以上出るともう観る方としてはやめてくれって感じなんです。
人間の行動にも一貫性がないし,まったく,見ていて辛い映画でした。絶賛している馬鹿はどこのどいつだ。
ある意味期待通りの馬鹿映画。なんじゃこりゃ?
フランスの刑事が,自分が愛した日本人が死に,いたことも知らない娘の後見人になる。彼女には莫大な遺産が残されていた。
基本的にコメディ。ただし,全然面白くない。寒い監督だなしかし。
あまりの出来の悪さに凶悪な笑いが込み上げて来る。広末は頑張っています。頑張っています。これは現場が大変だったろうなと彼女に同情してしまいました。どこをどう見てもヒロインユミの心情が分かりませんし,おそらく演じている広末にも分からなかったろうと思います。つまりこれはおそらく,「ここで怒って」「ここではしゃいで」程度の演出をされたのではないかと思います。そんな演出で演技をしろと言われる役者の心情には,さすがに同情せずにはいられません。そしてそれでも見事に演じきっている広末にはちょっと感服いたします。俺だったら途中でひねちゃうな。だってクズ映画なんだもん。
僕はしかし映画とは役者の演技を見るものではないと思っていますし,役者なんて存在は見る方に意識させちゃいけないと思います。映画としてみると,本当に突っ込みどころ満載で,話のネタにはなるけど,まるでエロゲーか二流テレビドラマのようなシナリオです。
つまらないというわけではないが,「映画なのか?」という採点基準からいうと,まさに星一つの作品。うーん。
世界中のさまざまな渡り鳥が飛ぶ様子を接写した美しい映像。たまに音楽が流れる。たまにナレーションが入る。
本当に単純に映像の作品。鳥が飛んでいるところをずっと一緒に撮影したシーンは,浮いているような感覚を味わえる。映画館で観ていても,おそらく自分は退屈したであろうことが想像できる。もっと豪快に,「つまらねえよ馬鹿!」と切って捨ててもいいんだけど,つまらないことを承知の上で観るべき作品なので,わざわざそれを言うのも野暮であろう。
大人のアニメにしようとしているのは分かるけど,ちょっと脚本が筋違い。
東京湾に貨物飛行機が墜落した。それから,水中用のレイバーが次々に壊される事件が発生する。捜査本部が作られ,刑事たちが奔走する。
映像はよい。
ストーリーは,ちょっと雰囲気に騙されるけど,凡庸。よくあるストーリーなんじゃないかと,振り返ると気がついてしまう。
同名アメリカンコミックの映画化。
ハル・ベリー好きなんだけどなあ。この映画では脇役で,見せ場もあまりないし,顔のかわいさも強調されてないのでそういう意味では見どころないです。
役者の体の切れがイマイチで,格闘するアクション映画としてはちょっと気合いが入ってないかなあと思います。ストーリーは,まあ,いい感じだなあ。主人公側も「正義の味方」って気合い入れてるわけじゃないのはなかなか好感が持てました。ま,わざわざ観るほどの映画でないのも確かかも。
DVDで鑑賞。映画をDVDで観るのが久しぶりだったせいもあるけど,この映像の綺麗さは凄い。そして特殊能力をこんなに自然に映像化できる時代が来たんだなあと感心する。「ツイスター」で喜んでたのに,今じゃストームがあれをいくつも作り出してるんですよ。
ミュータントによる大統領暗殺未遂事件が起こる。これを機に人類とミュータントの感情的対立が大きくなる。事件の黒幕と共存共栄を望むミュータントたちとの対決。
ストーリーはべたです。映像が凄い。壁をすり抜ける少女とか,いままで漫画でしか映像にできなかったものが自然にできています。テレポーターもカッコイイ。
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